差し歯の寿命はどのくらい?そもそも差し歯の寿命って何?
差し歯を入れるときに「どのくらい持つのだろうか?」というのは誰しも気になることですよね。特に前歯など目立つところはなるべくずっとキレイであってほしいものです。
差し歯の寿命は「10年くらい」と言われます。
しかしこれはトラブルが起こった場合の平均的な数字なので、すべての人に当てはまるわけではもちろんありません。もっと早くダメになる場合もあれば、ずっとトラブルなく経過する場合もあります。
差し歯の寿命を縮めるトラブルについて
差し歯の「寿命」とは、簡単に言えば「トラブルなく使える年数」ということが言えるかと思います。その「トラブル」には次のようなことが挙げられます。
- 白いプラスチック部分の変色
- プラスチックやセラミック部分の破折
- 差し歯が取れる(セメントの溶出、噛み合わせの荷重負担などにより)
- 歯と差し歯の隙間から虫歯ができる
- 歯茎が下がって差し歯の境目が見えてくる
- 歯茎が黒く変色してくる(メタルタトゥー)
- 根の中にばい菌が入って膿む
- 根が折れる
素材ごとの差し歯の寿命は?保険と保険外で寿命は異なる?
差し歯と言っても、
- 保険の差し歯:安価な材料が使用されている
- 保険外の差し歯:高価な材料が使用されている
ものがあります。保険外のものは高価なだけあって、生体により優しくて丈夫な材料を使っていますので、一般的には、
寿命の程度も保険外の方が持つと考えてよいでしょう。
保険の場合
保険の場合で、前歯の差し歯を例にとってみます。一般的には、
- 硬質レジン前装冠:金属の表面にプラスチックを貼り付けたクラウン(被せ物)
- メタルコア:金属の土台
が使われています。この材料の場合、
良い状態で使えるのは大体平均的に7年ほどといわれています。
このよい状態というのは、あくまで虫歯や根の感染、根の破折などのトラブルを起こさない、ということであって、実際プラスチックの変色が起こり始めたりするのはもっと前に始まります。具体的に言うと、見た目的に変色が始まったりするのは3、4年くらいで始まります。これで取り替えたいと思う人もいれば、全然気にならず問題とみなさない人もいることでしょう。
保険外の場合
対して、保険外の前歯の差し歯はオールセラミックが近年多く使われるようになってきていますが、これは
- 被せ物の全部分:セラミック(陶器)
- 土台部分:ファイバーコアというグラスファイバー
を用いたものが使用されます。
オールセラミックのクラウンは20年生存率が82%というデータがあります。
セラミックは劣化することがない、傷がつかないため変色しない、歯茎を黒く変色させることもない、また、歯との接着が強固であるため、脇から虫歯になりにくい、という特徴をもつことから寿命が長いのは当然と言えるかもしれません。
また、土台部分のグラスファイバーは、歯根を破折させにくいという特徴があります。このことからも保険外の差し歯はより長持ちする特徴を兼ね備えています。
差し歯の寿命が短くなる原因は何??
差し歯の寿命が短くなる原因としては次のようなものが挙げられます。
1.保険の差し歯である
保険の差し歯は変色しやすい、歯茎を黒くしやすい、という欠点があります。
2.噛み合わせが強くかかっている
前歯に負担のかかる噛み合わせであったり、歯ぎしり・食いしばりのある場合、差し歯そのものが壊れたり歯根が割れてしまうことがあります。
3.土台(コア)の問題
差し歯を入れている歯は神経がなく、もろい状態です。特に歯根部分が薄くなっていて土台がガッチリした金属のものだと、歯根が割れる危険性が高くなります。
4.プラークコントロールが悪い
歯垢がたまりがちで虫歯ができやすい、歯周病になっている場合、差し歯と歯の境目から虫歯ができたり、歯茎が下がって差し歯の境目が見えてくる原因となります。
5.根の治療の良し悪し
歯科医師の根の治療の可否によっても差し歯の寿命は変わります。差し歯自体が良くても、根の中がきちんと治療できていなければ、根の奥が膿んだりして差し歯を外さなければならなくなります。
差し歯の寿命がきたら、どうすればいいのですか?
明らかに虫歯ができたり、歯根が膿んだり、歯根が折れたり、ということであればそれに応じた治療を行う必要があります。差し歯が取れてしまった場合には、原因を探り、それに応じた治療(噛み合わせを調整して付け直す、差し歯を作り直す・・etc.)を行う、差し歯の変色、歯茎の黒ずみ、差し歯の境目が見えてきた、などの審美的な問題に関しては個人によって気になるか、気にならないかという問題もあります。気になる場合には保険外の材料で作り直してもらうのが最良でしょう。
差し歯の寿命を少しでも伸ばすために出来ることを教えて下さい
1.保険外の材料を選ぶ
できるだけ、生体に優しい保険外の材料を選ぶことです。
2.プラークコントロールを徹底する
虫歯、歯周病を起こさぬよう、歯垢をためないようにすることです。
3.差し歯に力がかかりすぎないようにする
奥歯が噛めていない人はしっかりと奥歯で噛めるようにする、歯ぎしり・食いしばりのある人は夜間のマウスピースを入れるなど、歯に力がかかりすぎないようにしましょう。
4.信頼できる歯科医師にやってもらう
いくら腕の良い技工士さんが完璧な差し歯を作っても、歯自体がしっかり治療されていなければ意味がありません。保険外の場合、保証期間が設けられているかどうか?ということも確認してみると良いでしょう。
差し歯の寿命について まとめ
差し歯はその材質、メインテナンスなどによっては何十年も持たせることも十分可能です。そのためには自分自身で正しい知識を身につけていきましょう!そのためにも、最後に差し歯の寿命について重要な点をおさらいしておきましょう。
- 差し歯の寿命は10年
- 保険外の差し歯のほうが寿命が長い
- 噛み合わせ、プラークコントロールに注意が必要
- 腕の良い、納得のいく歯医者さんに治療してもらう
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