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ラバーダムって何?根幹治療にラバーダムが有効な4つの理由。

2016年02月12日 12時36分
ラバーダムは英語で「rubber dam」と書きます。rubberは「ゴム」、damは「せき止めるもの」。すなわち「ゴムでできた、せき止めるもの」ということなのですが、一体どのようなものなのでしょうか?

ラバーダムって何?根幹治療にラバーダムが有効な4つの理由。

ラバーダムっていったい何??

ラバーダムは歯科治療の際に使われる、治療する歯へ唾液がかからないようせき止めするゴムシートのことをいいます。また、唾液以外にも根管治療(根の治療)の際に、薬液が口の中の粘膜に付着したり、根の中を清掃する針状の器具が口の中に落ちたりすることを防いで、治療を安全に進めていくのにも役立ちます。

ラバーダムの見た目は具体的にどのようなものかというと、それ自体は薄いゴムの膜で、治療を行う歯だけその膜から露出させるマスクのようなものです。と、これだけ聞くと「なんだか苦しそう・・」と思ってしまいますが、鼻は覆っていませんし、口の方も横は開いていますので、ちゃんと息をすることができます。

どうしてラバーダムを使用するの??

根管治療の成功率はラバーダムをするかしないかで大きく差があることも分かっています。

  • ラバーダムを使用した場合の治療成功率は90%
  • ラバーダムを使用しなかった場合の治療成功率は50%以下

という結果が出ています。

唾液をせき止めるため

ラバーダムはすべての治療に対して行われるわけではなく、治療内容に応じて使用されます。主な目的は「唾液の侵入を防ぐ」ということです。唾液には様々な雑菌が含まれています。根の治療を行っているときに唾液が内部に侵入するということは、つまり歯根内部が汚染されているということを意味します。また、歯に詰め物をする際に、唾液が接着を阻害するのを防ぐのにも役立ちます。

薬品や針、歯の破片の混入えお防ぐため

他にも歯を削った破片が口の中に入って飲み込んでしまうのを防いだり、根管治療時に使用される薬品や針のような形をした器具が誤って口の中に落ちるのを防ぐ役割もあります。

根管治療にはラバーダムがあった方がいい!

根管治療は根の中の感染をいかに防ぐか、というのが一番大事な成功の秘訣なので、ラバーダムによって感染を起こす原因となる唾液の侵入を防ぐことが必要不可欠です。また、根管治療においては、根の中を消毒する強い薬品、また、根の中の細い部分を清掃する針の様な様々な器具を使います。そのような危険なものが口の中に落ちるのを防ぐためにも、根管治療の際にはラバーダムを使うのがベストなのです。

ラバーダムを使用する歯医者さん、しない歯医者さんの違いは何?

このように特に根管治療の成功には不可欠と思われるラバーダムですが、実際にラバーダムを使って治療が行われるのは少数派です。実際皆さんはラバーダムをつけて治療を受けたことがあるでしょうか?おそらくつけたことのない人の方が多いのではないかと思います。それではなぜ治療の成功率を上げるラバーダムがあまり使用されていないのでしょうか?それには次のような理由が挙げられます。

ラバーダムの保険点数がない

平成20年以前はラバーダムにも10点という保険点数が与えられていました。しかし現在ではラバーダムの点数は廃止され、「無料」でやらなくてはならなったことが原因の一つとして考えられます。しかしそもそも以前の10点という点数も、金額に換算すると歯科医院に入ってくるのはわずか100円であり、装着などにかかる時間などを考えても赤字で、あまり行われることはありませんでした。それが0円になったことにより、それにますます拍車がかかったと考えられます。

ラバーダムを使っていない医院が大多数である

ラバーダムを使う歯科医院はあまりないため、「みんなやってないし」ということでやらない歯科医院が多いと考えられます。

患者さんが嫌がる

ラバーダムはそれを留める金具のせいで歯茎に痛みを感じることがあり、また、ゴムが口の上を覆うために患者さんによっては息苦しく感じる場合があって嫌がられることもあります。患者さんの十分な理解が得られないと、「あの歯医者では痛いことをされる」と思われがちなので、このような面倒なことを避けたい、ということが考えられます。

ラバーダム防湿法って何?

ラバーダム防湿法とは、ラバーダムというゴムの膜を使うことにより、治療する歯に唾液が入って汚染されることを防ぐための方法です。根の治療=根管治療では、根の中の細菌感染を防ぐことが非常に大事です。そのため唾液が入るのをできるだけ阻止することが根の治療の成功に繋がります。ラバーダム防湿法の手順は以下のように進められます。

1.クランプ(金具)選び

歯の大きさにあったクランプ(金具)を選び、歯の形に合わせて調整します。その際、歯が虫歯で大きく壊れてしまっている場合には、そのままでは金具がつけられないため、歯の高さを増すために隔壁を作ります。

根の治療を行う歯においては、虫歯で大きく崩壊している場合が多く、この隔壁作りをしなければラバーダムを装着することができません。しかし、この隔壁作りは場合によっては数十分かかり、しかもその作業は無料で行わなければなりません。これは大きな赤字を生み出すこととなります。

2.排唾管、根管治療の電極の装着

口の中に排唾管(唾液を吸い出す装置)、根の治療を行う際の電極を唇に取り付けます。

3.ラバーダムの装着

ラバーダムのゴム膜にパンチで穴を開け、フレームに取り付け、治療する歯を露出させて口に装着します。

ラバーダムクランプって何?種類があるの?

ラバーダムクランプはラバーダムのゴムの膜から治療する歯を露出させる際に、歯に取り付けてゴム膜を固定するための金具です。クランプは歯の種類によって、前歯用、上の奥歯用、下の奥歯用、いろいろな歯に使えるタイプのもの・・と様々な種類がありますが、歯の形によってはなかなかぴったりなものが見つからず、クランプを削って調整しなければならない場合もあります。つまりこのクランプ調整、という作業だけで結構な時間がかかる場合があります。

ラバーダムが苦しいのですが、合う・合わないがある?

ラバーダムは鼻まで覆わないため、鼻呼吸が可能です。また、口も全て覆っているわけではありませんので、鼻が詰まっていたとしても、口呼吸は可能です。唾液も口の中に装着する排唾管というもので常時吸い出されます。ただ、口の上にゴムの膜がある、ということで心理的に苦しく感じてしまう人もいるかもしれません。もしもどうしても苦しくて辛い場合には担当歯科医師に相談してみましょう。

まとめ ラバーダムで知っておくべきこと。

ラバーダムは、

  1. 唾液の侵入を阻止する感染防止
  2. 器具や薬品が口の中に落ちてしまうのを防ぐ
  3. 削った歯や金属などの破片が口の中に刺さるのを防ぐ
  4. 詰め物をする際などにおいて吐く息の湿気によって接着が阻害されるのを防ぐ

というような目的でも効果的です。そのため、ラバーダムは虫歯治療や根の治療において有効な場面が多いと考えられます。

<ラバーダムは保険外治療>

ラバーダムは手間がかかる割には保険診療では診療報酬がゼロであるため、保険治療を行っている歯科医院で行われることは少ないのが現状です。それに対して自費専門の歯科医院ではラバーダムからすべて自費となるため、使われることが多いです。しかし高額です。

今後、ラバーダムを使う医院を増やすためには、患者さん側もラバーダムの利点を知り、歯科医院側にラバーダムを要求していくことが大事なのではないでしょうか。そうしなければ歯科界全体でラバーダム普及率というのは増えていかないでしょう。患者さんのニーズが高まれば自ずとラバーダムを使う歯科医院も増えてくるかもしれません。

 

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