お子さんの歯並び気になりませんか?幼児期から虫歯ができないように気をつけている方が多いかと思いますが、「良い噛み方・歯並び」について意識したことはありますでしょうか?
今回、最近異変が起きている子どもたちの「噛み方・歯並び」について、幼児期からの食生活と絡めてお伝えします。
子どもの虫歯は減ってきた
高度成長期は子どもの虫歯の洪水時代でしたが、その後予防意識が浸透し、近年は子どもの虫歯は明らかに減っています。育児雑誌にも「定期的にフッ素塗布を行い、虫歯を予防する」「スプーンの共有は避ける」「哺乳瓶でジュースを飲ませない」などの情報がよく掲載されています。
これらの予防方法はすでに常識のように知れ渡っています。世の中全体として、子どもの虫歯予防にはとても意識が高くなって喜ばしいことなのですが、実は他に大変なことが起きているのです。
子供の虫歯は減ってきている一方で、その他大きな問題が。あかつき歯科
ポカン口、かめない、歯並びが悪い子が増えている!
小学校の校医を長年している歯科医師たちによると、年々子供たちの口に異変が起きているといいます。虫歯の数は明らかに減っているのですが、口呼吸でお口をポカンと開けたままの「ポカン口」、咬み合わせがおかしい子、歯並びが悪い子が増えているというのです。
ポカンと口が空いてしまっている子供が増えている。通称ポカン口 桂歯科医院
佐賀県武雄市の小学校で長年校医をされている小児歯科医の増田純一先生は、著書「0歳から噛むで健康長寿」の中で、小学校での全児童の口の中を検診で撮影し、歯並び、虫歯の数、咬み合わせなどを記録し、統計されてきたことを発表されています。そこには、虫歯はなくても各学年で5割以上の子供が食べ方がおかしく、噛み合わせがおかしい子が多いとされています。虫歯が放置されている子では、その割合がもっと増えます。
虫歯はないのに、なぜ咬み合わせ・歯並びが悪くなるの?
よく、「歯並びが悪いのは遺伝だ」といわれますが、100%遺伝が原因ではありません。一部の骨格性歯列不正では遺伝性のものがありますが、遺伝性でないものも多いのです。
子供の歯並びは遺伝が原因だとは限らない。後天的な原因も今、注目されている ムシバラボ
実は、歯並びが悪くなる原因として、世間にはまだあまり知られていませんが、「0歳〜幼児期の食事の与え方」がとても大切なポイントになってきます。正しい咬み方・飲み方で食事をすることが、その後の口や顎の発育に関与し、咬み合わせや歯並びに影響していくのです。
赤ちゃんからの離乳食の与え方 間違ってませんか?
育児雑誌には、離乳食を「いつ始めるか」、「何をあげるか」についてはとても詳しく書かれていますが、「どうやって食べさせるか」についてはあまり情報がありません。この「どうやって食べさせるか」「飲ませるか」ということが、非常に大事なポイントです。
人は無意識に全く同じ食べ方・飲み方ができるのではなく、赤ちゃん時代から乳歯列完成期までに食べ方・飲み方を学習・トレーニングして獲得しています。
例えば、手づかみ食べ時期は自分で食べる量を調節し、把握しながら口唇を鍛えるとても大切な時期なのですが、周囲が汚れるからといって親がスプーンばかりで食べさせてしまうと、捕食能力が発達しなくなります。
不自然な食べ方・飲み方を赤ちゃん時代に学習してしまうと、その不自然な食べ方が一生続くことになるのです。
正しい離乳食の与え方、出来ていますか? マーミー
【自然な食べ方】
- 舌を口蓋に吸い付けてゴクンと飲み込む。そのとき、唇が閉じている。
【不自然な食べ方】
- 前傾して、舌が前に出てしまう。
- 口を開けて噛む
- クチャクチャと音がする
- 飲み込むとき、舌が口蓋につかない
- 口元が緊張する
正しい食べ方を獲得するために
正しい食べ方・飲み方を獲得するために、いったいどのように育てていけばよいのでしょうか。ここでは年齢別に気をつけたほうがよいポイントをご紹介します。
【0歳〜1歳】
個人差はありますが、生後半年くらいから下の前歯が生えてきます。その時期から離乳食を始める方が多いですが、口への食べ物の運び方に注意しましょう。
ポイントは、スプーンを口の中へ全部いれて食べ物を流し込まないこと。早く食べさせたいからとつい口の奥へ奥へと流し込んでしまいがちですが、そうしていると子どもが口唇周辺の筋肉が衰えてしまいます。
子供自身が上口唇を使って食べ物をとらえることができるようにすることが大切です。スプーンの上に食べ物を少しのせ、下口唇に軽く当て、子どもが自分で上口唇を下げて食べ物をとらえるようにします。この時期の「口唇を閉じる」機能を発達させることが後々とても重要になってきます。
【1歳〜1歳半頃】
1歳〜1歳半頃から、上下4本の前歯が生え、前歯で噛み切ることができるようになります。手づかみ食べも始まります。汚れるのが嫌だからと、親がスプーンで与えることばかりせずに、汚れても結構と大いにに手づかみ食べをさせましょう。
自分で一口の量を感覚で記憶し、前歯を使って噛み切ることで、口唇周辺の筋肉が発達し、口唇を閉じることができるので鼻呼吸も身についていきます。
【1歳半〜2歳頃】
1歳半〜2歳頃から奥歯が生えてきます。奥歯に食べ物をのせ、「これは硬い」「軟らかい」といった感覚を認識し、噛む力を調整していきます。顎はリズミカルに動くようになります。
この時期に口唇を閉じてよく噛む練習をしておくことが非常に重要です。早食べ、水分で食べ物を流し込むような食べ方は、噛む力が育ちにくくなります。
昔の人は、食事中にお茶を飲むことはせずに、食後にお茶を沸かして飲んでいました。食事中は味噌汁などの水分のみで食べていたのです。現代では、食卓にお茶や水が並ぶことが多いですよね。そうすると、どうしても流し込むような食べ方になっていまいます。
また、子どもだから食べやすいようにしてあげようと、細かく食材を切ったり、軟らかくしすぎたりすることは、かえって子どもの噛む力を育ちにくくしてしまいます。適度に根菜類などの硬い食材を取り入れ、大きめに切るなど噛む力が育つようにしてあげましょう。
【3歳〜】
3歳以降は乳歯列も生え揃い、本来なら噛むこと、飲み込むことが上手になる時期です。飲み込む際は、舌を口蓋に吸い付けるようにしてゴックンと飲み込みます。食事の際に、口元の筋肉が緊張したり、口を開けたままペチャクチャと音をたてたりするのは、正しい食べ方・飲み方ではありません。3歳までに正しい食べ方を身に付けることが、その後の口の機能の発達にとってとても大切になってくるのです。
自分の子どもはちゃんと食べている?チェックしてみましょう
お子さんをお持ちの方は、一度自分の子どもがちゃんと食事をしているか、以下のポイントをチェックしてみましょう。
- 食べ物の好き嫌いなく、なんでも食べられる
- お口の中に食べ物をいれたままペチャクチャしない
- 早食べしない
- よくもぐもぐ噛んでから飲み込んでいる
- 食事の途中で水分をとらない 水で食べ物を流し込んでいない
- 普段、唇が閉じている お口ポカンになっていない
- 食事の時間を決めて食べている
- 立腰の正しい姿勢で食べている 猫背になっていない
- 孤食になっていない 家族と一緒に食べている
- 虫歯がない
お子さんはしっかりとご飯を食べられていますか? 子育てハック
すでに歯並びが悪い、ポカン口をしていたら?今から何かできるの?
今お子さんをお持ちの方で、すでに歯並びが悪い傾向があったり、「うちの子、時々ポカン口になってるわ!」という方もいらっしゃることでしょう。歯並びが悪いとまず矯正治療を思い浮かべる方が多いかと思いますが、矯正治療は開始時期が以下のように分かれています。
- 第1期治療(咬合誘導治療):5〜6歳から
- 第2期治療:12歳以降
第1期治療は、開始時期が歯科医の考え方でも異なりますが、通常乳歯と永久歯が混在している混合歯列期に行います。顎の成長をコントロールする器具などを使って、上下の顎のズレを整えたり、将来永久歯が生え揃うときに並びやすいようにしていきます。
第2期治療は、永久歯が生え揃ってからの治療で、成人矯正治療と同じブラケット装置を装着し、ワイヤーなどで歯を本格的に動かしていく治療です。この第1期治療以前の2〜4歳頃に、すでに歯並びが悪くなりそうな兆候(お口ポカン、唇を噛む癖、指しゃぶり、噛み合わせがおかしいなど)が出ている場合どうしたらよいのでしょうか?
かかりつけの歯科医院や矯正歯科にみてもらったとしても、担当医の考え方によっては「まだ矯正は早すぎるから、このまま様子をみましょう」と言われるかもしれません。確かに、矯正装置を使うには2〜4歳の子にはまだ早いかもしれませんが、「そのまま様子をみましょう」という言葉に安心して何もせずに(悪い習慣のまま)いると、状態が悪くなってしまいます。
ご家庭でもできることがありますので、ぜひ諦めずに以下のようなことをほんの少しでも取り入れてみてください。
今からでもできる!子供の歯並び悪化・お口ポカンを予防する方法
- あいうべ体操で口唇をトレーニングする(下記参照)
- ラッパのおもちゃや風車、風船をふくらませる遊びで口唇の筋肉を鍛える
- 空気で頬をふくらませる遊びで口唇の筋肉を鍛える
- おやつはスナック菓子、砂糖の入ったお菓子は控える
- 和食(味噌汁・ごはん・野菜)・硬いものを意識して取り入れる
- 食事中にお茶で流し込まない(食後にお茶を飲む習慣にする)
- 子供の足がしっかりつく椅子を使って食事をする
- うつぶせ寝や頬づえはやめる
- 離乳食の場合は、スプーンを口に放り込まないこと
あいうべ体操のやり方
あいうべ体操は、福岡のみらいクリニック院長 今井先生が考案されたた口呼吸を治す体操です。
1)「あー」と口を大きく開く
2)「いー」と口を大きく横に広げる
3)「うー」と口を強く前に突き出す
4)「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす
1)から4)までを1セットとし、1日30セットを行い毎日続けます。
お風呂の中や、朝、鏡の前などで10セットずつするのもOK。
子供だけでなく、大人にも推奨されており、花粉症・アトピー性皮膚炎、リウマチ・喘息などが改善された例も多くあります。
いかがでしたでしょうか?
虫歯はゼロでも安心せずに、ぜひ今後お子さんの噛み合わせや食べ方を注意深く見ていっていただければと思います。もし少しでもおかしいと感じられたら、かかりつけの小児歯科や矯正の先生にご相談くださいね。
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