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歯医者さんが本当にしたいむし歯の処置は銀歯では不可能。今高額なセラミックが歯科医から選ばれる理由

2017年03月24日 14時04分
歯を白くすることができる。セラミック。歯科医は本音を言えば銀歯ではなく、セラミックで処置を行いたい方ばかり。しかし、セラミックは非常に高額です。では、なぜ高額なセラミックが今注目を集めているのでしょうか

歯医者さんが本当にしたいむし歯の処置は銀歯では不可能。今高額なセラミックが歯科医から選ばれる理由

今回は、セラミックの最大の課題である費用について深く見ていきましょう。

セラミックが高いのには、それ相応の理由があるのです。

 

セラミックが高くなる一番の課題は、保険と自費

1-1保険治療と自費治療

まず歯科医院に治療にいくと疑問に思うのが保険治療と自費治療だと思います。自費治療は文字通りすべての治療費を患者自身が負担します。保険治療とは皆さんが支払いしている健康保険料から国が7~9割負担し、実質患者は1~3割の負担で治療が受けられるという制度です。

私達はこの保険制度に守られ格安で歯科治療を受けることができるのです。

外国と比べると日本の治療費の安さは歴然です。

以下は、根の治療(根管治療)をした際の平均的な治療費を表したグラフです。

アメリカの根管治療(虫歯の治療)にかかる費用は日本の約18倍!!

最も高額なのはアメリカ(10万8千円)で、日本は最安の約5800円です。7カ国の平均価格は約50500円で、日本の治療費と約8.5倍の格差があります。

この健康保険制度は発展途上国には存在せず、先進国でもごくわずかしか導入していない制度です。日本は世界でも稀に見るほど治療費が安いのです。

しかし、ここに問題があります。限られた財源の中で治療費を捻出しなければならないので、使用できる材料や機材、治療時間に制限ができてしまい、歯科医院側はやればやるほど赤字…ということが多いのが実際です。また、保険治療の概念は必要最低限度の治療ということになっており、審美性や生体親和性はあまり重点が置かれていないことも事実です。

審美性が低い保険治療

保険適応のレジンとセラミックの経年比較。5年でこれだけの色の違いに。池袋ファースト歯科

 

生体親和性が高くない保険治療

保険の銀歯に使用される金属には金属アレルギーを引き起こす原因分子が含まれており、金属アレルギーが強い方は大きな反応を示します。

手荒れや足の裏に発疹がでるのが全身型の金属アレルギーの代表例です。きたいま歯科

 

また、金属の銀歯は長年使用すると歯茎の色を黒く変色させたりすることがあります。

溶け出した金属が歯茎を黒くする。(立川デンタルクリニック)

そこで患者の満足度、つまり審美性や生体親和性、装着感などを求められる方向けに自費治療という物が存在します。自費診療は使用できる機材、材料に制限がなく、患者一人にかけられる時間も長いため、患者の満足度を追求できる。つまり、その分治療費が上がってしまうのです。

しかし、見た目、身体との相性など様々な観点から利点は非常に多く存在します。

保険で入れた前歯。保険適応レジン全装冠。色の不自然さが目立ってしまう

同じ位置に入れたオールセラミック。差が歴然としている。ながたデンタルクリニック

 

 

そもそも、セラミックは元々の材料にこだわっているため、高くなる

前記のように、保険治療と自費治療の大きな差の一つは材料です。保険治療で白い歯を作ろうとするとレジンというプラスチック素材を使用します。また、銀歯の場合は12%金銀パラジウム合金という物を使用します。この材料は歯科材料の中でも比較的安価です。

しかし、治療に求められていることは以下に人体の身体と同じものを作り上げるかという点です。つまり、より本物の歯に近づける必要があるのです。そのため、安価な材料では経年劣化といい、年数が経つ毎に劣化していきます。

劣化することで歯と銀歯の間に隙間ができ、そこから菌が繁殖を始めるのです。

詰め物と歯との間に隙間ができ、そこから虫歯になる。詰め物を外すと・・・

 

中は虫歯だらけになっています。(あるパーク歯科・矯正歯科)

 

一方、自費診療で使用される材料はこの何倍も材料費だけでかかります。つまり、それくらいいいものだということです。必要最低限度の保険治療では使用できない、自費診療特有の患者満足度の高い治療を受けられるよう開発・改良されています。

セラミックブロックから削りだし

型を作り

焼き上げ、整えていく

セラミックは気の遠くなるような作業の繰り返しで人間の歯に近づける。そうでなければ人間の歯に近づかない。 きたみち歯科医院

 

このような作業を繰り返すことでセラミックは完成する。その技術にかかるお金がどうしてもかかってしまうのです。治療費の大変を占めるのがこの技術料です。歯を削ったり抜いたり型を採る歯科医師の技術、そしてそれに被せ物や詰め物を製作する歯科技工士の技術料の比率がとても多いです。

歯科は医療の中でも技術職に当たるもので、上手な方は本当に上手です。つまり、自分の技術を売っているわけですから上手な方は治療費に自分の技術料を上乗せします。これは歯を作る歯科技工士にも同じことが言えます。

 

セラミックが高くなるのは素材の差

体に優しいものほど料金が高い:ジルコニア

どこの歯科医院でも一番治療費が高いセラミック治療はジルコニアを使用したものです。いわゆるオールセラミックです。

ジルコニアクラウン KDL歯科技工所

まず、なぜ高いかといいますと、使用しているジルコニア自体が高価ということです。このジルコニアは歯科材料の中で最も生体親和性の高い材料の一つです。金属を使用しないのでアレルギーの原因物質がなく、滑沢な研磨面にすると表面に歯垢が溜まりにくいという性質を持っています。その分、開発や加工に多くの費用を必要とし、材料自体の単価が向上してしまいます。

 

体に優しいものほど料金が高い:ニケイ酸リチウムガラス

次に体に優しい歯科材料はニケイ酸リチウムガラスです。

札幌メディカルラボ

こちらもガラス製品で金属を使用していないので生体親和性がとても高い素材です。しかし、ガラスを加工したものですので強度はジルコニアの約1/3しかないため、ジルコニアよりやや安価に取引されています。

ですが、いまだにフレームに金属を使用し、上にポーセレン陶材を焼き付ける方法(メタルボンド)が多く取り入れられています。

金属の上からセラミックを焼き付ける方法(メタルボンド)仁愛会歯科

メタルボンドの生体親和性はジルコニアやニケイ酸リチウムガラスに劣りますが、強度は歯科材料の中でもトップクラスで、なにより長年治療に採り入れられてきた実績があります。つまり、金属アレルギーではない人にとってメタルボンドは一番安心な治療方法なのです。現在では、可能な限りアレルギーの原因物質になる金属を除いたり、全くアレルギー反応を起こさないチタンを使用する方法もあります。

 

体に優しいものほど料金が高い:ハイブリッドセラミック

最後にハイブリッドセラミックです。

仁愛会

ハイブリッドセラミックはレジンというプラスチックにポーセレン陶材の粉を混ぜ合わせ強度を出したものですが、結局大半がレジンなため、あまり優れた素材とは言えません。インレーなどでは非常に多く使われる素材になっています。

ハイブリッドセラミックインレー歯マニア

 

セラミックは加工が難しく、手間がかかるほど料金が高い

セラミック治療で治療費が高い順は

  • ジルコニア+ポーセレン陶材
  • 金属+ポーセレン陶材
  • フルジルコニア
  • ニケイ酸リチウムガラス
  • ハイブリッドセラミックです。

 

①最も高い:ジルコニア+ポーセレン(ジルコニアボンド)

ジルコニアの芯(フレーム)にポーセレンを焼き付けたもの。KDL

1番高いジルコニアは1トンで加圧されたディスク上になった素材から専用の機械で歯の形に削り出さなければなりません。その後、高温で長時間焼き上げて完成します。ここでやっとフレームの完成です。そこからその上にポーセレン陶材を歯の形に盛り上げて焼き上げます。ジルコニアフレーム1本に付き原価で1万円ほどかかることもあります。それくらいジルコニアは加工が難しいのです。

 

②次に高い:金属+ポーセレン(メタルボンド)

金属の芯(フレーム)にポーセレンを焼き付けたもの。KDL

次に金属+ポーセレンです。金属のフレームはワックスで歯を作り、型を採って金属を流し込みます。ここに手間がかかります。

型取りから加工に手間隙がかかる。土田歯科医院

出来上がった金属のフレームの上にポーセレン陶材を歯の形に盛り上げて焼き上げます。ジルコニアより加工の難易度は低いですが、とても手間のかかる作業です。また、使用する金属も高価なのでその分も加算されます。

 

③次に高い:フルジルコニア

全部ジルコニアでできている。KDL

フルジルコニアはジルコニア+ポーセレン陶材のポーセレン陶材を焼き付ける方法を省いたものです。ですが、ジルコニア自体の加工は同じ工程なので手間と加工の難易度が高いため料金に反映します。

 

④次に高い:ニケイ酸リチウムガラス(e:max)

手間がかからず美しく出来上がるが、脆い。札幌メディカルラボ

これは金属のフレームを製作する工程と同じでワックスで歯を作り、型を採って高温に熱したニケイ酸リチウムガラスを流し込みます。その後、ポーセレン陶材を盛らないので手間が省かれ料金はやや安くなります。

 

最後にハイブリッドセラミック

セラミックとプラスチックの混合物。コアデンタルラボ

ハイブリッドセラミックは材料自体は単価は一番安く、また製作するのにあまり時間を必要としないのでセラミック治療の中では安価に抑えられています。しかし、材料的にもほかのセラミック素材に劣るのでこの値段設定なのだと思います。

 

いちばん大切なことは、むし歯にならないこと。これ以上のむし歯を防ぐこと

ここまで、セラミックの値段について解説を行ってきました。ご存知のとおりにセラミックを使った治療は一番安いものでも5万円以上はしてしまいます。身体のためとは言っても中々5万の出費というものはキツイというのが現状ではないでしょうか。

そうした、出費を防ぐためにも、私たちは“予防”の考えを身につける必要があります。

日本には予防やオーラルケアと行った考え方がまだあまり定着していません。銀歯のずれや隙間から虫歯になるということももちろんありますが、そもそも口の中の虫歯菌の数を減らすという根本的な努力が定着していないことが虫歯の再治療の原因です。

歯科定期検診の受診率が90%という世界でもトップレベルの歯科先進国スウェーデ ンでは、最初の虫歯治療を完璧に行いその後は定期的に検診やメンテナンスを受けて良好な状態を維持するという方式が主流だといいます。そのため再治療を行うことはほとんどありません。

スウェーデンでは歯科治療で有給休暇をとることが認められています。(ストックホルム)

 

日本人のように痛くなってから歯医者に行く、問題が起こってから受診するのではなく、治療が必要にならないよう普段から予防の考え方を導入しています。

 

予防を行うために、歯科と私たち相互の協力が不可欠

予防の考え方、また虫歯になってしまったとしても治療を受けたことへの危機感をしっかりと持ち定期検診や適切なメンテナンス、指導を受けて自分の口の中の状態を常に理解把握しておくことがこれからの日本人に求められています。

定期検診を受けている人、定期検診を受けていない人で生涯の歯の残存本数は驚くほど変わります。

歯科への思考を変えることで行動に変化が訪れ、やがてそれは習慣になる。歯科に関する習慣を変えることが日本人全員に求められている。

 

定期的に歯科検診をうける習慣をもつことで自分の口の中のわずかな変化や症状に敏感になります。治療をする前の予防と治療をしてからの対策とではややニュアンスが違いますが、どちらも再治療を減少させるための根幹となる考え方であり、この意識を定着させることが重要だといえるのです。

国の制度はすぐには変わりません。保険制度の文句を言ったところで現状はそのままです。しかし、自分たちの思考はいますぐに変えることができます。思考に基いて行動が変化し、行動の積み重ねが習慣になります。治療から予防・メンテナンスに価値観を変化させることでアナタの人生を必ず好転させることは既に科学が証明しています。今あなたにできることは、もう数年間言っていなかった歯医者さんに足を運んでみることではないでしょうか。「定期検診をしたい」と相談をすればどこの歯医者さんも快く受け入れてくれます。

口は命の入り口だと言われています。その口が細菌まみれだとカラダ全体に不具合が生じるのは当然なのです。今からでもまったく遅くありませんので、将来の自分自身のカラダのためにまずは出来ることから行なってみてはいかがでしょうか。

 

以上になります。いつも最後まで長い文章を読んで頂きありがとうございました。どくらぼでは週に一回こうした記事をリリースしていますので、是非フェイス・ブックのいいねをお願い致します。いいねを押して頂くと記事の更新をお届けすることが可能です。

 

記事の作者である私は元々カラダについて無知の人間でした。しかし、いつのまにかこの世界に浸っており、日々勉強させていただいております。この業界について素人だったからこそ世の中と皆様の架け橋になれると 思い、情報を発信しております。今後とも、何卒よろしくお願い致します。

今回は最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

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それでは、また来週の投稿をお楽しみにしていてください。

 

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