フェイスブックやTwitterを見ていると「重曹・イチゴ・レモン」に歯を白くするホワイトニングの効果があるという情報を見たことはありませんか?
この情報はそもそも「ホワイトニング」というコトバを少し勘違いして理解しているようですので、重曹の実際の効果や、ホワイトニングとはどのようなものかをまとめます。
そもそもホワイトニングとは?重曹にホワイトニング効果はある?
重曹にホワイトニング効果があるかということですが、まず、ホワイトニングとは、どのようなことなのかによって、その答えは異なります。
元来ホワイトニングとは、歯を漂白し元の歯の持つ白さ以上のものを引き出す手法のことを言います。重曹に歯を漂白する一般的に言う「ホワイトニング」の効果があるのかというと、その効果はありません。
しかし、ホワイトニングの定義を広くし、
汚れた歯をキレイにすること=ホワイトニング
と、定義するのであれば、重曹に汚れた歯をキレイにする効果があると言えます。
重曹は歯の汚れを取りやすくする効果がある
重曹は、キッチンの掃除などにも良く使われるもので、こびりついた汚れを浮かせる作用があります。なので、重曹を溶かした水で、うがいをしてから歯磨きをすると、歯の着色などが取れやすく、やわらかくなった状態で磨くことができるので、着色などで汚れた歯が白くキレイになりやすくなります。この方法は一度では効果が得られるものではないので、何度も繰り返す必要があります。
しかし、重曹を使用する場合は使い方に注意が必要
重曹は細かい微粒子です。細かい粒子で歯をこすると、直接着色汚れをこそぎ取ることができます。シンク等の掃除に使用する「クレンザー」などと同じ感じです。
しかし、粉の使い方は注意が必要です。クレンザーでシンクを掃除するときに、大量のクレンザーをつけ、強い力でこすると、シンクに細かい傷ができてしまいます。それと同じで、重曹を直接付けて歯磨きをしたりすることは、歯を傷つけてしまう危険があるのであまりお勧めはできません。
歯科医院のクリーニングで重曹を使用することもありますが、歯科医院では重曹を使用したクリーニングの後は、しっかりと傷ついた歯面を研磨する処置を行っています。歯の表面は小さい傷がたくさんつくと、光の反射の関係で、一時的に歯が白く見えることがありますが、あくまで、傷がついた状態ですので、新たな着色の原因になったり、虫歯や汚れがたまる原因にもなりますので、気をつけてください。
レモンやイチゴが歯を白くするという情報も歯に悪影響を及ぼす危険な情報
また、レモンやイチゴが歯を白くするというような情報は大変危険な方法ですので絶対にやめてください。レモンやイチゴに含まれる酸は歯を溶かします。もちろん通常の食事で摂取する分には問題ありませんが、わざとレモンやイチゴを歯にこすりつけたりするとレモンやイチゴに含まれる「酸」によって、歯の表面が溶かされます。
それにより、歯の表面に凹凸ができ、歯の中の色が見えにくくなったり、光の反射の関係で一時的に歯が白く見えることがあります。しかし、これは繰り返すことにより、だんだんと歯の表面が溶かされていってしまうので、大変危険な方法です。
重曹には歯を漂白し、白くするホワイトニング効果はない。が結論
歯科医院で、ホワイトニングと呼ばれているものは、歯の色自体を白くするもののことを言います。歯の汚れを取ったり、着色を取ることをホワイトニングとは定義していません。歯の色自体を白くできるのは、過酸化尿素、過酸化水素を使用するものがほとんどです。その他の成分を使用したホワイトニング剤といわれ販売されているものの多くは、歯自体を白くするのではなく、歯の表面の着色を除去するものがほとんどと考えていただくと良いかと思います。
以上になります。最後までお読みいただき誠にありがとうございました。歯科情報サイトどくらぼでは歯にまつわる情報や健康・ロハス・美容などのお役立ちコンテンツを情報を厳選し毎日お届けしています。