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歯茎から血が出た時に考えられる11の原因と、適切なブラッシング方法。

2016年01月07日 12時49分
歯茎から血が出てしまった経験は、誰しもにあることかもしれません。しかし、その原因を知っていますか?何か別の病気を発症している可能性もあるのです。今回は本当は怖い「歯茎からの出血」について詳しく解説いたします。

歯茎から血が出た時に考えられる11の原因と、適切なブラッシング方法。

歯茎から血が出た!考えられる病気は?正しいブラッシング方法を教えて。

歯茎 血

歯茎から血が出るときに考えられる原因について

1、歯肉炎

 歯茎に炎症が起きている状態です。歯肉炎は主に歯茎の発赤や腫脹、出血がみられます。出血等の症状が出る理由は「プラーク」の汚れが原因です。おそらく、歯ブラシだけのブラッシングできちんとプラーク汚れが取りきれていないことで炎症が起きているものと思われます。この場合、歯磨きの方法を変え、丁寧なブラッシングと歯間ブラシやフロスの使用を行えば炎症が治まります。服用している薬の影響で歯肉炎が起きている場合もあります。その場合は、原因となる薬の服用を中止したり、副作用の出にくい薬に変更することで炎症が治まります。

2、歯周病

 歯肉炎を引き起こす原因である「プラーク」は唾液中のミネラルと結合して歯石に変化します。この歯石が歯と歯茎の間に付着していき、歯肉炎が進行し、歯周病へと変化していきます。

重度になると歯自体が動揺し、抜歯するしか治療方法がなくなることもあります。歯茎からの出血、腫脹、発赤、口臭等の症状がみられます。歯肉炎とは違い、歯周ポケットが出来てしまっている状態のため、歯茎の中の歯石除去やお口のクリーニングが必要となります。歯周病はそのままにしておくと、お口の中の骨を溶かすだけでなく全身疾患にもつながり、他の病気を併発させます。

3、強すぎるブラッシング

 適切なブラッシング圧は100200gとされています。強すぎるブラッシングはきちんとプラーク汚れを落としきれないだけでなく、歯茎に傷をつけ出血させる原因となります。また、ブラッシング圧があまりに強いと歯自体も削れてきて磨耗してしまいます。ブラッシングを強くしないためには歯ブラシのもち方はペンを持つような形で持って動かすことがオススメです。また、ブラッシング圧が強い方は歯ブラシの毛質を柔らかめのものを使用することで歯茎に傷をつくるのを防ぐことができます。

4、抜歯後の出血

 抜歯後通常翌日くらいまでは少し血がにじむ程度に出血があります。出血が見られる場合は圧迫止血で抜歯した部分にガーゼを当てて15~30分程度噛むようにして出血を止めるようにしてください。それでも止まらない、だらだらと血が流れているようですと異常な出血になりますので、早めに歯科受診してください。

 また、抜歯後「スポンゼル」というお薬を歯を抜いた穴の中に詰めています。これは止血の役割を担っていますので、絶対に取り出さないよう強くゆすぎすぎないようにしてください。あまりに強くゆすいだり、抜歯窩にある血の塊を取り除いてしまうと「ドライソケット」という強いズキズキとした激痛が1週間以上続くことがあります。このドライソケットは悪化させてしまうと「急性歯槽骨炎」という炎症を起こし、さらにこの状態を長く続けてしまうと「骨壊死」を起こす可能性もあります。

5、歯ぎしりや、くいしばり

 歯ぎしりや”くいしばり”が直接的な原因で歯茎から出血することはありませんが、これらが原因となって歯の周りの歯周組織を痛めてしまい、歯周病につながり出血することがあります。この歯ぎしりやくいしばりの時の力は約100kg程度の力が加わっています。通常の食事の時の力が10kg前後なのでものすごい負担が歯に加わっていることになります。この負荷がやがて歯を破折や摩耗、そして歯を支えている骨を減少させて歯周病を引き起こす咬合性外傷の原因になります。

6、白血病

 急性白血病の代表的な症状が、出血・発熱・貧血になります。これは、血中の血小板が減少することにより、血が止まりにくくなり、歯茎や鼻からの出血がみられます。

白血病での歯茎からの出血は「何もしていなくても出血」が起こります。白血病の初期発症の約1015%が歯肉出血とされています。出血の量は通常の歯肉炎や歯周病の時とは異なり、自然止血しないで滲むように出血してきます。また、お口の中に出血斑を伴うことが多いです。

7、血友病

 血中に含まれる血小板等の「血液凝固因子」が先天的に少なくなっているのが血友病という病気になります。血友病は遺伝性疾患で男性に多く発症します。白血病の歯茎からの出血とは違い、血友病の場合は強いブラッシングで歯茎を傷つけてしまった時に「血が止まりにくくなる」のが特徴となります。血友病の発症には遺伝と突然変異という2つのパターンがあると考えられています。

8、血小板減少性紫斑病

 血中の血小板の数が減少する他の明らかな病気や薬剤の服薬がなく血小板数が減少し、出血しやすくなる病気です。数週間から数ヶ月で症状が正常に回復する「急性型」は小児に多く、半年以上血小板減少が持続する「慢性型」は成人に多い傾向があります。 

「急性型」はウイルス感染や予防接種を先行事象として有する場合が多く認められますが、「慢性型」は原因が特定できないことがほとんどです。

口内の症状に関しては、歯茎からの出血や口腔粘膜出血を起こしやすく、また、血が止まりにくくなります。

9、再生不良性貧血

 骨髄内の造血幹細胞が減少することによって赤血球・白血球・血小板が減少する病気で、発病すると細胞の壊死が起こりやすくなり歯茎からの出血等の症状が起こります。

 再生不良性貧血は、先天性と後天性のものがあり、後天性は原因がまだわかっていない特発性と、薬剤の使用やウイルス感染などの原因がわかっている続発性のものに分けられます。一部の再生不良性貧血の患者さんは骨髄異形成症候群、発作性夜間血色素尿症、急性白血病に進展することもあります。

10、ネフローゼ症候群

 尿中に大量のタンパク質が排出される、糸球体の病気です。尿中へのタンパク質が出て行くに伴って血液中の重要なタンパク質の濃度が低下し、血液中の脂質の濃度が増加し、血液が固まりやすくなり、日和見感染などの感染症にかかりやすくなります。頻度はやや低いですが、必要な時に血液が固まらなくなる場合があります。

ネフローゼ症候群は緩やかに症状が出る場合もあれば、突然発症する場合もあります。小児では生後18ヶ月~4際までの期間が最も多く、女児よりも男児で多くみられます。

11、ビタミンの欠乏

 ビタミンCが欠乏すると歯茎の細胞を構成しているコラーゲン繊維が破壊され、歯茎から出血を起こしやすくなります。また、ビタミンCは歯肉炎・口内炎・歯周病を引き起こす毛細血管を修復する役割を担っています。

歯磨きをすると歯茎から血が出る場合、歯磨きをやめたほうがいい?

 白血病等の全身疾患に問題がない、副作用の出る薬を服用していない状態で歯茎から出血している場合、歯茎が炎症を起こしている事が原因です。プラーク等の汚れが長時間お口の中にある状態だと歯茎が炎症を起こして腫脹や発赤してしまいます。歯茎がぶよぶよの状態で歯ブラシを強く当ててしまうと歯茎から出血を起こします。

悪化を防ぐため、きちんと歯磨きはすること!

歯茎からの出血を恐れ、きちんと歯ブラシを当てていないと炎症はさらに悪化し、治癒することはありませんので、歯茎からの出血を恐れず、きちんと歯磨きしてください。軽い歯肉炎の状態であれば、1週間も経たないうちに状態は良くなります。歯周病に状態が悪化している場合ですと、自宅でのブラッシングだけでは歯周ポケット内の汚れまでは取れきれないため、完全に治ることはありません。まずは、自宅できちんとブラッシングを行って表面の炎症を取り除き、歯科医院にて歯周ポケット内のお掃除をするようにしましょう。歯周病は一長一短で完治するものではありませんが、自宅と歯科医院の連携で健康な歯茎を取りもどすことができます。

健康な歯茎を取り戻すために大切なこと

《適切なブラッシング》

 歯ブラシを動かす幅やブラッシング圧、歯ブラシのもち方、当て方は自分ではきちんとやっているつもりでもきちんと磨けていない方が大半です。プロの歯科衛生士に磨き方をチェックしてもらい、きちんと磨けるブラッシング力をつけましょう。

《補助用具の使用》

 歯の隙間に合わせた補助用具「デンタルフロス」「歯間ブラシ」「タフトブラシ」の使用を行ってください。歯ブラシだけのセルフケアでは6割程度しか汚れを落としきれていません。補助用具を使用することで残り4割を綺麗にすることができます。歯茎が腫れてしまっているときは、これらの補助用具を使用して念入りにケアしてください。

《抗炎症作用のある歯磨き粉の使用》

 医薬部外品の歯磨き剤には抗炎症作用の含まれるものもあります。歯茎がぶよぶよに腫れた状態であれば、柔らかい毛質の歯ブラシでブラッシングの後、歯磨き剤を指で歯茎に直接マッサージするように塗布するのもオススメです。また、薬効のある歯磨き剤を使用するなら、歯磨き後あまり口を強く濯がず、成分をお口の中に止めるようにするときちんと効果が得られます。

デンタルフロスをすると歯茎から血が出るのだけど、デンタルフロスをやっても大丈夫?

 デンタルフロスはゆっくり歯に添わせるように歯茎の中に入れてください。勢いよくパチンと入れてしまうと歯茎の周りの組織を断裂してしまい、出血や痛みの元になります。ゆっくりと入れていけば痛みも出血もありません。ただ、歯茎が炎症を起こしている状態だと出血してしまいますが、

歯茎の腫れを取り除くには多少の血を出すのはいいことですので、かまわずフロスを使用してください。

歯茎が腫れて血の塊のようなものができているのですが、これは何?

エプーリス

 歯肉腫とも言われます。不適合な被せ物や残根や歯石等の慢性炎症性刺激や女性ホルモン等の異常関与から誘発されます。歯と歯の間に赤い歯茎の固まりのような腫れができます。外科手術で完全に取り除く治療が必要となります。20~40代の女性に多く発症します。また、妊娠性エプーリスというものもあり、出産を終えると自然に消失する場合もあります。

フィステル

 歯茎におできのような赤い腫れができることがあります。フィステルと言い、歯根の先端になんらかの原因(深い虫歯、歯根が割れている等)で膿が溜まってしまい、膿の排出口として歯茎に現れます。これは歯の神経の治療を行い、根管内を綺麗に洗浄しないと何度も繰り返し現れます。

歯肉肥大

 痙攣を止める抗てんかん薬のフェニトインや高血圧治療で使用するカルシウム拮抗薬の副作用で歯茎が膨れ上がるように肥大する副作用があります。歯肉肥大は若い人や服用量の多いほど重症になりやすいです。プラークの汚れが多いと重症化しやすいので、薬の服用の量を調節したり、副作用の出にくいものに変更できない場合は、よくブラッシングをすることと、定期的に歯科受診して歯石を除去することで症状が軽くなることがあります。

 

関連リンク:

歯茎のできもの要注意!膿の袋、または癌!?怖すぎる歯茎のできもの

歯茎から血が出る場合の原因等 まとめ

最後に「歯茎 血」について重要な点をおさらいしておきましょう。

<歯茎から血が出る場合に考えられる原因>

  1. 歯肉炎
  2. 歯周病
  3. 強すぎるブラッシング
  4. 抜歯後の出血
  5. 歯ぎしりや、食いしばり
  6. 白血病
  7. 血友病
  8. 血小板減少性紫斑病
  9. 再生不良性貧血
  10. ネフローゼ症候群
  11. ビタミンの欠乏

<歯茎から血が出る場合のブラッシングで気をつけること>

  • 血が出ても、恐れずきちんと歯磨きをすること
  • 多少の血を出すことは、炎症した歯茎にとっては良いこと
  • 抗炎症作用のある歯磨き粉を使うと良い

 

「歯茎 血」関連リンク:

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