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歯肉癌の症状、原因、予防法、治療法について。その全てをまとめました。

2015年11月02日 10時15分
歯肉癌の生存率は下顎で50~80%、上顎で40~70%です。歯肉にできる病気の中で最も恐ろしいと言われる歯肉癌。その原因や、症状、予防法、治療法にいたるまで、全てを1ページにまとめました。歯肉癌の全てが分かります。

歯肉にできる最も怖い病気!歯肉癌のまとめ

歯肉癌についてご存知ですか?歯肉にできる最も恐ろしい病気と言われています。これから詳しく解説いたします。

歯肉癌って何だろう? 

あまりご存じでない方も多いと思いますが、口の中にも癌(がん)はできます。ここではその中でも、歯肉にできる癌について解説させて頂こうと思います。歯肉にできる癌は歯肉癌(しにくがん)と呼ばれ、その内の、

  • 上あごの歯肉にできる癌を上顎歯肉癌(じょうがくしにくがん)と呼び、
  • 下あごの歯肉にできる癌を下顎歯肉癌(かがくしにくがん)と呼びます。

日本において口内に癌を有する患者の数は、2015年には7800人に上ると予測されています。またこれまでの研究を紐解きますと、

口の中にできる癌の内、上顎歯肉癌がその6.0%を占め、そして下顎歯肉癌がその11.7%を占めています。

このように、歯肉癌は縁遠い病気ではありません。もし歯肉癌を患った場合や、予防に努めたいという方は、本記事にお付き合いして頂ければ幸いです。

歯肉癌になるとどうなるの? 

歯肉癌が身体を悪くする流れ

人の体は細胞と言う小さな粒が集まってできています。全身の様々な場所に言えますが、正常な歯肉も新しく作られた細胞でできていて、細胞は規則的に生まれ変わっています。歯肉癌は、その名の通り歯肉の中に異常な部位が表れたことによる癌です。概ね歯肉癌は、それまで規則的に生まれ変わっていた歯肉の細胞が、不規則にどんどん増えていく細胞になって起こるタイプがほとんどです。この不規則にどんどん増えていく細胞を癌細胞(がんさいぼう)と呼びます。

<癌細胞は体中の様々な部位に飛んでいく>

癌細胞には内側、つまり表面側でなく骨側に増えていき、骨を溶かしながら大きくなっていくものや、外側にカリフラワーのように盛り上がって増えていき、いわゆるできものになるものがあります。そして癌細胞が内側まで入り込んだ場合、体内の様々な場所に飛んで行ってしまいます。なぜこのようなことが起こるかについて理解して頂くために、まずリンパ液という液体を利用して癌細胞が運ばれていく仕組みと、血液を利用して癌細胞が運ばれていく仕組みを解説させて頂きます。

<リンパ液が癌細胞を運ぶ流れ>

血液が血管から染み出した液体であるリンパ液という液体があります。これはリンパ管を通って流れていき、さらに血管へ入り、血液として全身に運ばれる流れに戻ります。この流れに乗って癌細胞は運ばれていきます。具体的には、まず癌細胞はリンパ液に乗って流れていき、リンパ液の流れをせき止める部分であるリンパ節に留まります。そこでどんどん増えていきます。癌細胞が流れつく先は、口から近い首のリンパ節がほとんどです。そこからさらに、一部は別のリンパ節へと流れていきます。そして癌細胞はリンパ節から流れて血管に入り、肺などの他の臓器に入っていくという場合があります。

<癌の転移について ~歯肉癌はリンパ節への転移に注意~>

またリンパ節から流れてきた癌細胞だけでなく、直接身体に流れている血液の流れに乗って、肺などの他の臓器に忍び込む癌細胞もあります。ここでも流れ着いた先で増え続けていき、その臓器を破壊していきます。このように血液の流れだけによって、全身に癌細胞が飛んでいく場合もあります。

このような仕組みで癌細胞は全身へと広がり、飛び散った場所でまた増え続けます。その結果として飛んできた癌細胞により、臓器が壊れていきます。このように癌ができた場所から違う場所へ癌細胞が住み着くことを転移(てんい)と呼びます。歯肉癌も病気が進行している場合、歯肉癌の大きさが大きくなるだけでなく、首を始めとするリンパ節や全身に癌細胞がばら撒かれます。その結果、その他の癌と同様に身体が壊されていき、命に関わる事態となります。

歯肉癌の生存率

日本では、歯肉癌の治療を受けて5年後に生存している割合は、下顎歯肉癌で50%~80%、また上顎歯肉癌で40%~70%です。

歯肉癌の原因

喫煙、飲酒、虫歯や合わない入れ歯などが原因です。

歯肉癌になるとどのような症状が現れるか? 

初期症状

  • 1、治りにくい口内炎

詳細は後に示した「こんな時は早急に受診してください!」の項をご覧になって頂きたいのですが、一般的に初期の歯肉癌は歯肉にできた口内炎のように見えることがあります。

  • 2、歯肉の表面が部分的に白い

白板症(はくばんしょう)という癌の前段階という可能性がありますが、すでに軽度に悪性のものとなっている、つまり癌の初期の可能性があります。

中期症状

  • 1、ただれ

正式には糜爛(びらん)と呼ばれ、癌の表面の特徴の一つです。表面が赤くただれた状態のことです。刺激に対して痛みを感じるようになります。

  • 2、歯肉のえぐれ

正しくは潰瘍(かいよう)と呼び、これも癌の表面の特徴の1つです。こちらも同様に痛みを感じます。

  • 3、できもの

腫瘤(しゅりゅう)と呼ばれ、歯肉の一部が盛り上がっている状態です。

中期から進行していくにつれて、上のただれ、えぐれ、できものが硬くなっていきます。また短期間で大きくなってきます。

末期症状

  • 1、強い痛み

中期から進行してくるのに連れて痛みが現れ、痛みが強くなってきます。

  • 2、出血

中期に表れた3つの症状の場所から血がでるようになります。

  • 3、首のしこり(リンパ節の腫れ)

いわゆる疲れが出たときの首のリンパ節の腫れよりは硬いしこりができます。これはリンパ節への転移によるもので、リンパ節の中で癌細胞が増えた結果として表れた症状です。

こんな時は早急に受診してください!

口の中の傷や口内炎が1週間以上経っても治らない、むしろ大きくなる場合は注意してください。入れ歯の当たりが原因で治療を受けたのに、1週間程度たっても傷が治らなかったり大きくなったりする場合も注意が必要です。癌は大きくはっても小さくはなりません。そのため傷やできものができた場合などは、上記のように、

1週間程度経っても小さくならなければ歯科医院を受診し、口腔外科がある病院を紹介してもらうことをお薦めします。

多くの歯科医師が「口の中の傷を見たら癌を疑おう」という考え方を持っていると思います。しかし小さくならないのは膿が溜まっているせいだと歯科医師が判断して、掻き出すこと(搔把;そうは)を薦められる場合もあります。小さくならない傷の場合は、大学などの大きい病院を紹介してもらうことをお薦めします。癌であった場合、掻き出すことにより癌細胞が歯肉を中心としてより広い範囲の飛び散ってしまうためです。

歯肉癌に対してどのような検査や治療が行われるのか? 

何科で治療するの?

基本的には口腔外科を標榜している病院であれば、主に口腔外科で治療を受けます。耳鼻咽喉科しかない病院では、耳鼻咽喉科で治療を受けます。

検査と診断方法

以下の手順で検査、診断が行われます。

  1. 生体組織検査;癌かどうか調べる
  2. CT、MRI、PET;癌の範囲や大きさ、リンパ節やその他全身に転移していないかを調べる。
  3. 持病の検査;治療に耐えうる全身の状態かを調べる
  4. 血液検査;癌があると検査結果が変わる項目を調べる

まずは生体組織検査という、麻酔をかけた後に癌が疑われる場所の一部をメスで切り取る検査です。何が行われるかというと、その後顕微鏡で観察し、癌細胞がその中に入っていないかを確認します。歯科医師が「生検(せいけん)」と呼んでいたら、この検査を意味しています。

もしも癌と診断された場合、治療に必要な情報を集めていきます。まずはCTやMRIと呼ばれる検査です。これらは体を輪切りにしたレントゲン写真のような画像で、癌がどの程度の範囲に広がっているか、リンパ節転移はないかといったことが調べられます。それと同時にPET CT(ペットCT)という検査も受けます。これはリンパ節以外の、身体全体のどこかに癌細胞が転移していないかを調べる検査です。その他持病がないか、あるいは持病の状態を知るための検査が行われます。また血液検査で癌がある場合に特徴的な結果になるか調べることもあります。

癌の治療の内容は?

歯肉癌の治療は、次の3つを組み合わせることが基本となります。

  1. 手術、
  2. 化学療法、
  3. 放射線治療、

です。手術は癌が発生したところを周囲も含めて取り除き、リンパ節転移があった場合には首の一部をそのリンパ節ごと大きく切り取ります。化学療法は薬で癌細胞を殺していきます。放射線治療は放射線で癌細胞を焼き殺します。化学療法と放射線治療を同時に行うことを、「化学放射線療法」と呼びます

基本的にはまず、全ての治療に耐えうる状態の方には手術と化学放射線療法が行われます。化学放射線療法は、手術の前後両方、あるいはいずれか一方のみに行われます。次に手術に耐えられない方、あるいは癌が大きすぎて手術ができない方で、化学放射線療法には耐えられるという場合などは、化学放射線療法のみを行います。また化学療法のみ、あるいは放射線治療だけならば治療ができると言う方は、可能な方を行います。最後に、いずれの治療もできない方は、苦痛がないように痛みなどの管理だけを行います。

歯肉癌の手術はどのような治療?

下顎歯肉癌について

まずは下顎歯肉癌について解説させて頂きます。大まかには、手術の内容は癌があごの骨のどの程度下まで広がっているかと、それに加えて顎の骨の左右にどの程度広がっているのかによって決まります。あごの骨の浅い部分までしか癌が入り込んでいない場合は、癌と歯、そして骨の一部をまとめて取り出します。続いて骨の深い部分にまで癌が入り込んでいる場合は、あごの骨を切り離し、癌を含めて骨ごと取り出します。あごの骨の左右いずれか片方に、癌が全体的に広がっている時は、あごの骨の半分を取り出します。さらに左右両方に渡って癌が広がっている場合は、あごの骨をほとんど全部、あるいは完全に取り除きます。

上顎歯肉癌について

続いては上顎歯肉癌についてです。まず上あごの骨の一部に癌が入り込んでいる場合は、癌だけでなく歯肉や歯を含めて上あごの骨の一部を切り取ります。上あごの骨の中に深く入り込んでいるけれど、目の入っている底の骨まではたどり着いていない癌に対しては、骨を目の下だけ残して、癌と一緒に上あごの骨と、場合によってはその周囲を合わせて全て取り出します。それ以上に大きい癌であれば、上あごの骨と他のいくつか骨を癌と一緒に取り出します。なお、場合によっては目を取り出すことも視野に入れなければなりません。

リンパ節に転移が認められた場合

またこれらの手術に加えて、リンパ節転移があった場合はリンパ節を含めた首の一部を大きく切り取ります。そして口の中の切り取った部分を、そのまま傷として放置することはできない場合は、胸の皮膚と筋肉などを利用して傷の上にそれらを移植します。

歯肉癌が良くなるか悪くなるかについての見通し

歯肉癌の治療を始めて、良い方向に向かっていくか、悪い方向に向かっていくかについて解説します。歯肉癌に限らず口腔癌は、次の3つの項目に焦点を当てて、癌の程度を分類します。

  1. 癌の大きさを分類
  2. リンパ節へ転移していないかどうかや、その程度を分類
  3. 全身のどこかに癌が転移していないかどうかで分類

この分類は、癌がどの程度進行した状態なのかを区別するために行われます。ご察しのこととは思いますが、

進行している場合ほど見通しが悪くなります。

比較的見通しが悪い場合

大まかに説明しますと、

  • 癌の大きさが大きいほど見通しは悪くなります。
  • またリンパ節の転移についてですが、1個より多数ある方が見通しは悪いです。
  • さらに癌ができた方と反対側に転移がある、つまり左に癌ができているのに右の首のリンパ節にも転移があるというような場合は、より悪い見通しになります。
  • 最後に全身への転移についてですが、これは想像しやすいと思います。全身への転移がある場合の方が見通しは悪くなります。

つまり、癌は小さい方が見通しが良く、リンパ節や全身に転移していない方が見通しが良いということです。加えて、何らかの症状が現れている場合ほど、見通しは悪くなります。

  • 下顎歯肉癌でいうと、オトガイ神経麻痺という、左右いずれか、あるいは両方の唇やその下の方がしびれていたり、感覚がないという症状などがあります。
  • また、上顎歯肉癌でいうと、歯肉に限らず周りに広がっているほど見通しが悪くなると言う報告があります。

歯肉癌を防ぐためにできる事

禁煙

予防の一つとしてはまず禁煙です。これは煙草だけでなく、葉巻を好んでいる方にも該当します。まず葉巻は口の中の癌の原因の一つですので、早急に控えて頂く必要があります。しかし葉巻は容易に止められますが、煙草をやめることは難しいと考えている方が多いかと思います。しかし近年では、内科による禁煙治療が受けられます。飲み薬を補助的に使用することや、医師による診察のもとで禁煙が進められているため、禁煙の成功率が高くなっています。喫煙者の方は内科の受診をお薦めします。

飲酒

飲酒についても同様に控える必要があります。特に飲酒はアルコール依存症のリスクもあるため、癌の予防も兼ねて考えると断酒してしまうことをお薦めします。

虫歯や、合わない入れ歯を治療する

虫歯や合わない入れ歯ですが、こちらは容易に治療できます。特に入れ歯については、使い慣れてしまうと歯科医院に通院することを止めてしまう患者様も多いです。しかしながら歯科医師から見ると、その入れ歯が実は合っていないということが多いです。月に1~2回程度は通院して、快適な入れ歯にするとともに癌を予防してほしいと思います。

口の中に長期にわたる刺激を与えてはいけない!

これらの予防法に共通することは、口の中に長期にわたる刺激を与え続けないということです。葉巻も含めたタバコや飲酒は想像しやすいかと思いますが、入れ歯や金属の被せ物が合っていないことで口腔癌の危険性が高まっているということは気付きにくいことです。またそれらが合っていない場所にはよく口内炎や潰瘍ができるため、初期の癌であっても放置することが多いかと思います。

最大の予防は歯科医院に通院し、定期的な歯科医師の診察を受けることです。

最後に歯肉癌のまとめと、これからを生き抜くために

他の臓器の癌にも言えますが、歯肉癌をはじめとした口の中の癌は自分との闘いです。手術、化学放射線療法のいずれも大きな苦痛を強いられるためです。最後のまとめとして、歯肉癌の治療を振り返りながら、それが実際どのようなものなのかを記載させて頂こうと思います。

手術について

まず手術ですが、これは顎の骨を大きく切り取ることがあります。起こり得る問題は、例えば上顎歯肉癌であれば、大きい癌の場合は口の中と鼻の中がつながります。声を出すことさえ上手くできなくなります。また下顎歯肉癌も含めて、あごの骨を大きく取り除くことで、専用の入れ歯を作っても大幅に物を咬む能力は低くなります。精神的なショックも大きいと思います。

科学放射線治療法

そして化学放射線療法にも苦痛が伴います。化学療法で使うお薬は、お口の中がただれるという副作用があります。化学療法だけでもこのような副作用があるにも関わらず、その上から放射線で癌を焼きます。放射線治療で使う放射線は、癌だけを焼くことができません。口の中の広い範囲にも放射線が当たります。そこでただでさえヒリヒリする口の中が、さらに焼けただれてしまいます。言わば口の中全体がやけどという状態になり、非常に強い痛みが出てきます。経験上、この痛みに耐えきれず治療をやめるという選択をする患者様の数も少なくありません。つまり命を落とすことを選択してしまう程の苦痛だということです。

これからを生き抜くために

このように癌治療には苦痛を伴います。そのため生きようとする強い意志を持ち、治療にのぞむ姿勢が重要となります。もしも歯肉癌になった場合、ご家族のためや自分自身のためにその意思を持ち、この苦難の道を乗り越えて頂きたく存じます。歯肉癌の苦しみをできる限り少なくするためには、早期の発見が重要です。

定期的に歯科医院に通い、予防に努め、もし癌が疑われる場所があれば小さいうちに見つけてもらいましょう。

 

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