口呼吸の治し方を教えて下さい!
<鼻で呼吸ができない場合>
- 鼻が詰まっていて鼻呼吸ができない人・・・耳鼻科で治療を受け、鼻の問題を治すことが先決です。
- 歯並びが原因で口が閉めにくい場合・・・矯正治療で歯並びを治す必要があります。
<癖になっている場合>
鼻で呼吸はできるけれども、癖で口呼吸になっている場合には、とにかく口を閉め、鼻で息することを意識して行いましょう。最初は苦しく感じられるかもしれませんが、やっているうちに習慣化してきます。鼻の通りが完全に良くない場合でも、できる限りの範囲で苦しくない程度にやってみましょう。どうしても忘れてしまう、という場合にはリマインダーとして、家のあちこちに「鼻で息をする」と書いて貼っておくのも良いでしょう。
<口腔筋機能療法について>
また、口呼吸が続いて口周囲の筋肉が緩んでしまっている筋力不足の場合には、口腔筋機能療法(MFT)という、口周囲の筋肉トレーニング方法も効果的です。実際に矯正歯科でもこのプログラムは取り入れられており、その種類は50種類以上にも及びます。この訓練法によって口周りの筋肉を強化し、さらには鼻呼吸をするのに大事な舌の筋肉の強化、また正しいポジションを身につけるようにします。また、内科の医師が推奨している簡単にできる口周囲の筋肉の強化方法、「あいうべ体操」というものもあります。今回はこのMFTの中の自分でできる簡単な方法と、あいうべ体操をご紹介します。いつでもどこでも簡単にできますので、ぜひやってみてください。
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自宅で簡単にできる口腔筋機能療法(MFT)
1.唇のトレーニング
口を少し開き、上下の唇を上下の歯の間に巻き込むように入れ込み、その後「パン!」と音を鳴らします。力をぬいて、もう一度同様に「パン!」と鳴らします。これを20回~30回行って1セットとし、1日に3セットやりましょう。
2.舌のトレーニング
まず、舌を上の前歯の裏側の歯茎のふくらみの部分よりも少し下(スポットポジション)に置きます。舌の先端をスポットポジションにつけたまま、舌全体を口の天井部分(口蓋)に吸い上げます。そしてそのまま口を大きく開けて、舌で口蓋をはじくようにして「タン!」と音を立てます。これを10回~15回行って1セットとし、1日3回やりましょう。
3.ガムチューイング
シュガーレスガムを奥歯で噛みます。唾液が出てきたら、奥歯を噛みしめて唾液を飲み込みます。ガムをよく噛んでやわらかくなったら、舌でガムを口蓋(口の天井部分)に吸い上げ、できるだけ広い範囲にガムをひろげてくっつけるようにします。その後、ガムがずれないように舌でガムを押さえつけたまま、奥歯を噛んで唾液を飲み込みます。これを1日に2回~3回やりましょう。
あいうべ体操
「あ」「い」「う」と大袈裟なくらい口を大きく動かして発音し(実際に声は出さなくても構いません)、「べ」は舌を思いっきり前にだしてやってみましょう。この「あいうべ」をセットとし、1セットを5秒くらいのゆっくりした動作で行い、1日に30セット行いましょう。
自分で口呼吸を治す時にオススメのグッズはある?
口呼吸をやめようとしても、そうそうすぐにいきなり鼻呼吸になるものではありません。そこで、まだ自力ではなかなか難しい、という場合にはグッズを使ってみるのもオススメです。口呼吸を治すのに役立つグッズとしては大別して、「口を塞いでしまうもの」と「鼻の通りを良くするもの」の2タイプがあります。
これらの他にも、寝るときのポジションを改善することで口を開きにくくする枕などもあります。また、どうしてもこれらのグッズが合わなくて使えない、というような場合には、口呼吸そのものの改善にはなりませんが、マスクをするだけでも、吸う空気そのものを温めて加湿することができるため、風邪やアレルギーの予防に役立ちます。
口を塞ぐグッズ
口に貼り付けるテープが一番良く知られていますが、その他にもマウスピースをつけて口が開かないようにするもの、ヘッドギアのようなサポーターを頭からかぶってあごまで固定するもの、などがあります。医療用のテープなどを貼っても構いません。ただ、あまり粘着力が強すぎるテープや絆創膏は、はがすときに痛かったり、唇の皮をむいてしまうこともあるので気をつけましょう。
鼻の通りをよくするグッズ
鼻の上に貼るだけの鼻腔拡張テープや、鼻の中にノーズリフトを装着して鼻の内部から鼻の穴を拡張するというもの、また鼻洗浄のキットを買って、自宅で鼻をよく洗浄することにより、鼻づまりを解消する、という手段もあります。
舌の位置が口呼吸を治すのに重要?
食事や会話をしていないときの舌の位置、というのは非常に重要です。鼻呼吸をしている場合、舌の先端は上の前歯の裏側にあるプクッとした盛り上がりのすぐ下にあるのが正常です。このポジションをスポットポジションといいます。口呼吸をしている場合には、舌の先端は下の前歯の裏側にあります。そうしないと口から空気が取り込めないためです。そのため、まず鼻呼吸をするためには、舌の先端の位置を意識してスポットポジションに置くことが大変重要です。この位置に舌の先をもってくると口で呼吸しにくくなることがよくわかると思います。常日頃から、食事や会話時以外には舌の先はこのスポットポジションに置くように心がけてみてください。
口呼吸を直せば出っ歯も改善される?
口呼吸を直したからといって、出っ歯は引っ込んできません。まだ永久歯が生えきっていないお子さんは、口呼吸を治すことで、その後出っ歯にならないように予防することは可能ではありますが、すでに出っ歯になったものは、やはり矯正治療を受けて引っ込めるしかありません。
睡眠時の口呼吸の治し方を教えて
睡眠時の口呼吸は意識して治せるものではありません。また、普段鼻呼吸している人でも眠っている間には口呼吸になってしまうことがよくあります。対策としては、口が開かないようにする、または鼻の通りをよくすることで口呼吸を防ぐとよいでしょう。
グッズを使用する
口を閉めるテープを貼ったり、口を閉める働きをするマウスピースや頭につけるサポーター、また鼻の通りをよくするためには、鼻腔を拡張するグッズや寝る前に鼻を洗浄する、などの方法があります。
枕を変えてみる
寝るポジションも大切で、あまり高い枕はよくありません。口呼吸にならないようにするには「床と顔が平行になること」が大事とされています。まずはバスタオルなどを丸めたりして調整してみましょう。市販でも口呼吸を防ぐ枕、というのは売られていますが、合う、合わないは買ってみないとわからないのが難点です。
まとめ 口呼吸の治し方で知っておくべきことを教えて下さい。
近年、口呼吸をしている子供が急増しています。小学生の80%以上が口呼吸をしているとも言われています。この急増の背景には現代の食生活も関係していると考えられます。現代は食事内容もやわらかいものばかりで、あまり噛まなくても食べられるもので溢れかえっています。こんな感じでは、あごや筋肉の発達に必要な「噛む」という動作があまり行われなくなります。また、あまり噛まないことで唾液が分泌されず、「唾液を飲み込む」という動作、つまり舌の運動もあまり行われなくなるため、舌の筋力も低下してしまうのです。
<継続が大事>
今回は口呼吸の対処方法について解説しましたが、これは単なる対症療法で、やらなくなったらまた元どおりです。根本的な改善のためには、実は食生活の面からも改善していかなければなりません。やわらかいものだけでなく、繊維質のものなどを取り入れよく噛んで食べ、噛む筋肉、舌の筋肉を日頃から鍛えていく、ということがとても重要です。
<自宅でできる口呼吸の治し方>
- 唇のトレーニング
- 舌のトレーニング
- ガムチューイング
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