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ノンシュガー、シュガーフリーでむし歯にならないは大嘘??言葉のトリックに気をつけよ

2017年09月18日 17時00分
ノンシュガー、シュガーフリーで虫歯はできるのか。私たちは、虫歯について本当に何もしらない・・・

ノンシュガー、シュガーフリーでむし歯にならないは大嘘??言葉のトリックに気をつけよ

私の中でこの仕事をしてから、ずっと疑問に思っていたことがありました。

それは、

「砂糖が入っていない食べ物や飲み物を摂っていれば虫歯にならないのか」

という疑問です。

今回は、その疑問について、歯科医の先生の話を伺ってきたのでまとめさせていただきます。

どうして砂糖を取ると虫歯になるのか、どういった経緯で砂糖が虫歯を作るのか、虫歯になりにくい甘味はあるのかについてまとめましたのでお子さんや自分の食べ物や飲みのもの選択の際の参考にしてください。 

 

シュガーフリーでむし歯にならないは大嘘??

砂糖が入っていない食べ物や飲み物を摂っていればむし歯にならないとお考えの方も多いと思いますが、実際はシューガーフリーの食事をとっていても虫歯になってしまう方はいます。

では、なぜそのようなことが起こるのでしょうか。1つずつ見ていきましょう。

 

ノンシュガーとシュガーレスの違いはなに?どちらが虫歯になりにくい?

「ノンシュガー」と「シュガーレス」どちらも同じように思えますが、虫歯になりにくいものは「シュガーレス」になります。「シュガーレス」は砂糖などの虫歯の原因となる糖類が含まれていませんが、「ノンシュガー」は砂糖の代わりとなる糖類が含まれています。「ゼロ、ノン」と表記されていても、砂糖の代わりとなる糖類が0.5g以下含まれていることになります。

 

シュガーレスのものだけを摂っていたら虫歯にならない?

全ての食事から砂糖を抜くというのは、厳密には難しいですが、仮に「シュガーレスのものだけを口にする生活を送れば虫歯にならないのか」と考えると100%虫歯にならないとは言い切れません。それは、「keyesの3つの輪」と言われる「宿主と歯」「口腔内細菌叢」「食餌性基質」の要因が関係しあっているためです。

 

keyesの3つの輪とは?

虫歯は単純な感染症ではなく様々な要因が関係した多因子性疾患と言われています。その要因として「宿主と歯」「口腔内細菌叢」「食餌性基質」の3つが重なり有った時に虫歯が発生すると言われています。すなわち、歯がなければ虫歯菌が口の中に定着する事はできませんし、虫歯菌のエネルギー源とする食餌性基質(主にスクロース等の糖類)が口の中に存在しなければ虫歯は発生しません。

ただ、この3つの輪はそれぞれの原因物質を取り除いて輪を縮小させる事はできても、完全に消し去る事はできません。

完全なシュガーレスの食事を毎食摂るのは現代社会では不可能に近いですし、いくら「虫歯をつくらないため」といっても、人の味覚を満足させ、生活に潤いをもたらす甘味を全て取り除いてしまうと日常生活が苦しく、ストレスのかかるものになってしまいます。

また、シュガーレスの食事だからといって歯磨きなどのプラークコントロールを怠っていると、虫歯だけでなく、歯周病の脅威にも晒されることになります。

シュガーコントロールが何よりも大切

 

そもそも砂糖がなぜ虫歯を作るのか

「虫歯=砂糖」のイメージ通り、砂糖は虫歯を作るエネルギー源です。そのなかでも、二糖類のスクロース(ショ糖。砂糖の主成分)が単糖類のグルコース(ブドウ糖)やフルクトース(果糖)、他の二糖類であるラクトース(乳糖)やマルクトース(麦芽糖)、多糖類のデンプンより虫歯発生率が高くなります。

「ノンシュガー」の食品のなかに入っているものが、「単糖類」「二糖類」以外の糖、多糖類、オリゴ糖、糖アルコール、人工甘味料になります。

よって「ノンシュガー」と書かれていてもスクロースよりは虫歯誘発率は低いですが、虫歯を引き起こす元が含まれることになります。

 

なぜスクロースが虫歯を誘発させるのか

主な虫歯菌は「ミュータンスレンサ球菌」と言われ、遺伝学的に異なる7種類の虫歯菌が判明しています。これらミュータンスレンサ球菌は、グルカン合成酵素の働きにより、スクロースから水に溶けない粘着性の菌体外多糖であるグルカンを合成し、歯面に付着して「デンタルプラーク」を形成します。

歯磨きをしていない歯を爪でこすると白いカスのような塊がついてくるかと思います。それがデンタルプラークです。デンタルプラーク内には多くの細菌が共棲し、やがて厚く階層化すると、多糖体に守られた歯に強固に付着する虫歯病原性の高いバイオフィルムとなります。

掃除のしていない排水溝が臭く滑りのある状態とお口のなかのバイオフィルムも同じような状態です。(いくら水を流しても滑りは取れない)バイオフィルムに覆われてしまうとブラシなどで機械的に清掃しない限り、唾液の作用や抗菌物質も働きにくくなります。

顕微鏡で見たバイオフィルム

 

虫歯の発生と進行

虫歯は、デンタルプラーク中の細菌が糖質を基質として酸を酸性して歯質を脱灰し、さらに溶解させていく現象のことを言います。スクロース(砂糖)は虫歯菌の餌となるだけでなく、虫歯菌の住処を作る元にもなります。虫歯の初期段階は歯を溶解させる現象(脱灰)が一方的に進行するわけではありません。唾液などの働きにより、歯から溶出したカルシウムイオンやリン酸イオンが再び歯に取り込まれる「再石灰化」の働きも同時に起こっています。

歯の表面では虫歯菌の出す酸による「脱灰」と「再石灰化」の働きが日常的に繰り返されていますが、スクロース(砂糖)を元に作り出されたバイオフィルムに歯の表面が覆われることによって「脱灰」と「再石灰化」のバランスが崩れ、歯に穴をあけるような大きな虫歯へと進行していきます。

 

keyesの3つの輪に基づく虫歯予防は?

食餌性基質〜食事時間、回数をきちんと決める〜

だらだらと食事を摂ったり、3度の食事以外の時間帯にも間食をとったり、糖類の含まれる飲料を摂取していると虫歯になる率が高くなります。きちんと食事や間食の回数・時間を決めてだらだらと摂り続けないことが大切です。

唾液には食事によって酸性に傾いたpHを元に戻す「緩衝作用」というすぐれた効果があります。この効果を有効にするには食間を大体1〜2時間以上とる必要があります。

これを怠るとお口のなかのpHがいつまでも酸性に傾いたままになり、虫歯を作りやすい環境になってしまいます。

 

代用甘味料を摂る

お子さんにおやつをあげたいが、虫歯になるのが気がかりな場合、砂糖の代わりにしようされている「虫歯になりにくい」代用甘味料の入ったおやつをあげるのが良いです。スクロースに近い甘味があり、虫歯菌によって代謝もされにくく、バイオフィルム生成もされないので、砂糖による虫歯を気にすることなくお子さんにおやつをあげることができます。

・スクロースの構造異性体(パラチノース、トレハロース等)

・糖アルコール(キシリトール)

・カップリングシュガー等

上記のうち「キシリトール」は虫歯の原因にならないだけでなく、虫歯菌の発生と進行も抑えてくれるので、虫歯の進行が気になる大人の方も摂取すると良いでしょう。

1日に5〜10g程度のキシリトールを摂取すると虫歯予防効果を引き出しやすいようです。(キシリトール100%配合ガムで1日5粒程度。)

ただ、キシリトールは下痢を引き起こしやすくなる体質の人もいるようですので少量ずつ摂取して体調に異常がないか確認をとりながら量を調節していきましょう。

 

脱灰の起こっている歯には「ポスカム」「リカルデントガム」

キシリトールガムのように噛むことで歯に良い影響をもたらしてくれるガムがあります。それが、ポスカムとリカルデントガムです。キシリトールガムは「虫歯菌の発生と進行を抑制する」働きがあるので、気をつけていても虫歯になりやすい人にむいています。ポスカムとリカルデントガムは歯の再石灰化を促進してくれるものなので歯の脱灰が進んでいる、穴が開いたり、黒く変色はしていないが、歯の表面が白く濁っている歯がある場合はこのガムを摂取するのにむいています。

・ポスカム:POs-Ca成分(リン酸化オリゴ糖カルシウム)が含まれており、このガムを噛むと唾液中のカルシウム濃度が高くなるため、歯の再石灰化効果を高める効果があります。

・リカルデント:牛乳タンパク由来で作られたガムになります。こちらのガムには歯の石灰化を促進する成分CPP-ACPが含まれており、ガムをかむことによりこの成分が溶け出し歯の再石灰化の効果を高めてくれます。

どちらのガムも歯の再石灰化の効果を高めてくれるものになります。ただ、ポスカムは唾液中のカルシウム濃度を高めるため歯石も付着しやすくなる可能性があります。歯周病が気になる方や、歯石が付着しやすい体質の方はリカルデントを摂取する方が良いかもしれません。ただ、リカルデントガムは牛乳由来成分になるため、牛乳アレルギーの方は使用できません。ご自身の体質にあったものを使用しましょう。

歯科医院で置かれているガムはキシリトールやPOs-Ca,CPP-ACPの成分が市販品の倍量含まれているのでより効果を感じやすいかと思います。気になる方は歯科医院を訪れたときにチェックしてみてください。

 

 

宿主と歯

プラークコントロールを行う

デンタルプラークの形成、成熟を阻止、抑制することをプラークコントロールと言います。バイオフィルムはブラシなどで機械的に取り除く以外に除去する方法はありません。

・ホームケア:本人や保護者が家庭で行う歯磨き。理想は毎食後1日3回歯ブラシとフロスを使用して歯の清掃を行う。

・プロフェッショナルケア:歯科医療従事者側が専用の器具を使用して、歯の表面、歯周ポケット内の清掃を行う。2〜3ヶ月に1回、歯科検診を兼ねてクリーニングを行うとさらに良い。

「ホームケア」と「プロフェッショナルケア」をおこなっていれば、正しいプラークコントロールの仕方を歯科衛生士に診てもらえる(歯磨き指導をしてもらえる)ので虫歯の出来にくい口腔内環境を自分でも管理することができます。

 

歯磨材を使用する

「フッ素」含有の歯磨材を使用すれば歯の表面を強くするだけでなく、虫歯菌の発育抑制、酵素作用の抑制により抗菌作用も促してくれます。

先ほどのポスカムのと同じ成分を配合する「MIペースト」というものもあります。普通の歯磨材と同じようにチューブに入ったペーストになりますので、はみがきをし終わった後に気になる脱灰の起こっている箇所にこのペーストを塗布すればCPP-ACPの成分が再石灰化を促進してくれます。歯磨材はホームケアをする際の補助的役割ですが、用途に合わせた選択をすればより虫歯になりにくい歯を作ることができます。

 

口腔内細菌叢

バクテリアコントロールを行う

お口のなかには数100種類の細菌が生息しており、歯をよく磨く人でも1000〜2000億個存在すると言われています。これらの細菌全てを抗菌薬などで死滅させることはできませんが、お口のなかの悪い菌を抑制し、良い働きをしてくれる菌を活発化することは可能です。歯科医院で取り扱っているところもありますが、乳酸菌のタブレットを1日1粒摂取することで虫歯菌を抑制し、口臭も抑制することができます。とても手軽で、お口のなかだけでなく腸整作用もあるのでオススメです。

 

私たちにとって、虫歯というものは非常に身近なものです。

しかし、私たちは虫歯がどういうものなのかを説明することはできません。

虫歯は砂糖でできるもの?という何となくのイメージを元に、シュガーフリー、ノンシュガーといった商品に飛びつき、重要な虫歯を作る要素を無視してなんちゃって虫歯ケアを行うのです。

虫歯について、ほんの少しだけで良いので知識武装をしておくことで、これからの歯への意識が大きく変わりますよ

 

今回は以上になります。

私は元々歯科について無知の人間でし た。しかし、いつのまにかこの世界に浸っており、日々勉強させていただいております。この業界について素人だったからこそ世の中と皆様の架け橋になれると思い、情報を発信しております。

今後とも、何卒よろしくお願い致します。

今回は最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

 

【最後に】歯科医の先生へ。あなた方が情報を発信せず、誰が情報を発信するのでしょうか

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今回は最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

 

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