こんにちは、どくらぼ編集部です。本日は、「舌癌」をテーマにお送り致します。 舌癌は口の中で起こる癌でも一番多いもので、舌に異変を感じ、歯医者さんに行ってみたら癌だったということも珍しくありません。
本日は、舌癌の危険性、死亡率、転移、症状などを舌の専門家の監修の下、お送り致します。
生存率が大きく変化する、舌癌の4つのステージとは
舌癌は目で見える場所にできるため、胃がんなどの体の中の癌と比べて、早期に発見することが可能ですが、痛みが少ない場合には、かなり大きくなってから受診される方も少なくありません。
舌癌は大きさとリンパ節への転移の有無やその数、別の場所への転移などによってステージが4つに分かれており、ステージによって生存率が違います。
一般的に癌の生存率は、5年間で見ることが多く、その度合いは研究機関によって違うため目安ではありますが、ステージⅠで90%前後、Ⅱで80%弱、Ⅲで75%前後、Ⅳで50%前後のことが多いようです。一番多いステージはⅠとⅡです。
転移が一番多いのは、首のリンパ節で、そこから肺へ転移することが一番の典型例です。肺以外ではさまざまな場所への転移の可能性があります。首を経由せずに直接他の場所へ転移することもあります。ステージⅠ、Ⅱには転移がありませんから、転移が起こると生存率が下がっていく、というのが現状です。
舌癌と口内炎、症状の違いは、しこりの有無からわかることも
症状としては、一番多いのは口内炎のようなできものができる場合です。舌の側面にできることが一番多いですが、付け根や表面、先や裏などどこにでもできる可能性があります。痛みがあることが多く、口内炎とは違ってしこりがあることが多いですが、人によって症状は違うため一概には言い切れません。癌が進行すると大きくなっていくことが多いですが、内面に向かって大きくなっていくこともあるため、表面からはわからないこともあります。
一番のリスクはやはりタバコ
一番リスクが高いのはタバコだといわれており、いろいろな報告がありますが、喫煙しない人と比べて、喫煙する人はリスクが16倍にもなるという報告もあります。 そのほかには、入れ歯や歯が常に当たっているといった慢性刺激が原因になるとする報告もなされています。
定番になりますが、舌癌がきになる場合はまず禁煙をしましょう。また、歯並びなど舌に異物感がある場合も早めの対処をオススメ致します。
舌癌の主な治療法のメリット・デメリット
治療法としては、手術か放射線治療、化学療法(抗がん剤)が一般的です。 放射線治療は初期のものや、大きすぎて手術が難しいときに縮小させるため、また全身状態が悪く手術の前に改善が必要なときに癌が広がらないようにする場合などがあります。 放射線治療はうまくいくと手術と違って舌を切らないですみますので,機能が残っていいように思いますが、強い放射線を当てるために後々副作用が出てくることがあり、まれに放射線誘発性癌を数年後に起こすこともあるともいわれています。また、放射線治療をして再発した場合には、再度の治療が難しくなってしまうという欠点もあります。
主な手術方法
手術方法としては、初期の場合は癌とその周囲の組織を切り取るだけですむこともあります。早期に発見できれば切除部分は小さくてすむため、食事や喋ることにも影響が出ずにすむことが多いです。基本的に癌を含めた周囲の組織を切り取ることになりますので、癌が大きな場合には、癌が落ち着いた後にそれを補う手術などが行われることもあります。
リンパ節に転移していた場合は、首の手術も必要になってきます。舌を大きく切り取った場合には、再建手術といって切除によって欠損した場所を補う手術が同時に、または後日行われます。 欠損した部位の代わりにするものは一般的に前腕の皮膚と血管や、胸の筋肉と血管が多く、取った後には縫い縮めるか、足の付け根のほうから皮膚を移植することが一般的です。長時間の全身麻酔での手術となり、手術後は長期間のリハビリが必要になりますが、リハビリしだいでは食事を口から食べることも、社会復帰することも可能です。
舌癌になりたくなければ、これに気をつけること
普段から気をつけることは、やはりタバコで、タバコは避けたほうがいいでしょう。そしてもし常に当たっている慢性刺激の元になるものがあればそれは治療したりしてリスクを減らしたほうがよいと思われます。
歯科医や耳鼻科医でも舌癌を見分けることは大変難しく、自分で診断することは難しいと思いますので、おかしいと思ったら受診したほうがいいでしょう。
口内炎の場合、二週間たっても治らないようなら一度受診をお勧めします
以上になります。舌の様子がおかしいと感じたらまず歯科などのお医者さんで受診をしてみてくださいね。