銀歯がしみる原因と対処法について
治療直後の銀歯が滲みる原因と対処法
原因
元々歯の表面は「エナメル質」という神経の通ってない、硬い鎧で守られています。健康な歯はエナメル質があるので、冷たいものや温かいものを食べても普段はしみたり痛みが出るということはありません。しかし、虫歯が進んで歯が溶けてくると、エナメル質の内側にある「象牙質」という部分が露出してきます。この象牙質には神経につながる管がある為、刺激があると”しみ”たり、痛みを感じます。虫歯の治療は、溶けてしまった象牙質の部分を削り型を取って銀歯を着けるのです。ただし、銀歯は金属でとても熱の伝わりが良い為、神経の近くまで削っているところは特に熱の刺激が伝わってしまい”しみ”として感じてしまいます。
熱が金属を通して神経に伝わるから、”しみ”として認識する。
対処法
治療後、1~2週間も経てば神経が順応して少しずつ銀歯まで距離をとるようになりしみにくくなります。それまではなるべく極端に冷たいものや、熱いものを摂ることは避けるようにしましょう。
昔治療した銀歯がしみる原因と対処法
昔治療した歯がしみてくる原因は、”しみ”の種類によって違ってきます。冷たいもの、暖かいもの、甘いものを摂った時にしみることが多いです。三つに分けて説明します。どの症状も放っておいて良くなるどころか進行して悪くなってしまう為、症状が出たら早めに歯医者を受診しましょう。
冷たいものがしみる時
冷たいものがしみる時に考えられる原因は、
軽度の虫歯がある時です。
銀歯と歯の隙間に汚れがたまるとそこから虫歯になっていき、象牙質まで達すると冷たいものが刺激となりしみます。また、銀歯が取れて嵌まっているだけの状態や部分的に欠けてしまった時も、冷たいものが隙間から入るとしみることがあります。
暖かいものがしみる時
暖かいもので歯がしみる原因は、
その歯の神経に炎症が起きている時に起こります。
銀歯の下で虫歯が進み重篤になっていくと歯の神経に虫歯の菌が感染し、炎症を起こします。そのまま我慢していると、感染によって神経が死んでしまって痛みが一時的になくなることもあります。しかし、その後化膿して歯の根元の周りまで感染が広まり、最悪抜かなければいけなくなることもあるので早めに受診しましょう。
甘いものがしみる時
甘いのもがしみる時に考えられる原因は、
軽度の虫歯です。
冷たいものがしみる時と同様に軽度の虫歯があり象牙質が露出していると、浸透圧の関係であまいものでしみることがあります。
その他、銀歯のしみる原因と対処法
神経をとった歯なのにしみる場合
神経の治療をしたばかりでこの症状が出た場合は、もしかしたら一部神経がまだ残っているかもしれません。次の受診の時に、どのような時にどのくらい痛みが出たかを歯科医に伝えましょう。反対に神経の治療をして大分経ってからしみが出てきたときは、噛み合わせのバランスが悪くなって強く当たっていたり、根元に炎症があってそのように感じることもあるようです。または前後の歯や、反対の噛み合わせになっている歯がしみている時もそのように感じることがあるようなので、どちらも治療が必要になります。
銀歯ではなく、セラミックならしみる原因が抑えられる?
銀歯は熱の伝わりが良い為はじめは刺激が伝わってしみ易い状態にあります。それに対しセラミックは、金属ほど熱の伝わりは良くないので少しはしみにくいかもしれません。また、セラミックを接着するセメントも金属とは異なり、レジン系のもので着けるのでしみは少し抑えられます。しかし1~2週間経つとどちらを入れてもしみは落ち着いてくるので、しみに関しては多少の違いしかないといえるかもしれません。
銀歯がしみる場合の原因と対象法 まとめ
<原因>
- 治療直後の銀歯:金属を通して熱が伝わり、神経が”しみ”として認識する。
- 以前に治療した銀歯:軽度の虫歯、炎症の可能性。
<対処法>
- 治療直後の銀歯:1~2週間様子を見る。冷たいもの、熱いものはなるべく避ける。
- 以前に治療した銀歯:歯科医院を受診しましょう。
銀歯にしみが出てしまったら、迷わず歯医者を受診しましょう。しみの種類によって虫歯の大きさ・治療の内容は異なりますが、放っておくとドンドン悪くなってしまう可能性が高いからです。歯は一度削ってしまうともうその部分は戻ってきません。歯を治療で削ることが出来る量は限られています。少しでも早く虫歯に気付き治療をして、少しでも少なく削ることが出来れば、その歯の寿命も長くなるのではないでしょうか。
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