そもそもドライソケットとは何ですか?
ドライソケットとは歯を抜いた後の傷口が、かさぶたとしての血の塊で十分に覆われないことによって骨がむき出しになり、傷が強く痛む状態のことをいいます。 特に下の親知らずで時間のかかる難易度の高いケースにおいてよく起こります。下の親知らずの抜歯の場合で3%ほどの人に起こると言われています。
どんな症状があるとドライソケットだと言えますか?
通常の抜歯の場合、抜歯をした後に麻酔が切れると痛みが出てきますが、その痛みはだんだんと日が経つにつれ和らいできます。しかし、
ドライソケットの場合は抜歯をした後2、3日ほどを経てから痛みが強くなってきます。
強い痛みは耳のあたりにまで及び、何週間にも渡って続くことがあります。特に食事の時に食べたものが抜歯後の穴に入ると骨に直接触れるために激痛を生じます。また、悪臭を伴う場合もあります。
なぜドライソケットになるのですか?
本来は歯を抜いた穴は血の塊で覆われ、それが原因で歯茎が作られるのですが、何らかの原因で穴がうまく血の塊で覆われないと、骨が長期間むき出しになってしまい、強い痛みが長い間続くことになります。歯を抜いた穴に血の塊がなくなってしまう原因としては次のようなことが考えられます。
1.うがいのしすぎ
これが原因の大半を占めます。抜歯後の出血が気になり、うがいをやり過ぎてしまうと血が十分に溜まりません。
2.舌で傷口を触ってしまう
食べ物が抜いた穴に入ったりすると気になって舌で触ったり取ろうとしてしまいがちですが、誤って血の塊を剥がしてしまう危険性があります。
3.抜いたところに陰圧がかかる
穴に入ったものが気になって吸うような動作で陰圧をかけると、血の塊が出てきてしまうことがあります。
4.麻酔の量が多い
下の親知らずの周囲は骨が厚く、麻酔が効きづらいことがよくあるために、麻酔の本数が増えてしまうことがあります。麻酔の中には血管収縮薬が入っており、それにより出血が少なくなって血が十分に溜まらない可能性があります。
5.抜歯にかかる時間が長い
よく、「抜歯は時間がかかるほどその後の症状が強く出る」などと言われます。抜歯で骨が空気に触れる時間が長いと、その後の治りが悪くなります。
6.出血量が少ない
4とも関連しますが、下の骨は緻密な骨であり、出血が少ない場合があります。その場合はドライソケットになりやすい傾向があります。
7.喫煙をしている
喫煙は血行を悪くし、傷口の治りを悪くします。
ドライソケットの痛みに対する応急処置や治療法
ドライソケットの痛みに対しては次のような対処をします。
1.鎮痛剤・抗生剤
基本的には痛み止めで症状の緩和を図ります。抗生剤は細菌感染がひどくならないように飲む必要があります。
2.洗浄・消毒
生理食塩水でよく穴を洗浄します。抗生剤の軟膏をガーゼにつけて穴に詰めておくこともあります。その場合は1〜3日ごとに交換する必要があります。
3.抜歯した傷口を出血させる
歯茎に麻酔をして、再度抜歯した穴を器具で引っ掻いて出血させて血を出し、かさぶたを作る方法です。有効な手段ですが、麻酔が効きにくい場合もあり、多少痛みを我慢して行わなければならないことがあります。
ドライソケットにならないためにどうすればいい?
ドライソケットにならないようにするには、以下のことに気をつけましょう。
1.とにかくうがいをしない
抜いた当日は出血するものです。気になると思いますが、うがいは抜歯当日はしないようにしましょう。
2.止血をしっかりする
血がある程度止まるまでは、しっかりとガーゼで圧迫止血をしましょう。
3.しばらく禁煙する
少なくとも抜歯の数日前から、抜歯後一週間ほどはタバコは控えましょう。
4.抜いた場所を舌で触ったり陰圧をかけない
食べかすなどが入って気になる場合には、歯科医院で洗浄してもらうのが一番です。無理に舌で触れたり、吸って取ろうとしないようにしましょう。また、ストローで飲み物をのんだり、麺類をすするなども陰圧をかけるので控えましょう。
5.抜歯後は硬いもの、詰まりやすいものを食べない
抜歯後は傷口を痛めないために軟らかい、あまり噛まずないですむものを食べましょう。
6.口の中を清潔にしておく
ドライソケットは感染も原因となります。極力抜歯の前にしっかりと歯を磨いておきましょう。
ドライソケットについて まとめ
最後にドライソケットについて重要な点をおさらいしておきましょう。
<ドライソケットとは>
- 歯を抜いた後の穴に血の塊ができずに、骨がむき出しとなって強い痛みを出すもの
<ドライソケットの症状>
- 抜歯後2、3日経ってから痛みが強くなってくる
- 耳のあたりまで出る強い痛みが数週間続く
- 食べかすが抜いた穴に入ると激痛を伴う
- 悪臭を伴うことがある
<ドライソケットの原因>
- うがいのしすぎ
- 舌で傷口を触れる
- 抜いたところに陰圧をかける
- 麻酔の量が多い
- 抜歯にかかる時間が長い
- 出血量が少ない
- 喫煙をしている
<ドライソケットの痛みに対する対処法>
- 鎮痛剤、抗生剤
- 洗浄・消毒
- 抜歯した傷口を出血させる
<ドライソケットの予防法>
- 抜歯当日はうがいをしない
- 止血をしっかりする
- 術前術後、当分禁煙をする
- 抜いた場所を舌で触ったり陰圧をかけない
- 抜歯後は軟らかいものを食べるようにする
- 口の中を清潔にしておく
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