口の中がヒリヒリ・ピリピリするのですがどのような原因がありますか?
口の中がヒリヒリ・ピリピリする症状を出す原因として次のようなものが考えられます。
1.ヤケドや外傷
ヤケドや、歯ブラシや食べ物、とがった歯などによって口の中を傷つけるとピリピリ、ヒリヒリすることがありますが数日中に症状はなくなります。
2.口腔カンジダ症
糖尿病や全身衰弱などによって免疫力が低下したり、ステロイド剤や抗生剤の長期の服用によって口の中の微生物のバランスが崩れると、口の中にもともといるカンジダ菌が異常に増殖して発症します。口の中に白い膜ができて、それをこすり取ると下の方は赤くただれています。食べたりや話したりなどの刺激、熱いもの・味付けの濃いものでピリピリと痛みを感じます。
3.扁平苔癬(へんぺいたいせん)
難治性で原因不明の病気で、口の中(頬の内側、唇、舌など)に白いものがレース状に現れます。触れるとピリピリと痛く、食べ物でしみることがあります。
4.白板症(はくばんしょう)
口の中にできる表面が硬くなった白い板状や斑点状の病変でこすっても取れない、他の病変のどれにも当てはまらないものをいいます。原因ははっきりしておらず、痛みがあるものは要注意で初期のがんである場合があります。
5.アフタ性口内炎
一個ぽつんとできたり、複数現れる場合もある、輪郭のはっきりした丸くて白い口内炎です。周囲は赤く痛みがあります。10日ほどで自然に治ります。
6.ヘルペス性口内炎
単純性ヘルペスウイルスの初感染で起こります。ほとんどの場合は不顕性感染といって、症状を出さないで経過しますが、数パーセントがヘルペス性口内炎の形で発症します。ほとんどが子供に発症しますが大人にも見られることがあります。口の中に水ぶくれが大量にできてそれが潰れてアフタ性口内炎になります。強い痛みを出し、食べたり飲んだりすることすら困難になります。強い口臭、発熱、倦怠感、あごの下のリンパ節の腫れなどもみられます。
7.口腔乾燥症
ドライマウスとも呼ばれています。薬の副作用、ストレス、喫煙やアルコール、口呼吸、全身疾患の一症状として、口の中が乾いてしまうことがあります。そうすると口の粘膜を保護する唾液が十分にないために、口の中が傷つきやすくなって敏感になり痛みを感じやすくなります。
8.口腔灼熱症候群(こうくうしゃくねつしょうこうぐん)
バーニングマウス症候群とも言います。見た目で異常がなく、検査でも問題が見られないのに口の中がヒリヒリ、ピリピリ痛む状態が長く続くものを口腔灼熱症候群と呼んでいます。この症状が舌に限定して見られる場合、舌痛症と呼ばれます。
9.亜鉛、ビタミン、鉄などの欠乏
亜鉛不足によって味覚障害とともに舌の痛みを感じることがあると言われています。また、ビタミンB群などのビタミン欠乏症や鉄欠乏によって口の中の粘膜がヒリヒリ、ピリピリ痛むことがあります。
10.アレルギー
歯科用金属や、歯磨き粉の成分、果物などのアレルギーで口の中がヒリヒリ痛む場合があります。
11.添加物などの化学的刺激
アルコールを含んでいるうがい薬や口内スプレーの使いすぎ、ある種の食品添加物(ソルビン酸、安息香酸塩など)への過敏症、食品、医薬品、化粧品に含まれている保湿剤であるプロピレングリコールなどによって口の中が過敏になる場合があります。
口の中がヒリヒリする場合の対処法とオススメの薬。
口の中の痛み、不快感に関しては歯科(口腔外科医がいるところだとなおよし)を受診しましょう。それぞれに対する対処、治療法を簡単にあげてみます。
1.ヤケドや外傷
ほとんどの場合は自然に治りますが、熱いものは控え、口の中を傷つける原因をなくしましょう。
2.口腔カンジダ症
口の中を清潔にし、抗真菌薬のうがい薬や飲み薬を使って治療します。
3.扁平苔癬(へんぺいたいせん)
疑われる原因に応じて、全身的にはビタミン製剤、抗アレルギー薬、精神安定剤、局所的にはうがい薬やステロイドや抗生剤の軟膏などを使います。
4.白板症(はくばんしょう)
刺激源を取り除く、またビタミンA の投与、手術で切除などが行われます。
5.アフタ性口内炎
自然に治癒しますが痛みを和らげるためにステロイドの軟膏やうがい薬、レーザーなどの治療法があります。
6.ヘルペス性口内炎
抗ウイルス剤の投与、鎮痛剤、抗生剤も使われます。局所的にはうがい薬やトローチを使って口の中を清潔に保ちます。全身管理のために入院が必要になることもあります。
7.口腔乾燥症
まずは口の乾燥を引き起こす原因の改善を試みます。対症療法としてはうがい薬や人口唾液、保湿ジェル、唾液の分泌を促進する薬などが処方されることもあります。また頻繁に水を飲む、チューインガムを噛むなど、口の中を常に保つように心がけます。
8.口腔灼熱症候群(こうくうしゃくねつしょうこうぐん)
7,9,10,11 を参照
9.亜鉛、ビタミン、鉄などの欠乏
食生活の改善、サプリメントによる補給をします。
10.アレルギー
アレルギーの元となるものを口に入れないようにします。歯科金属にアレルギーがある場合には口に入っている金属を取り除く必要があります。
11.添加物などの化学的刺激
特定のものを口に入れた後に不快感がある場合、それを口に入れないことで改善します。
口の中がヒリヒリしている時、こんな症状・痛みは危険!
一般的に、症状が短期間で治る場合は問題ないケースがほとんどです。
次のような場合は重大な病気が隠れている場合がありますので要注意です。
- 口の中に口内炎がつぎつぎに大量にできる
- 口の中に同じところに何かができたままずっと治らない
- 口の中だけでなく、皮膚や体の他の部位の粘膜にも異常がある
- 発熱やリンパ節の腫れ、倦怠感もある
このような場合は早めに歯科を受診してみましょう。
口の中がヒリヒリする時 まとめ
■口の中がヒリヒリ・ピリピリする症状を出す原因とその対処・治療法
1.ヤケドや外傷
- 自然治癒を待つ
- 熱いものを控え、口の中を強く刺激しない
2.口腔カンジダ症
- 口の中を清潔に保つ
- 抗真菌薬(うがい薬、飲み薬)
3.扁平苔癬(へんぺいたいせん)
- 全身的;ビタミン製剤、抗アレルギー薬、精神安定剤
- 局所的;うがい薬、ステロイド・抗生剤の軟膏
4.白板症(はくばんしょう)
- 刺激源の除去
- ビタミンA投与
- 手術で切除
5.アフタ性口内炎
- ステロイドの軟膏
- うがい薬
- レーザー
6.ヘルペス性口内炎
- 抗ウイルス剤
- 鎮痛剤、抗生剤
- うがい薬、トローチ
- 入院が必要になることも
7.口腔乾燥症
- 口の乾燥を引き起こす原因の改善
- 対症療法としてうがい薬、人口唾液、保湿ジェル、唾液の分泌を促す薬
- 水を頻繁に飲む、チューインガムを噛む
8.口腔灼熱症候群(こうくうしゃくねつしょうこうぐん)
7,9,10,11 を参照
9.亜鉛、ビタミン、鉄などの欠乏
- 食生活の改善
- サプリメントによる補給
10.アレルギー
- アレルギー源を口に入れない
- 歯科用金属アレルギーの場合は材料を変える
11.添加物などの化学的刺激
- 原因となるものを口にしない
■こんな症状がある場合は要注意
- 口の中に口内炎がつぎつぎに大量にできる
- 口の中に同じところに何かができたままずっと治らない
- 口の中だけでなく、皮膚や体の他の部位の粘膜にも異常がある
- 発熱やリンパ節の腫れ、倦怠感もある
このように、口の中がピリピリ・ヒリヒリするものには色々な原因が考えられますが、原因によっては適切な治療を早めに受けることが大事です。いつもと違う症状が見られたら早めに歯科を受診しましょう。