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予防歯科を知らない可哀想な日本人。だからこそ、知りたい予防歯科の世界

2017年02月01日 18時43分
歯が痛い時に歯医者さんに駆け込む。私達はこの光景に違和感を持たねばならないのです。歯が痛い時に歯医者さんい行くのでは歯はいつまでも良くはなりません。今必要な考えは予防歯科の考えなのです。

予防歯科を知らない可哀想な日本人。だからこそ、知りたい予防歯科の世界

前回、日本人が高齢になる毎に歯がなくなり、80を迎える頃には歯が7本しか残っていない事実をご紹介しました。

なぜ、日本人だけが年を重ねる毎に歯を失っていくのか。世界から取り残された日本人の歯

日本人は年を重ねるごとに歯がボロボロになっていくのに対して、欧米人は国全体で歯の予防が進んでおり、年を重ねるに連れて残存歯の数に大きな差がでるという内容でした。

結論は日本人も予防歯科の考え方を受け入れなければならないということでした。

そこで、今回はより具体的に予防歯科とは何なのか、そして自宅でできる予防歯科はどんなものなのかなど予防歯科について更に踏み込んで解説を致します。

よろしくお願いいたします。

 

そもそも、予防歯科とは

「予防歯科」という言葉を聞くと歯医者で歯の予防処置をやってもらうことを想像してしまうかもしれませんが、実はそれだけでは虫歯や歯周病の予防には十分ではありません。予防歯科のポイントは

  1. 歯の汚れ(歯垢)をきちんと落とす
  2. 細菌を増やさないようコントロール
  3. フッ素を効果的に使う

これらの3つです。

そして、これを実践するには毎日の家庭でのお手入れが不可欠です。ということで、予防歯科の取り組みとしては、自分で日常的に行うセルフケアと歯科医院で専門家にやってもらうプロケアがあり、その両方を行って初めて効果が現れます。それぞれの内容は次の通りです。

■セルフケアで行う内容

・歯ブラシやデンタルフロスを使っての徹底したブラッシング

・殺菌剤入りのデンタルリンスにより細菌の繁殖を防ぐ

・フッ素入り歯磨き粉を使っての歯の強化

■プロケアで行う内容

・口の健康状態のチェック

・TBI=歯磨きの仕方のチェック、一人一人にあった磨き方の指導

・PMTC=プロによるクリーニング(セルフケアで取りきれない汚れの除去)

・スケーリング=歯石とり 

・高濃度のフッ素塗布によるさらなる歯の強化

・シーラント=虫歯にかかりやすい奥歯の溝を材料でコーティングし虫歯を予防(歯の交換期において)

では、それぞれ具体的に解説していきます。

 

自宅で行う予防歯科=セルフケアって具体的にどういうこと?

自宅でのセルフケアとは、難しいものではなく。歯磨きのことだとお考え下さい。

しかし、この歯磨きですが日本人の多くの方が本当に正しい歯磨きの方法を知っていません。では、詳しく解説していきます。

 

歯ブラシの正しい選び方

歯茎が炎症を起こして出血しやすい場合は「やわらかめ」、そうでなければ「ふつう」か「やわらかめ」を選びましょう。ブラシ部分は大きいものだと細かいところまで磨けないため、上の前歯の2本分くらいの幅で毛先はストレートのものが良いでしょう。毛先が開いたら交換しましょう。

細かな部分を磨くために、小さく作られている子ども用の歯ブラシを選ぶのもOK

 

どんな磨き方?

磨く時は次のことに気をつけてみましょう。

  • ブラシの先で奥歯の裏を磨く
  • ブラシの脇で歯と歯茎の間を磨く
  • ブラシの毛先で奥歯の側面を磨く

優しく磨くのがコツ。強く押し付けるのはNG 杉沢歯科医院

 

歯磨きはこのルールを守り、丁寧にやれば合格です。しかし、残念なことにそれだけでは歯垢をとることができないのです。では、歯磨きの他にどのようなことを行えばいいのでしょうか。

 

歯垢を残さず落とす方法

歯ブラシだけでは歯垢は落としきれません。補助清掃器具と呼ばれるデンタルフロス、歯間ブラシ、ワンタフトブラシがあります。

左上と左がフロス、歯間ブラシ、ワンタフトブラシです。きらら歯科

 

これらの清掃補助器具を歯ブラシでの歯磨きに加えるだけで歯垢を大幅に除去することができます。特にフロスは欧米では必須のアイテム。フロスを追加することで歯垢除去率が30%アップすると言われています。

 

歯ブラシ単独とデンタルフロスを使用した場合の歯垢除去率には大きな差が。クリニカ

 

それぞれの器具は以下のように使い分けましょう。

 

<歯と歯の間には>

・デンタルフロス→歯と歯の間の隙間が小さい人向け。

・歯間ブラシ→歯茎が下がって歯と歯の間の隙間が開いてきた人、または矯正器具やブリッジの部分に。

画像参照:歯のブログ

 

<歯並びが凸凹している部分や、奥歯の奥の面には>

ワンタフトブラシ→毛束が小さい、細かいところを磨くためのブラシ。

 

歯ブラシとフロス、歯間ブラシ、ワンタフトブラシをそれぞれ自分の状況に合わせてうまく使いこなすことで多くの歯垢を除去し、自宅で予防歯科を行うことができます。では、次に歯磨き以外の自宅での予防歯科を見ていきましょう。

 

フッ素がなぜ歯に良い?

よく、フッ素はむし歯に良いと言われます。ではなぜこのフッ素が良いとされているのでしょうか。

フッ素が虫歯予防によいと言われる理由は次の3つの理由からです。

  1. 歯の質を強くする

フッ素は歯のエナメル質に作用して硬い結晶を作り、酸から歯を溶けにくくします。

 

2.歯を再石灰化する

酸によって溶かされ始めた歯の表面を修復する働きがあります。つまり初期の虫歯を治す働きがあります。

 

3.抗菌作用をもっている

虫歯菌に対して抗菌作用を発揮し、虫歯が酸を作りにくくします。

これらの理由からフッ素はむし歯を抑えるのに効果的だとされています。自宅でむし歯予防を行うにはフッ素入りの歯磨き粉を使用するのも良い方法です。

 

歯磨き、フッ素以外には口の中の細菌をいかに増やさないかが予防歯科のテーマになります。解説していきます。

 

口内細菌を増やさない方法

口の中の細菌が増えるのは夜眠っている間です。眠っている時は唾液の分泌があまり行われなくなるため、お口の中を唾液で洗浄する働きが落ち、細菌が繁殖するのに非常に都合がいいのです。

画像参照:ガラパイア

口の中には常時300〜700種類の細菌が生息しており、1ミリリットルあたり1億匹の細菌がいるとされています。歯をあまり磨かない人の口の中には1兆個もの細菌が住み着いているともされています。

その最近の中にはラクトバシルスという虫歯の原因となる細菌や、フソピロシェットという歯槽膿漏の原因菌などが生息しており、あなたの歯を攻撃します。こうした細菌は寝ている間に繁殖を行うので、よる寝る前の細菌ケアのための歯磨き、デンタルリンスでの殺菌などは有効です。

 

食事の食べ方も重要

虫歯や歯周病のかかりやすさには食事の仕方も大きく関わっています。間食や砂糖の入った飲み物をよく摂る習慣があったり、あまり噛まずに食べられるやわらかいものばかり食べる食習慣は歯垢がたまりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。飴やキャラメルなど口の中に長く残るものは特に危険度高いですし、ジュースや砂糖入りのコーヒーなどをだらだら飲む習慣も同様です。甘いものはメリハリをつけて摂るようにし、食事も繊維質のものを適度に取り入れ、よく噛む習慣をつけましょう。

 

歯磨き(歯ブラシ以外での歯磨き)など自宅で出来る予防歯科は以上のようなものがあります。これだけやれば、十分・・・。と言いたいところなのですが自分の力だけではどうすることも出来ないこともあります。例えば歯垢が石化してしまった歯石などは自分ではとることができないので、プロの手にお願いするしか方法はありません。

そこで、次に歯科医院で行うプロケアと呼ばれる特別なケアを解説いたします。

 

 

歯科医院で行う予防歯科=プロケアってどういったことをしてくれるの?

自宅で行う予防歯科は歯磨きを中心とした歯垢から歯を守る、いわゆるプラークコントロールというものが中心になっています。では、歯科医院で行う予防歯科とはどのようなものがあるのでしょうか。主なものを見ていきましょう。

 

口腔内検査

歯科医師が口の中を診察し、虫歯の有無、歯周病のチェック、詰め物のチェックなどを行います。

少なくとも年に2〜3度受けることをお勧めします。

近年はカメラを使用して治療台の横のモニターで一緒に確認する歯科医院も増えてきました。吉本歯科

 

歯磨き指導(TBI) 

口腔衛生指導またはTBI(ティービーアイ)とも呼ばれています。口の中の健康を保つには毎日の自身によるケアが最も大切です。歯科医師または歯科衛生士が現在の磨き方を確認し、それぞれの人に合った磨き方を指導します。
 

たかが、歯磨き指導と侮ってはいけません。ファミリー歯科

どこが磨けていないのかを客観的に把握し、歯磨きの裏技を伝授していただき、正しい方法を見に付けます。ここで身につけた方法をホームケアで即活かすことができるのです。

 

 

フッ素塗布

歯科医院専用の高濃度のフッ素を塗ることにより歯を強化し、虫歯予防の効果が高まります。

お子さんのむし歯予防などでフッ素塗布は有効とされています。もちろん、大人にも有効です。モンキッズデンタル

 

 

スケーリング

歯垢が固まってしまった歯石は歯ブラシで取り除くことができないため、専用の機械や器具で歯石をしっかりと取り除きます。歯周ポケットの内部についてしまった歯石はスケーリングの後にSRP(スケーリングルートプレーニング)と呼ばれる深い部分の歯石取りを丁寧に行います。

このように石化してしまった歯垢は歯ブラシではとれない。福西歯科

 

歯石は専門の器具で取らなくてはいけない。メディカルノート

 

PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)

歯科医師や衛生士が専用の器具を使い、自分で落とすことのできない汚れや歯垢を徹底的に落とすクリーニングです。歯の着色などもキレイに取れ、ツルツルになって歯垢もつきにくくなり、虫歯や歯周病にかかりにくくなる環境に整えます。自分で行うブラッシングではデンタルフロスなどを用いてどんなに頑張っても歯垢を100%落とすことはできないため、定期的なプロによるクリーニングが必要です。

プロによる徹底したクリーニングがPMTC 美活ラボ

 

シーラント

生えたばかりの6歳臼歯(第一大臼歯)などによく行われる虫歯予防処置です。生えたばかりまた、生えている途中の大臼歯は磨きにくく、また、歯の質が非常に弱いため、溝から虫歯にかかりやすい状態にあります。その溝の部分を材料で埋めることによって歯垢がたまらないようにし、虫歯にかかることを防ぎます。

歯をコーティングするシーラント 島田歯科

 

また、次のような予防歯科メニューを行っている医院もあります。

 

唾液検査(サリバテスト)

味のないガムを5分間噛んで、唾液を採取し、唾液の質や量、中和力、虫歯菌の数を調べます。その結果をもとに、虫歯のかかりやすさをチェックし、一人一人にあった虫歯の予防法を提案する、というものです。

唾液テストで効果的な虫歯予防が可能 dentaltribune

 

3DS(Dental Drug Delivery System)

虫歯や歯周病の予防効果を高めるために、個人個人に合わせて作ったマウスピースに殺菌剤などの薬剤を注入して口の中に装着することで、薬剤が直接細菌に作用し除菌される、という新しい予防歯科治療です。虫歯や歯周病のリスクが高い人に特に効果があります。

むし歯になりやすい体質の人に注目の予防方法。デンタルQ

 

予防プロバイオティクス

特定の乳酸菌のタブレット(錠)を口の中に入れることで、大量の善玉菌を口の中で増やすことにより、歯周病菌や虫歯菌などの悪玉菌のすみかをなくして口の中の環境を変えていく、という新しい予防歯科治療方法です。代表的なものとしてはバイオガイヤプロデンティスやライオンオーラルヘルスタブレットなどがあります。

タブレット型の予防歯科 ホワイト歯科医院

 

デュラファット

非常に高濃度のフッ素(フッ化物)で、通常歯科医院で塗布するフッ素の2倍以上の濃度があります。初期の虫歯や虫歯リスクの高い歯、治療が難しい小さなお子さんの虫歯に対して虫歯の進行を止める効果があります。歯の表面に対する吸着度が高く、塗った部分に長時間とどまることで大きな効果を現します。

高濃度のフッ素塗布するデュラファット 福井歯科

 

予防歯科先進国のスウェーデンでは虫歯のリスクが高い子供に対して、このデュラファットが定期的に塗布されているようです。

 

カリオグラム

唾液検査やその他の虫歯リスクの要因を入力し、患者さんが現在どんな状態にあるのか、改善するためにはどんなことをする必要があるのか、将来的に虫歯を避けることのできる可能性などを瞬時に円グラフ化して、患者さんにわかりやすくビジュアルで訴えるコンピューターソフトです。どの項目を改善すればよいか、ということが一目で分かり、予防治療の計画が立てやすくなります。

予防の指針となるカリオグラム 柳下歯科クリニック

 

カリオスタット検査

カリオスタット検査とはお口の中にどれだけ虫歯菌がいるか?の検査です。綿棒で歯についている歯垢を取り、試験液にその綿棒を入れ、48時間培養器に入れて待つと、4段階で虫歯のリスクが判定されます。そのリスクに応じて、虫歯の予防法を歯科医師がアドバイスしてくれます。

むし歯を事前に予測することで効果的なむし歯予防が可能 米山おとなこども歯科クリニック

 

予防歯科総まとめ

以上のように一口に予防歯科と言っても私達の知らないことは山ほどあります。

これだけやらないといけない?

と考えるかもしれませんが、何も全て行う必要はありません。しかし、情報を知っていることと知らないことでは大きな差があるのです。

アナタの一生を左右するといっても過言ではない歯の本数を今の時点から管理し、歯の病気から守ることを考えなくてはいけないのです。

 

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