ガミースマイルの治療法
治療の1つにボトックス注射
ガミースマイルの治療法にもいくつかの方法がありますが、そのひとつにボトックス注射があります。ボトックスとは、ボツリヌス菌という細菌がもつ毒素の特性を利用したもので美容外科などの医療現場でよく使われている方法です。
ボツリヌス菌そのものは食中毒の原因となる菌として知られていて、とても強い毒を持っていることがわかっています。そんな細菌の毒素と聞くと不安になりますが、実際には毒性を取り除き効果だけを抽出したものを使っていますので安全です。
ボツリヌス毒素にはアンチエイジング効果がある
無毒化したボツリヌス毒素には、筋弛緩作用があるといわれています。これは、筋肉の緊張を和らげたり動きを鈍くする働きをいいます。その特性を利用して、これまでさまざまな医療機関で手足の突っ張りや瞼のけいれん、小児麻痺などが原因で足が伸びたまま曲がらない突足と呼ばれる症状などの改善に使われてきました。
またその効果に着目した美容外科の分野でも、シワやほうれい線などを目立たなくするアンチエイジングに活用しています。
ガミースマイルの原因の1つに筋肉が強すぎることがある
ところで、ガミースマイルにはさまざまな原因がありますが、その中には上唇を動かす筋肉の力が強すぎることが挙げられます。その多くは鼻の横の筋肉が強いためといわれています。
笑ったとき、この筋肉が強く働き過ぎると上唇は必要以上に上に引っ張られ、めくれ上がったようになります。そのため歯茎が余分に見えすぎてガミースマイルになってしまいます。
ボトックス注射をすることで、上唇のあがりが鈍くなる
そこでこの筋肉にボトックスを注射すると、その筋肉の動きが抑えられ引っ張る力が弱まるため上唇が持ち上がりにくくなります。上唇があまり上に上がらないので、ガミースマイルの状態になるのを避けられるというわけです。
この注射をすると、裏技的にほうれい線も目立たなくなるそうですよ。注射後2、3日で効果が表れてくるそうです。手術をせず手軽に治したいという人にはオススメの方法ですね。
ボトックス注射の欠点は効果が続かないこと
ただし、ボトックス注射の効果はあまり長くは続きません。個人差はありますが、大体半年から1年くらいといわれています。体には異物を排除する働きや元の状態に修復する働きがありますから、ボトックス注射によって注入されたボツリヌス毒素は少しずつ排出され、残念ながらそのうち元の筋肉の状態に戻されてしまうのです。
そういう意味では、永久的にガミースマイルを治したいと考えている人にはボトックス注射はあまりお勧めできませんね。
歯科でも導入されてきたボトックス注射
ちなみにボトックス注射は、美容外科や皮膚科のほか、最近では歯科でも受けられるところがあります。ただし、保険は適用されませんのでそれぞれにクリニックに問い合わせてみてくださいね。
治療時間は数分、費用は4~5万円
治療時間は注射のみですからほんの数分で終わります。費用は大体1回が4万円~5万円くらいが一般的です。他の手術や矯正治療と比較すると圧倒的にリーズナブルです。ただし、ボトックスにアレルギーのある人や神経・筋肉などの病気がある人、ボトックスと反応して副作用が考えられる薬を飲んでいる人、妊娠中や授乳中の人などは受けることはできませんので注意してくださいね。
実際に筆者が体験したボトックス注射。
実は私も一度だけ、勧められてアンチエイジングの目的で額にボトックス注射を受けたことがあります。ほんの数分で終わるし比較的安価なので手軽にできるですが、この注射がとにかく痛かったのだけは印象に残っています。きれいになるのって大変だなというのがその時の率直な感想です。一時的におでこの筋肉がほとんど動かなくなり眉間にしわができなくなりましたが、まぶたも持ち上がらなくなったのには驚きました。すごい効き目でした。でも、数ヶ月で元の私の顔に戻ってしまいましたが(苦笑)。