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歯の神経を抜くことは手術すると同じとかんがえてください

2019年03月24日 23時46分
虫歯が深くなると「神経を抜く=抜髄」という処置をすることがあります。 歯の内部には脳から繋がる神経が通っています。

歯の神経を抜くことは手術すると同じとかんがえてください

虫歯が深くなると「神経を抜く=抜髄」という処置をすることがあります。
歯の内部には脳から繋がる神経が通っています。全身に張り巡らされた神経の末端である末梢神経の一部が歯の中にも通っているため、生きている歯はさまざまな反応が起こります。しかし、虫歯などによる症状を改善するためには、やむを得ず神経を抜く処置をせざるを得ないことがあります。
そこで、「神経を抜く」ということについてもう少し掘り下げてみました。

1. ①    歯の神経を抜くという行為

歯の神経を抜く治療の意味とそれが与える影響について解説します。

なぜ、歯の神経を抜くのか

歯の内部にある歯髄という部分には神経と血管やリンパ液が通っています。虫歯などが原因で歯髄になんらかの炎症や損傷が起こると、神経が刺激され痛みなどの症状が起こります。神経が直接的かつ継続的に刺激されるのでつらく不快な症状が続き、強い痛みを感じるケースも多いです。さらに進行すると神経は腐食し、そのダメージは歯髄から歯の外側へと波及していきます。そのため、痛みや炎症の拡大を抑えるためにいわゆる「神経を抜く」処置を行います。

歯の神経を抜くと歯はどうなる

歯の神経を抜くとことは歯の命を奪うことです。歯としての形は残り噛むことはできますが、その生命は絶たれます。歯は神経のない『失活歯』になると、枯れ木のように脆くなり寿命も短くなると言われています。虫歯など外部からの刺激や侵入者に対して痛みなどの反応が起こらないため、損傷に気付かないまま進行してしまったり、徐々に黒ずんでしまう変色も見られます。

1. ②    歯の神経を抜く行為に対する歯科医の負担

歯の神経を抜く治療は治療をする側にとってもさまざまな負担を伴うことを患者さん自身も是非理解していただきたいと考えます。

歯の神経を抜くことの難しさ

歯の神経を抜く処置は、非常に高い技術と観察力、集中力を必要とします。歯髄は個々の歯によってその数が異なります。一般的には太さや長さの違う歯髄が1~4本あり、正確にその数と長さを調べて治療を行わなければいけません。もし取り残しがあった場合、そこから再び感染して炎症が起こることがあるからです。また、側枝と呼ばれる枝分かれした部分があるケースではさらに治療は困難を極めます。小さな歯の内部にある神経の処置をするため目で直接確認することが難しく、さらに非常に小さな器具で行うので治療そのものも高いテクニックと熟練が必要です。また、神経を抜いた後を封鎖する治療では、そのタイミングやテクニックなど歯科医師の力量に委ねられています。もし適切に行われなければ、後に痛みや炎症が起こることがあります。

保険の点数

さまざまな治療は、保険による点数が定められています。神経を抜く処置は歯によって点数が異なりますが、3割負担の場合前歯で700円程度、大臼歯でも1800円程度です。これに付随して初診や再診料、投薬料、レントゲン撮影料などが必要となります。実は同じ抜髄の費用を海外と比較してみると、アメリカでは8万円近い費用がかかるといわれていますので、日本は破格の安い金額で治療を受けられることになります。

歯科医への負担

日本では保険制度によって患者さんの負担は非常に少ないというメリットがありますが、抜髄の治療の複雑さや手間を考えると保険点数の設定がかなり低く設定されているのが現状です。抜髄後に必要な根管貼薬処置(薬の交換)に至っては50点にも満たない点数となっています。そのため、必要不可欠な治療ではありながらできれば避けたいという心の声も聞こえてきそうです。

1. ③    保険と自費の歯の神経を抜く治療の違い

神経を抜く治療はほとんどの歯科医院では保険で行いますが、中には自費で行う歯科医院もあります。

保険の歯の神経を抜く治療の特徴や値段

(特徴)
保険診療では、神経を抜く治療に付随して初診や再診料・検査料・レントゲン料・管理料などいくつかの点数が付加されます。そのため、神経を抜く治療のみで算定されることはありません。
(費用)
ある程度定められたひな形に沿った点数が算定されます。
神経を抜く治療:前歯・犬歯/228点(680円)、小臼歯/418点(1250円)、大臼歯/588点(1760円)※3割負担の場合 平成31年3月現在
その他の費用:初診料等/1000円程度、レントゲン撮影/デンタル撮影(小サイズ)/170円、パノラマ撮影(顎全体)/1200円程度、その他金属を削って取り除く処置や管理料などが必要です。

自費の歯の神経を抜く治療の特徴や値段

(特徴)
自費の治療では、治療時間を十分に確保してより精密度の高い器材や術式を使用し、確実性の高い治療を目指しています。治療中の唾液の流入による感染のリスクを抑えるラバーダム防湿や、マイクロスコープのような特殊な拡大機器を使って治療を行うなどがその具体例です。
(費用)
各歯科医院で自由に設定できるため、定まった金額はないのが現状です。相場としては
前歯:5万円~
小臼歯:7万円~
大臼歯:9万円~
といわれています。治療のやり方や機器などによっても異なりますので、各歯科医院に直接問い合わせるのが確実です。

実際にどっちがいいの?

保険と自費の治療の違いはどこにあるでしょう。しいて言うならば、自費は高度な機器や手間をかけてより精度の高い治療を目指しますが、保険は決められた時間内に処置を行い数をこなすことで報酬を増やさなければいけません。つまり、自由に費用を設定することによって心理的にも経済的にも余裕のある治療を行う代わりに精度の高い治療を提供することが自費診療のメリットといえるでしょう。ただし、自費で治療を行った場合には、最終的に入れる被せ物などもすべて自費扱いとなりますので注意が必要です。また、歯科医院によっては保険診療でも積極的に自費と同様の機器を導入しているところもありますので、各院長先生の考え方の違いであり、それぞれのニーズに合わせた選択肢といえます。

1. ④    患者さんに理解して欲しい歯の神経のこと

歯の神経を抜くのは危険

神経を抜くと歯は死んでしまい、枯れ木と同じ状態になります。そうすると、そもそも歯が持っていた抵抗力や知覚(痛みを感じたり刺激に対する反応)がなくなり、痛みを感じないため虫歯や知覚過敏などのトラブルがあっても気づきません。また、歯に栄養がいかなくなるため脆くなり折れたり割れやすくなります。細菌に対する防御反応や自己修復能力もなくなるので虫歯も進行しやすくなります。

歯を守ること

歯はいろいろな役割を持っています。でも、虫歯や歯周病でトラブルが起こると、治療しても100%の機能を回復することはできません。「食べる」「噛む」「話す」などの機能は人が生きていく上で不可欠です。したがって、歯はなくてはならないものであり、歯を守るということは健康に明るく生きていくために重要なことなのです。

まとめ

歯の神経を抜くと、歯は「現状としてある程度」使える状態になります。でも、その後はさまざまなデメリットやリスクを抱えることになり、これまでより丁寧なメンテナンスが必要となります。
歯は生きているからこそ持つ多くの働きや機能を備えています。ですから、できる限り神経を抜かない状態でいるために、定期的なチェックやメンテナンスを受け、早期発見早期治療を心掛けるのが重要なポイントとなるのです。

 

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