そもそも口内炎ってどうしてできるの?薬は効く?
口内炎ができてしまう詳しい原因はまだわかっていませんが、身体の抵抗力が落ちている場合や、お口の中の粘膜に傷ができることで口内炎が現れることがあります。
- アフタ性口内炎
身体が疲れていたりストレスを溜め込んでいる状態で体内バランスが崩れやビタミンB2の不足によって現れます。この口内炎は一般的によく見られるものですので、ケナログなどの軟膏を塗布することで痛みが軽減できます。また、飲み薬やビタミン剤でビタミンB群、鉄分、亜鉛を補充するのも口内炎を早く治す良い方法です。
- カタル性口内炎
歯の被せ物が合わなかったり、噛み合わせがずれてしまっている時に粘膜が擦れて部分的に赤く腫れていきます。 きちんと口内炎を治すには、元となっている傷をつくっている箇所を丸めたり、作り直して刺激を取り除いてあげる必要があります。できてしまったカタル性口内炎に対してはケナログ軟膏で効果が得られます。
- ウイルス性口内炎
身体のバランスが崩れている時にウイルスや細菌が身体に感染することによってできる口内炎をいいます。この口内炎はケナログ軟膏を塗布しても治りません。口内炎を作った原因菌を特定し、抗ウイルス剤の軟膏や薬剤を服用することで治療することができます。もしも、ウイルス性の口内炎の疑いがある場合は、内科、皮膚科等で血液検査をして原因を探すようにしましょう。
- カンジタ性口内炎
カビの一種であるカンジタ菌はもともと口の中に存在しています。体調不良であったり、高齢者の方(特に義歯を使用している方)が発症します。口の粘膜が赤くなったり、白い膜や斑点が現れます。この場合もウイルス性口内炎と同じく通常のケナログ軟膏は効果がありません。義歯を綺麗な状態にし、お口の中をイソジンのうがい薬で洗口する、必要であれば抗真菌薬を服用することでカンジタ菌の数を減少させていきます。菌数が減っていけば口内炎の症状も落ち着いていきます。
- アレルギー性口内炎
お口の中の被せ物の金属で金属アレルギーを発症することがあります。歯科の金属アレルギーの場合、手足等の遠隔部に症状が出る場合と金属の被せ物周辺が赤く腫れてアレルギー性の口内炎ができる場合があります。 この場合、原因である金属を取り除きプラスチックやセラミックのメタルフリーの材料を使用した被せ物に変えなければ口内炎の症状は治りません。ただ注意しなければならないのは金属アレルギーをもつ患者さんのなかには、被せ物の材料だけでなく接着剤に含まれる微量な金属成分にも反応を示す患者さんもいるため、治療を行う際には完全に金属を取り除く必要があります。
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口内炎に効くオススメの薬について
病院で処方される口内炎の薬は「ステロイド配合」のものになります。市販でもステロイド配合の薬は購入できますので、どちらでも入手しやすいものを使用すると良いかと思います。また、市販のものはタブレット状であったり、長く部位に付着出来るように貼り薬になっているものもあるので口内炎のできた箇所に合わせた使用しやすい薬の選択をするようにしましょう。
1、ケナログA
一番歯科医院でも使用される軟膏になります。炎症を抑えることができるので、塗布すると痛みが和らぎます。ただ、唾液で流れやすいため、口内炎のできた場所によっては使いづらいです。 また、ケナログはステロイド剤の薬でできているため「ウイルス性口内炎」や「カンジタ性口内炎」には効果が得られないので、どのような種類の口内炎かをチエックしてから使用してください。(市販されているもののなかにはステロイド剤の含まれない軟膏剤もあります)
2、イソジン
口の中全体を殺菌・消毒することができます。うがいをするだけでなく直接口内炎に塗布することでその効果が強く発揮できます。ただし、塗布する際かなりしみます。うがいをして使用する場合は、少し濃いめに使用すると良いです。ただ、イソジンの色が歯に着色してしまうのでホワイトニングを受けている人は使用を気をつけてください。
3、ビタミン剤
口内炎の予防や治療にはビタミンB2、B6が効果的です。口内炎が出来る時は、体調不良や身体の疲れ、偏った食事によりビタミン不足になっていることが多いです。積極的に体内環境をビタミン剤等のサプリメントから補っていくと口内炎の治療につながります。市販薬の飲み薬ですと、エーザイの「チョコラBBプラス(ビタミンB群配合)」、第一三共ヘルスケアの「トラフル錠(抗炎症成分トラネキサム酸、ビタミンB2、B6、C配合)」が有名です。
薬の効果的な塗り方や手順について
1、口内を清潔にする
歯磨きをしてお口の中を清潔にします。あればイソジン等の洗口剤でお口の中をゆすいでください
2、患部を乾燥させる
口内炎の部分を乾燥させます。薬を塗る部分に水分があるとお薬が止まりにくくなります。逆に薬を塗る対面部分が乾燥しているとお薬が張り付いて剥がれ落ちる原因になりますので、乾燥させる部分は口内炎周辺のみにしましょう。
3、薬を塗布する
清潔な綿棒、もしくは指をつかって軟膏を口内炎を覆うように塗布します。量はきちんと口内炎全体を薄く覆える程度にします。もしも剥がれやすい舌の側面や舌の下部分にできた口内炎の場合は、軟膏を小さく切ったガーゼに塗りつけて絆創膏のように貼り付けると薬が流れにくくなります。また、市販されているもののなかには貼り薬のタイプもありますので、塗りやすい形状の薬を使用するようにしてください。
子供や、授乳中にも口内炎の薬は大丈夫?
口内炎のお薬は使用すれば痛みも緩和されますし早く治すことができます。お子さんは大人よりもステロイドを吸収しやすいため、ステロイド配合のケナログの使用は少し気がひけるかとおもいますが、お薬に記載されてある使用方法を守れば使用しても問題ありません。(ケナログに配合されるステロイドの強さは5段階の下から2番目の強さになります)
子供の場合、口内環境を整えることが最重要
ただ、お子さんの口内炎が出来る原因の多くは食生活の偏りやお口の中を上手く清掃できていないことが多いので食生活の見直し(ビタミンB2、B6、鉄、亜鉛を意識的にとる)、歯磨きの仕上げ磨きをすることで口内炎ができにくい口内環境を作ることができます。
オススメの治療法
洗口剤を使用したうがいや軟膏をお口の中に塗るのが難しいくらい小さなお子さんの場合、スプレータイプのお薬を使用すると良いでしょう。市販薬の「タンペイ製薬 コウナキッズ」は患部に直接噴射して使用するタイプでぶどう味をしているので、お子さんも嫌がらずにお薬を使用することができます。
舌にできた口内炎にも薬は有効?
舌にできた口内炎に対しても薬は有効です。
ただ、舌は常に動いている為、お薬が流れやすい部分になります。お勧めは貼り薬タイプのものか、小さなガーゼに軟膏を塗って貼り付けて使用するのがお勧めです。それでも取れてきてしまう場合は、うがい薬で洗口して口内炎の周りの殺菌消毒をして治しましょう。
口内炎の薬について まとめ
最後に、口内炎の薬について重要な点をおさらいしておきましょう。
<オススメの薬>
- ケナログA
- イソジン
- ビタミン剤
<塗布の手順>
- 口内を清潔にする
- 患部を乾燥させる
- 薬を塗布する
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