口の中に違和感があるときに考えられる原因
口の中の違和感を感じる原因には様々なものがあります。傷や炎症や病変などでも違和感を感じることがありますが、それ以外の見た目に問題がないのに違和感を感じるケースについてまとめていきます。
1.ドライマウス(口腔乾燥症)
口の中の唾液の分泌が減ってしまったり、蒸発することで起こります。唾液という保護剤がなくなり、口の粘膜が乾いてしまうことで敏感になって違和感を感じやすくなります。次のようなことが原因になっていると言われています。
加齢
加齢によって唾液腺の分泌機能が落ちるため、唾液は減ってきます。
薬の副作用
薬の80パーセントに口腔乾燥の副作用が起こるといわれています。
ストレス
ストレスを感じると唾液の分泌が落ちます。
食生活
食事を抜くことが多かったり、あまり噛まないで食べる習慣は唾液の分泌が落ちる原因となります。
タバコ、飲酒
タバコを吸うと唾液の分泌が落ちます。また、アルコールには利尿作用があるため、口の中が乾いてしまいます。
口呼吸
口で呼吸をしていると、唾液が蒸発してしまいます。また、眠るときに口を開けている人は口の中が乾いてしまいます。
全身疾患
シェーグレン症候群や糖尿病などの全身疾患によって、口の中が乾燥する症状が起こります。
2.微量元素不足
亜鉛が不足することで、味覚障害と共に口のがピリピリしたりヒリヒリしたりなどの違和感がでてくると言われています。またビタミンB群や鉄が欠乏することによっても口の中に痛みのような違和感を感じることがあります。
3.口腔アレルギー症候群
野菜や果物などの食べ物を食べると、15分以内に唇が腫れたり、舌やのどに違和感やかゆみ、痛みなどを感じたり、のどが腫れたりなどを起こす病気です。
4.口腔心身症(歯科心身症)
長期にわたって口の中に外見上異常がないのに、原因不明の痛みや違和感などの症状を出す病気を口腔心身症または歯科心身症などとよびます。その中に分類される口の中の違和感を感じるものとしては次のようなものがあります。
口腔異常感症
高齢者に多く見られる、原因不明の口の中の不快感(口の中がネバネバ、ザラザラするなど)や味覚の異常を訴える病気です。舌痛症もこの一種です。
口腔内セネストパチー
「口の中が波打っている感覚がする」「口の中に虫が這っている」など現実離れした異常感を訴える病気です。脳神経細胞の伝達障害が原因だと言われています。
口の中に違和感があるときの対処法や治療法。何科に行くのが適切??
口の中に違和感が出ている場合は、口の中に異常がないかどうかを見てもらうためにも、まずは歯科か口腔外科を受診します。その後、必要に応じて内科や精神科などへの紹介、または連携しての治療となるでしょう。
それぞれの対処法、治療法は次の通りです。
1.ドライマウス(口腔乾燥症)
普段の生活では次のようなことを気をつけてみましょう。
- ストレスを溜めないように適度にストレス解消をする
- きちんと食事を取り、よく噛んで食べる
- タバコ、飲酒を控えめにする
- 鼻で呼吸をするようにする(鼻炎、歯並びの問題がある場合にはそちらを解決する)
- 寝ている時に口を開けている人はマスクをつけてみる
- 薬の副作用で口が乾く場合は水分をよく取るように心がける
- 部屋を乾燥させすぎない
以上のことを試してみても、なかなか改善が見られない場合には市販されている人工唾液や保湿ジェル、マウスウォッシュなどを使って口を潤すのも効果的です。
医療機関で行われている飲み薬による治療としては、唾液腺ホルモン、漢方薬、唾液の分泌を促す薬(シェーグレン症候群の治療に使われる薬)などがあります。また、唾液の分泌を促す筋機能療法という治療法もあります。
また、全身疾患が原因の場合はその治療を行う必要がありますし、薬の影響で口が乾いてしまっている場合には医科の担当医と、薬の変更や中止について相談をする必要があります。
2.微量元素不足
食生活の改善や、亜鉛、ビタミン、鉄の製剤を処方してもらう方法があります。
3.口腔アレルギー症候群
アレルギーを起こすものを極力口にしない、またはなるべく火を通して食べるようにしましょう。しかし、桃やバナナなどには効果がありません。通常は消化されれば症状は治まりますが、もしも口の中以外にも蕁麻疹などの異常が見られる場合にはすぐに医療機関を受診しましょう。
4.口腔心身症(歯科心身症)
口腔異常感症の場合
検査で異常があればそれに対する治療を行います。精神的なものから来ている事も多いため、がんなどがないことをしっかりと説明し、口の中を必要以上に気にしないように、などの指導が行われます。症状が落ち着かない場合には精神安定剤などの薬も使われることがあります。
口腔内セネストパチーの場合
精神障害の一症状として現れていることが多いため、精神科での薬物治療などが行われます。
妊娠の初期症状などで、口の中の違和感がでることもある??
妊娠の初期症状でよく知られているのは吐き気ですが、口の中にも症状が現れることがよくあります。
例えば、口の中に膜が張っているような感覚があったり、口の中が苦いようなまずい味がしたり、また、味覚が変化して食べ物の嗜好が変わることもあります。よだれづわりと呼ばれるような、唾液が大量に出るつわりがある人もいます。これらの症状はつわりが落ち着くとともになくなることがほとんどです。
口の中に違和感がある まとめ
口の中に違和感を覚える原因と対処・治療法
1.ドライマウス(口腔乾燥症)
<普段の生活でできる予防・対処法>
- ストレスを溜めないように適度にストレス解消をする
- きちんと食事を取り、よく噛んで食べる
- タバコ、飲酒を控えめにする
- 鼻で呼吸をするようにする(鼻炎、歯並びの問題がある場合にはそちらを解決する)
- 寝ている時に口を開けている人はマスクをつけてみる
- 薬の副作用で口が乾く場合は水分をよく取るように心がける
- 部屋を乾燥させすぎない
<なかなか改善が見られない場合は>
市販されている人口唾液、保湿ジェル、マウスウォッシュなどを使ってみる
<医療機関での治療>
- 薬物療法;唾液腺ホルモン、漢方薬、唾液の分泌を促す薬
- 筋機能療法
全身疾患が原因の場合は原因の病気の治療、薬の影響で口が乾いてしまっている場合には医科の担当医と、薬の変更や中止について相談
2.微量元素不足
- 食生活の改善
- 亜鉛、ビタミン、鉄の製剤を処方してもらう
3.口腔アレルギー症候群
- アレルギーを起こすものを極力口にしない
- なるべく火を通して食べる(桃やバナナには効果なし)
- 蕁麻疹や全身症状が出る場合にはすぐに医療機関を受診
4.口腔心身症(歯科心身症)
<口腔異常感症の場合>
- 検査で異常があればそれに対する治療
- 口の中を必要以上に気にしない
- 症状が落ち着かない場合には薬物療法(精神安定剤など)を行う場合も
<口腔内セネストパチーの場合>
- 精神科での薬物治療など
妊娠初期に出ることのある口の中の症状
- 口の中に膜が張っているようなかんじがする
- 口の中がまずい
- 味覚が変化
- 唾液が大量に出る
このように、心因性のものから口の違和感が出ることもよくありますが、中には重大な病気が隠れていることも稀にあります。気になる人は一度歯科医院で相談してみましょう。
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