口の中がネバネバする原因って一体なに!?
1.歯周病
歯周病とは歯の周囲に溜まった歯垢のなかの歯周病菌によって歯茎に炎症が起きる病気です。歯周病で歯茎に炎症が起こっていると、歯周病菌から作られる毒素や歯茎のポケットの中から出てくる浸出液、血液、膿、また剥がれた歯茎の細胞などで唾液がネバネバになってきます。
2.風邪
風邪をひいて鼻が詰まると口呼吸になってしまいます。そうすると口の中が乾いてネバネバしてきます。また、熱が出て脱水が起こると口の中も乾きます。風邪薬を飲んでいる場合には、薬の副作用によって口の中が乾いてネバネバすることがあります。
3.ストレス
ストレスは自律神経と深く関わりがあり、ストレスが増えると交感神経が活発な状態になり(興奮状態となり)唾液の分泌が落ちてしまいます。逆にリラックスしている状態では唾液がよく分泌されるようになります。
4.加齢
老化現象によって唾液腺の機能も落ちてしまいます。また、筋肉も衰えますので噛む力も落ち、唾液腺が刺激されず唾液の分泌も起こりにくくなります。
5.磨き残し
歯を磨いたつもりでも、磨き残しが多いと唾液の中の細菌の数も増えますので、口の中がネバネバする原因となります。
6.ドライマウス
ドライマウスは唾液の分泌量が減ったり、口の中の水分が蒸発して口の中が乾く状態をいいます。口腔乾燥症候群とも呼ばれています。原因にはさまざまなものがあり、またそれぞれが複雑に絡み合って発症することも多く見られます。
それぞれの症状に対するオススメの治療法
口の中がネバネバするという症状がある場合は、まずは口の専門家である歯科を受診しましょう。その後他の科を受診する必要があれば、歯科医師よりアドバイスがあることでしょう。
1.歯周病に対しては・・
■まずは機械的に汚れを取り除く
基本的に一番大事なのは、歯磨きがきちんとできているかどうか?です。口の中の歯周病菌を歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスを使って機械的に減らすことが最も大事です。しかしそれでも磨き残しや歯石などが出てきてしまいますので、3ヶ月〜6ヶ月に一度は歯科医院で徹底的な歯垢や歯石のクリーニングを受けたほうが良いでしょう。
■デンタルリンスを併用してみる
デンタルリンス(洗口剤)を併用することで、歯茎のポケットの中まで殺菌成分が行き渡り、お口の中の細菌を減らす効果がアップします。口の中が潤う効果も期待できます。
■プロバイオティクスで悪玉菌を減らす
また、最近注目を浴びている歯周病菌を減らす方法があります。口の中には数百種類もの細菌が生息しています。腸内細菌に悪玉菌と善玉菌がいることはよく知られていますが、口の中も同様で悪玉菌の数が増えてしまうと悪さをしてしまいます。そこで、口の中に大量の善玉菌(乳酸菌)を入れることで善玉菌を優位にし、虫歯や歯周病になりにくくする、というプロバイオティクスがとても効果があるといわれています。
方法は口の中に入れて舐めるだけです。商品としては歯科用のものとして、ライオンオーラルヘルスタブレット、バイオガイアまた、整腸剤のビオフェルミンも効果があると言われています。
2.風邪に対しては・・
■十分な休息
とにかく体を休め、栄養をとることです。
■水分補給をしっかりと
風邪で口が乾いてしまうのは仕方のないことです。水分補給をしっかりとすることで、風邪の治りも早くなりますし口の中も潤います。
3.ストレスに対しては・・
■リラックスする時間をとる
1日に30分でもいいのでリラックスする時間をとるようにしましょう。常に気が張り詰めていてはいずれ体も壊してしまいます。
4.加齢に対しては・・
■水分補給
水やお茶をこまめにとって、口の中の乾燥を防ぎましょう。
■よく噛む
食事の時はできるだけよく噛むようにしましょう。筋肉が衰えると唾液腺の機能はみるみる落ちてしまいます。ガムや昆布を噛むのもよいでしょう。
5.磨き残しに対しては・・
■歯垢染め出しをやってみる
歯垢は歯と同じ色をしているため、磨き残しは自分では分からないものです。歯垢を染め出す錠剤が市販されていますので、磨いた後に使って磨き残しの多い場所をチェックし、その部分を重点的に磨くようにしてみましょう。
■歯科医院でブラッシング指導を受ける
プロによる磨き方の指導を受けてみるのもおすすめです。歯ブラシの当て方、力の入れ方、歯間ブラシやデンタルフロスの使い方など、正しい使い方ができている人は少ないものです。誤った使い方は歯や歯茎を傷める原因となります。
6.ドライマウスに対しては・・
生活習慣や年齢、薬の副作用であることがあります。気になるようでしたら、ドライマウスを診療している歯科医院に相談することをオススメ致します。
漢方薬や保湿ジェルなどの対処が一般的です。
唾液を増やしてネバネバを防ぐ、唾液腺マッサージとは
口の中のネバネバに対しては、水を飲んだりすることで口を潤すのももちろん効果的ですが、やはり自分の唾液にかなうものはありません。また、よく噛む、ということも大事ですが、あまりガムなどを噛み続けることは顎関節症を引き起こす場合もあり、ほどほどにしなければなりません。そこで、手っ取り早く唾液の分泌を促す唾液腺マッサージという方法があります。
口がネバネバしたまま、長期間放置すると最悪どうなるのか
口がネバネバしていても、一時的なものである場合はそれほど影響はありません。しかし、長期化してしまうと、唾液の抗菌効果が期待できなくなりバリア機能の低下、口の中の細菌が増えることで次のようなことが起きてくる危険性が高くなります。
- 虫歯や歯周病にかかりやすくなる
- 口内炎になりやすくなる
- 口臭がひどくなる
- 口の中にカビが生える(口腔カンジダ症)
- 口の中や舌がピリピリ痛む
- 味覚異常が出る
- 風邪をひきやすくなる
- 逆流性食道炎にかかりやすくなる
- 高齢者は肺炎にかかりやすくなる
口の中 ネバネバ まとめ
■口の中がネバネバする原因とその対処・治療法
1.歯周病
- 徹底した歯磨きや歯科での定期的なクリーニング
- デンタルリンスの併用
- プロバイオティクスで悪玉菌を減らす
2.風邪
- 十分な休息
- 十分な水分補給
3.ストレス
- リラックスする時間をとる
4.加齢
- 水分補給
- よく噛む
5.磨き残し
- 歯垢染め出しをやってみる
- 歯科医院でブラッシング指導を受ける
6.ドライマウス
- 対症療法;人工唾液、保湿ジェル
- 薬物療法;唾液促進剤、唾液腺ホルモン、漢方薬
- 筋機能療法
- 全身疾患が原因の場合、その疾患の治療
■唾液を増やしてネバネバを防ぐ、唾液腺マッサージ
3分間ほど、痛くないくらいの力で
耳下腺:人差し指を耳たぶの下あたりに当て、後ろから前にぐるぐる円を描くようにマッサージ
顎下腺:下あごの骨の内側のやわらかいところを耳の下からあごの中央部まで5か所くらいをそっと押す
舌下腺:下あごの真下から舌を上に突き上げるようにグッと押す
■口がネバネバしたまま、長期間放置すると起こること
- 虫歯や歯周病にかかりやすくなる
- 口内炎になりやすくなる
- 口臭がひどくなる
- 口の中にカビが生える(口腔カンジダ症)
- 口の中や舌がピリピリ痛む
- 味覚異常が出る
- 風邪をひきやすくなる
- 逆流性食道炎にかかりやすくなる
- 高齢者は肺炎にかかりやすくなる
口の中のネバネバは朝起きた時は誰にでも起こりうるもので特に問題はありませんが、一日中粘つく、という人は何かの異常が起きているサインである可能性があります。放置すると口の中の痛みなどが起こってくる可能性がありますので、おかしいな?と思ったら早めに歯科を受診することをお勧めします。