現在日本には10万人近くの歯科医師が存在し、その数の多さはアメリカにつぎ、世界で2番目となっています。しかし、今やこの歯科医師の多さが国家的な大問題になっています。歯科医師が増加し続けることで市場は崩壊。窮地に立たされた歯科医がヤンキー化し、私達の財布を奪い、寿命を縮めようとします。
【社会にあふれるヤンキー歯科医が私達の暮らしを脅かす】
ヤンキー歯科医の増加は国の責任??
1960年代、高度経済成長期の波が虫歯を急激に増加させた
1960年代といえば、日本は高度経済成長期。経済の発展に伴い日本人の食生活に変化が訪れます。1960年代初頭には現在もヒットし続けている「菓子類」が続々デビューします。1961年明治の「マーブルチョコ」と森永製菓の「エンゼルパイ」が発売開始。翌62年には、明治の「アーモンドチョコレート」が発売。瞬く間に大ヒット商品として定着していきました。この1960年~70年代に子どもの虫歯が非常に多くなり「虫歯の洪水」と揶揄され社会問題になっていました。
【虫歯の増加と日本人の食生活の変化は密接にリンクしている。】(es)
当時の厚生省の政策立案では「人口10万人に対し歯科医師数は50人」を目標にしていました。その結果、 1980年(昭和55年)には歯学部が29校まで増加。入学定員数650名が3,360名に急増しました。こうした歯科医師増加政策で、1984年(昭和59年)には人口10万人に対する歯科医師数は52.2人となり、ようやく目標値をクリアしたわけです。
【1984年に目標は達成されていた】(厚生労働省)
目標は達成したにも関わらず、乱れ飛ぶ国家資格
人口10万人に50人の歯科医師…。これが、当時の厚生省が立案した歯科医師数の目標値でした。そして、その適正人数は1984年で既に達成されていました。しかし、理念なく増やされた歯科医師はその後もどんどん増え続けます。当時の厚生省は2025年には9000人~18000人の歯科医師が職にあぶれるという見解を出すものの、具体的な手立てを施さず歯科医師国家試験合格者をどんどん世の中に輩出していきました。(現在は見直されているものの、2003年歯科医師国家試験合格率は91.4%。受験したものがほとんど国家資格を得るという年もありました。)定年がなく、どんどん新たな人材が加入してくる歯科業界は崩壊の一途をたどるのです。
【経営不振に困窮する企業の様にリストラを行うわけにはいかない歯科業界】
乱造された国家資格により、歯科医がヤンキー化する
国家試験を手に入れた歯科医師を食わせるためには、カネが必要となります。そして、カネを生み出すには“市場”が存在しなければなりません。歯科医療市場の目安となるのは歯科医療費です。歯科医師が右肩上がりで増えていくならば、この歯科医療費も右肩上がりで増え続けなければ市場が崩壊してしまいます。しかし、この歯科医療費市場はここ数年どころではなく1980年代からほとんど変化がありません。
【歯科医療費は数十年間横這いを続けている】(みんなの歯科ネットワーク)
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歯科医療市場は大きくならないにも関わらず、歯科医師はどんどん増え続ける。そうなると、自然と淘汰が起こってきます。淘汰に敗れたものは経営的危機を迎え、閉院の憂き目にあいます。淘汰がおこれば、自然と世の中が良い歯医者さんになるからいいじゃないか。と思われるかもしれませんが、そうならないのが歯科という業界です。経営努力を行い、本当に良い歯医者さんが生き残ればいいものの、他者を蹴落としてでも自らが生き残るために手段を選ばないヤンキーと化した歯科医が現れてきます。
ヤンキー歯科医は技術を持っているわけではないので、まずは自らを過剰装飾します。あたかも専門的なスキルを持っているかのごとく振る舞い、他者を痛烈に批判します。また法律スレスレの広告を打ち出し消費者をその気にさせます。抜かなくても良い歯を「利益のために」インプラントにし、歯並びを悪くする歯列矯正を行い、健康な歯を大幅に削り高額なセラミックを薦めてきます。費用のかかる滅菌には興味がなく医療機器を使い回し、患者の血液が付着したタービン(歯を削る機器)をアナタの口にねじ込みます。
【ヤンキー歯科医はアナタがHIVに感染しても関係ない。讀賣新聞平成26年5月18日】(画像参照元)
特に一本数十万円~数百万円するインプラント患者はヤンキー歯科医にとってよいカモです。誇大された広告に釣られやってきた患者にインプラントの経験を偽証することで安心感を与え、患者の懐を狙います。しかし、その未熟な経験と技術は時には命をも奪います。
【インプラントのトラブルは未だになくなりません】(専門家プロファイル)
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インプラントには適正な相場というものが存在します。まずは相場感覚を知り、インプラントについての情報を得た上で歯科医とお話をすることが大切です。
見た目ではわからないヤンキー歯科医
ヤンキー歯科医の最も厄介な点は、見た目ではわからない点にあります。彼らは白衣を着て通常の良い歯科医の様に振る舞います。しかし、実態は患者のことをカネの成る木と判断し、アナタの健康なんてどうでも良いと考えています。患者の不安心を巧みに煽り、お金のかかる人件費をカットし、アルバイトの歯科助手に患者の治療を行わせます。
ただ、悲しいことに現状の医療制度だと、努力をせず患者からボッタクるヤンキー歯科医も土日を惜しんで勉強、技術習得に励んでいる歯科医も同じと扱われ、治療点数は変わらないのです。
【達人が治療してもヤンキー歯科医が治療しても報酬は同じ】(Tax credits)
自分たちの健康は自分たちで守らなければ行けない時代になっている
どんなに悪徳なヤンキー歯科医でも選ぶのは患者である私達です。歯科の知識を自分自身で調べれば情報はいくらでもでてくる時代です。ヤンキー歯科医は見た目では判断することが出来ませんが適切な知識があれば必ず見破ることができます。
虫歯から国民を守ろうと考えた結果が、歯科医師の過剰という結論になってしまいました。当時の政府の判断は間違っていないかも知れませんが、健康な歯を抜かれてインプラントにされようが一生治らない歯列矯正を受けようが全て自分自身の責任になる時代です。自分の一生を左右する健康を広告や値段まかせに選んではいけません。しっかりと自分自身で正しい知識を身に付けヤンキー歯科医からカツアゲされることなく、良い歯科医を選ぶ力がいま求められています。
適切な歯医者さんを探すことで、自分たちの身を守らなくてはいけない。
今回、このようなヤンキー歯科医という書き方をしましたが、世の中には「良い歯医者さん」がたくさんいます。ボッタクってやろう、患者のことなんて関係ないという歯科医は10%もいないかもしれません。本当に良い歯医者さんは患者さんのための思って心から治療にあたっています。
しかし、中には良くない歯医者さんが存在するというのは残念ながら事実です。そうした良くない歯医者さんを蔓延させてしまっているのは、私達患者側に問題があります。歯科の知識がなく、広告に釣られ、尋ねた歯科医院で言われた金額をわけもわからず払ってしまう私達がヤンキー歯科医を産んでいるのです。
だからこそ、そうした歯科医を見極めるために私達は歯科の知識=デンタルIQを高め、適切な歯科医を選ばなくてはいけません。少しだけ知識があれば確実によくない歯医者さんやヤンキー歯科医は見破ることができます。自分の健康をまもるのは自分だけです。まずは適切な歯医者さんの選び方や、いい歯医者さんの条件から知ることをオススメします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。