もうすぐバレンタインですね。
バレンタインと言えば、勿論チョコレート。
チョコレートと言えば、歯科サイトとしてむし歯について触れない訳にはいきません。
そこで、今回はアナタがチョコレートを食べた数時間後にアナタの歯はどうなっているのかをテーマにチョコレートと歯の関係について解説していきたいと思います!
チョコを食べた直後、あなたの歯はどうなっている?
チョコを食べるとむし歯になる、とよく言われますが、その原因はチョコの「甘さ」、つまりチョコに含まれる砂糖(糖分)が原因になっています。
チョコレートのお菓子にこれだけの砂糖が入っています。
砂糖はミュータンス菌を代表とするむし歯菌の大好物。つまり、甘〜いチョコを口に入れた瞬間からお口の中ではミュータンス菌がチョコ中の糖分を取り込んで、酸を作り出しているのです。
歯を溶かすミュータンス菌 giomer
その酸は歯の表面に作用して、カルシウムやリン酸などのミネラル成分を徐々に溶かし始めます。この現象を脱灰(だっかい)と呼びますが、この脱灰現象は食べている間には常に起こっています。でも、安心してください。だからと言って即むし歯ができるということではありません。
歯は脱灰(歯が溶ける)と再石灰化(溶けた歯が戻る)を繰り返す。giomer
チョコを食べてから24時間であなたの歯はどうなっている?
チョコを食べてから全く歯磨きをしないで24時間経つと、いったいどのようなことが起こっているのでしょう?
ミュータンス菌はお口の他の様々な細菌とともに増殖し、集合体を形成します。その集合体はプラークと呼ばれており、うすいオブラートのような膜のようになっていて、ヌルヌルしています。
ミュータンス菌の集合体プラーク Lion
プラークは歯磨きをしてから8時間くらいで作られ始めることがわかっています。このプラークは病気を引き起こす根源となっているもので、水を飲んだり、うがいをしても取り除かれることはなく、こすらなければ落とすことはできません。これは台所の三角コーナーやお風呂のヌルヌルが水で流れず、ブラシでゴシゴシやらなければ取り除けないのと同じことです。
プラークには10億の細菌がいる
プラーク1mg に含まれる細菌の数はなんと10億個とも言われています。1mgとはどのくらいかというと、爪楊枝の先端くらいだと考えると良いでしょう。このプラークを形成している細菌が酸や毒素を出し、長時間付着するほどに歯や歯茎に悪影響を与え始めます。
プラークを顕微鏡で見ると、気持ち悪い・・・。
プラークが放置されると24時間で悪さを始めます。つまり、チョコを食べて24時間歯を磨かないでいると、むし歯や歯周病のような病気がすでに起こり始めているのです。
チョコを食べてそのまま放置すると恐ろしいことに・・・ ママスタ
チョコを食べてから72時間であなたの歯はどうなっていく?
24時間ですでにむし歯などの進行が進んでいきます。では、そのまま放置するとどうなっていくのでしょうか。
チョコを食べてから72時間経過すると・・・
72時間=3日間歯磨きをしないなんてありえない。と思っているかもしれませんが、磨き残しがあると歯磨きをしていないのと同じことです。磨き残しは驚くほど多くの方に発見されます。※紫の部分が磨き残し あき歯科医院
細菌が細菌を生む。魔の悪循環が始まる
チョコを食べてから72時間、磨かれてない部分があると、細菌はさらに増殖を続け、プラークの量も増えていきます。しかし、プラークは無色ですので、自分で見てプラークが付いているとは分かりません。
パッと見ただけではプラークはわからない。歯の散歩道
放置されたプラーク中の細菌は酸や毒素を出し続け、歯のエナメル質中にあるミネラル成分は溶出をし続けます。そのため、エナメル質の表面は、まだ穴こそ空いてはいないものの、表面の構造がスカスカになり始め、ますます弱くなっていきます。
細菌により、歯の成分が溶けだしている。Lion
また、プラークが与える悪影響は歯の表面だけでなく、歯茎の炎症、つまり歯肉炎も起こし始めます。
プラークにより、歯茎が赤く炎症を起こしているのがわかる。さくま歯科
ちなみにプラークは48時間から72時間くらいで唾液中のミネラル成分によって歯石に変化し始めると言われ、いったん歯石になってしまうと、歯ブラシで落とせなくなってしまい、歯茎の炎症が持続してしまうことになります。
石化した歯垢は歯磨きでは決してとれない。また、ここがさらにプラークを生み出す巣となる。歯の知りたい
そのまま放置していくと、歯はどう変化していくのか
チョコを食べてから72時間以上経ってもそのまま放置し続けていると、その部分のエナメル質は脱灰を繰り返し、歯の表面が白く変色していきます。これは初期のむし歯の状態で、専門用語では「初期う蝕」や「要観察歯;CO(シーオー)」などと呼ばれています。この段階のむし歯は、しっかりとしたブラッシングを行うなど、適切にケアをすることで本格的なむし歯に発展させないようにすることが可能です。
むし歯と言えば黒いと思っている方も多いですが、初期のむし歯は白いのです。流行情報
初期虫歯を放置すると穴が空き始める
初期虫歯の状態を放置していると、やがてエナメル質にポツンと穴が開き始めます。この段階のむし歯は専門用語ではC1と呼ばれます。
黒い点がむし歯の穴。内田デンタル
このように一度歯に穴が開いてしまうと、「本格的なむし歯」となってしまい、歯医者さんで、削って詰めるという治療が必要になります。しかし、小さな穴というのは自分ではなかなか見つけられないことも多く、ほとんど症状が起こらない軽い段階のむし歯では、放置され、エナメル質の奥にある象牙質にまでむし歯が進行してしまうC2の段階になることも珍しくありません。
更に置くまで進行してしまったむし歯 ながしまデンタル
C2の段階では甘いものの刺激や温度刺激でしみるという症状が顕著になってきます。チョコを食べても結構しみることが多いので、たいていの人はここで気づき、歯医者さんに行くことが多いです。
C2以上の放置はかなり危険な状態に・・・
痛みがあるのに、放置していると象牙質の内部にある神経にむし歯が達し、激痛に苦しむことになります。
放置することでむし歯はどんどん深くなる さくま歯科
この激痛は歯の神経が「歯髄炎」という神経の炎症を起こしているために起こりますが、激痛は長くて数日で治まります。ここでこの痛みを乗り越えた場合、神経が死んで、痛みはうそのようになくなりますが、その死んでしまった神経は腐り、根の周囲へと感染が広がり、その後やがて膿をもつようになって再度激痛を起こしたり、周囲の組織や血液中に感染が広がって命に関わる場合もあります。
ここまで行くと命に関わる。滋賀病院
始まりはささいなことから
日本人の死因で大きな要因を締める「癌」ですが、始めは小さなしこりなどから始まります。そうした些細なことが、最終的な大きなことへ繋がるのです。
むし歯も全く同じことが言えます。最初はちょっとした歯の磨き残しや、チョコレートを食べてから歯を磨かなかったりするなどのことから始まります。
しかし、それが習慣となってしまうと、いずれ大きな病気へと確実に繋がるのです。
バレンタインといった海外の慣習は非常に楽しいことですし、チョコレートも美味しいものなので否定はしません。しかし、そうしたものを食べた後のカラダへのケアということを私達は決して忘れてはいけません。
また、お子さんを持つ親御さんはこうした危険性をしっかりと認識し、自分で判断することができない子供に対して教育を行うべきです。
楽しい習慣を楽しいままにするためには、そうした食べた後の歯のケアもしっかりと行って楽しいバレンタインを過ごして頂きたいです。
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