私たちは生き方を見失ってしまった。
欲が人の魂を毒し、世界を封鎖し、私たちを不幸へと行進させた。
チャールズチャップリン 映画「独裁者」より
近代の歴史を振り返ると人々は貧しさから逃れるための歴史を歩んできました。そして、貧しさから開放されるために生み出したものが科学でした。科学技術を発達させることで多くのものを生み出すことに成功し、物質的な豊かさを手にすることができたのです。
しかし、十分な豊かさを手に入れたにも関わらず人々の欲求は尽きることがありませんでした。より、多くの豊かさをもとめ、科学技術を進化させてきました。その結果、どこまでも尽きることのない欲求の代償として、私たちの生活はおびただしい化学物質に取り囲まれてしまいました。人々の生活は便利で豊かになる一方で、カラダはボロボロになりました。
今回は前回(歯磨き粉がアナタの歯をボロボロにする)に引き続き、歯科の観点から見る便利さの代償として“歯磨き粉”についてわかりやすく考察していきます。
- 毎日使っている歯磨き粉が実はアナタの歯の寿命を縮めているとしたら。
- 健康のために買った歯磨き粉に世界で禁止されている化学物質が使われていたら。
歯科から見る歯磨き粉の大罪。科学技術が産んだ豊かさの裏に潜む闇を解説していきます。
歯磨き粉は化学物質だらけ。本当は怖い歯磨き粉
日本人は非常に“歯磨き”が大好きな民族です。デンタルケアグッズはどこでも手に入り、広告でもデンタルケア関連のものはどんどん増えています。CMでは売れっ子俳優が歯磨き粉をつけ、爽やかな笑顔を振りまいています。
しかし、そうした歯磨き粉にどんなものが入っているのかアナタは知りません。タレントやCM、売り場のポップの言うがままに“オススメ・売れ筋”の商品を口の中に入れています。しかし、アナタが宣伝を見て購入した歯磨き粉、実はカラダに害を与える化学物質だらけです。
消費者の健康よりも、売れるものを作ることが大切。企業はアナタの健康に興味はない。
口の中はカラダの内部であり、臓器と同じ。そこに化学物質を使用する矛盾。
人間の皮膚は大きく分けて「表皮」と「真皮」があり、部位によってこの厚みに差があります。皮膚は外的からカラダを守る外壁の役割をしており、これが薄ければ薄いほど体内に外敵が侵入しやすいです。
皮膚が外敵からカラダを守っている。(ニキビ 肌荒れを改善するための最短の道)
口の中は皮膚が非常に薄く、吸収率は他の皮膚と比較し、10倍~20倍と言われています。さらに、肌は年齢ごとに差があり、赤ちゃんは特に皮膚が敏感です。赤ちゃんの普通の肌でさえ私たちの何倍も刺激に弱いのですから、赤ちゃんの口の中はさらに刺激に弱いです。そうした中に、化学物質を与えるなんて・・・と思うかもしれませんが、アナタは既に赤ちゃんに化学物質を与えています。
食品ではないから大丈夫?医薬部外品という言葉のトリックに騙されてはいけない
歯磨き粉は食品ではないため、医薬部外品というくくりになります。この医療部外品というものがじつは厄介で、食品では入れることが禁止されている化学物質も医薬部外品ならば入れてもいいことになっています。
例えば、歯磨き粉で使用されている
- ラウリル酸ナトリウム
- サッカリン甘味料
これら2つは人体に害を及ぼす影響のあるものとして、リストアップされています。
「そんな害のあるもの、口にしたことないよ!」とお思いかもしれません。しかし、歯磨き粉売上ランキングを見ていくと・・・
2015年の4月~6月の歯磨き粉売り上げランキング(流通ニュース調べ)
1位 「ガードハロー」
3位クリアクリーン4位のデンタークリアマックス
売り上げランキングベスト4のウチ、3つの商品に人体に害を及ぼす可能性のある化学物質が使用されています。
歯磨き粉は医薬部外品であるため、食品とはルールが異なり、こうした化学物質が入ることが許されています。しかし、口腔内はカラダの内部であり、臓器と同じです。そうした臓器むき出しの中に食品では禁止されている化学物質を使用しても本当に問題ないのでしょうか。
化学物質(ラウリル硫酸ナトリウム)入り歯磨き粉は数十分でメダカを全滅させる。
YOUTUBEで、ラウリル硫酸ナトリウム入り歯磨き粉とそうでない歯磨き粉を水に溶かし、メダカの水槽に入れるという実験を行なっている方がいます。ラウリル硫酸ナトリウム入りのメダカは30分程度で全滅してしまったのに対し、ラウリル硫酸ナトリウムが入っていない歯磨き粉のメダカは2倍の量にしても1匹も死ぬことはなかったです。
すこし、過激な実験映像なので動画を見る際は注意して下さい。
メダカはラウリル硫酸ナトリウムで死ぬけれど、人体に問題はない。そんな言葉、信じられないです。(実験 合成界面活性剤 歯磨き粉)
ラウリル硫酸ナトリウムの製品情報が怖い。怖すぎる。
キシダ化学株式会社という化学物質を扱っている会社の製品安全データシート(有害性がある化学物質に関しての情報をまとめた文章)によると、ラウリル硫酸ナトリウムの危険性がわかります。
ドイツでは使用禁止、アメリカでは6歳以下の子供用品には使用禁止されているラウリル硫酸ナトリウム(キシダ化学株式会社)
※2016/05/20加筆修正。ドイツ在住の読者の方からドイツのコルゲート社の歯磨き粉にはラウリル硫酸ナトリウムが使用されているというご指摘を頂きました。ドイツでも歯磨き粉には使用されている模様です。情報提供、誠にありがとうございました。
ラウリル硫酸ナトリウムは強い刺激を与えるものであり、飲み込むとカラダに害を与える化学物質だということは、実は化学薬品メーカーもわかっていますし、それを購入している会社もわかっていることです。しかし、「人体に影響はない」という大義名分を元に今日もラウリル硫酸ナトリウム入り歯磨き粉が売れています。
何故、ラウリル硫酸ナトリウムを歯磨き粉に使うのか?
そもそもラウリル硫酸ナトリウムとは、人工的に作られた石油系の物質(合成界面活性剤)です。俗に言う「発泡剤(はっぽうざい)」というものです。発泡剤とは読んで字のごとく、「泡立たせる」ことを目的としたものです。
不思議なもので、人は泡立たせる=キレイになっていると錯覚します。この錯覚はメーカー側からすれば非常にありがたい錯覚です。つまり、実際にキレイになっていなくとも“泡立たせるもの”を大量に作ることさえできればモノが売れる。という公式が成り立つからです。事実、ラウリル硫酸ナトリウム入りの歯磨き粉が安価で大量生産され、売り上げランキングで上位を占めています。
安く作り、宣伝し、たくさん売って、利益を出す。消費者の健康を考える暇はない。(clement127)
歯磨き粉に含まれるサッカリン(サッカリンナトリウム)も発がん性が問題に
歯磨き粉に香味剤として、サッカリンが入っていることが多いです。合成甘味料の一種で1970年代にアメリカの実験で発ガン性が問題視され、使用が禁止されました。1973年の4月には日本でも使用が禁止されることになりました。しかし、その後発ガン性の実験に不備があったという理由で使用禁止は解除され今に至っています。しかし、発ガン性の疑いは晴れないまま現在に至っています。
2013年度売上歯磨き粉売上第1位の歯磨き粉にもサッカリンは入っている
消費者のことを考えるのであれば、メーカー側は「疑わしい化学物質」を使用した歯磨き粉を販売すべきではありません。しかし、実際に「化学物質を使用していない歯磨き粉」よりも「化学物質まみれの安価な歯磨き粉」の方が売れます。消費者は、自分の健康に優しい商品よりも、自分の懐に優しい商品を選びたがるのです。
では、こうした化学物質に関して、実際に歯磨き粉を販売しているメーカーはどのように考えているのでしょうか。
LION・花王にラウリル硫酸ナトリウム入り歯磨き粉について電話してみた。
今回、実際にラウリル硫酸ナトリウム入りの歯磨き粉を販売しているLIONさんと花王さんに実際に問い合わせてみました。
どくらぼインターンの倉持君。いつも電話で企業に質問をしています。
デンタークリアMAX(ラウリル硫酸ナトリウム配合)を販売しているLIONさんの答え
LIONさんは、非常に窓口の方の教育水準が高く、非常に細かく丁寧なご返事でした。
ラウリル硫酸ナトリウムについて、どのような見解をお持ちかという質問に対し、
- ラウリル硫酸ナトリウムは一般的に歯磨き粉に広く使われていて、厚生労働省の許可も得ている。
- 一度販売した製品も、継続してチェックは行われているので安全性に問題はない
- 粘膜に吸収されて問題ない量を配合している。基本的には口をゆすいで吐き出されるから問題ない。
- ラウリル硫酸ナトリウムはほぼ全てのライオン製品に使われているので、問題ない
クリアクリーン(ラウリル硫酸ナトリウム配合)を販売している花王さんの答え
花王さんは窓口の方が不慣れだったのか、資料を探すということで一旦電話が切れ、10分後に折り返しの電話がありました。
- 一般的にシャンプーや歯磨き粉に、長年使われている成分で、広く認知されている。
- 海外でも普通に使用されている。
- 医薬部外品として国に認められた成分だけを使用しており、花王として害があるとの認識は一切ない。
どちらの会社も、「国に認められているものを使用しているので、問題ない」という答えでした。しかし、この答えは自分達の意見の放棄のように感じます。国に認められているという大義名分を手にし、カラダに害がありうる製品を作り、販売する企業の姿勢は讃えられるものではないです。しかし、私たち消費者は自分達の健康を自分達で守ることを放棄し、企業の言うがままに商品を手に取っています。
健康に害のある商品を販売している企業にも非はあります。しかし、そうした商品を何も考えず大量に手にとっている私達にも非はあるのではないでしょうか。健康の放棄はすなわち、生きることの放棄です。生きることを放棄した私達に果たして何が残るのでしょうか。
健康に優しい商品よりも、懐に優しい商品を選びたがる無知な消費者。
アナタの健康を国は保証してくれない。自分の健康は自分で守らなければ行けない。
2015年10月7日、厚生労働省は国民の医療費が40兆円を超えたと発表しました。40兆円を超えたのは歴代で初めてのことであり、高齢者の増加により医療費が増えているとされています。これから先、日本はさらなる高齢化を迎え、国として医療にかける費用は既に底が見えてきています。医療費が底をつき、国が国民一人ひとりの医療を保証しない時代の到来がすぐそこに来ています。
しかし、そうした状況に対して私たちはあまりに脳天気に日々を過ごしてはいないでしょうか。生命保険に多額のお金をかけるにも関わらず、予防についてはお金をかけないどころか知識さえ持とうとしません。
医療費が増えているのは、高齢者のせい。若者が負担するのはおかしいという論調もありますが、私たちは医療費を押さえる努力をしているのでしょうか。ただ、何も考えずに与えられたものを消費し、さらに何も考えず新たなものを受け取っているだけではないでしょうか。
国はもはや、アナタの健康を守ってくれる存在ではないのです。医療費が永遠にあり、国民保険がいつまでも使えるという認識は捨てなくてはいけないのです。自らの健康を自ら守るという選択肢しか、今の日本にはないのです。だからこそ、私たちは“健康”に敏感でなくてはいけません。“健康”を学ばなくてはいけないのです。
これからの時代を生きるために必要な力。
健康ブームなどという一過性のものではなく、今後健康が再注目されます。すでに、NASAやGoogleでは働くものの健康を第一に考え動いています。しかし、日本はそうした世界のワールドスタンダードから1歩も2歩も出遅れ、長寿大国であるにも関わらず不健康大国であるといういびつなねじれを引き起こしています。
いまから、すべての化学物質を捨てろ!健康になれ!と私たちは言うつもりはありません。ただ、自らのカラダのこと、カラダに入るもののことについてもう少し興味を持っていいのではないかと考えます。私が運営しているメディア、どくらぼは「歯科」の観点からあらゆる情報を発信しています。今回のような医療コラムのようなものも書いています。歯科はただ、虫歯を治すというだけではなく、アナタのカラダを作る食べ物が入ってくる最初の入り口です。多くの歯科医が健康日本人を取り戻すために、食や口に入れるものを再考すべく、今立ち上がっています。その為には、私たちからの働きかけが大切です。どくらぼのような医療のサイトから知識を身に付け、自らの健康を考えるきっかけにしていただきたいと考えています。
長くなりましたが、今回はここまでと致します。最後まで読んで頂き、誠にありがとうございます。
最後に過去の私のコラム、歯科医院様へのどくらぼの宣伝をし、終わりとさせていただきます。
どくらぼ編集長内田が書いた、SNSで広がっている厳選オススメ記事
・なぜ日本人は世界最長寿国でありながら、歯抜け・寝たきり大国になったのか。予防歯科を知らない哀れ日本人
・その銀歯、数年で抜歯になります。虫歯の治療をするほど歯の寿命が縮む。虫歯予防を知らない悲しい日本人。
・世界で禁じられた金属『アマルガム』がアナタの口に入ってます。本当に怖い、銀歯という歯の詰め物。
全国の歯科医院で導入中のどくらぼが提案する情報発信型ホームページとは
今、情報が求められています。海外のビジネスパーソンを初め、世界中で健康が注目されてきている流れの中で人々は正しい情報を求めています。そして、そうした情報開示のひとつの手段としてインターネットがあり、その中の一つとしてホームページがあります。今や多くの歯科医院が自院のホームページを持つようになり、情報を発信するようになりました。しかし、そこで発信している情報とは、本当に人々が求めている情報なのでしょうか。ほとんどの医院が、自分達が伝えたいことだけを伝えているのではないでしょうか。
ホームページ制作会社も1つの会社です。会社であるということは、利益を求めなくてはいけません。利益を求めるためには、医院が満足するホームページを作成しなければなりません。しかし、医院が満足するホームページをあらゆる制作会社が作成した結果が今の結果へと繋がっています。本当に腕の良い患者さん思いの良い歯医者さんが淘汰され、宣伝ばかりで腕がない歯医者さんが生き残るという構図を招いています。
これはまさに、資本主義の縮図ではないでしょうか。化学物質にまみれた歯磨き粉を大量に生産し、利益を出す企業が残り、患者さんのことを考えた歯磨き粉を販売するメーカーが潰れていくのです。しかし、こんな状況が歯科医療の本来あるべき姿なのでしょうか。私たちはそうは思わないです。
国のため、日本人のためを思えば、患者さんのことを本当に考えた、本当にいい歯科医院が生き残らなくてはいけません。そして、そのためには情報をもとめている患者さんにとって、アナタしか知らない情報、アナタしか話すことのできないオリジナルの情報を表現し、ホームページに反映させる必要があります。私共はそうした歯科医院のために、徹底的にサポートを行い、ともにこの業界を変革させていこうと本気で考えています。
・良い患者さんを集めるためのホームページとは
・今持っているホームページの何がいけないのか
・今の業者さんに不安がある
など、そうしたお悩みに対し誠心誠意お答えしております。
私共はこれからもどくらぼを使用し、全国の患者さんのデンタルIQを高めるべく邁進いたします。現在は月に70万人の潜在患者さんが訪れるサイトになり、患者さんのデンタルIQ向上に寄与していると考えています。デンタルIQの高い患者さんを適切な歯科医院に導きたいと考えています。
ホームページへの不安、どくらぼへの情報掲載など、どんな些細なことでも是非ご相談下さい。
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。これからもどくらぼを初め、私共をよろしくお願い致します!