食いしばりは歯ぎしりのうちの一つで、グッと噛みしめて力をかける状態のことで、一般的には音のしないタイプの歯ぎしりとも言われています。音がしないため、自覚することがなかなか難しいですが、日本人の8割の人がやっているとも言われています。日中、仕事や何かに集中している時などに無意識に行っているもの、夜間、就寝時に起こっているものがあります。
そして、この「食いしばり」が実はカラダ全体に大きな悪影響を与えることがわかってきています。今回は食いしばりに関する情報をお届けいたします。
食いしばりが口の中を永遠に蝕む!?
食いしばりが口の中、またその周辺に及ぼす悪影響
- 歯がすり減る
- 歯にヒビが入る、欠ける、割れる
- 顎関節症を引き起こす
- 歯周病が進む
- 知覚過敏を引き起こす
- 唾液の分泌が減り、口臭の原因となる
食いしばりが体全体に与える悪影響は?
食いしばりは口だけではなく、体全体へもさまざまな影響を及ぼします。例をあげると
- 肩こり
- 頭痛
- 腰痛
- 耳鳴り
- 目の疲れ
などがあります。
では、この「食いしばり」どのようなことが原因で起こってしまうのでしょうか?
食いしばりの原因は?
食いしばりの原因やメカニズムはまだわかっていない部分も多く、はっきりとした原因を突き止めるのは非常に難しいと言われていますが、食いしばりを起こしやすくする原因として考えられるものには次のようなものが挙げられます。
1.ストレス
ストレスにも心因性と肉体性があり、心因性は人間関係や心配事、仕事上のさまざまなプレッシャーなどによって起こり、肉体性のものは過労や睡眠不足などによって起こります。
2.かみ合わせの悪さ
かみ合わせが悪いと、あごの筋肉の不調和から食いしばりをすることがあります。
3.小さい頃からの癖
TCHと呼ばれ、小さい頃からの癖としてやってしまっていることが多く、黙々と作業をしたり、物事に集中している時などに上と下の歯をくっつけて噛みしめる癖のことです。頬杖をつく癖があると常に顎を手で押して上下の歯を接触させますので、これもよくありません。
4.スポーツで力を必要とする、仕事で力を必要とする
重量上げやボクシングなど力を必要とするスポーツをしている人、重いものを運ぶ仕事に関わっている人は、力を入れるときに食いしばりをしてしまいます。
食いしばりは実は誰でも持っている癖です。こうした癖を早めに直しておかないと、気がついたらカラダの至る所にガタが来ることに・・・
では、そうした「食いしばり」はどのように対処すればいいのでしょうか?
自宅でできる食いしばり対処法
自宅で今すぐにでもできる食いしばり対処法は
1.歯を接触させない
食べている時以外は上下の歯を合わさないようにしましょう。1日の中で食事中に上下の歯が合わさる時間はトータルで15分程度と言われています。それ以外は接触させないように、もし噛みしめていることに気付いたらすぐにやめましょう。ただ、長年の癖になっていると止めるのも容易ではありませんので、「かみしめない」と貼り紙をあちこちにしておくのも効果的です。
2.頬杖をつかない
頬杖は強制的に上下の歯を接触させます。これもすぐにやめましょう。気がついたら頬杖をついてしまっている方、身近に多いはずです。
3.仰向けに寝る
横向きやうつぶせ寝は上下の顎の位置を固定してしまい、歯を接触させる原因となります。
4.リラックスする時間を作る
寝るときにストレスを持ち込まないよう、なるべく夜にリラックスする時間を持ちましょう。
こうした、少しの工夫で食いしばりを回避することが出来ます。では、自宅ではなく歯科医院ではどのようなことが出来るのでしょうか。
歯科医院でできる食いしばり対処法
1.かみ合わせの不調治す
詰め物やかぶせ物の高さの不調和があったりする場合にはかみ合わせの調整を、全体のかみ合わせを根本的に治すのであれば歯列矯正治療を受けるのが良いでしょう。
2.マウスピースを作る
スポーツで力が必要な場合、食いしばらなければ十分な力が発揮できませんので、スポーツ用のマウスピースを歯科医院で作ってもらうと良いでしょう。就寝時の食いしばりは自分でコントロールできませんのでマウスピースを装着し、歯を異常な力から守るようにしたほうがよいでしょう。
食いしばり 総まとめ
食いしばりが口の中に及ぼす悪影響
- 歯がすり減る
- 歯にヒビが入る、欠ける、割れる
- 顎関節症を引き起こす
- 歯周病が進む
- 知覚過敏を引き起こす
- 唾液の分泌が減り、口臭の原因となる
食いしばりが体全体に及ぼす悪影響
- 肩こり
- 頭痛
- 腰痛
- 耳鳴り
- 目の疲れ
食いしばりの原因
- ストレス
- かみ合わせの悪さ
- 小さい頃からの癖
- スポーツや仕事で必要
自宅でできる食いしばり対処法
- 歯を接触させない
- 頬杖をつかない
- 仰向けに寝る
- リラックスする時間を作る
歯科医院でできる食いしばり対処法
- かみ合わせを治す
- マウスピースの作製
食いしばりは近年ではオフィスワークがおおいOLの間で非常に問題になっていると言われています。パソコン・スマホと向き合いながら、気がついたら食いしばりをしていることが多いかもしれません。
最近体調が良くない、カラダがだるいなど全身の不調が思い当たる方、まずは食いしばりを疑ってみてください。