歯石が臭い原因を教えて下さい
歯石が臭いのではなく、歯石に溜まった歯垢、それによっておこる歯周病により臭いが歯石が臭いと感じる原因になるのです。
歯石は歯垢(プラーク)が石灰化したものです。川のまわりにある石も臭わないように、歯石にも臭いはありません。では、川のまわりにある石が臭いを感じるのはなぜでしょうか。それは、川のにおいだったり、苔やバイオフィルムがついたことにより臭いが石がしているように感じるのです。それが口の中で同じ現象がおこっている状態が、歯石が多くたまっているときに感じる臭いの原因です。
<歯石は歯周病の原因になってしまうことも>
歯石は歯垢をより溜めやすくする原因にもなり、口の中で多く臭いがする歯垢がたまっていきます。また、歯垢は細菌の塊でもあるので、その細菌が歯肉に影響を与え、歯周病になってしまいます。
歯石が臭い時、どのような病気が考えられますか?
口臭が起こる原因としてよく言われている病気としては、
- 舌苔
- 歯周病
- 糖尿病
が挙げられます。
舌苔について
舌苔は舌に細菌や食べカス、粘膜のカスが付着した状態を言います。ストレスなどが原因になる他、疫力が低下したり、消化器系の疾患によっても見られるようになるので、病気というよりも病気の指標だといえます。これは歯石には関係ありません。
歯周病について
歯周病は、歯磨きの不足で歯垢が溜まった状態が続き、歯垢が発酵していることや、重度になると常に口臭が続きます。歯石に溜まった歯垢が原因となり歯周病が進行し、歯肉が炎症などを起こし、口臭がどんどんきつくなっていきます。
糖尿病について
糖尿病はエネルギー代謝に、糖ではなく脂質が使われることでケトン体(肝臓で脂肪を分解した際に発生する老廃物)がケトン臭を起こし、口臭に現れます。糖尿病は口渇もあり、歯磨きがしづらくなり歯周病や歯垢の蓄積にも関係してくるので、歯石もできやすい口腔環境になります。なので身体だけでなく口腔環境、口臭に大きく関係しています。
歯石が臭い時に自宅でできる対処法
歯磨き
一番簡単なのは、歯磨きをすることです。簡単な歯磨きをするのではなく、一日一回だけでもしっかりと口腔内をきれいにすることを心がけることです。そのために、フロスや舌磨きをすることもお勧めします。
予防
予防法としては歯磨きや他、補助用品を使い、口腔内をきれいにし、歯垢をためないことです。歯垢が歯石になるので、歯垢がなければ歯石がたまることもありません。
どれぐらい自分でケアできているか、どのようにケアをすればいいか等の悩みがあるかたは、歯科の定期健診をお勧めします。定期健診で歯科医師、歯科衛生士の方に質問することにより、より的確なアドバイスをうけ、自分にあった歯磨きができ予防になります。
歯石が臭い時、病院で行われる処置について
歯石取りの手順
<1、スケーリング>
歯石が歯垢をより溜めやすくし、歯周病の原因になっているので、まずその原因である歯石を取り除くことになります。スケーリングと呼ばれる、超音波スケーラー・手用スケーラーといった器具を使った、刃がついた金属の器具で歯石を取り除く方法です。
<2、ポリッシング>
その後、ポリッシングブラシなどで歯の表面をきれいに、滑沢にすることで歯石をつきづらくする、といったこともします。薬品は特別なものは使っていなく、スケーリングの際は、超音波スケーラーで水が出る程度ですし、ポリッシングの際はペーストを使います。そのペーストは歯科企業により様々あり、フッ素が入っていたり、ペーストの粒子の粗さが違うなどあります。歯科医院の予防方法や手法によって使われるペーストは変わってきます。
<3、歯周病対策と歯磨きの練習>
また歯周病治療でよく使われているペリオフィールという薬品は歯科用抗生物質製剤となっており、院内予防のケアの最後に歯周病が進行している方によく使われます。その際、歯磨きの練習を一緒にすることも治療法の一つといえます。
治療にかかる日数
日数は、歯科医院や患者さんの状態によって変わります。スケーリングを一番丁寧やるとすると上下3ブロックずつ(前の歯をワンブロック、左右の奥歯片方ずつ)で6日分になり、さらに仕上げで最後に全体もう一度様子を見るためにプラスされて計7日間になります。しかし、そこまで時間かけているところは大学病院でもほとんどありません。さらに、歯周ポケットと呼ばれるものが、4mm以上だとスケーラーなどの器具が届きにくくなるので外科的治療が適応になり、麻酔や大きな病院になりさらに日程はプラスされます。
簡単なスケーリングでも上下わけてやるので、最低でも2日間はかかるでしょう。
治療にかかる費用
基本的なスケーリング、ポリッシング、歯磨き指導だけなら保険適用になります。もしも、初診・再初診と久々に歯科医院に行かれる方は、初回に検査等の費用がかかるため、保険点数が多くかかり3割負担の場合、
3,000円から4,000円程度になります。
しかし、2回目からは治療だけなので、1,500円~2,000円程度になります。
GTRについて
外科的治療の中でフラップと呼ばれるもの、GTRと呼ばれるものは保険適応内になります。しかし、GTRと呼ばれるものは保険適応でも少し高くなります。外科的治療の場合、一歯づつの計算になるので、そのときの保険点数や、行う歯の本数によって値段は変わります。外科的治療を勧められた際には、値段を一度伺ってみることをお勧めします。
痛みはありますか?
健康的な歯肉であり、浅い部分、表面部分の歯石除去の場合チクチク感がある場合が考えられます。我慢できない場合は相談すれば麻酔を行うことも可能です。また、歯周病であり、深い歯石除去の場合は、出血することもあり原則は麻酔してすることになっています。麻酔でちくりとした痛みはあるかもしれませんが、歯石をとることによる痛みはほとんどないでしょう。麻酔の効き方は人それぞれなので、痛みが強い場合はすぐに歯科医師に相談しましょう。
放っておいても自然治癒はするのですか?
歯石による口臭について、原因と考えられる要素に対して自然治癒は難しいと考えられます。だからと言って、放置すれば進行し歯石は溜まり続け、口臭は増すばかりです。
なので、改善や現状を保つ治療をそれぞれ行うことをお勧めします。
歯石が臭い時に放置することで考えられる病気について
放置しておくとどうなる?
「放置する」ことにより一番恐ろしいことは「全身疾患」との合併です。例えば、歯石があり歯垢が溜まったまま誤嚥し、それにより誤嚥性肺炎になり死に直結することもあります。また、歯石が溜まりやすいことにより、歯垢があり続けると歯周病だけでなくむし歯にもなります。歯周病・むし歯どちらも歯を欠損する原因になります。自分の歯と人口の歯では大きく食べるときの感覚が変わります。食事の楽しみがなくなる方もいらっしゃり、それにより意欲低下による他の疾患にかかることもあります。
一緒におこりやすい病気や関連している病気はある?
一番代表的な病気は、糖尿病です。歯周病は糖尿病と深い関係があり、互いが互いを悪くするって報告もでています。また、動脈硬化を悪化させて脳梗塞や心筋梗塞のリスクも上げるといった全身へのリスクに繋がりが強く出ています。
さらに、最近では感染性心内膜炎のリスク要因でもあり、お医者さんの感染性心内膜炎の予防と治療のガイドラインには歯周病やむし歯の細菌が関係してるため歯科で定期的にケアしてもらうように医科でも呼びかけがされています。
まとめ 歯石が臭い時の原因や、知っておくべき情報について
これから歯石をとり、予防していこうという方は一気に治療されて大変かもしれませんが、メンテナンスまでになれば、3ヶ月くらいに一度の来院で簡単な治療で大丈夫になっていきます。メンテナンスで虫歯も予防できるので、ほっといて歯周病が進行して大きな歯周治療とか抜歯したりとかするよりも、断然、時間も肉体的負担もそして経済的負担までも少なくなります。
また、全身疾患との兼ね合いもいま強く見直されているので、糖尿病や高血圧の人は特に注意し、口腔内の改善をお勧めします。毎週の治療で大変でしょうが、ちょっとした時間を空けるだけでむし歯や歯周病だけでなく、今後の全身ケアになることも考えれば、定期健診をお勧めします。
いかがでしたか? 歯石がついてきて、口臭がきつくなったと考えていた方も多いはずです。口臭がする前に歯石をとるケアを。それでも口臭が気になる方は全身疾患を医科で相談することもお勧めします。ちょっとしたケアで、これからの生活が大きく変わりますので、ちょっとした時間をつくり定期健診を行うことをお勧めします。
最後に、「歯石が臭い原因」について重要な点をおさらいしておきましょう。
歯石が臭い原因
歯石が臭いのではなく、歯石に溜まった歯垢、それによっておこる歯周病により臭いが歯石が臭いと感じる原因になる。
歯石が臭いが場合の病気
口臭が起こる原因としてよく言われている病気としては、舌苔、歯周病、糖尿病である。歯周病以外は、直接歯石は関係している可能性は低い。
自宅での処置
歯磨きや他、補助用品を使い、口腔内をきれいにし、歯垢をためないこと。不安がある場合、歯科医院に来院し、歯磨きについて相談をすることがお勧めである。
歯科医院での処置方法、予防方法
歯石が歯垢をより溜めやすくし、歯周病の原因になっているので、まずその原因である歯石を取り除くことが先決。日数は、歯科医院や患者さんの状態によって変わる。
歯石取りの費用
保険が3割負担の場合
- 初回:3,000円から4,000円程度。
- 2回目以降;1,500円~2,000円程度。
また、外科的治療の場合、一歯ずつの計算になるので、そのときの保険点数や、行う歯の本数によって値段は変わる。
歯石取りの痛み
- 健康的な歯肉:チクチク感がある場合が考えられる。
- 歯周病が進行している場合:麻酔を行うので、歯石をとることによる痛みはほとんどないと考えられる。
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