お子さんの歯がエナメル質形成不全と言われることがあるかもしれません。聞き慣れない名前でドキッとしてしまうかもしれませんが、決して珍しいものではありません。一体どのような状態のことを呼ぶのでしょうか?また治療法や予防法などはあるのでしょうか ?
そもそもエナメル質形成不全って?
エナメル質形成不全とは歯が作られる過程において何らかの原因で、歯の最表層のエナメル質がきちんと形成されなかった状態を呼びます。多くは永久歯に現れ全体の10%、乳歯ではそれよりも少ないですが現れることがあります。
歯がどのようになっていたら、エナメル質形成不全?
エナメル質形成不全の特徴としては
- 虫歯でないのに歯の表面に凹みがある
- 歯の表面が黄色や茶色がかっている
- 歯の表面に白斑がある
- 歯の大きさが小さくて歯と歯の間に隙間があいている
などがあります。
エナメル質形成不全になる原因
エナメル質形成不全になる原因としては遺伝性のものと遺伝性でないものがあります。
■遺伝性のもの
発生率は8000〜15000人に1人くらいであると言われています。遺伝性の場合はすべての歯に形成不全が現れます。
■遺伝性でないもの
以下のものが原因となることがあります。
- 乳歯の時に強くぶつけた
- 乳歯の根の先が感染し膿が溜まっていた
- 妊娠中の母体の病気、服用した薬の影響や栄養不足
- 子供自身の病気や服用した薬の影響
一般的に、1と2の場合は原因となる乳歯の後に出てくる永久歯にのみに、3と4の場合には複数の歯に症状が現れます。
治療法やケア方法は
エナメル質形成不全症とひとくちに言っても、症状の現れ方によって治療法やケア方法は変わってきます。
軽度のもので凹みなどがないケースではとくに治療の必要はありません。見た目が気になる場合には、着色の部分を削ってプラスチックを詰めたり、ラミネートベニアやセラミックをかぶせることで解決できます。ただ、歯の質が弱い傾向がありますので、フッ素を活用して虫歯予防に注意を払いましょう。
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穴があいているケースでは穴に汚れが溜まって虫歯になりやすいため、通常の虫歯の治療のように詰め物をしたほうが良いでしょう。
エナメル質が非常に薄かったり、構造がしっかりしておらず硬さが十分でない、いわゆる重度の場合、知覚過敏の症状がでたり、歯が崩壊しやすいため、歯を保護するためにセラミックやクラウンなどのかぶせ物で歯を保護する必要があります。
予防方法は?
遺伝性の場合は残念ながら予防方法はありません。遺伝性でない場合は次のことを気をつければ発生を予防することが可能になります。
1.乳歯の虫歯を放置しない
乳歯だし抜け替わるから、と虫歯を放置していると根まで感染を起こし、永久歯に悪影響を与える可能性がでてきます。乳歯のうちから虫歯予防に努めましょう。
関連リンク:歯が生え始めた子供の虫歯予防法!
2歯をぶつけないように注意する
歯をぶつける年齢が低いほどエナメル質形成不全の重症度が高くなると言われています。お子さんが歯をぶつけないように極力注意を払いましょう。
エナメル質形成不全 まとめ
エナメル質形成不全とは
歯が作られる過程において何らかの原因で、歯のエナメル質がきちんと形成されなかった状態
エナメル質形成不全の見た目の特徴
- 虫歯の表面に凹みがある
- 歯の表面が黄色や茶色がかっている
- 歯の表面に白斑がある
- 歯の大きさが小さくて歯と歯の間に隙間があいている
エナメル質形成不全の原因
- 遺伝
- 乳歯の外傷
- 乳歯の根尖病巣
- 妊娠中の母体の病気、服用した薬の影響や栄養不足
- 子供自身の病気や服用した薬の影響
エナメル質形成不全の治療法、ケア方法
軽度のもの
フッ素で歯質強化
見た目が気になる場合には審美的治療(詰め物、ラミネートベニア、セラミッククラウン)
穴があいているもの
詰め物
重度の場合
セラミックやクラウンをかぶせて歯を保護
エナメル質形成不全の予防法
・乳歯の虫歯を放置しない
・歯をぶつけないように注意を払う
エナメル質形成不全だとお子様が判断されても慌てずに、適切な対処を歯医者さんと相談するようにしましょう!