フッ素という言葉をよく耳にすると思います。いまや、ほとんどの歯磨き粉にはフッ素が入っています。
「歯にいいんだろうな」ということくらいは分かりますが、実際にフッ素がどんなもので、どういう役割をしているかをご存知ですか?
今日は、フッ素の効果について解説していきます。
フッ素の効果の前に、フッ素の正体を教えます。
フッ素とはそもそも、自然に広く存在している元素です。海、川、土壌・・ありとあらゆる自然の中に存在しています。
私たちは日常、こういった自然からできた産物を食べていますので、飲み物や食べ物、という形で私たちの中にも無意識のうちに常に取り込まれています。
フッ素が多く含まれる食品としては、塩、魚、お茶などがあげられます。
また、私たちの体の中にも骨や歯の中に多く存在しており、骨や歯が作られる時や、それらの健康を維持するために必要不可欠な栄養素として知られています。
しかし、食べ物や飲み物だけでは、歯の健康を保つのに十分なフッ素の摂取は不可能で、虫歯予防のためには自分たちで意識してフッ素を歯に取り込んでいくしかないのです。
フッ素は歯に対してどんな効果があるの?
フッ素が歯に対して与える効果は次の通りです。
1.歯を強くする
フッ素が歯の表面に作用して強い結晶となり、虫歯菌が作り出す酸から歯を守ってくれます。
2.歯を再石灰化する
虫歯菌によって作られた酸が歯を溶かし始めた場合、唾液中のミネラルの歯への沈着を促すことで歯を修復します。
この働きを再石灰化作用とよんでいます。つまり、初期虫歯はこれで治ってしまうことがあります。
3.抗菌作用で歯を守ってくれる
フッ素の持つ抗菌作用が虫歯菌にも働きます。虫歯菌が活動しづらくなって酸を作れなくなることで歯を守ります。
歯磨き粉にもフ素は入ってるけど、歯医者でフッ素塗布をしたほうがいいの?
歯磨き粉に入っているフッ素は非常に低濃度に抑えられています。
それだけでも効果はあるといえばあるのですが、より確実に虫歯予防を目指すのであれば、歯科医院で3ヶ月に一度のフッ素塗布をおすすめします。
フッ素塗布に最も効果的なのは、歯の生え変わりの時期
ちなみにフッ素を塗って一番効果の高い年齢は新しい歯が生えてくる時期です。
具体的には、乳歯の場合生後6ヶ月頃から2歳半頃まで、永久歯の場合は6歳から15歳頃までです。
生えたての歯は質がまだ弱く、虫歯に非常にかかりやすくなっているため、この時期は積極的にフッ素を塗ったほうがよいでしょう。
フッ素はいつまでやればいいの?
近年ではフッ素塗布は一生に渡って行ったほうがいい、ということも言われ始めてきています。
その理由として、歯周病や年齢とともに歯ぐきが下がって歯根が露出してくるのですが、その部分はエナメル質に覆われておらず、虫歯に対する抵抗性が低いです。
そのため、その部分をフッ素で強化してむし歯のリスクを下げたほうがよい、ということが言われています。
普段の歯磨きでフッ素をより効果的に効かせるコツは?
フッ素入りの歯磨き粉も、ちょっと使い方を工夫するだけでフッ素の効果がよりアップします。要点をあげてみます。
- 毎日継続して使う
- 1日2回は歯磨きをする
- 寝る前には必ず歯磨きをする
- 3〜6歳未満はグリーンピース大、それ以上は歯ブラシの半分くらいの量を使う
- 3分以上みがく
- ゆすぐのは2回くらいまでにとどめる
- 歯磨きの後は飲食をしない(〜1時間)
フッ素の効果まとめ
日本人は世界の先進国と比べて、むし歯が多いのが現状です。
フッ素に対する取り組みもまだまだ決して進んでいるとは言えません。
大事な歯を虫歯から一生守るためにも、フッ素の効果をよく理解し、上手に活用していきましょう。