口が臭い!口臭について総まとめ
日本人は口臭がキツイことで世界的にも知られているようです。口臭はたかが口の臭いですが、対人関係にまで悪影響を及ぼす厄介なものですよね。いくらきれいな格好をしていても口臭がきつくてはもう全てが台無しといってもいいほどです。そしてこの口臭の厄介なところは、「他人の口臭は敏感に感じ取るけれども、自分の口臭は非常にわかりにくい」ということです。「歯磨きしてるから大丈夫」じゃないんです!人生で損をしないために、今回はこの口臭について皆さんに理解を深めてもらいましょう。
口が臭い気がします。口が臭い人の特徴を教えて!
臭いというのは慣れで感じなくなるものです。そのため自分の口臭はわかりづらいことが多いです。でも、実際は全く臭っていないのに「自分には口臭がある」と真剣に悩んでいる人もいます。これを自臭症と呼びますが、これも困ったものです。口が臭い人にはある程度、共通の特徴があります。それを幾つか挙げてみましょう。
1.歯石が溜まっている
歯石が溜まっている人はたいてい強い口臭を発しているものです。
2.あまり歯を磨いていない
当然といえば当然のことですが、特に歯磨きをしなくても虫歯にならない人などは、あまりまめに歯磨きをする習慣がないことがあります。確かに虫歯にはならないかもしれませんが、臭ってます。
3.タバコやコーヒーが好き
タバコに含まれるニコチンやタールが臭いの元となります。また、タバコを吸うと口の中が乾燥しがちで口臭が強くなります。また、コーヒーは舌の表面に豆の微粒子が残りやすく、とくにミルクや砂糖を入れるとそれらの分解された臭気が混ざって独特の口臭を放つようになります。タバコとコーヒーがどちらも好きな人!もしかしたらすごく臭ってるかもしれません。
4.繊維質をあまりとらない
繊維質のものは歯の表面の汚れを取り除いてくれます。したがって繊維質の多い野菜をたくさん食べる人は歯垢が溜まりにくい傾向があります。また、繊維質のものはよく噛まなければ食べられません。よく噛むことで唾液が分泌され、口の中の洗浄をしてくれます。
5.フロスを使っていない
きちんと歯磨きをしていても臭う原因として、フロスを使っていない、ということも考えられます。歯ブラシだけでは歯間の汚れは落ちませんので、そこに溜まった腐敗臭が臭いを発する元になります。
6.埋まっている親知らずがある
歯茎に半分埋もれている親知らずがある場合、その歯茎と親知らずの間に深い溝が存在します。そこに細菌が溜まることで口臭を発する元になります。
7.口呼吸をしている
鼻が詰まっている、などで口呼吸をしている場合、口が乾燥気味になります。唾液が少ないために細菌が溜まりがちで臭いを放つのと、舌が低位舌の状態となり、上あごに触れないために舌苔が溜まって臭いを発します。
8.ストレスがたまっている
ストレスの多い生活をしている人は、自律神経が乱れ、唾液の分泌が減りがちです(ドライマウス)。口の渇きは口臭を強くします。
9.扁桃腺が弱かったりアレルギーがある
扁桃腺が肥大していたり炎症を起こしやすかったり、また鼻が詰まって口呼吸の場合、扁桃腺の部分に膿栓というカスが溜まりやすく、そこから強い口臭を発することがよくあります。
10.詰め物や被せ物がたくさん入っている
詰め物や被せ物のフチには細菌が溜まりやすいものです。ましてやその詰め物、被せ物が合っていない場合は大量の細菌が繁殖して臭いを放ちます。
口臭の原因には二種類ある?
口臭がない人はいません。だれでも多かれ少なかれ口臭はあるものです。その口臭は
- だれにでも起こりうる生理的口臭
- 何か病的なものが原因となっている病的口臭
に大別されます。
生理口臭で考えられる原因と、対処法
生理的口臭は特に病的な原因がないのに出る口臭のことで、唾液が減少することによって起こります。唾液が減ると口の中の細菌が増殖しやすい環境になり、特に舌の上の舌苔がニオイ物質を放ちます。例えば次のような場合に生理的口臭が出やすくなります。
1.朝起きた時にする口臭
眠っている間は唾液の量が減少します。長時間唾液の分泌が抑制されるため、お口の中の細菌が大幅に増加します。
2.空腹時に起こる口臭
食事をすると唾液が分泌されます。逆に空腹時には唾液の分泌は抑えられます。この理由から、食事制限のダイエットをしている人は口臭が強くなりがちです。
3.緊張、ストレスによって起こる口臭
緊張している時、ストレスが溜まっている状態では自律神経の働きにより唾液の分泌が抑えられます。
4.生理や妊娠時の口臭
生理前や妊娠中には女性ホルモンが増えることにより唾液の分泌が減り、口臭が強くなりがちです。
共通の対処法
- 唾液を出す
唾液の減少が主な原因となっているため、ガムを噛む、飴を舐める、何か食べる、よく噛んで食べるなどで解消できます。
- 口を潤す
手っ取り早いのはうがいをしたり、水かお茶を飲むことです。お口の細菌が洗い流されるため、即効性があります。
- 舌苔を取る
舌に分厚く舌苔が付いている人は、舌ブラシなどで舌苔を取り除くと口臭解消に効果的です。白くうっすら付いてるくらいの場合は、それ自体はニオイの原因にはなりませんので、取る必要はありません。
病理口臭で考えられる原因と、対処法
病的口臭は何か病的な原因があって起こる口臭で、口の中が原因の病的口臭は口臭全体の80%以上を占めると言われています。次のようなものが原因となっています。
1.歯周病による口臭
ひどい口臭の原因のほとんどが歯周病といってもいいでしょう。「腐った卵のニオイ」「どぶのニオイ」とよく表現されるような臭いです。歯周病によってできる歯周ポケットに溜まる細菌が悪臭を発します。
<対処法>
日々の歯磨きはもちろん必要ですが、歯周ポケットがある程度深い場合、自分で汚れを取りきることは不可能です。そのため、歯科医院で歯周病治療を受け、定期的に歯のクリーニングを行う必要があります。
2.虫歯による口臭
穴が空いている虫歯がある場合、そこに溜まる食べカスが腐敗、また細菌が繁殖して悪臭を放つようになります。
<対処法>
できるだけ早く虫歯の治療を受けましょう。
3.親知らずによる口臭
親知らずはなかなか歯ブラシが届きにくいところです。ましてや半分歯茎に埋まっている親知らずは、細菌のたまり場になっています。
<対処法>
歯科医に親知らずの状態を見てもらい、残しても大丈夫な状態であれば、歯ブラシをしっかり当てて磨くようにしましょう。もしも抜いたほうが良い状態なのであれば早めに抜くのが良いでしょう。
4.口の中以外の病気による口臭
蓄膿症や全身疾患が原因で口臭が出ることがあります。
<対処法>
他の自覚症状も現れてくることが多いので、健康診断で異常が見つかったり、体の異変を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。
口臭が酷い場合に疑うべき病気はありますか?
時々口臭がある、というのは生理的口臭である可能性が高いです。でも、いつもひどい臭いがする、という場合にはやはり何か健康上問題がある可能性が高いと考えられます。
進行した歯周病(歯槽膿漏)
歯槽膿漏は歯周病が進行した状態のかつての呼び名です。歯周ポケットが深くなると常にひどい臭いを発するようになります。
ひどい虫歯
特に神経が死んで、歯根部分まで感染して膿んでいる虫歯は悪臭を放ちます。
蓄膿症(副鼻腔炎)
蓄膿症は副鼻腔に膿をためる病気で、悪臭のもとになります。
扁桃腺の異常
扁桃腺が肥大していたり、膿栓が詰まっていると、よく大便のような臭いを発します。
口呼吸
口呼吸が習慣になっていると、口の乾燥、また扁桃腺にも炎症を起こしたりすることで強い口臭を発するようになります。
その他、考えられる病気
以上の病気以外にも、呼吸器の病気では「肉が腐った臭い」、胃や腸の病気では「卵が腐った臭い」、糖尿病では「甘酸っぱい臭い」、腎臓病では「おしっこの臭い」、肝臓病では「動物くさい臭い」がすると言われています。
子供の口が臭いのは大人と同じ原因?
ときどき、子供で虫歯や歯茎に何の異常もないのに口臭がキツイ場合があります。そのような時に考えられる原因はたいてい、鼻炎やアレルギーで鼻が詰まって口呼吸になっていたり、または扁桃腺からきていることが多いようです。実際に風邪をひいて扁桃腺がはれたりすると臭いがきつくなることが多いです。
口が臭い場合、どんな病院に行けばいい?そこでは何をする?治る?
まずは歯科医院を受診
口臭で悩んでいる人は、まずは歯科医院で相談してみましょう。まずは虫歯や歯周病が疑われますので、問題があれば治療をしてもらいます。それでも解決しないようであれば、口臭外来と呼ばれる、口臭を専門にした診療科がありますのでそこでみてもらうと良いでしょう。
どんなことをする?
口臭外来では、
- 口臭の悩みについての相談
- 口の中のあらゆる検査や専用機器をつかっての口臭測定
- 唾液検査
- 尿検査
などを行います。その結果をもとに原因をつきとめ、生活習慣の指導、食事指導、口腔ケアの指導などのアドバイスが行われます。2か月ほどで完治を目指す、というのが一般的です。
口臭は病気ではない
なお、口臭は病気とは認定されておらず、保険診療は適用されませんので自費となります。
近年では、一般歯科でも口臭治療の大切さを重要視しているところが増えており、口臭治療に力を入れている歯科医院も増えてきています。インターネットなどで調べてみるといい歯科医院が見つかるかもしれません。
口が臭いとき まとめ
最後に口が臭いときに考えられる原因と対策、口臭について重要な点をおさらいしておきましょう。
口臭には二種類ある
- 生理口臭
- 病理口臭
生理口臭で考えられる原因と対処法
- 朝起きたとき:眠っている間に唾液の量が減少しているから
- 空腹時:空腹時は唾液が減少してしまうから
- 緊張、ストレスによるもの:自律神経の働きにより唾液が減少するから
- 生理や妊娠時:女性ホルモンの分泌により唾液が減少するから
唾液を分泌、口の中を潤すことで解決!
病理口臭で考えられる原因と、対処法
- 歯周病による口臭→日々の歯磨きや、定期的なクリーニング
- 虫歯による口臭→できるだけ早急に虫歯の治療を受ける
- 口の中以外にある病気による口臭→早めに医療機関を受診
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