こんにちは!歯科情報サイト「どくらぼ」でございます!
本日は
歯とセラミック
についてお話していきたいとおもいます。
アナタは「虫歯などで歯を治療する」という言葉を聞いた時にまず、どんなことを思い浮かべますか?恐らく、多くの方が“銀歯”をイメージするのではないでしょうか?
たしかに、昔は歯医者さんに行って詰め物・被せ物をすると金属を使った歯になりましたが、現在は歯科医学の進歩によってより歯に近い強度・色の材料での治療が可能となってきました。
今回はその歯科材料、セラミックについて詳しく解説をしていきたいと思います。
セラミックって一体なんなの??
セラミック、という素材は身近なもので例えると陶磁器のお茶碗と近しいもので、粘土を焼き固め出てきた結晶です。
歯医者さんで使われる「セラミック」は陶器のようなもの
陶磁器にも2種類あって、瀬戸焼や備前焼のような、光を通さない土の感触が残ったものを陶器と言います。
有田焼や九谷焼のように、つるっとしたガラスのような、光を通すようなものを磁器といいます
その中で歯科で使用されるセラミックスは軟磁器、という分類に当たります。ですので、イメージとしては透明感のあるつるっとした仕上がりと捉えて頂いたらいいでしょう。
歯科にセラミックが使われた時は、あの世界的有名ブランドの入れ歯もあった?
初めて歯科にセラミックが使われたのは、長石質(ケイ素酸ガラス)といった材料を主として使用した、ポーセレンと言われる陶材です。初めは18世紀のヨーロッパで入れ歯の材料として使われていました。食べたり噛んだりできるほどの強度はなく、主に審美的な目的で利用されていました。実は当時の社交界の婦人は歯の無い人が多かったらしいです。ウエッジウッド製の入れ歯、などもあったとか‥。
ポーセレンを始めとしたセラミックで歯を加工する技術が進化していく
その後、20世紀の初めには、個々の患者さんの歯の形に合わせて、ポーセレンを焼き固める技術が出来、いうなればポーセレンの被せ物も作られるようになりましたが、やはり強度に問題がありました。改良を重ねた結果、裏に金属の裏打ちをすることで強度が改善されるということが分かり、幅広く使われるようになりました。これが今でも使用されているメタルボンドです。
また、材料そのものを強度の高いものにして、脆さや強度をアップさせよう、という試みも重ねられてきました。そうして出来上がったのが近年よく言われるオールセラミックです。
(左が金属で裏打ちされているメタルボンド。右がオールセラミック)
しろもとデンタルクリニックさんによると、メタルボンドとオールセラミックを比べると光のあたり具合から歯全体の印象が大きく変わるとのこと。
オールセラミックにも様々な種類がある
オールセラミックには、ケイ素酸ガラス(ポーセレン)の代わりに、アルミナ、ジルコニア、ジルコニアとアルミナを混合したもの、ガラスセラミック、等があります。それぞれの材料で特徴がありますが、ポーセレンを用いたメタルボンドと比較して決定的に違うのは、
・金属の裏打ちが無くても大丈夫。
・そのために、歯の透け感がメタルボンドのものと比べてより良くなっている。
・金属を使っていないため、歯ぐきの際が黒くなる心配がない
・金属アレルギーの心配をしなくてもいい。
などが挙げられます。
それぞれのオールセラミックの特徴に関しては、また回を変えて詳しく説明していきますね。
セラミックと歯のまとめと大まかなお値段
一口にセラミックと言っても、かなり種類があることがお分かりかと思います。
セラミックの中に金属の裏打ちがあるメタルボンド、全てセラミックが使われているオールセラミック、そしてそれぞれのセラミックの中にも色々な素材があります。
今回、ご紹介したメタルボンドもオールセラミックもそれぞれ大まかですが、相場は10万円前後。強度、見た目、費用など一長一短があります。
もし、今歯にセラミックを使用しようかと考えているアナタは、まず通っている歯科医院の先生に対してどんな素材をつかっていて、どんなメリット・デメリットがあるのかをしっかりと聞くことが大切です。保険が効かない、高価な買い物ですので、納得のいくまで説明を聞くことをオススメ致します。場合に応じては、複数の医院で話を聞いてみてもいいかもしれません。
長くなりましたが、以上になります。今回はセラミックと歯についての大まかな内容でしたが、今後さらに掘り下げてわかりやすいセラミックの説明を行っていく計画ですので、どうぞ今後共よろしくお願い致します!
最後まで、お付き合い頂き、ありがとうございました!