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他人の血液、体液がアナタの口に。知らない間に発生する院内感染。

2017年01月24日 17時36分
院内感染。この言葉には現実味が伴っていません。しかし、実はアナタも院内感染の恐怖と危険が身近に迫っているのです。他人事ではない、院内感染の恐怖。

他人の血液、体液がアナタの口に。知らない間に発生する院内感染。

前回、日本の歯科の感染の現状をとりあげ、ありがたいことに大きな反響を得ました。読んで頂きありがとうございました。

今回は続編の記事として、感染についてさらに掘り下げてお話を致します。

前回の記事はこちら:知らぬ人の血が口内に。一部の杜撰な歯科がHIV感染を拡大させる

 

今回は、「院内感染」をテーマに、そもそも院内感染はなぜ起こるのかなど掘り下げていきます。

それでは、よろしくお願いいたします。

 

今回の記事も歯科医院を批判するものではなく、しっかりと院内感染を防ごうという主張です。しっかりと感染対策をしている歯科医院の方にもっともっと声を大にして主張していただきたいと思っています。

 

そもそも院内感染は、なぜ起こるのか?

記憶に新しいものでは世田谷区の病院にて入院患者がセラチア菌に感染し死亡した事件で医師や看護士が書類送検された事件です(2003年8月29日・読売新聞報道より)

近年では、2014年に大阪で60歳以上の入院患者11人が多剤耐性緑膿菌に感染し、その後、死亡していた事件などです。

病院側は院内感染が直接の原因ではないものとしています・・・。日テレNEWS

 

2003年の事件では、点滴を行うための準備段階の不適切で入院患者がセラチア菌に感染したということです。
この事件後、現在では、病床20以上の病院は年1回、19床以下はおおむね3年に一度保健所による立入り検査が実施されるようになりました。
その後も、2007年4月に改定医療法が施行され無床診療所・歯科診療所においても院内感染制御体制の職員研修が義務化されました。

2007年4月より歯科医院(歯科診療所)においても院内感染制御体制の職員研修が義務化されましたが、立入り検査などは無く、全ての歯科医院において感染対策がどこまで行われているかはわからないまま今日に至るのです。

 

歯科では、実際にどの程度の感染対策を行うべきなのか

では、実際には歯科医院(歯科診療所)において、どのような院内感染対策を行わなければならないのか?は下記資料を引用致します。

[歯科医療機関における効果的な院内感染対策の促進に関する研究]

数十年くらい前はグローブ(医療用手袋)をして治療を行う歯科医院も少ない程でした。また、グローブはしていても同じ物を大勢の患者さんに使い回しや、使用後に洗って干して再利用しているということも。

グローブは医療従事者の手を守る物でもあり、患者さんの感染を防ぐ物でもあるのです。双方が安全であるように、グローブの使用と患者毎のグローブ使い捨ては必須であってほしいです。

グローブの使用が進んできた歯科業界。清水歯科デンタルブログ

グローブの使い捨てを当然のこととしている歯科も。蕨歯科

 

歯科に携わるもの全員が清潔であることが必須

歯科衛生士や歯科助手にも同じ事が言えます。グローブだけではなく、衣服や靴の清潔さも大切な点です。歯科治療は常に唾液と血液に触れるため、衣服や靴にも唾液や血液の飛沫があるからです。また逆に、医療従事者が同じ衣服や靴のまま外出した場合には、外から別の細菌を持ち込み歯科治療を受ける患者さんの口腔内に入り込む可能性もあるのです。

清潔“感”ではなく、実際に清潔であることが必須。さくま歯科

 

歯科医院で起こる院内感染とはどのようなものがあるか。深く知っていきましょう

なぜ、歯科医院で院内感染が起こるのでしょうか?特に注意しなければならない点は器具からの感染です。

よく見る歯科治療台のテーブルの下にあるのがタービンです。

治療台の近くにある、タービン ソフィア歯科

タービンはどこの歯科医院にもあるキーンという音をたてて歯を削る器具です。歯科治療台に置いてある状態ではコードにつながっていますが、長さ約15センチ位の先端が取り外せます。

タービンの先端。田中歯科器械店

 

しっかりと感染対策を行っている医院の場合は一人の患者さんの治療後に、取り外した先端部分を滅菌します。そして、滅菌した後は次に使用するまで必ず保存袋に入れます。

滅菌され、パッケージングされているタービン。たけち歯科

このような行程を行わずに、一人の患者さんを治療後にアルコールで拭くだけで再び次の患者さんの治療を行うこと、滅菌しても二次的な感染が無きように保存袋に入れないで放置することは感染の原因になります。

 

歯科ではタービン以外にも使い回しが行われた事件があった

タービン以外にも、恐るべき使い回しが行われている事件もあります。愛知県で2010年1月に起きた、インプラントが使い回しされていたという疑惑です。

セレブ歯科医がインプラント使い回し!として当時大きな波紋を呼びました。週刊朝日。

 

インプラントは歯の骨の中に専用の金具を埋め込み人工歯根を作るという治療法ですが、別の患者さんに一度使用済みの金具を再使用したという疑い。その後、使い回しを行ったとされる歯科医師は自殺未遂を起こしました。発覚は、インプラント治療を受けた患者さんからの訴えが元で、その後の調査により院内に保管されているインプラントに使用した金具から人の組織の一部が検出されたという事でした。

他人のインプラントを他の患者に埋め込んでいた歯科医院。※当然ですが、インプラントを行っている歯科医院が全てこうだと思わないで下さい。youtube

 

インプラントの使い回しは、特にひどい事件です。こんな治療をする歯科医院は本当に酷いです。こうした歯科医院のせいでまっとうに治療を行っている歯科医院が迷惑を被ります。

 

麻酔の注射液を使い回しを指摘する歯科医も。

注射針の使い回しは勿論ありえない事ですが、麻酔液が入っているカートリッジを使い回す歯科医院も注意が必要という指摘があります。

歯科の麻酔で使用される麻酔カートリッジ

 

カートリッジ自体は直接触れるわけではないので、平気だと考える方もいられるかもしれません。しかし、カートリッジの使いまわしも危険なのです。

麻酔針から麻酔カートリッジに体液が逆流する可能性を指摘。村井デンタルクリニック

こうした現実を知らずに一本のカートリッジを何人もの患者さんに使い回ししてしまい、知らぬうちに感染の原因を作っている可能性も否定出来ないのです。

 

麻酔液は1~3本位の歯の治療数ではカートリッジの半分量も使用しない事が多々あるため、その余った量(カートリッジ)を次の患者さんの治療時に使用するという行為を行った場合に、次の患者さんは前の患者さんの血液混入した麻酔液を打たれる可能性があるのです。大変危険であり、前の患者さんが肝炎やHIV患者であれば次の患者さんは感染する可能性があるという事になります。

 

世界に遅れをとっている日本の歯科医院の院内感染対策

衛生に対する意識が高いと言われている日本人であるのに、なぜ歯科医院において、院内感染対策が怠っているのでしょうか?それは歯科医院の経営状況が大きな要因であるとも言われています。日本の歯科医院の軒数はよく耳にする用にコンビニエンスストアを上回る軒数に到達しました。

増加を続ける歯科医院 ユーキャンより

 

数十年前には隣のビルに歯科医院があるという事は無く、同じエリア(町内)に3軒位が標準でした。今では向こう三軒両隣のビルに歯科医院が在るという地域もめずらしくない程です。その競争の中で、開業時のローンやリース代を払い、賃料テナント料を払い、人件費を払い、経営して行くだけでもやっとな歯科医院が多いのも現状です。

1日に5件廃業していく歯科医院 ポジデン

 

こうした歯科にとって厳しい状況の中で、器具や設備にお金をかけたり、材料費や衛生費を充分に使えるでしょうか?日本には保険(社会保険や国民健康保険)で治療を受けるという習慣が根強くありますが、その保険治療による診療報酬点数が歯科医院にとって決して有利な点数ではないのが現実なのです。それならば自費治療に力を入れて経営難から脱脚と言っても、大勢の歯科医院が同じ方向性に行けば、それもまた困難な事なのです。

歯科の治療費は数十年間横ばい。かと言って急に自由診療に切り替えるのも厳しい現状。

 

韓国、中国よりも歯科にお金をかけない日本人

アメリカは元より、現在の中国でも「歯の治療は高額である」という意識があります。経済大国となった頃から中国でも、富裕層は高額な歯科治療を行う歯科医院へ行くようになりました。昔に水道水に薬品を入れていた中国では、テトラサイクリンの副作用と呼ばれる歯の黒い人々が大勢いますが現在では審美歯科も盛んでセラミック治療やホワイトニングに行き、白い歯になる願望を叶える人々も多くなりました。

このように高額な歯科治療に対する意識が高まれば、歯科治療を行う上での衛生費に充分な経費をかけることもできます。

アメリカの歯科医院では、歯科治療台(患者さんが座る座面)まで各回毎にビニールカバーが使い捨てされる事はめずらしくありません。それくらい歯科治療に関わる器具類の衛生について重視されています。

日本でも歯科医の触るものはその都度コーティングするなど少しずつ衛生意識は高まっている。番町デンタルクリニック

 

また欧米では歯科治療台を流れる水についても考えられており、ドイツの歯科器材メーカーでは清潔な状態で水が行き届くシステムの歯科治療台も販売されています。歯科治療台の中は細い管も多数あり、その管の中で雑菌が繁殖します。水は最終的には患者さんの口腔内に入る事になりますから、その水は常に清潔でなければならないのです。

院内で使用する水の衛生管理まで徹底している歯科医院も中にはある。市岡デンタルオフィス

 

院内感染対策を行っている歯科医院を見分けるポイントとは

新しくて綺麗な内装の歯科医院は清潔?古い歯科医院は汚いイメージ?

チェックポイント

①内装の良し悪しや古い新しいに惑わされないこと
窓枠や床の隅々まで掃除が行き届いているかチェックしましょう。掃除が充分に行われている歯科医院は院長の考え方の中に常に衛生という意識がある表れです。

②ホームページ上で衛生管理を宣伝している
まず院長の衣服・髪・手指をチェックしましょう。昨日も着ていたと思われる衣服であればまず衛生に意識が無いと言っていいでしょう。髪にフケ、爪が汚い、という状態であれば自己管理もできておらず衛生管理まで気が回らないでしょう。

③従業員の動き方
実際に器具の消毒・滅菌の作業を行うのは歯科衛生士や助手です。何をするのも面倒臭そうに動いている場合には、人から見えない所では更に手抜きをしているでしょう。

 

ある、食の評論家はおいしいレストランを見分ける方法について「看板の細部のデザインにこだわっているレストランだ」といったそうです。食という繊細なものを作る人は徹底的に拘りぬく人物でなければならない。看板のデザイン一つこだわる店は食の細部にまでこだわっているという理屈でした。

歯科医院も同じことが言えるのではないでしょうか。内装などにこだわりをみせるよりも、入り口やちょっとしたところの清掃、服装など細かな部分に拘りを魅せ、患者のことを考えている歯科医が良い治療を行うと言えるのではないでしょうか。

 

厳しい状況に立たされている歯科に対して日本国民全員で力になりませんか。

器具の消毒・滅菌は、人が作業をしなければ行えない事です。特に歯科治療に使用する器具は種類も多く、数も多いです。それを1つ1つ丁寧に消毒・滅菌するという、医療従事者自身の意識の高さが院内感染対策につながることになります。この意識の高さを持つ歯科医院であり、更に、高額であっても高度な滅菌が行える機器を取り揃えている歯科医院を選ぶことが、院内感染から身を守るポイントになります。

厚生労働省2014年発表によると国内の歯科医院軒数は約6万9千軒あります。日本とアメリカを比較してみると、国民1000人あたりに対する歯科医の数はアメリカは日本の半分、平均年収はアメリカ約1400万円に対し日本は約500万円という現状。

「モンスターペイシェント」「モノ言う患者」という言葉も生まれ、歯科医院の経営自体も医療という枠からサービス業の枠に入ってしまい、歯科医院を経営する歯科医も大変な苦労を強いられている時代です。医療の中でも、歯科は即日処置を行わなければならない医療です。ER(緊急外来)を毎日行っているようなものでもあります。痛みを訴えている患者さんに対して飲み薬で痛みを止めて手術の日を決めてから行うという事では納得されない医療科目だからです。

知識は勿論のこと、症例数も多く、処置の技術も高くなければ患者さんが満足する歯科治療を行うレベルの歯科医になれません。更に、処置の前にはインフォームドコンセント治療説明をしっかり行える事も望まれます。歯科医院はおしゃれで綺麗でイケメンや美しすぎる歯科医だとしても、技術が無ければ即クレーム、技術があってもインフォームドコンセントが行えなければ説明義務違反で訴訟にまでなるのです。

このような厳しい歯科医院経営の中でも、日夜努力をされて全ての項目をクリアする歯科医の先生方も必ずや数割いらっしゃるという事を忘れてはいけません。そうした歯科医師が少しでも増えるためにも私達からもっと歯科に興味を持ってみませんか。

まずは、その第一歩として久しぶりに歯科に足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

今回は、以上になります。最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。

TOP画像参照

 

健康は情報が命

現在、SNSやインターネットで過去には比較できない多くの情報を手にすることが出来るようになりました。そうした、情報の中で一番必要な情報が私達のカラダを守る健康に関する情報です。健康の最新研究は科学の発展とともにどんどん進んでいき、過去に常識とされていたことは、今では非常識とされていることも多々あります。

しかし、そうした情報は一部の方が握っており、中々私達の手元に入ってくるまでに時間がかかるのです。だからこそ、情報感度を高く持つことが大切になります。

ただ、情報感度を高くもてと言っても何をしたら良いのかわからないと思います。だからこそ、既に情報感度の高い方と友達になり、情報を伝えてもらことが大切なのです。私も全国の医療関係者や食品関係者、流通関係者などとネットワークを構築し、情報の収集に努めています。

今日からでも遅くありませんので、健康に関する情報をこうした医療情報サイトや、私のような情報発信者から集めてみてはいかがでしょうか。

 

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また、医療従事者や健康にまつわることを職にしている方々は、そうした情報を世の中の多くの方に発信していただきたいと思っています。今、私達はみなさまプロからの現場の情報を欲しています。しかし、中々そうした情報発信を行っている方はいません。そうしたプロの情報発信が信頼獲得につながり、職の幅を広げると考えています。弊社では、そうした方々へのホームページの作成のコツや他社との効果的な比較方法などのサービスも行っておりますので、是非お気軽にご相談下さい。全国どこへでもお伺いさせていただきます。

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「どくらぼを読んで、相談をしたい」と添えていただければ対応いたします。

 

私は元々カラダについて無知の人間でした。しかし、いつのまにかこの世界に浸っており、日々勉強させていただいております。この業界について素人だったからこそ世の中と皆様の架け橋になれると 思い、情報を発信しております。今後とも、何卒よろしくお願い致します。

今回は最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

世の中の多くの方に健康情報が届けばと考えておりますので、是非お気軽に友だち申請して下さい!内田 雄介フェイスブックページ

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それでは、また来週の投稿をお楽しみにしていてください。

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