虫歯と腫れの関係性について
歯が痛い、けれど仕事などで時間がとれずなかなか歯医者にいけない。そういうことは多くあると思います。しかし放置したあまり、痛みだけではなく歯茎が腫れてしまったり、激痛でものが噛めなくなってしまうこともあります。そのようなときはどのように対処すればいいのか、一番は歯医者にいくことですが、ホームケアでなにができるかも含めて紹介していきたいと思います。
そもそも虫歯が腫れるのはなぜですか?
むし歯とは、細菌による感染症になります。長く放置することや、何らかの影響で急性的に炎症が強くなっていくことで歯の表面の硬い部分だけでなく、歯の周りの歯茎や、歯の中の柔らかい組織・神経が通っている歯髄などに炎症が広がることがあります。
炎症を起こすと、熱感、発赤、腫脹、疼痛、機能障害といった症状が全てでなくても現れ柔らかい組織などに広がり、歯の周りの組織が腫れたように感じます。
顎の周りが腫れた気がするときは、リンパが抵抗し腫れるのも免疫がむし歯の菌に抵抗している可能性もあります。
虫歯が腫れてしまった時の対処法を教えて下さい
自宅での応急処置
できることいえば、頬や触って熱を持っているところを冷やすと少し痛みが和らぐと思われます。
しかし、歯の中の硬い組織の中でたまっている熱感などをとりきることはできないので、その場しのぎにはなってしまいます。
飲むべき薬
一般のドラックストアで買えるものでいえば、痛み止めです。成分は気にせず一番飲み慣れたもので大丈夫です。もしも、気になるならばパッケージ裏に歯痛と書いてあるものがあるので、そちらをドラックストアの店員さんに確認してもらうことが可能です。
病院にいけば、抗生物質もだしてもらうことが可能です。前記した通り、むし歯も感染症の一つなので抗生物質で細菌を弱めることが可能になりますが、一般のドラックストアでは手に入りません。痛み止めで痛みがなくなっても、感染はどんどん進行していくのでむし歯が広がっていく可能性があります。痛み止めが効かなくなる前に、いける範囲での歯科医院を調べることをお勧めします。
歯科医院でやる処置
もし、痛み止めが効かなくなった状態で来院した場合、本当に炎症が強すぎてしまっている可能性があります。そうなると麻酔も効かないので、治療・処置できません。激痛の中でむし歯の除去などを行うわけにはいかないので、とりあえず抗生物質と痛み止めで少し炎症を抑えて麻酔が効く状態になってからむし歯の治療を行います。
歯の神経と呼ばれる歯髄までの炎症で、膿んでいる可能性もあります。歯の根っこにあたる部分が腫れているとこの可能性が高いのですが、麻酔が効くことができれば、小さな穴をあけて排膿をすることもあります。
もし、むし歯のある部分を削ってみて、神経までいっていなかったならば、神経を保護する薬などを詰めて銀歯などの補綴物になることもありますし、神経にまでむし歯が進行していた場合や、膿んでいる場合は感染根幹治療と呼ばれる歯の根っこの中を掃除する治療を数回来院してもらい行っていく場合もあります。
虫歯が腫れて熱が出てきてしまった時、どうすればいいのでしょうか
このような状態になるときは、身体の免疫がもともと下がっている場合も含めて、むし歯の炎症がかなり強くなっていることにより、むし歯の細菌に免疫が負けてる状態であることが考えられます。内科に行っても歯科医院にいってもまずは炎症を抑えるために抗生物質などが出されることが多いケースですので、なるべく早く病院に来院してください。家でやれること、自分でやれることといえば、弱った免疫をあげるように栄養と休養もできるだけとることです。忙しいとは思いますが、痛み止めで誤魔化していくことにも限界があります。自分の体がまず資本になることを受け止めて、一度来院ください。
虫歯の腫れが引かない時、何をすればいいのでしょうか。
第一に、歯科医院にいくことが先決になります。それでも、どうしても仕事などで忙しくいけない場合でも、診断・治療をしていかなければ治ることはないですし、ここまでのご質問によって一通りご自身でやれることはご紹介させていただきました。ただし、間違っても歯茎の腫れが気になるときもあると思いますが、自分で膿を出そうとしていじらないでください。新たに感染が広がりむし歯の治療だけではなくなってしまう可能性もあります。
虫歯を治療したのですが、その後腫れてきてしまいました。これはなぜ?どうすればいい?
第一に考えられるのは、むし歯の場合です。治療してすぐだった場合、神経ぎりぎりだったむし歯をなるべく歯質を残すように、保護剤でカバーしたけれど、結局神経まで炎症が起こってしまった場合が考えられます。その場合、補綴物を取り出し、神経の治療を開始する必要があります。もしくは、治療から数か月と時間がたっている歯の場合、2次う蝕と呼ばれるもので、補綴物の隙間から2次的にむし歯になっている可能性があるので、それはご自身のホームケアや定期健診の怠りなどでなってしまうものです。銀歯や差し歯などの補綴物をいれたからといっても、もうその歯は二度とむし歯にならない、ということはありえません。日頃のケアが必要です。第二に考えられるのは、実はむし歯のせいではなく、歯周病により歯茎が腫れた感覚がしていることもあります。軽い歯肉炎と呼ばれるものならば、少し歯茎に赤味がでたり歯磨きをしているときに出血する程度ですが、歯周炎と呼ばれるものになり、その中で重度のものになったりすると歯茎がぶよぶよと腫れて、少し触るだけで出血することもあるぐらい大きく腫れるといった症状があることもあります。歯茎全体だけでなく部分的になることもあるので、一度検査することをお勧めします。
虫歯と腫れの関係について まとめ
むし歯が腫れる原因
歯の中で炎症を起こしているため
むし歯が原因で頬・顎・歯茎が腫れる状況の原因
硬い組織である歯の中の、柔らかい部分、周りの組織まで炎症が広がっているため
むし歯が腫れてしまった時の対処法
1)自宅での応急処置
熱を持っているので冷やすことが応急処置になるが、その場しのぎの対処になる。
2)飲むべき薬
普段使用している痛み止め。気になるようであればパッケージに歯痛とかいてあるもの。
3)歯科医院でやる処置
抗生物質、強めの痛み止めの処方
むし歯の処置、膿みがひどい場合は排膿などの処置
むし歯が腫れて熱が出てきてしまった場合
- 起き上れるならばすぐに病院へ行くこと
- 自宅でできることは、栄養をとること、休息をとり身体の免疫力を上げること
むし歯の腫れが引かない
- 歯医者に行き、治療してもらう
- ご自身でやれることは、栄養と休息をとり免疫力を上げること
むし歯を治療したあとの歯茎の腫れ
- 治療してすぐならば、神経に炎症が残っていた可能性
- 治療して時間がたっているならば、再度むし歯になってしまった可能性
- むし歯ではなく、歯周病の可能性
口腔内で代表的な病気であるむし歯や歯周炎などは、細菌による感染症なのでそれを念頭に置くと腫れてしまったり、発熱することがありえることであり、感染症のひとつなので口の中だけでなく、全身症状にでることもありえることがイメージしやすいのではないでしょうか。歯は表面的に硬い組織な分、気づいたときには中の柔らかい部分や周りの組織に炎症が大きく広がっていることもあります。
忙しいとは思いますが、なるべく歯医者さんにいって治療してもらいましょう。
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