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口腔乾燥症って何?唾液減少の弊害と、原因から導く4つの治療法

2015年09月29日 10時15分
口腔乾燥症(ドライマウス)は病気ではなく、自覚症状です。しかし放っておくと様々な弊害も生じます。いったいどんな症状が起こるのでしょうか?そんな口腔乾燥症の原因と対策、治療法を詳しく解説いたします!

口腔乾燥症って何?唾液減少の弊害と、原因から導く4つの治療法

口腔乾燥症(ドライマウス)について

口腔乾燥症では、口の中が乾いたり、ネバネバするといった症状が出る場合があります。また気づきにくい症状として飲み込みにくさを感じることもあります。

口腔乾燥症(ドライマウス)とはどのような病気か

口腔乾燥症とは口の中が乾いている状態や唾液によって口の中が保湿できていない状態になる病気のことを言います。また口腔乾燥症には、

  1. シェーグレン症候群という病気によるもの
  2. それ以外のもの

の2つに大きく分類することができます。シェーグレン症候群という病気による口腔乾燥症は、身体の中の異物を退治する成分が唾液を作る部分を攻撃して、唾液が作れなくなることで起こります。しかし口腔乾燥症の9割がシェーグレン症候群ではない2つ目のタイプですので、本記事では身近と言えるシェーグレン症候群でない口腔乾燥症をテーマとさせて頂きます。

口腔乾燥症(ドライマウス)の症状は人によって様々

口腔乾燥症の症状は様々です。人によっては口の中全体が乾くと言う患者様もいれば、口が渇くだけでなくネバネバするという患者様もいます。この口の中がネバネバする感覚から発展して話しにくいと感じる場合もあります。また舌の痛みや味が分かりにくいと感じる患者様もいます。そして飲み込みにくいという症状がでる場合もあります。口腔乾燥症を原因として口臭がでることもあります。このような症状がある場合は口腔乾燥症が関わっている可能性を疑っても良いと思います。

口腔乾燥症(ドライマウス)の原因

シェーグレン症候群でない口腔乾燥症の原因は大きく分けて

  1. 身体全体に関わることが原因となっている場合で、
  2. 口に問題が原因の場合、
  3. 心理的な問題や社会的な問題が原因の場合

の3つの可能性が考えられます。またこれらが合わさって口腔乾燥症が引き起こされる場合があります。

1、身体全体に関わることが原因になっている場合の原因

  • 高血圧症や糖尿病

口腔乾燥症と関わりの強い病気である高血圧症や糖尿病などをわずらっている場合です。これらの他にも全身の病気は口腔乾燥症の原因として歯科医師は疑います。なぜなら全身の病気は薬を使うことが多いのですが、400種類以上の薬が唾液を作る能力を下げると考えられているからです。また、例えばうつなどの心療内科や精神科で治療を受けている場合も同じように注意が必要です。抗うつ薬を始めとする心療内科や精神科で使う薬には特に口腔乾燥症を引き起こすものが多いためです。

2、口やその周りの問題で、口やその周りがただしく働いていない場合の原因

  • 正しくものを噛めず、口周りの筋力が落ちている

かむ習慣が口腔乾燥症の原因となる可能性もあります。この代表例として、入れ歯が原因の場合を記載します。入れ歯が合っていないとうまくかめません。その場合は正しいかむ習慣が身につけられません。このような正しくかむ習慣が身につけられない場合のように口やその周りが正しく働いていない場合は、口腔乾燥症になる危険性が高まります。つまり口やその周りの働きが正常でないと、口周りの筋力が弱まり口腔乾燥症になりやすいということです。

3、心理的な問題や社会的な問題の原因

  • ストレス

日常的なストレスや突然引き起こされたストレスは口腔乾燥症の危険性を高めます。これらの他にも様々な事柄が口腔乾燥症になる危険性を高めます。

口腔乾燥症(ドライマウス)の改善方法

先述の原因を参考に、口の中の唾液を増やして、なるべく乾燥させないことが対策だといえます。具体的には、

  • 食事はよく噛んで唾液を分泌させる
  • 酒、煙草を控える
  • 口呼吸をやめる

ことが挙げられます。

口腔乾燥症(ドライマウス)の治療

口腔乾燥症の治療の基本となるのは原因を取り除くことですが、原因が多様であるため、治療にも時間が必要です。また薬が原因の口腔乾燥症を例にすると、医師は安定している薬を変えることに危険性を伴うと考えることもあると思います。そのバランスをとりながら治療を進めていくこともあるため、大きい病院を受診することなど大掛かりな治療になることも視野に入れてほしいと思います。

口やその周りの問題を取り除く場合の治療

  • 舌や顔の運動を整える
  • かみ合わせの矯正を行う

かむことを始めとし様々な口腔乾燥症になる危険性を高める原因を取り除いていくことが、口やその周りに問題があるために起こった口腔乾燥症の治療となります。口や周囲の働きに問題がある場合は、それを正しい状態にするための治療を行っていきます。例えば舌や顔の運動に問題がある場合は体操でそれらの場所の運動する能力を高めます。これで運動する能力が落ちているという口腔乾燥症になる危険性を高める原因を取り除きます。そして場合によってはかむ能力を高めるためにかみ合わせの治療を行うことや、きちんとかめるように入れ歯や歯の被せ物などの治療を行うことで、かむ習慣が原因で起こった口腔乾燥症を治療する準備をします。そして食生活の指導も含めてかみ方の指導を行うことで、かむ習慣が悪いという口腔乾燥症の原因を取り除きます。このように原因を取り除いていきます。

口の周囲に問題がある場合の治療

  • 唾液を作る部分のマッサージを行う

唾液を作る部分が耳の前あたりにあるのですが、作った唾液を押し出す力がない場合があります。そういった場合には唾液を作る部分のマッサージなどを行い、唾液を押し出すことができないという原因を取り除きます。このようにしてかむ習慣という原因を始めとした口やその周りの働きを取り戻すことが、それらに問題がある場合の治療となります。

身体全体に関わる治療法

  • 薬を変更する

持病やその薬による口腔乾燥症の治療について解説します。このような場合の治療は医師との連携が必要となります。まず一般的には医師によって処方されている薬、例えば血圧を下げる薬などが原因と疑われる場合は薬を変えることや量を見直すよう依頼します。そこで薬を変えた前後で口腔乾燥症の程度が変化したかを歯科医師が評価します。このように医師と連携した治療を継続して口腔乾燥症を改善させていきます。場合によっては口腔乾燥症から身体全体の病気を疑って医師への診察を患者様にすすめ、そこで何かの病気が見つかった場合は医師と連携してその病気の治療と口腔乾燥症の治療を並行して進めていきます。またストレスが原因の場合は、カウンセリングから始まり心療内科や精神科への通院も視野に入れて良いと思います。

口腔乾燥症(ドライマウス)の治療に使う薬や漢方

口腔乾燥症の治療には薬を使うこともあります。漢方を使って体質という原因を改善させるような場合です。また症状をやわらげるために漢方で唾液が出やすくなる効果を期待することもあります。同じく症状をやわらげる目的でうがい薬なども使います。まずは最初にご自身でケアしやすいと思われる、うがい薬などからご紹介させて頂きます。

うがい薬について

驚かれる方も多いとは思いますが、一般的に歯科医院で出されるうがい薬の中には口の渇きをさらに悪くする種類のものがあります。特にエタノール(アルコール)が含まれているうがい薬は口の中の水分をうばいます。そのためうがい薬を出してもらうときには、エタノールが入っていないかどうかと、口腔乾燥症に悪影響を及ぼさないかを確認するべきだと思います。同様に市販のうがい薬もエタノールが入っていないものを選ぶべきです。またラウリル硫酸ナトリウムが入っているものも、唾液の膜を壊すため避けるべきです。歯磨き粉にもよく入っている成分ですので注意が必要だと思います。

エタノール、ラウリル硫酸ナトリウムが含まれているものには注意!

漢方について

そして漢方についてですが、まず症状をやわらげるものからご紹介させて頂きます。

  • 「白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)」
  • 「慈陰降火湯(じいんこうかとう)」

が口腔乾燥症に対して代表的な漢方です。白虎加人参湯はどちらかと言えば薬による口腔乾燥症へ、慈陰降火湯は身体全体まで含めた乾きやすい傾向がある患者様に使われます。また体質改善を目的とした漢方薬は、患者様の状態によって細かく個人ごとに使うべき薬が分かれています。例えば冷えを感じる人を例にすると、身体のどこが冷えるのか、腰痛がないか、そして冷房がつらいという症状なのかといった個人ごとの状態から薬を選んでいきます。冷えだけでなく食欲不振など、選ぶ基準は多岐にわたるため、歯科医院でどれが合っていると思われるかを相談することをおすすめします。

ドライマウスによって起こる弊害

では、唾液が減ることでどのような弊害が起こるのでしょうか。

虫歯、歯周病になりやすい

本来唾液によって機能している菌や石灰化(虫歯)への抵抗力が少なくなってしまうために、虫歯や歯周病になりやすくなってしまうといわれています。

口内炎ができやすい

ドライマウスになってしまうと、歯茎や頬の粘膜が保護されず、食べ物や歯が直接触れてしまうため、外傷性の口内炎になりやすく、また治りにくくなってしまいます。

口臭がきつくなる

口臭の原因の8割は、舌の表面に溜まった舌苔(ぜったい)という汚れです。これは死んだ細菌や頬の粘膜、食べかすなどから構成されています。唾液が分泌されないことでこの舌苔が洗い流されず、口臭が増してしまう原因になります。

関連リンク:

口臭の8割は舌苔が原因!舌苔の原因・治療から取り方まで完全網羅

口腔乾燥症(ドライマウス)の口腔ケアについて

口腔乾燥症に対して口腔ケアを行う場合、ヒアルロン酸を含んだ保湿剤を使います。スプレータイプと塗り薬の二種類が考えられます。

スプレータイプ

個人的にはスプレータイプが使用しやすいためおすすめです。スプレーを口の中で5~6回ふきかけたあとに舌を動かして保湿剤をなじませます。1日あたりの使用回数は3~6回です。回数に幅がありますが、これは口腔乾燥症の程度によって異なるためです。回数は歯科医師に指示してもらうことが望ましいと思います。保湿スプレーは食後1~2時間たった後に行うと効果的です。

塗り薬

また塗り薬による保湿剤もあります。その中には口の中のばい菌が増えることを阻止する製品もありますが、注意が必要です。塗り薬による製品の一部は放置するとカサカサに乾いてしまい、ばい菌がそこで増えているのではないかと疑われる場合があります。塗り直すたびにスワブ(棒のついたスポンジで口の中を掃除する器具)で掃除する必要があるためです。

きちんとスワブで掃除しながら口腔ケアを行ってください!

口腔乾燥症(ドライマウス)について まとめ

ここで口腔感染症についておさらいしておきましょう。

<症状>

  • 口が乾いたり、ネバネバし、ものが飲み込みにくくなる

<原因>

  • 全身の別の病気
  • かむ習慣が正しくない
  • 心理的な原因(ストレス)

<対策>

  • 食事はよく噛んで唾液を分泌させる
  • 口呼吸をやめる
  • 酒、煙草を控える

<治療>

  • 舌や顔の運動を整える
  • かみ合わせの矯正を行う
  • 唾液を作るためのマッサージを行う
  • 服用している薬を変更する

<弊害>

  • 虫歯、歯周病になりやすい
  • 外傷性の口内炎になりやすい
  • 口臭がきつくなる

<ケア>

  • ヒアルロン酸を含んだ保湿剤を使用する

いかがでしたか。我々が運営しております”どくらぼ”には、他にも皆様の大切な歯に関する情報が盛りだくさんです!是非他の記事にも目を通していただき、正しい知識を身に付けてくだされば幸いです。今後とも”どくらぼ”を宜しくお願い申し上げます。最後までご覧頂きましてありがとうございました。

 

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