今回は歯科医師や歯科医院を糾弾する内容では決してありません。日本の歯科の衛生管理を私達患者も考えなくてはいけないのではないか。そして、歯科医院の立場や保険の点数の不平等などを考えていこうという内容になっています。それでは、お送りいたします。
HIVによる免疫の機能障害は現代の医療では治すことが困難である。また、それによって引き起こされるエイズも根治は難しい。
エイズ感染者をこれ以上広めないための会見はYou Tubeで私達にエイズの認識を強めた。THE FACE OF AIDS
HIVと同様に命の危険に関わる肝炎ウィルス感染。
肝炎ウィルス患者は200万人以上と推計されている。WebMD
HIV、肝炎ウィルスともに、誰もが耳にする恐ろしい病気のきっかけとなるものです。
そして、この2つのウィルスの感染経路には共通するものがあります。それは・・・。
人の血液・体液から感染するHIVと肝炎ウィルス
HIV、肝炎ウィルスともに人の血液・体液から感染するものです。
特に肝炎ウィルスは予防注射から多くの人が感染した歴史があります。これは日本最大の医療ミスによる事件としてあまりに有名です。
昭和23年から昭和63年までの間に受けた集団予防接種等(予防接種またはツベルクリン反応検査)の際に、注射器(注射針または注射筒)が連続使用されたことが原因でB型肝炎ウイルスに持続感染。その感染者は最大で40万人以上とされています 。厚生労働省発表
40年間の間に40万人が感染した疑いのあるB型肝炎 フジテレビ系列北海道文化放送
HIVも肝炎ウィルスのように体液感染を起こします。
学校の授業で習う、HIV感染経路は非常に有名。
しかし、私たちにとってHIVや肝炎は耳にしたことがあっても、どこか遠い世界のお話に聞こえます。私達はこれらの病気が危険であることを知りながら、心の中でこのように思っているのです。
体液感染、血液感染なんてそうそう、起こるものではない。
もちろん、人の体液に接触することは通常の生活をする限り非常に珍しい行為ではあります。むしろ、そうそう無いと言っても過言ではありません。
しかし、もし日常生活の一部でアナタのカラダの中に知らない人の体液、血液が入る場所があったとしたら・・・。
アナタの気がつかないある場所で、人の体液に触れている可能性があるとしたら・・・。
実は、今まで想像もしなかった場所で、あなたのカラダに体液、血液が入り込んでいる可能性があるのです。
歯科医院の器具滅菌不適切で多くの患者がHIVや肝炎ウイルス感染の恐れ
繰り返しになりますが、これから、お伝えすることは、ごく一部の歯科医院についての話です。感染対策を行っている歯科医院は山ほどあります。感染対策を万全に行っていればHIV、肝炎ウィルスともに感染に心配はありません。危険なのはそうした対策を怠っている一部の歯科医院です。そうしたことを前提にお読み下さい。また、全国の歯科医師の先生はしっかりと感染対策を行っていることを患者さんにアピールするべきだと考えています。
また、これから読む読者の方にしって頂きたいのは、歯科医院は正当な評価を受けていないということです。感染対策にはお金がかかります。しかし、保険内で行うには非常に困難なのです。感染対策を行ってもそれは保険評価されないなどの問題もあります。そうした歯科医師の苦しい現状も同時に知って頂ければと思います。
歯を削る機械の大半が使いまわし。歯科医院内でHIV・肝炎ウィルスに感染する
日本国内で2014年5月18日の読売新聞の報道により約7割の歯科医院が患者毎に歯を削る医療機器を減菌せずに使いまわしている可能性があることが発表されています。
2014年5月18日読売新聞一面。
歯を削る器具から感染する
読売新聞が政治や経済などの大ニュースを差し置いて歯科の話題を一面に持ってきたのは非常に珍しいことでした。それほど、この事件はインパクトのあるものでした。しかし、事件から数年が経つと、こうしたニュースも風化してしまいます。
まずは、当時のニュースを振り返りましょう。
読売新聞より。
あのキ~ンという音がする歯を削る器具をタービンと言います。タービンの先にバーと呼ばれる治療内容に合わせた先端を付けて、歯を削ります。先端のバーはもちろんのことタービン本体の約半分位までが患者さんのお口の中に入ります。
歯を削るということは、唾液はもとより歯を削る際に出血した血液も出ます。それらが全て、このタービンに付着するということです。
歯科で使うタービン。
歯科での出血。歯周病などはよく出血します。
7割の歯科で患者毎に滅菌が行われていなかった
日本国内の約7割の歯科医院において、そのタービン本体やバー(先端の刃先)を患者さんごとに滅菌せずに、アルコールで拭くだけで使い回ししているという実態がこの事件の真相でした。
知らない患者の血液に触れた器具が殺菌されずに、あなたの口に入っている可能性がある。
この報道直後減菌器の販売台数は大幅に増加したのですが、事件が取り上げられなくなってからは注文のキャンセルが相次いだそうです。それほど日本の歯科では感染に対しての意識が低いです。
歯科医院でHIVに感染し、23歳で死亡した女性
1991年、米国オクラホマ州で実際に歯科医院にてHIVに感染したキンバリー・バーガスさんという女性がいました。
彼女は歯科医院通院後にHIVに感染した事実が明らかになり、23歳という若さで他界されました。キンバリーさんが訪れた歯科医院で他に5人の患者がHIVに感染したことも後に明らかになっています。
この事件は当時非常に話題になり特集が組まれましたが、事件は風化しています。歯科治療と滅菌キンバリー事件
感染症は、どこで感染したのか感染元がわからないケースも。
キンバリーさんのように明らかに歯科医院での感染と解るケースだけではなく、うやむやに感染元が解らずに終わってしまっているケースも中にはあります。
HIVは勿論のこと、肝炎ウイルスも大変恐ろしい病原菌です。肝炎は完全に治るということが難しく、慢性化すると肝硬変に移行し、最終的には肝癌の恐れがあります。C型肝炎は過去、日本国内においても輸血によって感染した方々が今も大勢苦しんでいます。
自分がどこで感染したか経路がわからないという患者さんも非常に多くいるのが日本の感染症に対する現状なのです。
あなたは、既に感染しているのかもしれない。AFP通信
感染対策を!と言ってもすぐに対応できない日本の歯科事情
歯を削る器具タービンは、本来は患者数に応じた分だけ必要な物です。しかし安くても一本7万円程度するタービン価格を何十本と購入できない歯科医院が多いのが現実です。また、高度な治療をされている歯科医はタービン本体が一本20万円以上の物を使用されてもおりますので、それを何十本となると数百万単位になります。
高級品はそれこそ一本数十万円・・・。歯科モリタ
患者1人1人に治療器具を用意できれば良いのですが、そうしたワケにもいきません。
では、感染に対して何もすることができないのかと言えば、そんなことはありません。
1人ひとりに製品が用意できないからこそ、滅菌、殺菌が大切なのです。
未来を見ている歯科医師は、殺菌、減菌、滅菌の知識を得ている
タービン本体は限られた本数でも、滅菌をしっかりすることにより感染は防げます。
歯科技術だけではなく、感染対策を考えていることがこれからの歯科医師に必須の知識です。
前の患者さんの唾液や血液をただアルコールで拭き取るだけで消毒したと考えることは歯科医の感染への意識の低さを指摘されても文句は言えません。感染への知識が今求められているのです。
アルコール消毒で、殺菌完了!なんてありえない。アルパーク歯科・矯正歯科
歯科では、どのような感染対策がなされているのか
読売新聞報道後に急激に売上げが上昇したと言われるドイツ製の滅菌機器があります。(事件風化後はキャンセルが相次いだようですが・・・)
通常、歯科医院で行われる滅菌はガス滅菌かオートクレーブ滅菌です。現在はオートクレーブ滅菌が主流ですが、この機器での滅菌時間は約40分かかります。そのためにタービン滅菌をアルコール消毒程度で済ませてしまっている歯科医院が多いのです
中にはオートクレーブを複数所持している歯科医院も。きらら歯科
近年注目を集めているドイツ製の機器は滅菌が15分で終えることが可能であり、感染対策への救世主とされています。
15分で滅菌可能の機械。しかし、数百万円以上・・・。
歯科の苦しい現状が感染を拡大させている
日本の歯科医院の数は7万に迫ってきています。大半が歯科医院として独立しており、“歯科医院の経営者”です。
歯医者さんはお金持ちという時代は数十年前に終わりを告げ、平均年収は500万円という苦しい現状があります。
1日に外科手術のような処置をいくども繰り返し、休むことなく次から次へと患者さんを処置します。そして、経営者としての顔も求められますので社員の教育、数字の管理、お金の管理、経営方針などありとあらゆる仕事が次から次へと舞い込んでくるのです。
医療という枠を超え、サービス業として戦わなければ生き残れない激しい時代です。そうした中で今回のような感染への知識も求められるのです。
私達患者が出来ることは、正しいことをしている歯科医院を選ぶこと
医療という職業だからこそ、感染への知識は必須です。仕事に忙殺される中で新たな知識を取り組んでいくのは非常に大変なことだと思います。
しかし、厳しことは申し上げますが、それを理由に感染対策を怠ることはあってはならないのです。
事実、このような厳しい歯科医院経営の中でも、日夜努力をされて全ての項目をクリアする歯科医の先生方も数割いらっしゃるという事を忘れてはいけません。約7割が感染対策に無頓着であったとしても約3割の歯科医院はそうでないのです。
その約3割の歯科医院の努力が報われるように、約3割が約5割6割に増えて行くように行動の輪を広げていきましょう。院内感染対策費に国の補助などが行われるような、進んだ日本医療になってほしいと心から考えています。
私達患者からも、正しいことを行っている歯科医院をしっかりと選び、より良い歯科医院が少しでも増えることをこちら側からもサポートし、日本医療全体を変革させていくことが出来たならばこんなに嬉しいことはありません。
歯科医院、患者の私達双方の力で日本の歯科を変えていきましょう。
今回は、以上になります。最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。
健康は情報が命
現在、SNSやインターネットで過去には比較できない多くの情報を手にすることが出来るようになりました。そうした、情報の中で一番必要な情報が私達のカラダを守る健康に関する情報です。健康の最新研究は科学の発展とともにどんどん進んでいき、過去に常識とされていたことは、今では非常識とされていることも多々あります。
しかし、そうした情報は一部の方が握っており、中々私達の手元に入ってくるまでに時間がかかるのです。だからこそ、情報感度を高く持つことが大切になります。
ただ、情報感度を高くもてと言っても何をしたら良いのかわからないと思います。だからこそ、既に情報感度の高い方と友達になり、情報を伝えてもらことが大切なのです。私も全国の医療関係者や食品関係者、流通関係者などとネットワークを構築し、情報の収集に努めています。
今日からでも遅くありませんので、健康に関する情報をこうした医療情報サイトや、私のような情報発信者から集めてみてはいかがでしょうか。
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また、医療従事者や健康にまつわることを職にしている方々は、そうした情報を世の中の多くの方に発信していただきたいと思っています。今、私達はみなさまプロからの現場の情報を欲しています。しかし、中々そうした情報発信を行っている方はいません。そうしたプロの情報発信が信頼獲得につながり、職の幅を広げると考えています。弊社では、そうした方々へのホームページの作成のコツや他社との効果的な比較方法などのサービスも行っておりますので、是非お気軽にご相談下さい。全国どこへでもお伺いさせていただきます。
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私は元々カラダについて無知の人間でした。しかし、いつのまにかこの世界に浸っており、日々勉強させていただいております。この業界について素人だったからこそ世の中と皆様の架け橋になれると 思い、情報を発信しております。今後とも、何卒よろしくお願い致します。
今回は最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
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それでは、また来週の投稿をお楽しみにしていてください。