そもそも歯が折れたってどういう状況??
ご確認して頂きたいのが『折れた』と『抜けた』の2つの表現の違いです。例えば『前歯が抜け落ちた』という表現があるとしましょう。これは、文字通り前歯全体が歯茎からすっぽり離れてしまったことを指します。
『歯が折れた』という表現ではどうでしょうか。専門的には、この『折れた』という表現は非常に扱いが難しいと言えるのです。
- 歯のどの部分が折れたのか?
- 完全に折れて歯が分割されてしまっているのか?
- 折れたのと同時に抜けてもその歯が抜けてしまってもいないか?
単に『歯が折れた』といっても、細かな状況によってその治療法は異なってきます。したがって、もしアナタの歯が ”折れて” しまった際には、折れた時の状況などを出来るだけ正確に覚えておくように心がけましょう!
それでは、簡単ではありますが『歯が折れた際の対応』について、Q&A方式でご説明していきます!
歯が折れてしまった時の応急処置を教えて!
歯が折れてしまった際に気をつけることは、
折れてしまった歯の”カケラ”を絶対に無くさないことです!
実際のところ、欠け落ちてしまった歯を元通りにくっつけることはかなり難しいとされているのですが、そのカケラを治療に活かせる可能性はゼロでは無いため、歯が折れた際には折れた歯をしっかり保護して歯科医院へ持ってゆくようにしましょう!
折れた歯の保存方法について
欠け落ちてしまった歯の”カケラ”の保存方法ですが、一番の理想は『生理食塩水』に浸すことと言えます。生理食塩水とは、人間の体内に存在する成分を再現した特殊な食塩水です。『歯が抜けた』際にもあてはまることですが、生理食塩水に付けておくことで、身体の中にある状況を再現できることになるのです。
しかし、一般の家庭に『生理食塩水』が常備されていることはとてもレアケースであります。そんな際に代用できるのが『牛乳』です。牛乳は、生理食塩水と非常に良くにた成分でありますので、歯が欠け落ちた際には、牛乳に浸けた状態で ”早急に” 歯科医院を受診することをおすすめ致します!
歯が折れてしまった時、応急処置後はどうすればいい??
歯が折れてしまった際の一番の応急処置は、
何もせずに、すぐに医療機関へ向かうこと!
と言えます。
転倒により口の中が血だらけになった場合など、重症な怪我の中で歯が折れた場合では、止血や洗浄などの応急処置をすべきであるのはもちろんですが、純粋に『折れた歯の治療』のみを考えた場合は、
歯の折れた部分を消毒液で洗うなどの応急処置は絶対にしないようにしましょう!(水でゆすぐ程度は効果がある場合もあります。)
先述のように、一番の応急処置は、すぐに医療機関へ向かうことであります。怪我をしてから本格的な治療(医院で行なう治療)までの時間が短ければ短い程、その後の治療がスムーズに進められますので、歯が折れた際はすぐに最寄りの歯科医院を受診するようにしましょう!
歯が折れた時、治療費はどのくらいかかる?
『歯が折れた』と一口に言っても、その ”折れ方” によって治療内容は様々です。したがって、治療にかかる日数や費用も一概にまとめることが出来ません。
治療費用に限れば、保険内での治療か自費治療かという点で大きく異なってきますので、以下にその目安の値段をご紹介致します!しかし、あくまで目安なので、正確な料金等は実際の歯科医院にて細かく情報を得るように心がけましょう。
保険内での治療
- 約8000円~1万円(3割負担額)
自費での治療
- 歯科医院によって異なるが、約3万~10万円
歯が折れた時、具体的にどんな治療をするの?治療期間は?
前歯の4分の1程度が折れた(欠けた)ケース
治療期間:約1~2ヶ月
- 折れた部分の処置。(*感染が生じてしまっていた場合は神経をとる作業もあり。)
- 材料を接着するための土台をつくる。(*良好な接着を得るために歯を削って形を整えます。)
- 形を整えた部分の型取りをする。
- 型取りをもとに ”折れた部分” を補うための人口歯(差し歯)をつくる。
- 完成した歯を装着して終了。
前歯の半分以上が折れたケース
治療期間:約2ヶ月~3ヶ月
- 折れた歯の処置。神経に対する処置が伴う場合がほとんど。
- 材料を装着するための土台をつくる。(*大部分が折れてしまったケースでは、”コア形成”という複雑な土台づくりが必要となることが多い。)
- 形を整えた部分の型取りをする。
- 型取りをもとに ”折れた部分” を補うための人口歯(差し歯)をつくる。
- 完成した歯を装着して終了。
歯が折れた時、やってはいけないことは?
始めの方にも触れたように、歯が折れてしまった際の最高の応急処置は『欠けた歯も一緒に早急に歯科医院を受診する』ことです。また、逆に歯が折れた際に絶対にやってはいけないNG行為も幾つか存在します。以下にその例をご紹介いたします。
- けた部分をむやみに触る。
- 欠けた部分にガムなどを詰める。
- 医療機関を受診せずに、長期間放置する。
- 消毒液等で折れた部分を消毒する。
上記のNG行為は、もしやってしまうとその後の治療に大きく影響してしまう可能性があります!治療期間も治療費も大幅に変化してしまうこともありますので、忙しい場合でもどうにか時間をつくって早急に医療機関を受診するよう心がけましょう!
虫歯の放置が原因で歯が折れた場合
虫歯の放置が原因で歯が折れてしまった場合も、すぐに歯科医院を受診してください。歯根部まで虫歯が到達していることが考えられます。神経の処置を終えた後、元に戻せるなら戻し、必要があれば抜歯が行われます。
「歯が折れた」を英語で何と言う??
海外旅行中に怪我をして歯が折れてしまった!そんな状況、想像したくは無いのですが、その際も早急に医療機関を受診することが大原則です。以下に歯が折れたことを伝える英文をご紹介します!
——歯が抜けました。
My tooth came out.
——歯が折れてしまいました。
My tooth fractured.
歯が折れた場合に注意しなければいけないこと まとめ
最後に、歯が折れた場合に注意すべき点をおさらいしておきましょう。
- 折れた破片は絶対に失くさないこと
- 破片は生理食塩水か牛乳に浸けておくと良い
- 折れた部分は触らず、すぐに医療機関へ!
- 保険内での治療は8000円〜10000円程度
「歯が折れた」関連記事: