山下歯科医院

山下歯科医院の山下 英之先生から一言

東京都青梅市の山下歯科医院、院長の山下英之でございます。数ある医院の中から当院をご覧いただき誠にありがとうございます。
皆さんは「ガン難民」という単語を聞いたことがありますか？ガン難民とは、癌になって治療方針に悩んだり、情報に振り回されながらさまよいしっかりとした治療が出来ない患者さん」のことを指します。じつは、歯科でもこのところ「歯科難民」が急増しております。テレビやインターネットなどの情報に振り回され、歯が悪いのにどこの病院に行ってよいかわからなくなって症状が悪化してしまう方たちのことです。
だからこそ、歯科医院が患者様に行うべきことは“情報提示・治療の説明の徹底”だと考えています。いきなり高額の治療を行うのではなく、まずは保険の範囲内でできる事をしっかりと行い、その上でどうしても足りない部分を保険以外の方法で対応することが一番だと私共は考えています。どこの歯科医院に行ったらよいのかわからず途方にくれてしまっているかた、歯科治療で悩んでいる方、まずはお話をお聞かせ頂ければ幸いです。

また、当院では極力歯を抜かない治療を心がけています。
この「歯を抜かない」ということが歯科治療の基本になるのです。

【なぜ歯を抜かないことが大切なのですか？】

なぜ歯は抜かないことが大切なのでしょう。「歯がなくなれば痛くなることもないし磨く必要もないから楽じゃないの？」と質問されることがありますが、これはあまりにも短絡的な話です。もしそうであれば歯医者さんは生まれて歯が生えてきたらすぐに歯を抜くでしょう。でも実際には歯医者は何とかして歯を残そうと日々格闘しています。
それでは歯を抜かないことの大切さについてお話しましょう。

Check　1　歯の働きを知っておこう
歯には「咀嚼」という大きな仕事があります。ヒトが生きていくために必然である食べ物を噛み砕く機能は不可欠です。その他にも「正しい発音をすること」、「顔貌（顔の形）」を整えること」「体をバランスよく支え整えて健康を維持する」という働きを持っています。これらはすべての歯が一体となって作用しているため1本抜けても正常に機能しなくなる可能性があります。胃腸障害や頭痛、肩こりなどの全身的な障害を起こす原因にもなります。

Check　2　歯を抜かなければならないのはどんなケース？
歯を残すための治療が主流となっている現在の歯科治療ですが、止むを得ず抜歯せざるを得ないケースもあります。「虫歯が歯茎より下深くまで進行して治療の成果が望めないとき」「歯の根までヒビが入っていたり割れているとき」「歯周病でぐらぐらになっているとき」「根の先に大きな病巣があり治療成果が望めないとき」「親知らず」「噛み合わせに問題があり顎や隣接する歯にも悪影響を及ぼすとき」「矯正治療などでスペースを作る必要があるとき」などがあります。

Check　3　歯がなくなるとどうなるか
歯を失うということは歯の機能を失うことになります。つまりよく噛めず胃腸が悪くなりやすい、サ行やタ行がきちんと発音できない、頬がこけて老け顔になる、姿勢が悪くなり頭痛や肩こり、めまいなどが起こりやすくなる、といったことがあげられます。もちろんブリッジや義歯、インプラントなどの手法によってある程度回復はできますが、費用がかかる上に元のような健康な機能を回復するのはかなり難しいといえます。ですから自分の歯を残すということは大変重要な意味を持っているのです。

歯がなくなるということは野生動物では生命の危機を表します。私たちは野生ではありませんが正常で健康な毎日を送ることに支障が出てくることは否めません。
それでは、歯がなくなることがなぜ問題なのかについてまとめてみましょう。
■食べ物がよく噛めなくなる…消化不良を起こしやすくなる
■発音がきちんとできない…サ行やタ行が特に困難
■顔つきが変わる…頬はこけて唇の周りにシワができて老け顔になる
■体のバランスが悪くなる…頭痛や肩こりなどの症状が起きやすくなる
歯は食べることだけでなくQOL（生活の質）に大きな影響を与えます。できるだけ抜かずに残そうという考え方が主流になりつつあることの意味を理解して歯を大切にする習慣をつけましょう。なくなってからはじめてわかる歯があることの幸せ…でもなくなってからではもう手遅れなのです。

歯を抜かないために歯科医師ができること、自宅で患者さんができる事は明確です。そうした双方でのケアのもといつまでも健康的な歯でいられることが何よりも人生を豊かにする秘訣です。