こんにちは。歯科情報サイトどくらぼで編集とライティングを行なっている内田と申します。このページをご覧になっているということは、ほとんどの方が「インプラントの骨を増やす手術」に興味を持っている方だと思います。
しかし、一度冷静になると、1個の疑問が浮かびませんか??
心配性の私は0.2秒で1つの疑問が浮かびました。いや、それは疑問なんていう優しいものではありません。もはや、恐怖なのかもしれません。
その恐怖、それは
インプラントで骨を増やすという未知のものへの恐怖。
です。
ただでさえ、恐怖がつきまとう。インプラント。何が嬉しくて、骨を増やすなどという黒魔術的なことを行わなくてはいけないのでしょうか。
はい、内田さん骨増やしましょうね。
はい、先生!!
っていう会話がこの世に存在しません!
しかし、実際問題インプラントにおいて骨を増やすという手術法はよく聞く話。だからこそ今回、心配性な私、内田が、ネットで知り合った歯科衛生士さんのピコさんに
インプラントで骨を増やすって、どういうこと??
とお話を伺ってきましたのでまとめてみました。最後までぜひお付き合い下さい。それでは行きましょう!!
インプラントで骨を増やす手術があるらしいのですが、果たして・・・。
内田
ピコさん、ご無沙汰してます。内田です。さて、今日はインプラントで「骨を増やす手術」があると聞いたので、それについてお伺いします。しかし、ピコさん、インプラントで骨を増やすってどういうことなのですか??
ピコ
内田さん、こんにちは。ピコです。インプラントで骨を増やす手術についてですね。まずは基本から学んでいきましょう。
インプラントは、顎の骨に直接植えこむものです。直接植えこむからには、薄い板にクギが打てないのと同じで、インプラントをするためにはある程度の骨の厚みが必要になります。しかし、骨の厚みは全員が均一ではありません。生まれつき骨の薄い人もいれば、長い間歯のない状態で放置していたために骨がだんだん薄くなってしまった人、歯周病のために骨が溶けてしまった人など、原因に応じて厚みはさまざま。
内田
ということは、顎の骨が薄いことが原因でインプラントが出来ない人もいるわけですか??
ピコ
そうですね。従来であれば、骨の少ない人はインプラントを入れることができませんでした。しかし最近は、さまざまな工夫で骨を再生したり移植したりして増やす手術を行い、インプラントを入れることができるようになってきています。
そのように、骨の厚みが薄い人に対して、「骨を増やす手術」が必要となるのです。
内田
何となく、インプラントで骨を増やす拝啓が見えてきました。骨が薄くてもインプラントをするためにこのような手術があるわけですね。
では、具体的にどういった手術があるのですか??
ピコ
骨を増やす手術には、いろいろな手法がありますので、本日はその中でも一般的なものを紹介します。
GBR法
ピコ
このGBR法は人工的に骨の幅を増やすものです。具体的な手順は幅の足りないところに、ほかの部位から削ってきた自分の骨や、特殊なカルシウムでできた人工の骨の顆粒を入れて、メンブレンと呼ばれる人工の膜で覆います。そのうえから歯ぐきをかぶせて縫えば出来上がり。インプラント手術と同時に行なうことも多いですが、たくさん再生する必要がある場合はいったん閉じてから半年ほど時間を置き、骨ができてからインプラントを入れます。
ソケットリフト・サイナスリフト
ピコ
このソケットリフトもサイナスリフトもインプラントの骨を増やす手術ではよく聞くものです。
どちらも上顎にインプラントを入れたいのに、上顎骨の厚さが足りないときに使われる手術方法です。頭蓋骨の標本を思い浮かべてください。上の歯の根っこの先あたりから目の下くらいまでの頬っぺたの骨は、実は表面だけの薄い骨。中はガラガラの空間になっているんです。これが上顎洞と呼ばれる空洞。上顎骨の厚さが足りないと、インプラントの先端がこの上顎洞に飛び出してしまいます。もうちょっとだけ厚さを足したい…という時に、上顎洞の内貼りである膜をそっと持ち上げて、自分の骨または人工の骨をそっと入れ込み、厚みを作るのがこの手術。
歯ぐき側から骨に小さな穴をあけ、膜を押し上げるのがソケットリフト、横から穴をあけて比較的大規模に行うのがサイナスリフトです。ソケットリフトはインプラント手術と同時に行ない、サイナスリフトは同時に行なうこともあれば時間を置くこともあります。
内田
何だか聞いているだけで怖いですね・・・。
ピコ
聞いていると怖いかもしれませんが、例えばサイナスリフトは腫れや痛みがほとんどないような処置です。骨を増やすという手術はみなさんが思われている以上に一般的な処置になって来ているんですね。
次の2つは、少し特殊なインプラントでの骨を増やす方法です。あまり聞かない珍しい処置なので人間の神秘を感じると思います。
ボーングラフト
ピコ
ボーングラフトは自分の身体のほかの部分から切り出したブロック状の骨を、骨の足りないところに貼り付け、周りを人工骨の顆粒などで埋めて歯ぐきをかぶせます。半年ほど時間を置き、くっついてからインプラントを入れます。
自分の骨を骨の足りないところに移植するわけです。骨の移植なんて、何だかすごいですよね。では、次が最後の骨を増やす方法になります。
エムドゲイン
ピコ
エムドゲインは骨の足りないところを切開し、特殊なゲルを注入します。このゲルは豚の子どもから歯の生成にかかわるたんぱく質を取り出して精製したもので、歯周組織の再生をうながしてくれます。徹底した管理のもと、1年ほどかけてゆっくり骨ができてくるのを待つ必要があります。
重度の歯周病治療などでも使われる治療法ですね。
内田
確かに、人口の骨や骨の移植や骨の再生など何だかすごい近未来な発想ですね。
ピコ
ほかにも、自分の骨髄細胞を使って培養した新しい骨を移植する方法や、自分の濃縮血小板を使うことで骨の量や質を高める手法も開発されています。まだ一般的ではありませんが、今後ますます多くの人がインプラントを入れられるようになっていきそうですね。
内田
ピコさん、ありがとうございました。インプラントで骨を増やす全体像について見えてきたような気がします。正直まだ骨を増やすということに対して不安感はありますが、全く知らなかった時よりは少し安心しました。
ピコ
インプラント自体まだ歴史が浅いものですから、さらにインプラントに関わる手術に対して恐怖心があるのは当然です。インプラントで骨を増やす手術を行えると言っている歯医者さんにも上手い下手がありますので、まずはしっかりとしたインプラントの歯医者さんを選ぶことが大切です。
不安な点やおかしいなと思った点は積極的に聞くようにしてくださいね。
内田
はい。ありがとうございました!
このように、インプラントでは、様々なインプラントでの骨を増やす手術が行われています。しかし、まだまだインプラントの骨を増やす手術は奥が深いです。今後も追って追加取材を重ねていきたいと思います。
今回は以上になります。本日は最後まで読んでいただきありがとうございました。どくらぼは「歯」にまつわるコンテンツを毎日5本目標で配信しています。私、内田 と歯科ライターさんでリサーチを行い皆さんにお役に立つコンテンツをこれからも配信し続けます。本日はありがとうございました。また、ぜひお越しくださ い!