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歯がグラグラするけど、これって何!?
そしてその歯と骨を結んでいるのが歯根膜という繊維組織なのです。この歯根膜はクッションやセンサーとしての役割も果たしています。歯がグラグラするのは、その骨や歯根膜に何らかの異常が起きるからなのです。まず歯がグラグラする主な原因から見ていきましょう
歯がグラグラする主な原因を解説していきます!
歯がグラグラする主な理由はこの9つ!
- 歯周病
- 咬み合わせのバランスが悪いため
- 歯ぎしりや咬み癖
- 咬み合わせの歯がない
- 外傷
- 腫瘍
- 根っこの感染(感染根管)
- 入れ歯のバネによるもの
- 入れ歯が磨り減っているため
では、それぞれについてご説明します。
歯周病で歯がグラグラする
歯周病の原因
歯周病菌が歯ぐきと歯の間のポケット部分に入り込んで、そのままになっていると、次第にそのポケット内で菌が繁殖していきます。そして歯ぐきが腫れてきて、土台となっている骨が溶かされていきます。このことで歯がグラグラしてくるのです。しかし歯ぐきが腫れているため、見た目には骨が溶けてきたり、下がってきた事が分かりにくい場合があります。
実際にグラグラしているのが1本だけだとしても、他の歯も歯周病になっている可能性があるのです。歯周病が進行すると、骨が歯を支えることができなくなってしまいますので、重度の場合は外科的手術や抜歯しなければならないこともありますし、放っておいたために、自然に抜けてしまう事もあります。乳歯の場合は根っこが徐々に溶けていくことで抜けるのですが、永久歯の場合は土台になっている骨が溶けるので、抜け方が違うのです。
歯周病の治療法
急性症状を抑える
歯ぐきが腫れ、痛みを伴う場合、歯ぐきの周りを洗浄して清潔にします。また歯があたって痛む場合は咬みあわせを調節します。症状によっては膿を出すこともありますが、抗生物質が投薬され、まず腫れが治まるのを待つこともあります。
プラークコントロールが出来るようにする
第一に自分に合った歯磨き方法を知り、きちんと磨けるようになることが大切です。自分でプラーク(歯垢)コントロールができないと、同じ症状を繰り返してしまう可能性が高いからです。また歯ぐきが腫れた状態で治療を始めても、治りも悪く、逆に時間がかかってしまいます。プラークコントロールができるようになると、しだいに歯ぐきの腫れも引いてきます。この時、歯ぐきが下がった、歯が伸びたと思われがちなのですが、それは歯ぐきが引き締まったからで、それが、その時点での本当の姿なのです。
歯石除去
歯磨きが良くできていて、歯ぐきが締まっていると、歯石も取りやすい状態になっています。歯周病の場合、根っこの部分まで歯石が付いていることがありますので、しっかりと歯石除去をすることが大事です。歯石のつき方によっては外科的手術を行い、根っこの歯石をきれいにとる場合もあります。
その後、プラークコントロールができていると、より歯ぐきが引き締まってきます。この時、歯の根っこが見えてくる場合もありますが、歯磨きするときには強く磨きすぎ、すり減らさない様に、また歯垢を残さない様に、充分注意する必要があります。この場合の磨き方についても、歯科医院でチェックしてもらうことをお勧めします。
咬み合わせの調整
歯の状態によっては、咬み合わせを調節することもあります。一部分だけの歯が強く当たっている場合、その歯に大きな負担がかかってしまうので、その負担を軽くするために、歯を少し削って調整します。
外科治療
歯周病菌が歯と歯ぐきの隙間にあるポケット内で繁殖しないようにするためにそのポケットを2~3mm以内に保たなければなりません。しかしポケットがそれ以上深くなっている場合で、歯磨きや歯石除去でも改善されない場合は深さを減少させる手術をすることがあります。
歯周病の応急処置
痛みが出た場合、歯ブラシ、歯間ブラシなどを使い、そっと汚れを落とし、よくうがいをしましょう。お口の中をなるべく清潔にしておくことが大事です。そしてできるだけ早いうちに歯科医院にいきましょう。
歯周病の治療費
基本的に保険で治療ができます。治療費については、その方の状態や治療によってさまざまですし、また1日では終わりませんので一概には言えません。目安として歯周病が初期の場合で、¥6,000~¥10,000程度かかります。また使用する薬剤や治療方法により、自費治療となる場合がありますので、事前に先生とご相談されることをお勧めします。
やってはいけないこと
自己判断で、放っておかないようにしましょう。歯周病で歯がグラグラしているのに、放っておくと、より進行していきます。また歯周病が心筋梗塞の危険性を増したり、呼吸器疾患を起こしたりと、全身に悪影響を与えることもあります。例えグラグラしていても、症状によっては進行を止めることができますので、早めの治療が大切なのです。
咬み合わせのバランスが悪いため歯がグラグラする
噛み合わせが悪くなる原因
歯にかぶせ物(クラウン・ブリッジなど)が入った時に、咬みあわせが高い場合、その歯や咬み合わせの歯(対合歯)に痛みが出たり、グラグラすることがあります。
治療法
かぶせ物の強く当たっている部分を調節し、咬みあわせを調整します。またかぶせ物の状態によっては、新たに治療し、新しいかぶせ物にすることで症状がなくなる場合もあります。かぶせ物が入って、どうしても気になる、咬みあわせが高い気がする等の違和感が続く場合は、先生に相談し、調整してもらうことが大切です。
やってはいけないこと
高い咬み合わせによって、歯がグラグラするだけでなく、肩こり、頭痛の原因となったり、顎関節症や全身疾患にまで及ぶ場合もありますので、我慢しないようにしましょう。
歯ぎしりや咬み癖で歯がグラグラする
原因
歯ぎしりをしたり、同じ所で噛む癖がある場合、思った以上の力が歯にかかる場合があります。この状態が続くと、特に当たりの強い歯がグラグラしてくることがあります。
治療法
強くあたっている部分を調節し、咬みあわせを調えます。また歯ぎしりの場合は、マウスピースを入れることで解消する場合もありますので、歯科医院で原因をチェックしてもらいましょう。
やってはいけないこと
やはり放っておかないことが大切です。特に歯ぎしりの場合は、歯がグラグラするだけでなく、歯がすりへったり、知覚過敏になったりしますので、早めに歯科医院で診察を受けましょう。
噛み合わせの歯がないから、グラグラする
原因
歯が抜けたままの状態で放っておくと、その咬みあわせの歯(対合歯)がグラグラしてくることがあります。これは咬み合う歯が無いため、骨から少しずつ出てくる状態になってくるからです。それで歯が伸びてきたように見えるのです。骨から出てくるため、グラグラしてくるのです。
治療法
上下で咬み合うように治療します。かぶせ物による調整、入れ歯やインプラントを選択する場合もあります。
やってはいけないこと
歯が抜けたままの状態にしておかず、早めに治療してもらいましょう。対合歯がグラグラしてくるだけでなく、抜けた歯の前後の歯も位置がずれてくることがあるのです。また対合歯は咬みあわせがないので、自浄作用が落ち、歯垢がつきやすくなります。このことで虫歯や歯周病になる恐れが高くなるのです。
外傷でグラグラする
原因
打撲で歯そのものや土台となっている骨が折れたり、歯根膜が断裂してしまうと、歯がグラグラします。
治療法
歯科医院を受診します。症状によっては口腔外科で治療を受ける場合もあります。
腫瘍があり、グラグラしている
原因
顎の骨にできる腫瘍でもっとも多いのは良性腫瘍のエナメル上皮腫ですが、この腫瘍のため、歯がグラグラしたり、歯の根元がペコッとした感じになります。原因は不明ですが、喫煙、飲酒、虫歯、また合っていないかぶせ物が誘因として挙げられます。また悪性腫瘍の場合も膿がでて、歯がグラグラすることがあります。
治療法
口腔外科で精密検査、治療、手術を受けます。
やってはいけないこと
良性でも悪性でも初期は無症状ですが、腫瘍が大きくなるにつれ、歯ぐきの腫れ、痛み、出血、そして歯がグラグラしてきます。また腫瘍が外側なら顔が腫れた感じになり、後方なら口が開きにくくなったりします。歯がグラグラするからといって、自己判断で歯周病だろうと勘違いしがちですが、腫瘍の場合もありますので、少しでもおかしいと思ったら、すぐに検査を受けるようにしましよう。
根っこの感染(感染根管)で、グラグラしている
原因
虫歯をそのままにしておくことで、根っこの先に膿がたまってくることがあります。また根っこの治療後に感染し、膿がたまることもあります。この膿が原因で根っこの周辺まで炎症を及ぼすと歯がグラグラすることがあるのです。
治療法
根っこの治療をし、炎症がなくなってから、かぶせ物をします。すでに土台の骨がとけてしまい、歯がグラグラしている場合は、抜歯になる場合もあります。
やってはいけないこと
受診が遅くなればなるほど、症状が悪化し、治療も長引きます。抜歯しないようにするためにも、歯に違和感があれば、なるべく早く歯科医院へ行きましょう。
入れ歯のバネによるもの
原因
入れ歯のバネをひっかける歯がグラグラしてくることがあります。歯は縦の圧力には強いのですが、横からの力には比較的弱いのです。ですから長期にわたり、バネをはめたり、外したりすることで負担がかかり、土台の骨が吸収され、グラグラしてくることがあります。また、バネがかかっていることで、歯垢がつきやすくなります。そのままにしていると、歯周病になり、歯がグラグラしてくるのです。
治療法
歯科医院で入れ歯と歯の状態をチェックしてもらいます。その診断に応じて、歯の治療、入れ歯の調整や新しい入れ歯になったりします。どうしてもバネ付きの入れ歯が使用できない場合、保険診療外でバネのついていない入れ歯を選ぶこともできます。いずれにせよ、先生と相談することをお勧めします。
やってはいけないこと
歯がグラグラした状態のまま、入れ歯を使い続けてしまうと、きちんと咬むこともできませんし、不安定なままになってしまいます。ですから、その歯を抜歯することになるかもしれないのです。特にバネのついた入れ歯を使用する場合は、定期的に歯科を受診し、入れ歯と歯のメンテナンスをしてもらいましょう。
入れ歯が磨り減っているため
原因
入れ歯がすり減ってきて低くなり、残っている自分の歯が強く当たってくる場合、その歯がグラグラしてきます。
治療法
グラグラしている歯が抜歯しないですむ状態であれば、入れ歯を調整したり、または新たに入れ歯を作り直して、咬みあわせを調整します。
やってはいけないこと
入れ歯の調子が悪いと感じていたり、残っている歯の当たりが強かったら、がまんして、その入れ歯を使い続けないようにしましょう。また土台となっている顎の骨の状態も変化していきますので、入れ歯を定期的に調整してもらうことが必要です。
グラグラした歯はどのように治療するの??
歯がグラグラしている場合の治療法は、まず炎症をなくすことからはじめます。それから咬みあわせの調整をしたり、また固定する場合もあります。その固定方法には暫間固定(ざんかんこてい)と永久固定があります。
暫間固定(ざんかんこてい)
歯周病や外傷などによってグラグラしている歯を、隣の歯と一時的に固定させることで、金属のワイヤー、接着性のプラスチック,プラスチック製の仮歯などが使われます。目的として、炎症の悪化をふせぐためや、痛くて噛めない場合の仮の機能回復のために行われます。
暫間固定で、グラツキが落ち着き、周囲の組織を安静にすることができ、一時的に不快感が和らぎます。また咬み合わせる時、グラグラする歯にかかる圧力が他の歯に分散されるのです。そして歯が動くのを防ぐことで、歯ぐきや歯の間に食べ物がはさまりにくくなります。また歯科医院でその歯を治療する場合、治療しやすいというメリットもあるのです。いづれにしても、仮に固定するものなので、状態が安定してきたら最終的に除去されます。そして永久固定と移行するのです。
暫間固定(ざんかんこてい)
炎症に対する治療が終了しても,歯がグラグラすることで、食べる時に支障がでる場合や、咬み合わせによる問題がまだ残っている場合、また暫間固定では不十分と判断された時に、永久固定を行います。この固定法は、グラグラしている歯を3~8本くらいまとめて連結するものです。これで1本1本の歯の負担を軽くします。かぶせもの(クラウン・ブリッジ)で固定したり、歯の裏側を金属で固定したりします。
永久に固定することで歯を守る
細菌が骨を溶かすことで歯がグラグラしてくるのですが、さらに咬みあわせの力が加わることにより、ますます抜けやすい状態になってしまうのです。高度に進んだ歯周病を放っておくと、さらに進行する可能性があります。この時、口の中全体のバランスは大きく崩れ、歯も抜けてしまう恐れがあります。それでそのバランスをより崩れないようにするために、歯周病の治療が終わった後に永久固定をするのです。これにより歯のグラグラ感が軽減され、咬み合わせの力に対抗できるようになります。
やはり、ここでもプラークコントロール
固定した後、特に大事なのがプラークコントロールです。もし歯磨きがきちんとできてなく、歯周病が再発した場合、かぶせ物で連結された全ての歯が影響を受け、抜歯することになるかもしれません。いい状態を保つためにも、自己管理と歯科医院での定期的なチェックが必要なのです。
歯がグラグラした時まとめ
一口に歯がグラグラといっても、その状況は様々です。歯が抜けそうになっている時はまず歯周病を疑ってみて下さい。そして歯科医院で対処法を相談することがベストです。
以上になります。今回の記事はアナタのお役に立つものでしたか?どくらぼは、毎日アナタのお役に立つ歯科情報をお届けしています。また今度も是非遊びに来て下さい!長い文章を最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!