歯の神経ってなあに?
こんにちは、どくらぼ編集部です!みなさんは虫歯が歯の神経にどのような影響を与えるかご存知ですか?この記事では、歯の神経に関するさまざまな疑問にお応えいたします!
歯の神経の役割ってなに?
《温度を感じ取ることができる》
歯の神経があることで冷たいものや温かいものを感じ取る事ができます。
《歯を丈夫に保ってくれる》
歯の神経が通っている根管には神経以外に血液も流れています。この流れがあることで、歯に栄養が運ばれ、歯が割れるのを防いでくれます。神経を抜く処置を行うと、歯はもろく、割れやすくなってしまいます。
《虫歯になった事がわかる》
神経がない状態だと虫歯になったことも気づかず、気づいたときには大きな虫歯になっていることもあります。神経があり、冷温痛を感じる事で小さな虫歯のうちに気づく事ができ、早期段階で治療を受ける事ができます。
《虫歯が進行しないように防御してくれる》
虫歯がそれ以上進行しないように歯の一部を固くしたり、歯の根管部分を閉塞させたりします。
《違和感を教えてくれる》
過度に歯に力が加わっていると歯が割れたり、ヒビが入ってしまう原因となります。それらを防ぐために違和感や歯がしみるなどの症状で歯の変化や歯に過度な力が加わっていることを知らせてくれます。
虫歯で神経を抜くと言われた時に歯はどんな状況になっている?
虫歯は5段階に分けることができます。
- C0…歯の表面が白く濁っている(白濁)状態で、穴は開いていない
- C1…虫歯が歯の表面のエナメル質に到達している状態で、小さな穴があいている
- C2…虫歯がエナメル質から中の象牙質にまで到達している状態。冷たいものがしみる症状がある。
- C3…虫歯が象牙質を超えて歯の神経にまで及んでいる状態。何もしなくてもズキズキ痛みがある。
- C4…歯がほとんどのこっていない状態。
このうち、神経を抜く段階の虫歯はC3の状態で、神経にまで虫歯菌が進行している状態です。C2の段階でも治療を行って、神経近くまで歯を削る必要があり、治療後痛みが出てしまった場合は神経を抜く処置を行うこともあります。
歯の神経を抜かなくてはいけない症状はどんなもの?
《歯に激痛がある場合》
何もしていなくても歯に痛みがあるのは、歯の神経まで虫歯が進行している状態です。この場合は神経を抜く処置を行えば痛みは無くなります。
《歯茎から膿が出ている》
歯茎の表面にフィステルという膿が出てくる穴があいている場合や歯と歯茎の隙間から膿が出ていたり嫌なにおいがするのは、歯根の先端に膿が溜まっている状態です。そのままにしていても症状は改善されず、膿が顎の骨を溶かしていきますので神経を抜く処置をして歯の管の中をきれいにする必要があります。
《温かいものがしみる》
冷たいものがしみる場合は知覚過敏であったり、浅い場所の虫歯の可能性がありますが、温かいものがしみる場合は歯の神経に炎症が起きている可能性があります。この場合も神経を抜く処置が必要です。
《噛んだ時に激痛がある》
噛んだときに痛みが生じる場合、歯の神経に炎症が起きている歯髄炎を起こしている可能性があります。虫歯が進行したことで起こる場合もありますが、虫歯の治療をおこなった後に痛みが生じることもあります。この場合、治療で歯を切削した際、その刺激が神経にまで及んでしまい炎症を起こした可能性があります。 また、歯が強く当たっている場合、虫歯でなくとも噛み合わせが原因で歯の神経に炎症が生じてしまうこともあります。
歯の神経を抜くときの手順はどんな手順?
①麻酔をかける
通常の虫歯の治療の時に使用するものと同じ麻酔です。歯の痛みがある状態ですと麻酔がなかなか効かないことがあります。
②ラバーダムをかける
「歯のマスク」のようなゴム状のものを患歯にかけていきます。神経を抜く処置を行う時に唾液が入ってしまうと、根管内に細菌感染を引き起きし治療の予後が悪くなってしまうため、治療する歯だけを表面に出して処置を行います。
③歯を削る
歯冠を切削し、歯の神経を露髄させます。
④リーマー、ファイル等を使用して歯の神経を抜く
ギザギザのついた小さな針金のような器具を使用して神経を抜く処置を行います。
⑤根管(歯の神経の入っていた場所)の大きさを拡大していく
根管長測定器という「ピッピッ」という電子音のする機械を使用して根の先端までの位置を把握します。
⑥根管を洗浄する
過酸化水素水と次亜塩素酸ナトリウムの2液による交互洗浄使用して根管内の殺菌・消毒を行います。
⑦最後に薬剤を詰める
ガッタパーチャポイントというゴムのような材料にお薬をつけて根管の中に詰めて神経を抜く治療は終わりになります。
歯の神経を抜く処置は大体4〜5回程度回数を重ねる必要があります。治療途中は歯の表面に穴が開いたままの状態のため、仮封として粘土のようなものを詰めておきます。この材料はとても取れやすいため、粘着性のある食事は避けて摂る必要があります。根管内に感染がおこさないように治療を行いますので、大体1週間に1度通院が必要になってきます。
歯の神経を抜かないほうがいいということを聞いたことがありますが、どういうこと?
歯の神経をぬいてしまうと歯が脆くなってしまうため、神経は残したままの方が歯の寿命が長くなります。また、神経をぬいてしまうと歯の色も変色して黒ずんできてしまうので見た目にも問題が生じてしまいます。
ただ、虫歯が神経にまで及んでしまうと、神経を抜いて根管の中をきれいに洗浄しなければ、症状が改善しませんし、放っておいたら、歯根の先端に膿が溜まって顎の骨を溶かしてしまうのでそのままにしておくのはおすすめできません。
歯の神経を抜いたら、痛みの症状もなくなりますが、その後歯がまた虫歯になっても痛みを全く感じなくなるため、虫歯に気づかなくなることがあります。その場合は、作った被せ物を壊して再度神経の治療がしなければならない場合もあります。
虫歯の神経を抜かずに済む方法はある?
激痛が生じている場合は歯の神経を抜く処置しか治療方はありませんが、痛みがあまり強くない場合は神経を残しながら治療を行う方法があります。
「ドックベストセメント治療」といい、歯を削らず虫歯になっている箇所にお薬を詰めて終わりになります。この治療方法は通院回数も2〜3回程度と少なくて済みますし、自分の歯を削る必要もないため麻酔をかける必要もありません。また、このお薬は虫歯菌を殺菌してくれる作用があり、半永久的に虫歯の殺菌成分を出し続けてくれるため、その場所の虫歯の再発も防いでくれます。
ただ、虫歯を削らずに行う処置になりますので、歯の変色はそのままの状態になってしまうため、目立つ位置の歯には適切ではありません。また、一度使用すれば必ずしも完治するとは限らず、長いスパンでの経過観察が必要となってきます。加えて、この治療は自費診療であるため、歯科医院によって価格に大きな違いがあります。
虫歯と歯の神経の関係 まとめ
最後に、神経の役割と神経を抜かなければいけない場合についておさらいしましょう。
神経の役割
- 温度を感じ取る
- 歯を丈夫に保つ
- 虫歯になった事がわかる
- 虫歯の進行を防ぐ
- 違和感を教えてくれる
神経を抜かなければいけない場合
- 歯に激痛がある
- 歯茎から膿が出ている
- 温かいものがしみる
- 噛んだ時に激痛がある
いかがでしたか。我々が運営しております”どくらぼ”には、他にも皆様の大切な歯に関する情報が盛りだくさんです!是非他の記事にも目を通していただき、正しい知識を身に付けていただくきっかけになれば幸いです。今後とも”どくらぼ”を宜しくお願い申し上げます。
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