フリーワード

詳細条件

詳細条件を選ぶ

診療内容

サービス内容

歯医者 新着記事

このエントリーをはてなブックマークに追加

歯科治療における自費治療と保険のジレンマ

2019年04月18日 15時41分
近年日本の歯科治療はどんどん精密に、かつ先進的になっています。もともと日本の歯科治療の水準は非常に高く、技術的にも質の良い治療が行われていることは世界から高く評価されています。

歯科治療における自費治療と保険のジレンマ

近年日本の歯科治療はどんどん精密に、かつ先進的になっています。もともと日本の歯科治療の水準は非常に高く、技術的にも質の良い治療が行われていることは世界から高く評価されています。ただ、保険制度という非常に厳しい制約の中で治療を行うため、治療の内容そのものにはかなり制限があり、その中で歯科医師は可能な限り良い治療を行うことを目指してきました。こういったジレンマを解消するべくして行われているのが、自費治療といえるでしょう。

でも、現在普及している医療保険制度の長い歴史に追従するように、近年自費治療も飛躍的に進歩し、身近なところまで普及していることは確かです。

そこで、今の歯科治療を受けるに当たり、保険治療と自費治療を根本的に比較して今後の受診の選択肢の参考にしていただけると幸いです。

 

1保険治療と自費治療の違いとは

まず、保険と自費にはどのような違いがあるのかについて理解しましょう。

一般的にいう保険治療とは、いわゆる健康保険制度が適用される治療のことをいいます。国民全員が加入するこの健康保険制度では、治療行為のすべてに対して点数が振り分けられ、さらに病名に対する治療内容や手順などが細かく決められています。使用する材料も保険で使えるものとそうでないものがあり、非常に複雑な仕組みとなっている上に毎年細かい改定が行われるため、さらに複雑化しています。したがって、治療の内容ややり方についての選択肢が限られているというデメリットがありますが、自己負担額が格段に安くなることやすべての人が一律に同じレベルの治療を受けられるというメリットもあります。保険制度が生まれたそもそもの目的が、今も変わらず継承されていることになります。

次に自費治療とは、治療法や部位、材料などあらゆる面で自由度の高い治療です。歯科では主に、矯正や保険適用されない補綴物(メタルボンドやジルコニア、金属床義歯など)、ホワイトニング、インプラント、う蝕(虫歯)の予防処置などが自費として行われています。自費は保険の縛りがないため選択肢も多く、保険では認められていない治療も選択することができます。また、保険より精度が高く、審美的にも優れた治療を受けることができます。自費治療は、歯科医師もやはり慎重に行いますし、気持ちの入り方も違います。特殊な器具器材を使うなど、やり方も充実していることが多いようです。

もちろん、症例や条件などによっては向き不向きがありますので、すべての人に適しているというわけではありません。

 

2歯医者さんが薦めたい治療は保険が効かない?

それでは歯医者さんが実際にお薦めしたい治療としては、保険診療をメインとしていても、ここぞというところは保険のきかない自費治療の方をお薦めしたいというのが本音でしょう。

その理由は、自費治療の方がより治療の成果を高め患者さんの希望に近い治療を行えるからといえそうです。決められた方式でしかできない保険と違って、自費治療は幅広い選択肢から患者さん自身で希望に合わせて選択できるからです。

また、自費治療では、精度を高めるために保険で使うにはコスパが悪いような特殊な器具や器材をはじめ、より質の高い材料を使用します。また、高価な自費治療を行うことで診療に関わる費用面での負担が軽減されるため、最先端の技術や治療法も活用することができます。そのため、保険では諦めざるを得なかった治療を受けることが可能になることも理由のひとつです。

したがって、自費治療の方がより満足度が高い治療を提供できるといえるのです。

 

3保険治療の限界とは

日本の保険制度そのものは、長年改良を重ねながら今の形となり、制度的には細部まで考えられた非常に優れたものだといわれています。長い年月をかけてその時代のニーズを検討し改良され充実してきた制度ですので、必ずしも「保険だから質が悪い、長持ちしない」ということはありません。虫歯や歯周病などは、最終的には患者さん自身の管理が最も影響するのは確かです。

ただ、残念なことに保険は「この病気にはこの治療、この治療にはこの手順と材料」という風に、治療そのものがケースバーケースではなく画一的なのです。型にはまった治療なので、決められた道の上にのっかって治療が行われるということです。

もちろん、保険の内容も見直しがされ、以前は保険が適用されていなかった小臼歯のハイブリッドクラウン(CAD-CAM)が保険適用となりました。徐々に、こういった保険の幅も広がってきていますが、患者さんのニーズの多様化とともにより高い完成度が求められ、追い付いていないのが現状です。

『全ての人が平等な治療を受けられる』

というコンセプトは、もはや時代遅れになりつつあるのです。

これこそが保険の限界であり、負担額が少ないことを除いては、患者さんのニーズに対応しきれなくなっているといえます。

 

4自費治療のメリットとは

それでは、なぜ自費治療を薦めるのか、自費治療のメリットを説明します。また、必ず付随するデメリットについても紹介します。

●メリット

・精度が高いので虫歯や歯周病のリスクを低減できる

・治療の自由度が高い

・材料や費用の選択肢が広い

・完成度が高いので満足度も高い

・それぞれに合った治療法を選べる

・歯科医院によっては最新の治療法も選べる

・各歯科医院の保証制度がある

●デメリット

・費用が高い

・保険より回数や期間がかかることがある

・歯科医師や歯科技工士のスキルで完成度に差がある

・歯科医院によって受けられる治療が異なる

 

つまり、費用や手間はかかるけれど、治療そのものの質が高く満足できるということがいえます。

ただし、治療を受けるに当たっては、その歯科医院の評価や口コミをしっかり調べて信頼できるところを選ぶことが大切です。補綴(被せ物)にしても、矯正にしても、インプラントにしても、治療を行う歯科医師や制作する歯科技工士の腕によって出来栄えは左右されます。同様に、治療後のメンテナンスを行う歯科衛生士のスキルにも着目しておきたいですね。

 

5『結論』歯科治療は保険か自費か

保険と自費の歯科治療のどちらがよいのかを結論付けるなら、治療の満足度からいえば、自費治療に軍配があがります。ただ、これは患者さんが治療に何を求めているのかによって、その答えは変わります。

例えていうなら

もっときれいにもっとよくなりたい人→自費

費用を抑えて普通に使えるレベルで十分な人→保険

といったところでしょうか。

そして、自費治療を受ける人は、以前ほどではありませんが比較的経済的に余裕がある人や社会的に地位のある人が多いようです。つまり自費治療を受けることは

生活レベルの高い人のステイタス

という一般的な認識もあると考えられます。経済的に余裕のある患者さんの中には、少なからず「費用はいくらかかってでもいい治療をしてくれ」という人がいることは確かです。ですから、自費治療を受けることで自分のステイタスを上げるという満足も得られるかもしれません。

ただ、自費と保険には、それぞれにメリットとデメリットがあります。その点をしっかり踏まえたうえで、患者さん自身がケースバイケースで治療を選択できるというシステムがベストでしょう。

 

この記事を気に入ったらいいね!しよう

どくらぼの記事を毎日お届けします!

レポートのカテゴリ一覧

歯科専門ライターによる、歯に関する情報がいっぱい

最も見られているレポート

歯医者の達人

歯医者さんが本当に薦めたい治療は、保険が効かない。

歯医者さんが本当に薦めたい
治療は、保険が効かない

日本人だけが知らない予防歯科の正しい考え方

日本人だけが知らない
予防歯科の正しい考え方

歯科技術の進化がとまらない

歯科技術の進化が
とまらない

悪い歯医者に騙されてはいけない

悪い歯医者に
騙されてはいけない

緊急QA

  • 噛むと痛い
  • 歯が浮く
  • 歯がしみる
  • 親知らずが痛い
  • 歯が欠けた
  • 歯が抜けた
  • 口内炎を治したい
  • すぐに口臭を抑えたい
  • 歯がグラグラする
  • 詰め物、差し歯がとれた
  • 歯並びを治したい
  • 歯茎から血が出る
  • 歯を綺麗にする
  • 舌が痛い
  • 顎が痛い
  • 唇の様子がおかしい