風邪をひきやすいあなた、歯は健康ですか?
はじめまして。呼吸器内科に勤務する看護師の中村です。アナタは1年で、何回風邪をひきますか?あるいは、今までに肺炎と診断されたことはありませんか?私の勤務する病院に、今日もまたお馴染みの風邪ひきさんが見えました。口臭も気になるし、歯周病ケアを勧めてみようかなと思っています。今日は、その方に説明した「歯周病と呼吸器の病気」について、ご紹介します。
■風邪も歯周病も感染症です
風邪と歯周病、一見関係が無いように思いませんか?実は、どちらも免疫力が低下して、細菌やウイルスなどの外敵に負けて発症した感染症です。
身体の中の神経やホルモン、免疫細胞などがバランスをとって、免疫力を保っています。それが、ストレスや不規則な生活、喫煙、気温、栄養などによってバランスが崩れると免疫は低下します。
肺で歯周病菌が見つかった!
最近の研究で、歯周病菌が呼吸器の病気の原因となることがわかりました。肺炎や咽頭炎、気管支炎、肺気腫など、急性の病気だけでなく、慢性閉塞性肺疾患(COPD)という慢性の病気も発症する危険性が上がると言う報告もあります。
■肺炎やインフルエンザ予防にも口腔ケア
「お年寄りの歯を綺麗にしましょう」
高齢者は、噛む力や飲み込むタイミングなど、いろいろな機能が低下してきます。食事中に高齢の方が、食べ物でむせるのを見たことがありませんか?
唾液や食べ物が、間違って気管から気管支、肺へ入るときに、歯周病菌も一緒に入り、肺炎になることがあります。
高齢者に口腔ケアを行うと、肺炎など呼吸器の病気が、43~74%減少したと報告されています。
歯周病ケアでインフルエンザ予防
のどの粘膜には、ウイルスを受け取る場所がありますが、普段は唾液の成分によってふさがれています。歯周病菌があると、歯周病菌が作り出す酵素(プロテアーゼ)が、ウイルスの表面の形を変えるため、細胞内に入れるようになります。インフルエンザを予防するには、歯周病ケアも重要です。
歯をしっかりと磨き、歯周病ケアを行うことで風邪とインフルエンザの予防になる!
■おわりに
歯周病菌は、神出鬼没。体中、いたるところで影響を及ぼし、様々な病気にかかる原因となります。風邪をひくと、すぐ咳が出ると言う方は、一度、歯科検診を受けてみませんか?