こんにちは!歯科情報サイト“どくらぼ”でございます!
本日は「歯並びについて、知りたい!!」方を対象に、歯並びの基礎から矯正治療の裏側まで余すところなく、現役歯科医師がお教え致します。まずは、歯並びが悪くなる理由からお教え致しますのでどうぞ、お付き合い下さい。
なぜ歯並びが悪くなるの?
歯並びが悪いと気になりますよね。最近は、食生活の変化などで歯並びが悪い子供や若者が増えています。では、そもそも、なぜ歯並びが悪くなるのでしょうか? 歯並びが悪くなる原因は、大きく分けて3つあります。
遺伝によるもの
唇のできも親や祖父母などから受け継いだDNAの中に、顎の骨の大きさや形、歯の形態などが含まれているため、歯並びに影響することがあります。 特に、「受け口」と呼ばれる歯並びは遺伝の影響が大きいといわれています。
(例:アントニオ猪木さんなどは受け口の代表ですね)
先天的な原因によるもの
妊娠中のお母さんの栄養摂取状態や薬の服用などによって、歯の形成に影響を与えることがあります
後天的な原因によるもの
生後、成長する過程での食生活、癖、口呼吸、姿勢、虫歯などが歯並びに影響します。実は、歯並びが悪くなる原因のほとんどが、この後天的な原因によるものだといわれています。
幼少期の過ごし方が歯並びの悪さに影響する
後天的に歯並びが悪くなる原因には、以下のようなものがあります。
幼少期の舌と唇の機能異常
最近、特に重要視されているのが幼少期の舌と唇の機能異常です。
唇を閉じず、ポカンと口が開いている(口唇閉鎖不全)
口が開いていると、唇を閉じる筋肉がゆるんだままなので、下あごの骨が常に後ろに引っ張られた状態になります。その結果、下あごが十分に前へ発育できません。また、唇が開いていると、前歯を内側へ押す力が弱くなるので、出っ歯になりやすくなります。
口呼吸をしている
口が開いていると、唇を閉じる筋肉口呼吸であることと唇を閉じられないことは連動しています。本来、人間は鼻で呼吸することで、「脳を冷やす」「空気を加湿する」「ウイルスやゴミを除去する」などを自動的に行っています。しかし、口呼吸になると、これらの処理をしないまま外気がそのままのどの奧にある扁桃に到達するので、扁桃腺が腫れ、感染症や様々な病気にかかりやすくなります。がゆるんだままなので、下あごの骨が常に後ろに引っ張られた状態になります。その結果、下あごが十分に前へ発育できません。また、唇が開いていると、前歯を内側へ押す力が弱くなるので、出っ歯になりやすくなります。
舌の位置が低い
舌が正しい位置にあると、舌全体が上あごに軽くあたっています。しかし,舌の筋力が弱って低い位置にあると、上の歯を広げていく力が働かないため、上の歯並びが狭くなります。また、口が常に開いたままになり、口呼吸になりやすくなります。
飲みこむときの異常な癖(舌を前に押し出すなど)
食べたり飲んだりするとき、舌は上あごに押し付けられるのが正常な動きです。しかし、飲み込む際に舌を前に押し出す癖などがあって正しい嚥下(飲み込み)ができないと、歯並びやかみ合わせが悪くなります。
これらの原因があると、舌や唇の力がうまく働かないので、歯が生えて並んでいく際、適切な方向・位置に力が働きません。 そのため、歯並びが悪くなってしまうのです。
幼少期の食生活
幼少期の食事の内容や食べ方は、歯並びやかみ合わせに大きく影響します。
よくかまずに食べている
最近の若い人は、あごの発育が悪くなってきており、あごが細い人がとても多いです。親知らずがまっすぐに生えない人も多くいます。あごの発育はよくかむことで刺激されますので、よくかまない食事はあごの発育が悪くなり、結果歯並びが悪くなってしまうのです。
戦後、和食中心の食事から、ハンバーグなどやわらかいものが多い洋食へと変化したことが、よくかまなくなった原因といえるでしょう。また。食事の際にお茶を一緒に飲むことも、よくかまずに食べ物を流し込んでしまう原因です。本来は、お茶は食後に飲むものであり、昔の人は食卓にお茶を出していませんでした。
昔は食事中にお茶を飲むのは行儀が悪いことだったのです。よくかんでいれば、唾液がたくさんでてきて飲み込めるようになっているため、本当は食事の際にお茶は不必要なのです。
清涼飲料水やお菓子の摂取
昔に比べ、コンビニや自動販売機の増加によって清涼飲料水やお菓子を手にする機会が増えています。子供が泣きやむからとお菓子を与えていると、3度の食事の量が減り、余計にかまなくなってしまいます。また、砂糖が大量に含まれていることで血糖値が急激に上がり、落ち着かない子、キレやすい子、虫歯になりやすくなります。
食事の姿勢が悪い
両足がつかない状態で食事をしている子供の場合、食事の際の姿勢が悪くなります。その結果、体が前に傾き、頭が上向きになるためあごの発育に悪影響がでます。
離乳食のあげ方が悪い
離乳食を開始する時期や、離乳食の食べさせ方が歯並びに大きく影響します。離乳食は、母乳やミルク以外の食べ物を体に慣らしていくというだけではなく、唇や舌の機能のトレーニングをする機会です。この時期にしっかりと唇を鍛えておく事が、乳児期に口を閉じてしっかり噛むことにつながります。
月齢に不適切な形状(離乳食がやわらかすぎる、固すぎる)のものをあげたり、早く食べさせようとスプーンで口に押し込むようにあげたりすることは、唇や舌の機能がうまく働かなくなります。その結果、歯並びに悪影響を及ぼすのです.
特に、スプーンであげる際には、下方から口元に持っていき、下唇の上に置き子供がスプーンの上の食べ物を上唇でとろうとするまで待つようにしてください。(スプーンを傾けたり、上唇になすりつけたりするのはNGです。)
生活上の悪い癖
以下のような生活上の悪い癖も、歯並びを悪くします。
- 頬杖をつく
- 横向きに寝る
- 3歳以上になっても指しゃぶりを続けている(1歳代は問題ありません)
- 爪をかむ癖
- どちらか片方の肩ばかりでカバンを持つ
- パソコンやゲームを長時間使用
その他
その他の原因として、以下のようなものがあります。
- 乳歯の虫歯
- 乳歯が遅くまで抜けない
- 乳歯が早く抜けてしまう
- 永久歯が生えてくるのが遅い
- 永久歯の虫歯、歯周病
- 永久歯の先天欠損
- 永久歯を抜いて放置
- 片方のあごばかりでかむ癖
- 歯ぎしり
- 歯の形や数の異常
- 舌の形の異常
「歯並びが悪くなるとどんなデメリットがあるの?」
歯並びが悪くなると、どんなデメリットがあるのでしょうか?
虫歯になりやすい
歯並びが悪くて歯が重なっている部分など、磨き残ししやすくなります。その結果、虫歯になりやすくなります。
歯周病になりやすい
同じく、歯磨きがしにくい部分を中心に歯周病が進行しやすくなります。
食べ物をかみにくい
きちんと歯がかみあっていないと、食べ物をよくかめず、消化しにくくなります。その結果、体に負担がかかります。
発音しにくい
歯並びが悪く、舌や唇の動きが抑えられると、発音がしにくくなります。
顎関節に悪影響
一部のケースで、歯並びの悪い歯によって顎関節に負担がかかり、顎関節症になりやすくなる場合があります。
顔つきや見た目が悪くなる
歯並びが悪いと、顔つきや見た目も悪くなります。その結果,心理的なコンプレックスがストレスになることもあります。
全身への影響
歯並びが悪く、かみあわせが悪くなる事で、姿勢が悪くなったり、肩こりや頭痛などを引き起こしたりする場合もあります。
悪い歯並びの種類
悪い歯並びは、いくつかの種類に分けられています。
出っ歯・上顎前突(じょうがくぜんとつ)
上の前歯が、前に出ているかみあわせのことをいいます。出っ歯といっても、歯の傾斜によって上顎前突になっている場合と、上あご全体が下あごに比べて前に出ている場合があります。また、最近は下あごの発育が悪く、その結果上あごが前に出て「出っ歯」に見える子供も増えています。
叢生(そうせい)、乱ぐい歯
叢生・乱ぐい歯は、あごが狭いため、歯が並びきることができず、歯が重なり合って生えている状態のことをいいます。中には、犬歯(八重歯)が飛び出ているケースもあります。
受け口・下顎前突(かがくぜんとつ)・反対咬合(はんたいこうごう)
受け口・反対咬合は、上の歯よりも下の歯が外側になってかみあわさっている状態をいいます。これは、下あごが成長しすぎたり、上あごの発育不十分だったりする骨格性が原因のものと、上の歯が後ろに傾斜したり下の歯が前に突出している歯性の原因があります。
開咬(かいこう)
奥歯をかみあわせたとき、前歯がかみあわずに開いているものをいいます。前歯でべ物をかみきることや、正しい発音ができなくなります。
すきっ歯・空隙歯列(くうげきしれつ)
歯と歯の間にすき間が空いている状態をいいます。息が抜けるので、正しい発音がしにくくなります。
その他の悪い歯並び
偏位咬合
上の歯や下の歯の位置がずれていて、上下が左右対称にかみあっていない状態をいいます。
先天欠如
生まれつき歯の数が足りず、はえてこない状態をいいます。
鋏状咬合
上の奥歯が外側、下の奥歯が内側にずれているため、奥歯でしっかりかみあわない状態をいいます。
交叉咬合
かみあわせたときに、上下の歯が交叉している状態をいいます。
先端咬合
上下の歯の先端どうしがぶつかるようにかみあう状態をいいます。
「矯正治療の種類」
矯正治療の種類にはどのようなものがあるのでしょうか。それぞれの特徴やメリット・デメリット・費用の相場をご紹介します。
ワイヤー矯正
ブラケットとよばれる装置を歯の表側に装着し、ワイヤーで連結させて歯並びを整えていく矯正治療です。ブラケットの種類には、金属製・白や透明なセラミックブラケットがあります
このように、セラミックブラケットだと目立ちにくい
メリット
- 最も多く行われており、様々な症例に対応可能
- 対応できる矯正医が多い
- 治療期間が比較的短い
デメリット
- 歯の表面にブラケットやワイヤーをつけるので、目立つ。(目立ちにくいブラケットもある)
- ブラケットやワイヤーの周りをよく掃除しないと、虫歯や歯周病にかかりやすい
費用の相場
症例や歯科医院によって異なるが、全体で80万〜100万程度ワイヤー調整料として毎回3000円〜1万円程度かかる所も多い。
舌側矯正
歯の裏側にブラケット装置を装着し、歯並びを整えていく治療です。ブラケットとワイヤーが裏側にくるため、矯正をしていることが外から気づかれにくいのが特徴です。
メリット
- 外から見えないので、誰にも知られずに矯正ができる。
デメリット
- 歯の裏側にブラケットやワイヤーをつけるので、違和感が非常に強い。
- 表側につけるワイヤー矯正に比べて治療期間が長くなる。
- 技術的に難しいため、治療が可能な矯正医が少ない。
- 治療費が通常より1.5倍程度高くなる。
費用の相場
症例や歯科医院によって異なるが、100〜150万程度
クイック矯正(スピード矯正)
クイック矯正は、厳密には矯正治療ではありません。歯並びが悪い一部の歯を削ることによって、ラミネートベニアやクラウンといった人工の歯をいれて2週間〜1ヶ月程度で歯並びをよくする治療です。
メリット
- 矯正治療より安くすむ
- 短期間で治療が完了する
デメリット
- 健康な歯を削る場合がある(神経を抜く場合も)
- 対応できる歯の形や歯並びに限度がある。
- 全体的な歯並びやかみあわせの改善はできない。
費用の相場
セラミッククラウン 1本10万〜15万
ラミネートベニア 1本7万〜10万 程度
マウスピース矯正
取り外せるマウスピース型の装置「アライナー」をつけ、一定期間毎に交換しながら歯並びをよくしていく矯正治療です。アライナーは透明度が高いプラスチック製なので、人から気づかれにくく、食事の際は自分で取り外せるのが特徴です。
メリット
- ワイヤーやブラケットを使用しないので、違和感が少ない。
- 装置が透明なので目立たず、他人から気づかれにくい。
- 食事や歯磨きの際は取り外せるため、歯磨きがしやすく虫歯になりにくい。
デメリット
- 治療できる症例が限定され、比較的簡単な症例にしか適応できない。
- ワイヤー矯正より治療期間が長くなる傾向にある。
- 装置の装着を怠ると、治療期間がのびる。
費用の相場
マウスピース矯正は、どのシステム(メーカー)を用いるかによって費用が大きく異なります。
インビザライン:70〜110万円
クリアライナー:40〜70万円
アクアシステム:30〜60万円
インプラント矯正
インプラント矯正とは、インプラント(画像の小さなネジ)を固定源としてあごに埋め込み、ワイヤー矯正と併用する治療法です。今までは難しかった症例でも歯の移動が可能になる他、治療期間が大幅に短縮できるのが特徴です。
メリット
- 治療期間が大幅に短縮できる。
- 確実な歯の移動ができ、難症例でも矯正ができる。
- 非抜歯での矯正ができるケースが増える。
- 外科手術が適応の場合でも、手術なしでの矯正が可能になることもある。
デメリット
- インプラントを埋め込む手術が必要なため、対応できる矯正医が少ない。
- インプラント部の炎症管理が必要
費用の相場
インプラント埋入手術:1本3万〜10万程度
外科矯正
骨格性の上顎前突や下顎前突など、通常の矯正治療では十分に治せない場合に、あごの骨を外科的に切る手術が行われることがあります。
メリット
- 症例により、保険適応になる場合がある。
- 通常の矯正では難しい症例でも治療が可能。
デメリット
- 大学病院など一部の歯科医院でしか行うことができない。
- 外科手術のため、入院が必要な場合が多い。
費用の相場
顎変形症と診断された場合、入院や手術費用は保険適応となる。(ケースにより異なるため具体的には病院にお問い合わせ下さい。)
「歯並びを治す!矯正の具体的な治療の流れ」
矯正治療は自費治療のため、歯科医院によって治療方針や治療の流れが異なります。以下に大まかな治療の流れをご紹介しますので、参考になさってください。
①初診
初診では、現在の歯並びについての悩みを主治医に相談し、チェックしてもらいます。この段階では、精密検査を行っていないので、具体的な治療期間や治療方法についてはわかりませんが、主治医の豊富な治療経験から、大まかな治療期間や治療方法について聞く事ができます。初診カウンセリング料金は無料としている歯科医院も多いです。(検査を行った場合は別)この段階で、不安なことなど何でも聞いておきましょう。
②精密検査
初診の後、治療計画と診断を行うために精密検査を行います。精密検査では、矯正用の頭部X線規格写真(セファロ)撮影、お口や顔の写真撮影、歯型の採取などを行います。費用は30,000円〜70,000円くらいが相場です。
③診断、治療計画立案
精密検査の結果をもとに、詳細な治療計画を立案します。実際にかかる費用や治療期間・治療に用いるシステムや治療方針などを歯科医師から説明を受けます。診断にかかる費用は10,000円〜50,000円程度です。精密検査料と診断料をセットにしている歯科医院もあります。
④前準備
矯正治療を開始する前に、虫歯や歯周病がある場合、必要であれば一般の歯科医院で治療を先にしてもらうことがあります。
⑤治療開始
矯正治療が開始できる状態になれば、実際に矯正装置をつけて治療を開始していきます。歯が動いていくのに従い、様々な治療装置を使って治療を行っていきます。治療装置やワイヤーは定期的に交換します。歯並びの状態にもよりますが、通院の目安は月に1〜2回くらいで、治療期間は2〜3年が目安です。
治療期間中の注意事項
治療期間中は、ワイヤーやブラケットを装着しているので、最初の頃は違和感や若干の痛みもありますが、徐々に慣れていきます。状態によっては自分でブラケットにゴムをかけるように指導される場合もありますが、指導された通りにきちんと行うことが大切です。そうしないと、歯が適切に動かず、元に戻ってしまうからです。
⑥治療終了
歯並びが治療計画の予定通りに並ぶと、矯正装置をはずし、保定装置(リテーナー)を装着して後戻りしないようにします。
※保定装置(リテーナー)
これは取り外しできるタイプとできないタイプがあり、症例により使い分けられます。保定装置の装着期間は通常2〜3年程度です。
⑦メンテナンス 定期観察
保定期間中、後も定期的にメンテナンスに通い、歯並びに問題はないかチェックします。
「歯並びを治す!矯正歯科を選ぶ上での注意点」
矯正歯科は、全国に数多くあります。費用が高額になることから、腕が良く信頼できる歯科医師にみてもらいたいですよね。そこで、矯正歯科を選ぶ上での注意点をご紹介します。
①値段で決めてはいけない
矯正治療は高額なので、ついつい費用に目がいってしまいますが、値段の安さで治療を選ぶのは全く間違いです。矯正費用の相場は80万〜100万くらいです。例え10万以上の差があったとしても、安いからといって値段だけで安易に決めることはやめましょう。特に必要以上に安さを売り出している所については疑ってかかって下さい。
②治療方針・計画・費用をわかりやすく教えてもらうこと
精密検査の後に、治療方針・治療計画を丁寧に教えてもらえる歯科医院を選びましょう。契約後に他の項目の請求をされるなど、「こんなはずではなかった!」とならないためにも、治療開始前に必要な費用の確認をしておきましょう。
また、矯正のメリットばかり伝えてくる歯科医院もおかしいです。メリット・デメリットについてもきちんと説明してくれるところを選びましょう。
③非抜歯で簡単にできる!というキャッチコピーに乗らないこと
誰しも、抜歯しないで歯並びを良くしたいという気持ちはありますよね。それを逆手にとって、「当院は抜歯せずに矯正ができます!」と謳っている歯科医院も多いのです。
抜歯が必要なのか、不必要なのかは症例次第です。本来なら抜歯が必要な症例なのに、無理に抜歯しないで治療をすすめてしまうと、治療が思うようにすすまないばかりか、後戻りすることにもなりかねません。抜歯・非抜歯の判断は歯科医師にまかせて、その必要性をきちんと説明してくれる歯科医院を選びましょう。
④自宅や職場から通いやすい場所にあること
いくら腕が良い矯正医だからといって、通院時間が1時間も2時間もかかっていては、毎回通院するのが大変でストレスになってしまいます。できれば通院時間は1時間以内の範囲で探すようにしましょう。
⑤ホームページに載っている情報は参考程度に
現在、多くの歯科医院がホームページを持っていますが、それらはほとんど業者に作成してもらっているものです。そのため、綺麗な画像や文章が並んでいますが、実際の印象とかけ離れている場合も多々あります。
上手い業者ほど、そこへ行きたくなるようにキャッチコピーや文章を書いていますので、ホームページに載っている情報を鵜呑みにしないことが大切です。やはり、実際に歯科医院へ行き、担当の歯科医師と話をしてみるのが一番よくわかります。
⑥治療を他のスタッフに任せていないかチェックすること
歯科医院によっては、最初の治療計画や診断は担当の歯科医師が丁寧に行うけれども、いざ治療が始まると毎回のワイヤー交換を歯科衛生士や若い研修医に任せているところもあります。そのほうが、多くの患者を診られるので経営上儲かるからです。
しかし、ワイヤー調整は非常に精密な作業で、頭も腕も必要です。そのような大切な作業はやはり担当の歯科医師が専任で行ってくれるところのほうが安心できます。矯正歯科に、豪華な設備や器械は必要ありません。必要なのは先生の腕と頭だけです。豪華な設備や受付に惑わされずに、先生の腕を頼りに選びましょう。
「腕の良い矯正医を選ぶ目安」
それでは、腕の良い矯正の先生を選ぶにはどうすればよいのでしょうか。一概にはいえませんが、いくつかの目安をご紹介します。
矯正の学会、スタディグループに所属している
矯正を専門にしている歯科医師であれば、必ずといっていいほど矯正の学会やスタディグループに所属しています。学会は誰でも参加できますが、特にスタディグループは実際に矯正の勉強をする場なので、その歯科医師がどのような矯正の勉強をしているのか参考になります。
矯正の認定医・専門医・指導医を取得している
矯正の認定医・専門医などは、学会に所属し研究発表をすれば取得できますが、実技試験があるわけではないので、腕の良い・悪いまではわかりません。筆記テストの点がよくても、手先が器用かどうかまではわからないのと同じです。「学術的に矯正を勉強していた」という確認にはなります。
認定医・専門医を取得していることがアピールになるので、学会に所属している歯科医師は多いです。かといって、認定医を持っていないからといって治療が下手というわけではありません。逆に、「当院は矯正認定医を取得しています」としきりに宣伝しているところは、集客目的と捉えてよいでしょう。
仕上がりや後戻りの予防に心を配っている
一口に矯正で歯並びを良くするといっても、矯正医によって仕上がりに差があります。少し歯と歯の間にすき間があいていても「これでOK」と治療完了にしてしまう歯科医師もいれば、完璧な仕上がりを追求している匠のような歯科医師もいます。
また、良い矯正医は、後戻り予防のために歯並びが悪くなった原因を追求し、癖の指導も行うはずです。
歯並び・矯正歯科に関するよくあるQA
矯正に年齢制限はあるのですか?
いつ矯正治療を始めるかについては、歯並びやお口の状態により異なります。子供の場合は、小児矯正といって乳歯のうちから開始する場合もあります。大人の場合は、何歳から開始しても問題ありません。
健康保険は使えますか?
顎変形症などで外科手術を併用した矯正治療や、口唇口蓋裂の矯正治療には保険が適応されます。一般的な見た目をよくするための矯正治療には健康保険は使えません。
医療費控除は受けられますか?
かみあわせや顎機能の改善を目的として治療を行う場合は、医療費控除の対象となります。(税務署により異なりますが、歯科医師の診断書が必要になる場合があります。)
少しでも安く受けられる方法はある?
歯科医院によっては、矯正治療のモニターを募集している場合があります。これは、モニター料金として特別に安く治療を受けられるものです。しかし、このような歯科医院は誇大広告をしている可能性もありますので、腕が良いとは限りません。よく調べてから治療を受けるようにしてください。
歯並びまとめ
歯並びは先天的なものから、後天的なものまで様々な原因があるからこそ、それを治療する方法も様々あるのですね。歯並びを治す上で大切なことは、自己判断をせずに、複数の専門家の話を聞き、アナタに適した治療法を選ぶことです。アナタの歯並びが良くなることを願っています。
以上になります。今回の記事はアナタのお役に立つものでしたか?どくらぼは、毎日アナタのお役に立つ歯科情報をお届けしています。また今度も是非遊びに来て下さい!長い文章を最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!