フリーワード

詳細条件

詳細条件を選ぶ

診療内容

サービス内容

歯医者 新着記事

このエントリーをはてなブックマークに追加

歯根膜炎って何?5つの原因と、自宅・歯科医院での治療法について。

2016年01月08日 13時32分
歯根膜炎をご存知ですか?歯が痛むのは、虫歯だけではありません。歯が痛いという理由で歯医者さんに行った人の多くに、歯根膜炎が見られるといいます。放っておくと、骨が溶けてしまうことも。原因と治療法について詳しく解説いたします。

歯根膜炎って何?5つの原因と、自宅・歯科医院での治療法について。

そもそも歯根膜炎とは

 歯根周りの歯周組織を構成している歯根膜は噛んだ時に硬いもの、柔らかいものなどを判断する膜です。この歯根膜があるおかげで食事の時に食べ物の食感や歯触り等を感じ、食事を美味しく食べることができます。

 この膜に様々な原因で炎症が生じている状態を歯根膜炎といいます。歯根膜炎には、

  • 感染性のものと、
  • 非感染性のものがあります。

歯根膜炎は虫歯ではないのですが、ズキズキとした痛みやしみる感じ、歯が浮いたような感覚があります。非感染性の場合は、打診時の痛みや歯茎の腫れ、歯の動揺等があり、感染性の場合は、歯を叩くと痛みがあったり、激しい痛みや鈍痛があります。この炎症をそのままにしておくと歯の先端に膿がたまり顎の骨を溶かしてしまう原因となります。

歯科医院を歯が痛いという主訴で来院する人の多くは、虫歯ではなく非感染性の歯根膜炎であることが多いと言われています。

歯根膜炎が起こる原因は?

《非感染性》

  • 噛み合わせが一部だけ高くなっている

 虫歯治療で新しい被せ物を入れた後に噛み合わせが一部だけ高くなっている等の場合、その歯に力が強く加わることによって歯の歯周組織である歯根膜に炎症が起きます。この場合、噛み合わせたり歯を叩くと痛みが生じます。長期間に一部の歯にだけ負担がかかり続けると、歯が動揺を起こし、歯周炎のようになることもあります。

 

  • 歯に力が加わっている

 歯ぎしりやくいしばりなど歯に強い力が加わってしまうと歯根膜炎が起こります。長期間に渡り歯に力が加わり続けると、噛んだ時に痛みを感じるようになります。この歯根膜炎は慢性的な歯ぎしりやくいしばりによって起こる「歯が削れてしまう」「歯の根元が割れる」「歯が割れる」等のトラブルが起こる前の歯からのお知らせのようなものです。

《感染性》

  • 歯の神経の治療後

 歯の神経の治療をした後、歯根膜炎になることがあります。これは、歯の先端近くまで器具を入れて取っていくため、その時の刺激が歯根膜に伝わり治療後2、3日ほど痛みが生じることがあります。歯に誤って穴を開けていたり、神経を取り残していなければ痛みは自然と引いていきます。その間は治療中の歯は極力使わないように気をつけてください。

 

  • 虫歯からの炎症

 虫歯になっている歯の場合、歯根膜に虫歯菌が感染することによって起こることがあります。虫歯からの歯根膜炎の場合、虫歯の大きさや段階により炎症に発展するわけではありません。明らかに虫歯になっているような歯に穴が空いているものや、虫歯治療の終わった被せ物の下の虫歯や、神経が死んでしまった虫歯等、虫歯菌が歯の歯周組織に感染してしまった場合に起こります。

 

  • 歯周病からの炎症

 重篤な歯周病で歯が動揺しているような場合歯根膜炎を起こし痛みを生じます。歯周病自体は罹患している患者さん自身歯周病であることに気づかないほど痛みはないのですが(歯茎の出血、発赤、口臭等はある)、歯根膜炎を起こすと痛みが生じます。歯根膜炎になって初めて歯周病に気づく患者さんもいます。

歯根膜炎の治療法は?

《歯科医院での治療》

  • 噛み合わせを調整してもらう

 ほんの少し歯の表面を削って噛み合わせを調整し、左右均等に噛めるようにすれば、一部分の歯にだけ力が加わることがなくなります。加わっていた力が取れれば、炎症は引き痛みもなくなります。

 

  • ナイトガードで力をコントロールする

 歯ぎしりやくいしばりなど無意識に歯を酷使し、歯根膜炎を起こしている場合は夜使用するナイトガードを作ってはめることにより、歯の保護につながり、炎症も治まります。市販でもナイトガードを作れるキットもありますが、市販品だと歯にぴったりはまらないため取れやすくなってしまうので、歯科医院で型取りをして作成したほうが良いでしょう。

自宅で気をつけること

  • 痛みのある歯で噛まない

 痛みのある歯根膜炎を起こしている歯でものをかまないようにして、歯を小休止させてあげてください。ただ、一方だけで長期間噛み続けると、噛み合わせが崩れてしまう原因となってしまうので、痛みが引いたら両方同じようにものを噛むように心掛けてください。

 

  • 歯と歯を合わせない

 歯はずっと噛み合わせているとダメになってしまいます。人はリラックスしていると「安静空隙」といい、歯を数ミリ開けた状態にするのが自然な状態です。食事を摂るとき以外は極力歯を合わせないようにしてください。

 

  • ガム等を噛まない

 「歯と歯を合わせない」と同じ理由で、ガム等常に歯を使うものを摂っていると歯が痛くなります。スルメや硬いおせんべい等も歯を多く使います。痛みが生じている時にガムやスルメのようなものは食べないようにしましょう。

 

  • 痛み止めを飲む

 あまりに痛い時には市販の痛み止めを飲むと痛みは和らぎます。その間に上記のようなことを試してみてください。それでも痛みが治まらなかった場合は噛み合わせによる歯根膜炎ではなく感染性ののものの可能性がありますので、歯科医院で必ず診てもらいましょう。

歯根膜炎を治療する歯医者さんはどんなところを選べばいい?

 一般歯科でも十分に歯根膜炎の治療は可能ですが、噛み合わせに力を入れているところのほうが安心かと思います。歯を削って歯が強く当たらないようにすることは簡単なのですが、一度削ってしまうと歯は元には戻せませんし、噛み合わせを整えることはとても繊細な治療になります。削りすぎて噛み合わせが狂ってしまうと、偏頭痛や顎関節症等を引き起こす原因になってしまうかもしれません。

歯根膜炎は自然治癒する?

 非感染性の場合、いつの間にか痛みが取れて自然治癒することもあります。ただ感染性の場合、放置していると感染が進み、炎症が歯の根の先から周囲の組織や顎の骨に広がり「根尖性歯周炎」を起こします。この場合は自然治癒はしないので、歯の神経を抜き根管内を洗浄する治療を行う必要があります。

まとめ その他、歯根膜炎について知っておくべきこと

 虫歯が痛いという理由で来院する患者さんの多くがこの歯根膜炎の場合が多いです。日頃から歯をずっと合わせた状態になっていたり、ストレスなどで食いしばっていると歯はダメになってしまいます。過度な力が加わっていると、歯が欠けたり、歯根が割れたり、歯が割れたり等ひどい時には抜歯をするしかなくなる場合もあります。今は虫歯により歯をダメにする人より、こういった歯を酷使することによりダメにしてしまう方のほうが多いです。歯科医院に定期的に通院している方以外、歯が痛くなってから歯科医院を来院する人にとってこの歯根膜炎による痛みは歯からの異常のサインになりますので逃さないようにしてください。

最後に、歯根膜炎について重要な点をおさらいしておきましょう。

歯根膜炎の原因

非感染性

  • 噛み合わせが一部だけ高くなっている
  • 歯に力が加わっている

感染性

  • 歯の神経の治療後
  • 虫歯による炎症
  • 歯周病による炎症

歯根膜炎の治療法

自宅での治療法

  • 痛みのある歯で噛まない
  • 歯と歯を合わせない
  • ガムなどを噛まない
  • 痛み止めを飲む

歯科医院での治療法

  • 噛み合わせを調整してもらう
  • ナイトガードで力をコントロールする

 

「歯根膜炎」関連記事:

不正咬合って何?3つの分類方法と、治療の必要性について

その痛み、根尖性歯周炎かも!原因や症状、痛くない治療法を教えて!

歯痛、歯が痛い時にはロキソニン!子供・妊婦まで安心の正しい飲み方教えます。

この記事を気に入ったらいいね!しよう

どくらぼの記事を毎日お届けします!

レポートのカテゴリ一覧

歯科専門ライターによる、歯に関する情報がいっぱい

最も見られているレポート

歯医者の達人

歯医者さんが本当に薦めたい治療は、保険が効かない。

歯医者さんが本当に薦めたい
治療は、保険が効かない

日本人だけが知らない予防歯科の正しい考え方

日本人だけが知らない
予防歯科の正しい考え方

歯科技術の進化がとまらない

歯科技術の進化が
とまらない

悪い歯医者に騙されてはいけない

悪い歯医者に
騙されてはいけない

緊急QA

  • 噛むと痛い
  • 歯が浮く
  • 歯がしみる
  • 親知らずが痛い
  • 歯が欠けた
  • 歯が抜けた
  • 口内炎を治したい
  • すぐに口臭を抑えたい
  • 歯がグラグラする
  • 詰め物、差し歯がとれた
  • 歯並びを治したい
  • 歯茎から血が出る
  • 歯を綺麗にする
  • 舌が痛い
  • 顎が痛い
  • 唇の様子がおかしい