最新のインプラント手術について
最新のインプラントとは異なり、過去のインプラントは治療期間が長いことが治療を躊躇する要因でもありました。治療期間中の精神的、身体的ストレスがあるためです。しかし、今は抜歯即時インプラント、即時負荷インプラント、フラップレスサージェリー、オールオンフォーといった今までのインプラント治療であった負担を減らす治療も多くの研究により信頼されるようになってきました。
最新のインプラントは抜歯と同時にできる。「抜歯即時インプラント」
最新のインプラントでは抜歯と同時にインプラントを埋め込むので、2回法とは異なり、外科手術を1回しか行いません。抜歯とインプラント埋入を同日に行うことができます。また、インプラントが骨と結合するまでの期間は仮歯を使う事ができます。そのため、今までのインプラント治療であったような負担を軽減します。
メリット
抜歯した後の穴にインプラントを埋め込むため、切開せずに治療することができ、手術回数を少なくすることができます。また、腫れにくく、傷口が治りやすいので歯の骨も回復が早いです。手術による精神的な負担が減るだけでなく、歯肉が弱らずに済むので、きれいな歯を入れることができます。
デメリット
骨の状態が悪い場合はインプラントを埋入・固定することができない場合があります。また、感染や歯ぎしりなどの影響を受けやすく、手術を追加で行う必要がある場合があります。
手術当日に噛める。即時負荷インプラント(イミディエートロード)
インプラントを埋入した日にインプラントの上にレジンという樹脂で仮歯を作ります。インプラントを入れてすぐに仮歯をいれ、手術当日に噛めるようになります。
メリット
一度の手術で完了し、歯の無い期間がありません。仕事の関係などで入れ歯が入れられない場合でもインプラント治療が可能になります。
デメリット
骨量、骨密度、本数、埋入時の初期固定の強さなどによって、できない場合があります
最新のインプラントはもはやメスを使わない。「フラップレスサージェリー」
最新のインプラントではメスを使って歯肉を切開せず、歯肉に直径4mm程度の穴を開けて、その穴からインプラントを埋入します。そのため身体に傷をつけることの少ない手術方法です。適応症を選定し、確実な準備ができる場合のみ行われる手術法です。
メリット
手術による腫れや痛み・出血はほとんどなく、切開しないので手術時間は飛躍的に短縮することができます。1本当たり、平均で5分以内に終わる場合が多いです。治癒期間も短く、短期間で全ての治療を終えることが出来ます。病気(糖尿病など)の人にも提供できるインプラント治療です。
デメリット
切開をしないため、歯科医師が骨の状態を直接目で見て確認することができません。十分な手術野をとることが外科治療では基本といわれています。そのため通常の手術よりも事故が起きやすくなります。
総入れ歯よりも、遥かに噛むことが出来る。「オールオンフォー」
総入れ歯の方や多くの歯を失った方に、4本のインプラント体をバランスよく骨に埋入します。総入れ歯の方や、残された歯を保存することが難しい方向けに開発された手法です。これまでは片顎で12本の歯を支えるために8~14本のインプラントを埋め込むのが一般的でした。しかし骨が薄い場合でも移植手術なしにインプラント治療をすることができます。
メリット
片顎につき最少4本で多くの歯を取り戻し、埋め込むインプラントの本数を最小限に抑えることができます。痛みもなく、手術後の腫れも少ないです。また、骨量が少なくても治療が可能になる場合があります。
デメリット
自分の歯が全くない状態でしか施術できないため、まだ使える歯も抜く必要があります。4本で全体を支えようとするため、噛み合わせの負担を抑え、人工歯の数が少なくなってしまいます。西洋人向けに開発された手術法であるため、日本人の場合は6本必要になることがあります。