有郭乳頭(ゆうかくにゅうとう)とはなんですか?
有郭乳頭は、舌の表面に存在する「4種類の舌乳頭」の内の1つです。舌乳頭はその形状や存在部位によって分類されています。
- 糸状乳頭
- 茸状乳頭
- 葉状乳頭
- 有郭乳頭
有郭乳頭の形状は「台形状」と表現されます。周囲を溝に囲まれた有郭乳頭は、お椀のような形状でその出っ張りを形成しています。また、有郭乳頭は、その存在部位にも特徴があり、有郭乳頭が集中して存在しているのは、舌根部(舌の付け根あたり)です。
有郭乳頭に違和感や痛みがあるのですが、この原因は?
有郭乳頭は舌表面に存在する正常な組織の一部分です。しかし、舌の奥の方に存在するために、いざ有郭乳頭の存在に気づくと「何か悪いできものじゃないんだろうか?」と心配になられる方もおられます。
扁桃腺が腫れている
特に多いケースが、風邪などをひいて扁桃腺が腫れてしまった時。のどの奥の痛みが気になってよく観察してみた際に、同時に舌の奥(舌の根っこの部分)の「有郭乳頭」の存在を初めて知る方も多いです。
舌や喉の炎症
有郭乳頭は正常な組織であるため、基本的には痛みや違和感を生じることはありません。しかし、舌に炎症(いわゆる口内炎)が生じたり、風邪を引いてのどの奥に炎症が生じた場合、舌の根っこにある舌乳頭部分にも痛みや違和感を生じるケースが存在します。これらの症状は、有郭乳頭に何か問題があるというよりは「有郭乳頭が存在する(並んでいる)粘膜に炎症が生じている」ことが原因で感じられるものと説明することが出来ます。
有郭乳頭の違和感や痛みは放置しても大丈夫?
有郭乳頭に感じる痛みや違和感は、有郭乳頭が存在する部位の炎症が原因である場合が多いです。したがって、その炎症が舌表面の炎症(いわゆる口内炎)である場合は、適切な栄養補給と口腔内を清潔に保つことなどが対処法となり、のどの奥の炎症が単なる風邪によるものであれば、いつも通りの風邪への対処法を行なえば良いのです。
悪性の腫瘍である可能性も・・・。
しかし、有郭乳頭が正常な組織だからといって、舌にあるイボを全て放置しておいて良い訳ではありません。有郭乳頭と似たような見た目で、舌表面に生じる病変も存在します。特に強い痛みを感じる時は要注意です。「有郭乳頭と思っていたら、実は悪性の腫瘍であることが後で分かった。」という可能性も考えられないことはありません。舌乳頭腫などの良性腫瘍であれば、適切な治療により予後良好なのですが、悪性腫瘍の場合は早期の発見が一番の治療となります。したがって、舌表面の突起物や痛み、違和感がどうしても気になって仕方が無い場合は、
医療機関にて適切な検査を受けることをおすすめします。
有郭乳頭の異変にはどんな治療がある?
有郭乳頭を含めて、舌表面が炎症を起こしてしまうケースは少なくありません。そうした舌の炎症(いわゆる口内炎)による症状が気になる場合は、以下の対処法(治療法)が考えられます。
- 生活習慣を整える。
- 食生活を考え、適切な栄養摂取をこころがける。
- 口腔内を清潔に保つ。
- ストレスを除去する。
これらの対処法は、決して「有郭乳頭に対する治療」ではございません。あくまで、「有郭乳頭を含む粘膜部位に生じた炎症に対する対処法」であります。通常の口内炎や風邪の治療と同じように、安静としっかりとした栄養バランスが一番の治療法となります。
有郭乳頭について まとめ
最後に有郭乳頭について重要な点をおさらいしておきましょう。
<有郭乳頭の違和感の原因>
- 扁桃腺が腫れている
- 舌や喉の炎症
<有郭乳頭に異変が起こった場合の対処法>
- 生活習慣を整える。
- 食生活を考え、適切な栄養摂取を心がける。
- 口腔内を清潔に保つ。
- ストレスを除去する。
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