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歯磨きを拡大すると、こんな細菌が・・・。いまさら聞けない、細菌・歯磨き・プラークコントロールのこと

2016年09月30日 16時37分
この画像、なんだかわかりますか?これ実は顕微鏡でみた歯磨きなんです。歯磨きには、これだけの細菌がくっついているのです。でも、その細菌について私たちは何か知っていますか?今回は細菌についてお教え致します。

歯磨きを拡大すると、こんな細菌が・・・。いまさら聞けない、細菌・歯磨き・プラークコントロールのこと

歯みがきをさぼったときに歯の表面がネバネバすることはないですか。それは虫歯や歯周病の最も重要な原因である「歯垢」の形成によるものなのです。よく聞くこの「歯垢」。わかっているようで、よく考えると「?」な存在。

近年ではこの歯垢が心筋梗塞や心臓病にも関わっていることがわかってきています。

今回は、徹底的に「歯垢」の解説をしていきます。

 

歯垢は細菌の塊

多くの人が、「歯垢」という言葉を一度は聞いたことがあるでしょう。鏡の前で歯をよく見てください。歯茎と歯の隙間に何か白色や黄白色のネバネバした物質が付いていませんか。また、舌で歯の表面を舐めるとザラザラしてませんか。爪で歯の表面を少しこすると爪に粘っとした白色のものが付着してきませんか。それらすべてが「歯垢」と呼ばれるものです。

歯の表面にたくさんついた歯垢(岡崎8020)

 

この歯垢、実は細菌の集合体である「バイオフィルム(biofilm)」の一種なのです。食べ物のカスが歯の表面に付着することで生まれてくる口の中の細菌やその産生物などからできています。ですので、臭いもかなり強烈です。腐臭のような、ドブの臭いのような、言葉では言い表せられないほどの不快な口臭の原因のほとんどがこの「歯垢」にあると言っても過言ではありません。

 

耳かき程度の歯垢に800億の細菌がいる

そして、驚くなかれ。口の中には、歯の表面だけでなく、歯周ポケット内、舌、口蓋や頬粘膜、さらに鼻腔や咽頭を含めると700種類を超える細菌が棲みついています。さらに、歯垢1mg中の細菌の数は、1億個とも10億個ともいわれています。これらの菌は処置をしないと秒単位で増え続け、毒素や酸を止まることなく排出し続けます。このことにより、歯周病や虫歯が起こり始めるのです。

歯ブラシについた歯垢 mailonline

 

歯垢は生きている

先ほども記述したように「歯垢」は「細菌の塊」です。つまりは「生きている」のです。(もちろん細菌の死骸も含まれています)歯垢をプラークを精製水で溶かして、見やすくしてから、カバーグラスをして、1000倍以上に拡大する顕微鏡で見てみると・・・

 

ウヨウヨとかなり動いているのが見えるんです。泳いでいます。歯科によってはその様子を見せてくれる場所もあるようですので、自身への戒め、お子さんへの歯への関心を高めるにはいい経験かもしれませんね。そして、これらウヨウヨの菌には歯周病の原因となる菌もあれば、虫歯の原因となる菌もいますし、その他の雑菌もいるのです。

余談ではありますが、プラークがひどく多い場合は、精製水に溶いたけれど、狭すぎて身動きできないくらいに細菌がウヨウヨいる状態のときもあります。その時はよく見ると塊だと思っていたものが少しずつ解けていき、全てが動き出し、菌だったということがわかります。その光景を見たら、ゾッとしてしまいます。

 

歯垢を形成する細菌の種類

口の中の細菌のうち、虫歯を引き起こす細菌種の1/3はレンサ球菌。その代表がミュータンスレンサ球菌です。ミュータンスレンサ球菌は、食べものに含まれる糖分を分解して、乳酸を主とする酸を産生(乳酸発酵)し、さらに、水に溶けにくいネバネバした「グルカン」という物質を作り出し、歯の表面にくっつきます。この非水溶性グルカンをすみかにさまざまな細菌が増殖して、歯垢を形成します。

虫歯の原因をつくる、ミュータンスレンサ球菌 BARRINGTONBLOG

 

歯垢は全身に悪影響を与えることが近年わかってきた

歯肉(歯ぐき)のふちより上の歯冠部に付着する「歯肉縁上(しにくえんじょう)プラーク」と呼ばれる歯垢には虫歯の原因菌や歯石を形成する細菌などが含まれています。また、歯と歯肉の境目である歯周ポケット内に付着する「歯肉縁下(しにくえんか)プラーク」と呼ばれる歯垢には、酸素を嫌う嫌気性桿菌(けんきせいかんきん)などが含まれています。これら歯垢の中に含まれている一部の菌種が、心臓や脳などの疾病の起きた病変部に発見されています。このことから、現在は歯垢とこれらの病気との因果関係を解明すべく、多くの研究が進められています。じつは歯垢は、口の中だけの問題ではないようです。

歯垢が原因となる歯周病、そして、その歯周病は心臓病の原因になる

歯垢による、歯の炎症で血液内に菌が入り込み、血液を伝って全身に悪影響を及ぼす

 

残念なことに、歯垢はなくならない。だから、コントロールすることが大切

よくCMなどで「プラークコントロール」と言っていますよね。これ、実は「プラークをなくそう!」という意味ではないんです。歯垢(プラーク)は食事するたびに歯に付着しますので、厳密に言えばなくすことはできないのです。ですので、毎日、または毎食後、自分で歯磨き、歯間ブラシ、デンタルフロスなどで丁寧に除去していくことでプラークの量を減らそうというのが正解なのです。

プラークコントロールを身につけるべき。EPARK歯科

 

アナタが必ず見落としている歯磨きで注意スべきポイント

①歯ブラシはこまめに変えること

歯ブラシは1ヶ月程度で変えることをおすすめします。なぜならば、ブラシが広がってしまった歯磨きでは、歯垢除去率が格段におちてしまうからです

先が広がった歯ブラシでは40%ほど除去率がおちてしまう クリニカ

 

②歯ブラシを濡らさない

歯ブラシを濡らし、歯磨き粉をつけると泡立ちがよくなります。しかし、泡立ちが良くなることで磨いた気分になってしまい、しっかりとブラッシングができないことがあります。歯ブラシは濡らさないで磨くことが大切

歯ブラシは濡らさないこと!!

 

③歯磨き粉をつけすぎないこと

よくCMでこんもりと歯磨き粉をつけているシーンをみますよね。こういったものです。

これは、本当につけすぎです。磨いた気になってしまうので、マッチ棒の先程度の量で十分です。

④歯の表面ではなく、歯と歯の間を磨く

これはびっくりするくらい知らない人が多いのですが、歯は表面ではなく、歯と歯の間を磨くことが大切。表面はむしろ磨かないで良いです。歯と歯の間に汚れが溜まるので、それを書き出すように磨くことが需要です。

歯の表面ではなく、歯と歯の間を磨くことが大切 sockhong

 

しかし、その一方で個人で行うプラークコントロールに限界があるのも事実

歯磨きの仕方をマスターすると、歯垢を大幅に除去することができます。しかし、歯磨きだけの歯垢除去率はわずか58%

これがデンタルフロスを使うと除去率は86%に膨れ上がります。

デンタルフロスを使うと86%の歯垢除去が可能になるクリニカ

 

しかし、それでもまだ14%の歯垢は残っており、これが歯石となり細菌の住処となり、歯周病の原因を作ってしまうのです。だからこそ、私たちは定期的に歯科医院にいかなければならないのです。普段は自宅でケアを行いながら、どうしても取れない部分は歯科医院で除去してもらう。このセルフケアとプロケアを組み合わせることが歯を守る大きな方法なのです。

自分のことは自分で守る時代がやってきました。まずはお手軽にできる、歯を守ることをオススメいたします。

最後に、こうした歯科の情報を手に入れ、自分でカラダを守るかんたんな方法をお伝えいたします。

 

世の中には勉強熱心な歯科医がたくさんいる。彼らから歯科の情報をもらうことが出来る

今や、SNSやWebメディアが盛んなので、情報は驚くほどに手に入ります。そして、勉強熱心な歯科医の方々はFacebookで最新の医療の情報発信を行っている方が非常に多いです。内科医と連携を行い、医科と歯科の情報を発信している方、世界の学会に参加し世界の医学の情報を発信している方など非常に多いです。

医師と異なり、競争にさらされている歯科医だからこそ、医療の危機感に対し医師よりも敏感です。そうした彼らから多くの情報を得て頂ければと思います。最後にもう一度くりかえしますが、アナタのカラダを守るのは、あなた自身です。

以上になります。最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

また、今回記事を書かせていただいたこちらの医療メディアを運営しております内田もフェイスブックで医療の情報を発信しておりますので、いつでもお気軽にともだち申請をしてください。内田個人のFacebook

私はこちらの歯科のサイトの立ち上げから関わり、世界の医師、歯科医を中心とした方々と連携し医療や健康の情報を発信し続けてきました。おかげさまで今や月に60万人の方が訪れるサイトにまで成長致しました。これからも皆様のお役に経つ情報を発信していきますので、何卒よろしくお願いいたします。

 

今回は最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

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