インレーってなんですか??
奥歯(小臼歯・大臼歯)の比較的浅い虫歯で、神経を残すことができるがコンポジットレジンでは修復できない場合に、虫歯の部分を削って取り除いた後、その窩洞に補う詰め物のことを「インレー」といいます。一般的に、歯と歯の間に虫歯ができたときに用いられ、虫歯の部分を削った後にインレーを装着するための窩洞形成をして、その後型とりをして作られます。虫歯の範囲によって削り方が違ってくるため形は様々です。
インレーにはどんな種類がありますか?
インレーには大まかに3つの種類があります。
保険内
- メタルインレー:金銀パラジウムでできているインレーで、色は銀色です。
保険適応外
- セラミックインレー:金属を使用しない白い詰め物で、天然歯により近い仕上がりになります。
- ゴールドインレー:18Kを使用して作られるもので、素材が柔らかいため咬み合わせの負担がかかりにくくなります。
<セラミックの分類について>
また、大まかに3種類のインレーを挙げましたが、セラミックにも種類があり、代表的なものにオールセラミックとハイブリッドセラミックがあります。セラミックはどれも歯の色に合わせた白い色で作成することができます。そのため天然歯とほぼ区別がつかないほど綺麗に装着することができますが、
オールセラミックは最も美しく自然な仕上がりになります。
セラミックのインレーのメリット、デメリットは?
メリット
<見た目が良い>
保険のメタルインレーは、詰め物の色や素材が選べない為、金銀パラジウムを使用した銀色のものになります。そのため、笑った時などに銀歯が目立ち気になる場合があるのですが、保険外のセラミックのインレーの場合は、詰め物の色を天然歯と合わせて作ることができる為、より自然な歯を再現することができ、一見天然歯と見分けがつかない程キレイに装着することができます。
<アレルギー症状を起こしにくい>
また、セラミックインレーは素材に金属を使用しない為、金属アレルギーを引き起こす可能性がありません。
デメリット
デメリットは、セラミックインレーは保険適応外なので保険適応内のメタルインレーに比べて費用が高額になること、また、金属のものに比べて耐久性に劣る部分があり、咬み合わせの負担がかかることなどにより割れたり欠けたりする可能性が高いということです。
ハイブリッドセラミックインレーって何?セラミックと何が違う?
ハイブリッドセラミックインレーとは素材にセラミックの他にレジンが混合されているもので、セラミックインレーとは素材にセラミックのみ使用されているものです。
通常のセラミックとの違いについて
ハイブリッドセラミックインレーは通常のセラミックインレーに比べて保険適応外の白い歯でも比較的費用が安く、光沢はやや劣りますが充分綺麗に装着することができます。柔らかい素材なので、咬み合わせの負担がかかりにくく割れてしまう可能性も比較的少ないといえます。しかし、通常のセラミックインレーに比べると経年による変色が目立ちます。
奥歯のインレーにはどの種類がオススメ?
奥歯のインレーには、銀色が気にならないようであれば保険適応内のメタルインレーがおすすめです。審美性を求めて白いインレーを希望する場合は保険適応外ですがハイブリッドセラミックインレーが比較的安くおすすめです。
奥歯は食べ物を噛むときだけでなく、睡眠時などにも無意識に上下を接触させることで負担がかかりやすくなる為、硬い素材のものを歯に装着することによって力が直接的にかかると歯根にも負担がかかるようになります。そしてその状態が長く続くことで歯根ハセツに繋がる可能性がある為、なるべく柔らかい素材を使うと良いでしょう。
メタルインレー、ハイブリッドセラミックインレーがおすすめ
インレーとクラウンは何が違う?
インレーは虫歯で歯の一部分に穴があいたときに歯の形を修復するために装着する詰め物であるのに対して、クラウンとはインレーのように部分的でなく歯の大部分が虫歯となってしまった場合にその部分を全て削り取り、歯冠を全て覆う形で被せるもののことをいいます。インレーは虫歯の状態や削り方で様々な形のものができますが、クラウンは歯冠全体を覆う形なので全て歯の形になります。
インレーのトラブルについて
インレーが取れた場合はどうすればいい?
インレーが取れた場合、それを持参して歯科受診して下さい。窩洞に虫歯が広がっておらず且つインレーが変形していない場合はセメントで再装着できる可能性があります。ここで絶対にしてはならないのが、自分で自宅にある瞬間接着剤などで装着してしまうことです。なぜなら、歯科用のセメントと瞬間接着剤では全く違うものなので、インレーが浮いてしまうことで咬み合わせが合わなくなったり、そのまま使用することで隙間から虫歯になってしまう可能性があるためです。
インレーがしみるのだが、どのようなことが考えられる?放置していい?
インレーを装着した部分がしみる場合には、主に2つの原因が考えられます。
<1、内部で新たな虫歯ができてしまっている場合>
多くの場合、装着しているインレーを除去して新たに虫歯治療をする必要があります。
<2、咬み合わせの負担によって知覚過敏が起きている場合>
どちらの場合にしろ、症状がでている状態で放置しておくことは避けるべきであり、早めの歯科受診をおすすめします。
インレーブリッジというものがあると聞いたのですが、どんなもの?
インレーブリッジとは、通常のブリッジが支台歯をクラウンの形態で固定するのに対し、支台歯をインレーの形態で固定するブリッジをいいます。欠損部位が1本だけの場合入れ歯やインプラントを装着するよりは手軽で良い点もありますが、それ以上に欠点も多くある補綴の方法です。
メリット
インレーブリッジの利点は、欠損歯があるがその両側の歯が健全歯の場合、クラウンの形態にするよりも削る量を大幅に減らすことができるということです。歯は削ることによってもろくなってしまうため、健全な歯はなるべくなら削らない方が良いのですが、欠損部位が目立つことや、噛むことが不自由な場合にインレーブリッジが良い場合もあります。
デメリット
ただし、インレーブリッジは自己管理が非常に難しく、長く持たせることも容易ではありません。支台歯の片方がゆるみその間から虫歯が広がり症状がでたころにはすでに神経まで達する大きな虫歯ができていることも多くあり、定期的に検診を受けるなどチェックする必要があります。
インレーについて まとめ
最後にインレーについて重要な点をおさらいしておきましょう。
インレーの種類について
- メタルインレー
- セラミックインレー
- ゴールドインレー
セラミックインレーのメリット、デメリット
メリット
- 見た目が良い
- アレルギー症状を起こさない
デメリット
- メタルインレーに比べると高額
インレーのトラブルについて
インレーが取れた場合
決して自分でくっつけようとせず、取れたインレーを持って直ちに歯科医院を受診しましょう。
インレーが滲みる場合
内部で新たな虫歯ができていたり、噛み合わせの負担によって知覚過敏が起きている可能性があります。早急に歯科医院を受診してください
いかがでしたか。我々が運営しております”どくらぼ”には、他にも皆様の大切な歯に関する情報が盛りだくさんです!是非他の記事にも目を通していただき、正しい知識を身に付けてくだされば幸いです。今後とも”どくらぼ”を宜しくお願い申し上げます。最後までご覧頂きましてありがとうございました。
「インレー」関連記事:
ハイブリッドセラミックって何?特徴や費用、4つの注意点について