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歯と神経について、私たちは何も知らない。神経を治療するとはどういうことなのか。

2015年12月07日 17時52分
歯の神経を抜く。私達日本人はこのことを軽く考えてしまっています。歯の神経を抜くことを抜髄と呼び、これは歯の死刑宣告だということを知らなければ行けません。

歯と神経について、私たちは何も知らない。神経を治療するとはどういうことなのか。

歯と神経について

歯の中には神経があるという事は一般的に知られています。しかし神経がどこにあって何をしているかについてはご存じでない方も少なくはありません。また神経を抜く事とう事も一般的ですが、具体的に何をしているかは分からないという方も少なくはありません。ここでは神経とは何か、そして神経を抜くという事は何をするのかについて記載します。

歯の神経はどうなっているのか?

ご存知の方も多いと思いますが、歯の中にはいわゆる神経というものがあります。これは一般的には神経と呼ばれますが、正確には「歯髄(しずい)」と言います。歯髄の中には確かに神経が含まれますが、歯髄は神経だけでできている訳ではありません。具体的には神経に合わせて、小さい血管などが含まれます。

この歯髄がどこにあるかというと、歯の中、具体的には歯の中心に入っています。歯は口の中を鏡などで見ると見えますが、このように見える部分は歯の一部でしかありません。この見えている部分は「歯冠(しかん)」と呼ばれます。見えない部分がどのようになっているかというと、大根や人参のような形で歯肉やその中の骨に埋まっていて、根っこのように歯を支えています。この根っこにあたる部分を「歯根(しこん)」と呼びます。歯髄はこの歯根の中心を通っている管の中に入っていて、歯冠の中の歯髄までつながっています。歯冠の中の歯髄は歯冠の中の核のように、歯冠の中心に入っています。

このように歯冠と歯根の中、つまり中心のスペースに歯髄は入っています。しかしながら歯髄の形は歯によって異なっています。どのように異なるかというと、それぞれの歯で歯根の本数は違うため、歯髄が入っている管の本数が異なります。つまり歯髄の形は歯によって歯根の数が違うため、形が変わるという事です。具体的には前歯から犬歯までの歯根は1本であるため、歯髄は円錐のような形になります。小臼歯は歯根が1本から2本であるため、アイスクリームが1個入っているような形やアイスクリームを横に2個引っ付けたような形をしています。奥の大きい歯は歯根が2本から3本あるため、タコのような形をしています。つまり小臼歯より奥の歯の歯髄は、頭でっかちで足が数本生えているような形をしています。

歯の神経の役割

歯は虫歯のように細菌に攻撃される事や、間違った歯磨きなどで歯がすり減っていく事で、歯の中にある神経が刺激を感じる事があります。これは歯がダメージを受けたことを歯髄の中の神経が感じているという事です。この時、歯髄の中にいる免疫の働きをする細胞が歯を守ろうとします。その働きによって、例えば歯髄が入っている部分と歯の硬い部分の間の壁にあたる部分に、歯髄は硬い部分を作ります。具体的には歯髄は刺激を受けている弱った壁に、硬い部分をペタペタと付け足していく事で歯髄を守るという働きを促進させる可能性があると言われています。

また歯に限らず、人間の身体の中では痛みという感覚は、身体に何か不具合があることのサインです。これは歯についても同じです。例えば歯が歯髄でしか痛みを感じない場合、虫歯が歯髄に届くまで気付かないと思います。歯髄に虫歯が届いて細菌が住み着いていった場合、歯髄を取り除く治療、いわゆる神経を抜く治療を行わなければなりません。しかし歯髄の中の神経は、歯の硬い部分の内、歯髄に近い部分の一部に入り込んでいます。このため歯髄にダメージを受ける前、つまり歯に大きいダメージを受ける前に、歯に何かが起こっている事に気付くことができます。歯髄の役割の中には、こういった危険を感じて知らせるセンサーのような役割もあります。

歯の神経を抜く手順

残念なことに歯髄に細菌が住み着き、炎症を引き起こしている場合などにはいわゆる神経を抜く治療、正確には「抜髄(ばつずい)」を行わなければなりません。抜髄とは歯髄を全て取り除く治療です。ここでは抜髄の手順や、術中や術後の痛みについて、虫歯を原因とする場合を例として解説させて頂きます

抜髄の手順ですが、まず術中の痛みがないように麻酔を掛けます。ここでは表面麻酔をしてから注射の麻酔を行うため、痛みはほとんどないか、軽くチクリと痛む程度です。ここから本格的な内容に入っていきます。まず虫歯に侵されているような細菌が住み着いている部分を全て取り除きます。方法としては、皆様がイメージすると思われるドリルのような器具で削っていきます。ここでは音や出てくる水が不愉快かもしれませんが、痛みについてはない事がほとんどです。

すべて悪い部分を取り除いた後は、歯髄を取り除くために、歯髄が入っている部分に器具が入る状態にすることを目的に、歯を削っていきます。

歯髄が入っている部分に器具が入るようになったら、まず歯冠の中の歯髄をスプーン状の器具で取り除きます。そして全て取り除いた後、歯根の歯髄を取り除く手順に移ります。歯根の歯髄は針金のような器具で取り除きます。歯根の中の歯髄が入っていた管へとその器具を入れて、歯根の中の歯髄を取り除いていきます。

歯髄を全て取り除いた後は、歯髄が入っていた部分全体を消毒液で繰り返し洗い、細菌のいない清潔な状態にします。その後、歯髄が入っている部分に薬を詰めて、仮の蓋をします。1週間程度空けて痛みなどの症状がない場合は、きれいに抜髄が終わった、つまり歯髄を全て取り終えたと判断して、次の治療へと進んでいきます。

歯の神経を抜くことのデメリット

抜髄をすることで、入院までつながる可能性がある炎症を最小限に収めることができます。言い換えると身体全体にダメージを受ける前に、歯髄という小さい範囲の治療を行う事でそれを食い止めることができるという事です。しかしながら多くの治療にデメリットがあるように、抜髄を行って神経を抜いた場合にもデメリットはあります。ここでは抜髄によるデメリットについて記載させて頂きます。

神経を抜くことでいくつかのデメリットが現れます。まずは神経を抜いた歯は長持ちしないというイメージを持っている方も少なくないと思いますが、確かに歯の丈夫さは損なわれます。抜髄をしても10年間でほぼ90%の歯が口の中でかむ働きをしていると言われていますが、歯自体は脆くなります。つまり歯が欠ける事や割れてしまう事が起こる可能性が高くなるという事です。

また、歯の一部を残して抜髄を行った場合、歯は黄色く変色していきます。この場合、抜髄をした歯だけ色が違う事になるため、見た目の問題が起こります。気にされる方にはホワイトニングなどで対応することになりますが、費用も発生するため1つのデメリットとして数えられます。なお、歯の一部を残すことは悪い事ではなく、クラウン(金属やセラミックなどを使用した被せ物)で治療する前に少しでも歯を削らずに治療を行った結果ですので、この現象はその一方で生じた問題として解釈できます。

歯の神経を抜かなくてはいけない場合はどのような時か?

できる限り歯科医師は歯の神経を残そうと努力します。それは上に記載したような問題が起こることを防ぐためです。しかしながら以下に記載するような場合には、抜髄を余儀なくされる事になります。

抜髄を行う理由として最も多いものが、治る見込みがない「歯髄炎(しずいえん)」、つまり歯髄の炎症が起こっている場合です。虫歯で歯がズキズキすることはありますが、その痛みは例えば冷たいものなどを口に入れた時だけ起こります。しかし歯髄炎では、何もしなくてもズキズキとした痛みやドクドクと脈打つような痛みが起こります。このような症状が現れる歯髄炎が治る見込みがないと判断された時、抜髄が行われます。

このように歯の中には神経が入っていて、そこに虫歯などでダメージを受けると、大掛かりな治療につながります。何か違和感がある場合は早急に歯科医院を受診して、できる限り身体を自然な状態に保つことで、口の中の健康を維持してほしいと思います。

 

虫歯と神経の関係性を徹底解剖!アナタの疑問にお応えします。 

「歯の神経を抜く」アナタはこの言葉をきっと軽視している。抜髄(神経を抜く)は歯の死刑宣告。 

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