歯の治療において、現在、美しく、歯や体にも優しいセラミック治療がますます脚光を浴びてきています。その中でもセレックシステムを使ったセラミック治療は最先端の審美歯科治療として注目を浴び、人気を高めています。
セレック→歯の詰め物などがコンピューター制御ですぐにできてしまう技術。安藤歯科
このセレックという最先端のセラミック治療、一体どのようなものなのかといいますと、セラミックの詰め物や被せ物を、あの嫌な型取りをすることなく、カメラでスキャンするだけでその日のうちにコンピューターが作ってしまう、というものです。そのため、これまでのセラミック治療のように削ってから1週間ほど待つ必要はなく、削ったその日にセラミックをお口に装着することができるのです。
ちなみにセレックとはCERECと書きますが、これはCEramic REConstruction の頭文字を合わせたもので、「セラミック修復」という意味です。近年、コンピュータの技術や歯科医療の技術や材料が進歩し、歯科用CAD/CAMシステムというコンピュータを使って歯の詰め物や被せ物、入れ歯の金具やフレーム、インプラントの装置などを作るシステムを取り入れる歯科医院が増えてきています。
パソコンで歯の詰め物や被せ物を設計できる。株式会社シーンデンタル
セレックシステムはドイツのシロナ社によって開発されたCAD/CAMシステムで、即日でセラミックを入れることのできる、歯科医師がチェアーサイド(患者さんの横)で使用出来る唯一の歯科用CAD/CAMシステムとして世界中でも人気を博しています。セレックは約20年の歴史があり、セレックで製作したセラミックは15年経った後でも93%が良好な状態で残っているという研究結果もあるほど、非常に耐久性の良い、良質のセラミックを製作できることも人気の理由の一つです。
今や歯科治療はこんな時代なのです・・・。未来のよう・・・。
セレックで行える治療としては、オールセラミッククラウン、オールセラミックインレー、オールセラミックアンレー、ラミネートベニアなどが挙げられます。また、保険内で小臼歯に入れられるハイブリッドクラウンもセレックで作ることができます。
セラミックの塊をセットすると・・・
コンピューター制御で削り出してくれる
セレック(CEREC)のメリットは?
治療期間が短い
セレックの最大のメリットと言ってもいいのが、治療期間の短さです。これまでの歯科治療では、歯を削って1週間ほど待たなければなりませんでした。
型を取って・・・新東京歯科技工士ブログ
技工士さんが作成する。大村ファミリー歯科
しかしセレックシステムでは歯を削って最短1時間ほどで治療を終わらせることが可能です。つまり、治療を始めたその日に治療が終わってしまうという、嬉しいシステムです。
データをとって、その場で作成できるのがありがたい。
また、即日に治療が終わらせられることで、仮歯や仮詰めを入れる必要がなくなります。仮歯や仮詰めというものは、その部分で噛めませんし、また、外れてしみたり、歯が移動してしまうというようなことや、唾液に汚染される危険性もあるため、このような心配がなくなるのもセレックの良い点だと言えます。
型取りが必要ない
歯の詰め物・被せ物を入れるためには印象材と呼ばれる材料をトレーに入れて型を取る必要がありました。固まるまで待たなければならず、苦しい思いをしたことのある人も多いことでしょう。しかし、セレックシステムでは3D光化学カメラで削ったところを撮影するだけで型が取れてしまいます。
高精度
従来の型取りの方法では精度の不確かさという課題がありました。セレックではコンピューターで計測したデータをもとに正確に機械が作り出すため、変形などがなく、精度の高いものが出来上がります。そのため、詰め物・被せ物と歯との間から二次的なむし歯(二次カリエス)ができにくく、歯をより長持ちさせることが可能となります。
耐久性が良い
高品質なセラミックブロックを使うため、通常のセラミックよりも高い耐久性を持ちます。ドイツで行われた研究によれば、セレック治療で製作したセラミックは、通常のものと比べ10年残存率が25%も高いという結果が出ました。
価格がリーズナブル
技工士さんに依頼する必要がなく、人件費が節約できるため、比較的低価格で入れられるのも魅力です。従来の価格の3分の1程度で作成も可能。
噛み合う相手の歯に優しい
通常のセラミックよりも強度が高いにもかかわらず、表面構造がより細かく、天然歯と同程度の強度を保つため、噛み合う歯を無駄に磨り減らさないとされています。
セレックのデメリットは?
色調が従来のものより劣る場合がある
セレックは既製のセラミックブロックを削り取って歯を作りますが、中には色がマッチングしにくいケースもあります。特に前歯は色調を細かく出す必要があるため、結局は技工士さんによる色付けが必要になることもあります。
言われてみれば、色味に少し違和感も・・・
噛み合わせの調整に時間がかかることが多い
セレックでは、従来の制作方法のような模型上でのチェックがないため、チェアー上での噛み合わせや隣の歯とのきつさの調整に時間が掛かる傾向があります。
透明度が高いため、土台の色などが透ける場合がある
金属の土台が入っているケースなどでは、中の色が透けてしまうことがあります。
セレック(CEREC)と比較して、人の手で作る時のメリットは?
色調が合わせやすい
人の手で作る場合、細かな色の濃淡などが出せるため、より自然に近い仕上がりにすることができます。とくに前歯の場合には人の手で作る方が断然美しく、自然な仕上がりにすることができます。
セレックでのビフォー&アフター
人の手によるビフォー&アフター
言われてみると、セレックは色が自然ではなく、人の手を使ったセラミックはより天然歯に近い。
チェアーでの噛み合わせなどの調整時間が少ない
模型上での噛み合わせなどのチェックを入念に行うので、セット時の調整が少なくなります。
人の手で作る時のデメリットは?
苦しい型取りが必要
人の手で作る場合には、模型を起こすために材料を使った型取りが必要となります。これは嘔吐反射の強い人にとっては非常につらいものです。
治療期間がかかる
まず型取りをもとに模型を作り、技工所に送る時間がかります。そしてそこから模型を整え、セラミックを丁寧に作りあげていくため、どうしても装着するまでに日数がかかってしまいます。
費用が高めになる
技工士さんにセラミックを作ってもらう費用がかかるため、金額はその分余計にかかってしまいます。
以上を加味すると、セラミックは人が良いのか、セレック(機械)がいいのか??
セレック(CEREC)がいいのか、歯科技工士に作ってもらうのがいいのか
以上のことから考えると、セラミックでどちらを入れるか迷っている場合、次のようなことを基準に決めると良いでしょう。
■より見た目のきれいさを求めるなら手作り
お金がかかってもいいから、より天然歯のような自然な仕上がりを求める人は、技工士さんの手作りのセラミックを入れることをお勧めします。細かな色の濃淡などをつけられるのは手作りならではの技術です。
右の画像がセレック。白さが不自然と言えば不自然。
歯科技工士さんが作る場合、どれがセラミックの作り物なのかわからないほどの匠の技術 ピュアデンタル
■前歯を他の歯の色と合わせるなら手作り
ラミネートベニアを前歯全てに貼り付ける、というような場合は、周囲の歯との色の差が出るということがないため、セレックでも問題のない仕上がりになりますが、一本だけかぶせるようなケースでは、セレックだと合う色がなく、浮いてしまう可能性もあります。そのような場合には細かい調整のきく手作りのものをお勧めします。
画像はセレックでやってものではないですが、色味が合わないとはこんな感じになるということです。
■とにかく急いで入れたい人はセレック
歯医者に通う暇がなく、なるべくその日に治療を終わらせたい、という場合にはセレックがぴったりです。
■銀歯は嫌だけどセラミックの値段を抑えたい人はセレック
銀歯は嫌だけど予算が厳しい、という人はより予算を押さえられるセレックがお勧めです。銀歯の場合は奥歯であり、色の微妙な違いが目立つことはほとんどありませんので、適合も良いセレックはお勧めです。
すぐに出来上がるのは大きなメリット
■とりあえず金属アレルギーの可能性がある人はセレック
金属アレルギーの可能性があり、とりあえず外してセラミックに替えて体調を見てみたい、という人にもより低価格のセレックは品質も確かな点でもお勧めです。
金属アレルギー反応が強い人は口の中の金属が原因の場合も。クラマス歯科
セレック(CEREC)メリット・デメリット総まとめ
セレックのメリット
- すぐ出来る
- 価格安い
セレックのデメリット
- 色が不自然の可能性も
- かみ合わせに時間かかる
という状況です。
つまり、手っ取り早くセラミックを入れたいという方はセレックはとってもオススメです。
手っ取り早くやりたいという方=奥歯の詰め物を金属からセラミックにしたい場合はセレックをオススメします。
奥歯の詰め物はまじまじとみられることはないので、セレックでも十分
前歯の美しさや笑顔で違和感なく見せたい場合はセレックではなく、人の手によるものが良い。
人間の手による作品は違和感が待ったくない。ながたデンタルクリニック
このように、セラミックは手作りにもセレックにもそれぞれ良い点があります。どちらも品質が良いことには変わりはありませんが、自分にあったケースを選んでいくのが良いでしょう。自分でどちらが合っているかわからない場合には歯医者さんに是非相談してみてください!
今や歯科治療はこんなにも進んでいるのですね!人間の手とコンピューターの手が混ざり合わさってよりよいものが出来上がっていくことを願っています。
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