そもそも口内炎は舌にもできる??
口内炎は口腔内の粘膜上であればどこでもできてしまいます。もちろん舌にも口内炎はできます。歯茎や頬の粘膜とは違い舌は食事を摂ったり、会話をしたり始終動いている部分になりますのでその分お薬も止まりにくく、なかなか治らないため辛い期間が長くなりがちです。
舌にできる口内炎の種類と、考えられる原因
舌にできる口内炎の種類は主に3種類あります。舌にできる口内炎の中で最も多いのは潰瘍状の口内炎になる「アフタ性口内炎」、噛み合わせが悪く舌が擦れたり、誤って噛んでしまうことが原因でなる「カタル性口内炎」また、ウイルスが原因でおこる「ヘルペス性口内炎」があります。
アフタ性口内炎
- 栄養バランスの欠如…偏った食事やビタミン不足になっていると口内炎ができやすくなります。
- ストレスや疲労…睡眠不足が続いたり、ストレスを感じやすい生活を送っていると口内炎ができやすくなります。免疫力が低下したり、体の抵抗力が弱まっているために起こります。
- 清掃不良…歯磨きを怠っているとお口の中が不潔になり、細菌が増殖し、口内炎ができやすくなります。
- 口中の乾燥による細菌増殖…唾液が出にくい状態だとお口の中が乾燥し、唾液の自浄作用や抗菌作用がきちんと機能できず、細菌が増殖してしまい、口内炎ができやすくなります。また、粘膜が乾燥していると傷を作りやすくなってしまい、口内炎の元を作ってしまいます。
カタル性口内炎
- 噛み合わせ…噛み合わせが悪くなっていると同じ場所を何度も噛んでしまい、傷が口内炎になっていきます。
- 義歯や被せ物が合わない…新しく作った義歯や歯の被せ物が今までの噛み合わせに合わなかったりすると、何度も噛んでしまったり擦れてしまうため、傷になり口内炎を作ってしまいます。
ヘルペス性口内炎
ヘルペスウイルスによって発症するもので、39~38度の高熱を発症し、お口の中に腫れ物が水ぶくれのようにできます。口内炎の種類の中でもかなり辛いものになります。また、このヘルペスウイルスは感染力があります。
口内炎の痛みを抑える応急処置
口内炎はできてしまうと何をしていても痛みが出てしまうので大変辛いです。その痛みを少しでも抑える応急処置を紹介します。
刺激物を取らない
口内炎を刺激しないために食事を取る際、できるだけ患部に刺激物を当てないようにしましょう。
軟膏を塗る
ガーゼ等を用意して口内炎の薬「ケナログ」を多く塗りつけてガーゼを患部に貼り付けるようにします。舌はよく動かす部分になるため、一時的ではありますが、ケナログを塗っておくと痛みが緩和されます。同じく、パッチ状になっている市販の口内炎の薬でも同じ効果が得られます。
極力動かさない
舌に口内炎ができると動かさないことは難しいことではありますが、極力口内炎のできた部分を動かさないようにしてください。イソジンを使用したうがいは口内炎を治すのに効果がある方法になりますが、何度もうがいをしてしまうと痛みが増しますので、1日に1~2回程度にしましょう。
痛い口内炎の適切な治し方
アフタ・カタル性口内炎の場合
<ビタミンを取る>
バランスの良い食事を取ることは口内炎を早く治すことができます。特にビタミンB2、ビタミンB6は粘膜の炎症を鎮め、治りやすくするために重要な栄養素になります。効率よくビタミンの効果を得るためにはどれか1種類のビタミンだけを多く摂取しても意味がありませんので、バランスよく普段の食事の中で摂取するようにしましょう。
ビタミンB2はストレスや飲酒でも大量に消費されてしまいますので、効率よくビタミン類を摂取したら、ストレスや刺激をできるだけ受けないように生活しましょう。
また、亜鉛や鉄分も一緒に摂取すると粘膜の修復・再生を効率的に行うことができます。
<睡眠、休息をよく取る>
お口の中の菌のバランスは体の抵抗力により左右されます。よく睡眠をとり、ストレスを溜め込まないことが大切です。ストレスを溜め込んでしまうと、唾液の分泌も減少してしまい、口内炎ができやすくなるだけでなく、虫歯も増加してしまいます。
<レーザーで焼く>
自費治療になりますが、レーザを口内炎に当てる治療を受けるとより早く口内炎を治すことができます。治療時間は約5分程度でほとんど痛みもありません。費用は歯科院によりばらつきがありますが、約1000~3000円程度になります。
<刺激になっているものを取り除く>
歯の噛み合わせであったり、不適な義歯や被せ物が原因で口内炎ができている場合はその刺激の元を取り除くことによって口内炎の再発防止と口内炎治療になります。
ヘルペス性口内炎の場合
抗ウイルス剤を使用して治療します。ヘルペス性口内炎はとにかく痛みがひどいので、鎮痛剤や解熱剤が処方されます。発熱の症状はお薬ですぐに治りますが、口内炎はやはり1週間~10日程度かかります。口内炎の治し方は、アフタ・カタル性口内炎と変わりません。
舌の口内炎と間違いやすい他の病気について
- 「何週間経っても口内炎が治らない」
- 「普段できる口内炎よりも痛みが少ない」
- 「歪な形をしており、触れると硬さがある」
以上のような場合、
舌癌である可能性があります。
いつまで経っても舌の口内炎が治らない場合は口腔外科を受診することをお勧めします。
舌癌の原因は?
舌癌の原因は多数ありますが、何度も同じ舌の場所を噛んでしまっている場合や、不適な義歯や歯の被せ物をつけていることで舌に刺激が加わっている場合、その場所が舌癌になることもあります。
関連記事:舌癌について総まとめ。早期発見・見分けるために13の症状チェック
舌に白い、痛い部分があるのだけど、これは口内炎?
カンジタ性口内炎の場合
口腔内でカンジタ菌という真菌が通常よりも増殖することで発症します。カンジタ性口内炎になると口内全体に点状の白い苔が発生します。食事の時に痛みを伴い、白い苔が剥がれると出血や赤く炎症を起こします。身体の抵抗力が落ちたり、病気を患うことにより発症します。薬を使用した治療が必要になります。
乳頭腫、繊維腫れの場合
舌の表面にできる白っぽいおできのようなものになります。口内炎ほどではありませんが、舌のおできに触れると痛みがあります。歯並びや被せ物が舌に当たり続けている、タバコやアルコールをよくとる、熱いものの刺激を受ける等の慢性的な刺激によりなります。治療するには切除が第一選択になります。
扁平苔癬の場合
白っぽく粘膜が角化し、炎症をおこす粘膜疾患です。びらんや潰瘍ができることもあり、触れると痛みがあります。できてしまう原因ははっきりとわかっていませんが、被せ物や入れ歯などの金属アレルギー、ストレス、代謝障害等で起こると考えられます。治療方法はうがい薬、ステロイド薬、軟膏を使用しますが、なかなか治らないため治療が長期かかります。
まとめ 舌にできる口内炎について
最後に舌にできる口内炎について重要な点をおさらいしておきましょう。
<種類>
- アフタ性口内炎
- カタル性口内炎
- ヘルペス性口内炎
<対処法>
- 刺激物を取らない
- 軟膏を塗る
- 極力動かさない
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