歯茎が下がったような気がする!歯茎は下がるの?
そもそも歯茎が下がるのは何故?
細菌感染が原因になっている場合
歯茎が下がる理由として一番多いのは、歯周病で細菌感染が起こり、歯の周囲の骨が溶けてしまい、それに伴って歯茎が下がってしまう場合です。この場合歯周病が重度になるにつれ、歯茎の下がり方もひどくなります。また、詰め物や被せ物が合っていない場合にも、その部分に細菌が繁殖し、歯周病を起こすことがあります。
無理な力が原因になっている場合
歯磨きの時の力が強すぎたり、硬い歯ブラシを使って歯茎に負担がかかると、歯茎は下がってしまいます。また、夜間に強い歯ぎしりや食いしばりをしていたり、爪を噛んだり舌で歯を強く押すような癖があると、力のかかる歯の周囲の組織が破壊されて歯茎が下がる原因となります。また、歯列矯正治療においても、歯に力をかけて動かすため、骨が破壊されて同様に歯茎が下がってしまうことがあります。
骨の厚みが薄い場合
歯並びが八重歯のようにガタガタに重なっている場合など、外側に出ている歯の歯根の表面は骨が薄くなっています。骨の薄い部分は力がかかったり、歯周病にかかると骨がなくなりやすいため、歯茎も下がりやすいのです。また、歯列矯正治療で本来抜歯を行わなければならないケースにおいて、無理に抜歯をせずに並べてしまうと、表面の骨が薄くなってしまい、歯茎が下がりやすくなります。
老化現象
とくに病的な理由がなくても、老化現象によってある程度歯茎は下がってしまいます。
どうなったら歯茎が下がっていると言える?
以下のようなサインがある場合、歯茎が下がっている可能性があります。
- 歯が以前より長くなった
- 歯の根元の部分が冷たいものや風でしみたり、歯ブラシが当たると痛い
- 歯と歯の間の隙間の下の部分が三角形に開いている(ブラックトライアングル)
歯茎が下がることによって起こる弊害について
歯茎が下がると一体何がいけないんでしょうか?いくつか考えられることを挙げてみましょう。
知覚過敏が起こる
歯茎が下がると歯根が露出します。歯根はエナメル質に覆われていないため、冷たいものがしみたり、歯ブラシが当たると痛みを出しやすくなります。
根面カリエスができやすくなる(虫歯になりやすくなる)
歯根はエナメル質に覆われていないため、虫歯に対する抵抗性が弱いため、虫歯にかかりやすくなります。
ものが詰まりやすくなる
歯間部の隙間にものが詰まりやすく、不快感や口臭の原因、また虫歯や歯周病の原因となります。
見た目が老けて見える
歯が長く見えることで、老けて見えてしまいます。
歯茎が下がったのを回復させる方法 〜自宅編〜
歯茎が下がってしまったものを自力で回復させる方法は残念ながらありません。でも、これ以上下がらないようにすることはできます。歯茎が下がって気になっている人は次のことを試してみましょう。
1.歯ブラシは「やわらかめ」か「ふつう」を使う
まず、歯ブラシが硬めでは、歯茎を簡単に傷つけてしまいます。「やわらかめ」か「ふつう」を選ぶようにしましょう。
2.歯磨きは正しい方法で
歯磨きの仕方が乱暴では歯茎を傷つけてしまいます。また、きちんと磨き残しがないように磨けていることは歯周病予防に不可欠です。まず歯ブラシの持ち方はペングリップ(ペンを持つように)で、力を入れすぎずに磨くのが基本です。自己流の人は一度正しい歯磨きの方法を歯科医院で教えてもらいましょう。
3.フロスや歯間ブラシも使う
歯間部に溜まった食べカスや歯垢は状況をさらに悪化させてしまいます。1日に一回はフロス、歯間の隙間が大きい場合は歯間ブラシを使用しましょう。
4.歯ぎしりをしている人はマウスピースを
就寝時に歯ぎしりや食いしばっている人は、歯に負担をかけないようにマウスピースをつけておくと良いでしょう。市販のものもありますが、できれば歯科医院で作ってもらったほうがよいです。健康保険で作ることができます。
歯茎が下がったのを治療する方法は? 〜歯科医院編〜
歯科医院で行われている歯茎の再生治療としては歯茎をよその場所から切り取って足りない部分に移植する遊離歯肉移植術や、歯茎だけでなく骨などの歯周組織を再生させる歯周組織再生療法があります。
遊離歯肉移植術(FGG)
健康保険適用あり。三割負担で1万~1万5千円程度。移植後、1−2週間ほどで抜糸して終了です。
歯周組織再生療法
現在最もよく行われているのは次の二つです。手術後、歯周組織ができるまでに数カ月~1年ほどかかります。
<GTR法>
歯茎の下に、歯周組織の再生を促す膜を入れる方法。自由診療で5万円~15万円程度
<エムドゲイン法>
歯根表面に歯周組織の再生を促すエムドゲインゲルを塗る方法。自由診療で5万円~15万円程度
下がった歯茎を治療すう薬がある??
歯茎が下がった状態は専門用語で「歯肉退縮」と呼ばれます。
歯肉退縮に対して、塗ったり飲んだりして効くような薬は現在のところありません。
ただし、エムドゲイン法とよばれる歯周組織再生療法においては、歯茎を切り開き、歯根部分にエムドゲインゲルという薬を塗ることにより、歯の周囲の組織を再生させることができます。それによって歯茎の位置を上げることが可能です。
歯の矯正中に歯茎が下がってきた気がするのですが、何故?
歯の矯正で歯茎が下がることは成人の場合、珍しいことではありません。まず、歯並びがガタガタに重なっている叢生の場合、もともと歯が重なっていたためにダブついていた歯茎が、歯がまっすぐ並んだことによって引き締まって下がったように見える場合や、歯に矯正力がかかりすぎて骨の吸収を起こしてしまった場合、歯を並べた位置が、歯の表面の骨が薄い場所に来てしまった場合などが原因として考えられます。
インプラントをしてから歯茎が下がったきがするのですが、何故?
インプラントを埋入後、何らかの原因で骨が吸収して歯茎が下がってしまうことがあります。その原因として、インプラントの周囲に感染が起こるインプラント周囲炎になっていたり、歯ぎしりや食いしばりなどでインプラントに過剰な力がかかりすぎていることなどが挙げられます。また、歯茎がもともと薄い場合には、歯茎が下がってしまうことがあります。それぞれに対して対処法が異なりますので、気になる場合は歯科医師に相談しましょう。
歯茎が下がったような気がする!歯茎は下がるの? まとめ
最後に、「歯茎 下がる」について重要な点をおさらいしておきましょう。
<歯茎が原因>
- 細菌感染
- 無理な力
- 骨の厚みが薄い
- 老化
<歯茎が下がったサイン>
- 歯が長くなった
- 歯の根元の部分がしみる、痛い
- 歯間の隙間が三角形になっている
<自宅でできる治し方>
- 柔らかめの歯ブラシを使う
- 正しい方法で歯磨きを行う
- フロスや歯間ブラシも使用する
- マウスピースを使用する
<歯科医院で行う治療法>
- 遊離歯肉移植術(FGG)
- 歯肉組織再生療法
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