たかなし歯科医院

十分な時間を確保し、ていねいな治療を提供します。

あなたは、自分の口の中に歯が何本あるか知っていますか？おそらく知らない方がほとんどだと思います。

当院の治療は、自分のお口の中の状態を把握することから始まります。治療を行うのは歯科医師ですが、それには患者さんの協力が欠かせません。例えば、日々のブラッシング。磨けていない部分を意識して歯を磨くことで、それが習慣化し、結果的に磨けていない部分がなくなるのです。

こうして起こる歯周病が全身の病気と深く関わってくることが最近の研究で明らかにされています。

【歯周病になる仕組みと、カラダに与える悪影響】

・歯周ポケットとは・・・
歯垢が何日もついたままになっていると、歯周病の原因菌が増えてしまい、これらの細菌が作るコラーゲンやタンパク質を分解する毒素により歯と歯肉の間に隙間ができてしまいます。この隙間を「歯周ポケット」と呼び、歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなっていきます。

・歯周病になると歯茎で何が起きているの？
深い歯周ポケットの中の歯垢は歯磨きで取ることが難しく、暗褐色の歯石となり、細菌が増殖する足場となってしまいます。繁殖した細菌は歯肉の組織の中に入ってくるので、私たちの体の中にある免疫機能を担う細胞が働きます。
免疫機能は大きくわけて2種類あり、細菌が入ってくると、すぐに取り込み分解する機能、細菌の情報を調べてから働く機能があります。リンパ球のうち好中球は前者の役割を果たします。一方、マクロファージや樹状細胞は細菌を取り込み、細菌の情報を伝達します。その伝達に使われる物質を「サイトカイン」と呼びます。このサイトカインによって、細菌を攻撃する武器（抗体）の産生が促進されたり、細菌を攻撃する細胞を活性化したりして細菌を効率よく体の中から退治しようとします。このようにサイトカインは免疫機能にとってとても重要な物質です。しかし、過剰に作られたサイトカインは歯を支える骨の中にいる破骨細胞を刺激し、歯を支えている骨が溶けてしまいます。それにより、歯がぐらぐらするという症状が現れます。また、最近の研究ではサイトカインとカラダの病気の関係が指摘されています。


・どんなカラダの病気が歯周病と関係があるの？
■狭心症・心筋梗塞
動脈硬化により血管がふさがったり狭くなったりして、心臓の筋肉に血液が行き届かなくなる病気です。喫煙や高カロリーの食事、ストレスが主な原因ですが、歯周病の原因菌が血管に入って刺激することにより動脈硬化を誘導し、血液の通り道を狭くすることがわかっています。

■脳梗塞
脳の血管に直接脂肪の塊が詰まる、もしくは、頸動脈や心臓の血管にできた血の塊、脂肪の塊が流れて来て脳の血管が詰まる病気です。
歯周病の原因菌が血管に入ると動脈硬化を誘導するため、歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になり易いと言われています。

■Ⅱ型糖尿病
何らかの原因によって血液中の糖分をエネルギーに変える「インスリン」という物質の働きが低下し、血液中の糖分が増えてしまう病気です。
歯周病は糖尿病の合併症の一つといわれており、糖尿病の患者さんでは毛細血管の血流が悪くなるので、血液が行き渡らず免疫機能が弱くなってしまいます。それにより、歯周病の原因菌を退治しにくくなり、組織が壊されてしまいます。
また、逆に、歯周病になると、歯周病の原因菌を攻撃しようとして産生されたサイトカイン（TNF-α）がインスリンの働きを抑えてしまい、糖尿病が進行することがあります。歯周病治療をすると血液中の糖分のコントロールができ、重症度の指標（HbA1c）の値が低くなるという報告もあります。

■メタボリックシンドローム
メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪が規定の値よりも蓄積し、さらに、血中脂質異常、高血圧、高血糖の3項目のうち2つ以上に異常が見られる状態のことを言います。
詳しいメカニズムはまだ解明されていませんが、歯周病の病巣から放出される歯周病の原因菌が持つ毒素やサイトカインが脂肪組織や肝臓のインスリンを効きにくくし、血糖値を上昇させます。

■誤嚥性肺炎（ごえんせいはいえん）
誤嚥性肺炎とは、食べ物や異物が気管や肺に誤って入ってしまうことで発症する肺炎です。健康なときは肺や気管は、異物が入りそうになっても咳をし、むせこむことで異物が肺に入らないようすることができます。しかし、高齢になるとこれらの機能が衰えるため、食べ物などと一緒にお口の中の細菌を飲み込み、気管から肺の中へ入ることがあります。その結果、免疫力の衰えた高齢者では誤嚥性肺炎を発症してしまいます。
誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは、歯周病菌であると言われており、誤嚥性肺炎の予防には歯周病を進行しないようにすることが重要になります。

■低体重児早産
妊娠している女性が歯周病の患者さんである場合、低体重児および早産の危険度が高くなると言われています。ただし、明確な原因は分かっておりません。また、逆に、妊娠すると歯肉炎にかかりやすくなるといわれています。

■骨粗しょう症
骨粗しょう症は、全身の骨の強度が低下し、骨がもろくなってしまう病気です。全身の骨がもろくなるとともに、歯を支える骨も弱くなります。そのため、歯周病が進行しやすい状態になります。歯周病でなくても、歯周病になりやすい状態になるので気を付けましょう。

このように、歯周病とカラダの病気は密接に関係があります。歯周病は歯垢を毎日とることによって予防できる病気です。毎日歯磨きをきちんと行い歯垢取るようにしましょう。
また歯周病は静かに進行する病気と言われています。定期的に歯科医院にかかるようにし、メインテナンスを行ってください。もし歯周病になってしまっても、治療ができます。おかしいと感じたら、すぐに歯科医院に行くようにしましょう。


また、当院では妊婦さん自身と生まれてくる赤ちゃんの健康を考えるマタニティ歯科診療も行っています。子どもの口内環境はご家族の影響を受けやすいため、ちょっとした意識で改善することができます。その意識を妊婦さんのときから持ってもらえるように、食生活やおやつの食べ方など具体的なポイントを押さえながら指導しています。

今後は、子どもの予防歯科指導に、さらに力を入れたいと考えています。特にきちんと診てあげたいのはかみ合わせです。かみ合わせの不具合は、子供のころの癖や姿勢、食生活が原因で生じている場合が多々あります。子供のころから悪くならないように誘導し、将来的にトラブルの起こりにくい口内環境を作っていきたいと考えています。

たかなし歯科医院へのアクセス：東京都足立区綾瀬2-33-1アンティニティアヤセ1F